〔NEWS〕 「ニジェール偽造文書」 イタリア イラク開戦前に米側に警告 ブッシュ政権 もみけしに躍起
サダム・フセインの「WMD保有疑惑」の根拠のひとつとされ、結果的に「偽造」とわかった「ニジェール文書」問題で、イタリア国会は11月3日、非公開の公聴会を開き、関与が指摘されているイタリア軍情報部(SISMI)のポラーリ長官から事情を聴取した。
ローマ発のAP電によると、同長官はSISMIとして、偽造文書の流布にまったく関わりを持たないと、関与を否定した。
しかし、同長官はイラク戦争開戦前に2003年1月に、ニジェール文書が偽造であることを、米側に警告した、と語った。
(これが事実とすれば、ブッシュ政権は、米元外交官、ウイルソン氏のニジェール調査報告に加え、イタリア情報部から「ニジェール文書」がでっち上げであると正式の通報を受けながら、イラク侵攻に突き進んだことになる)
一方、ローマ発のニューヨーク・タイムズ特電(電子版、11月24日付け)によると、秘密公聴会でSISMIのポラーリ長官は、「偽造文書」を関係筋にばら撒いていたのは、SISMIの元スパイで情報屋をしている、ロッコ・マルチノという人物である、と証言した。
このマルチノ自身が偽造を手がけたかどうかは確認されていない。
マルチノの関与はかねてから指摘されていたものだが、SISMIによって公式に確認されたのは、今回が初めて。
(マルチノの偽造文書をばら撒いた背後関係については、大沼著『戦争の闇 情報の幻』(本の泉社)を参照願います)
こうしたなかで、ブッシュ政権側が問題のもみ消しを図ろうとしていたことが発覚、批判を浴びているいる。
上記のニューヨーク・タイムズ紙によれば、イタリアの左翼紙「ウニタ」は11月1日、FBI(米連邦捜査局)のミュラー長官から、SISMIのポラーリ長官あて、EBIとしてこの問題の捜査を終結する、との書簡が届いていることを明らかにした。
この書簡のコピーは、3日の秘密聴聞会の席で開示され、FBI側も送付の事実を認めた。
(イタリアでの真相追求が佳境に入りだしたときの突然の幕引き工作に、追い込まれたブッシュ政権の焦りさえ感じられる)
〔解説〕
米国は第二次大戦後、ヴィトー・ジェノヴェーゼといったマフィアの大物を使い、イタリア政治を操作してきたといわれる(ピーター・デール・スコット米カリフォルニア州立大学バークリー校名誉教授)。
今回の「ニジェール問題」にも、そうした「闇の勢力」が関与した疑いが強い。
国際諜報の闇の深さを思い知らされる。
詳しくは ⇒
http://abcnews.go.com/International/wireStory?id=1279158
http://www.msnbc.msn.com/id/9912352/
http://www.nytimes.com/2005/11/04/international/europe/04italy.html?pagewanted=print
Posted by 大沼安史 at 07:40 午後 | Permalink

















