〔NEWS イラクから ③〕 ウバイデ従軍記
英紙ガーディアンのシーン・スミス記者の米海兵隊従軍記が、同紙(電子版、11月23日付け)に載っていた。
米海兵隊がシリア国境に近い、ユーフラテス川沿いの一帯で続ける、「鉄のカーテン作戦」の同行ルポである。
フサイバやカラビアの町では抵抗らしき抵抗はなかったが、ウバイデ(Ubaydi)では反撃された。
海兵隊は戦車やヘリでウバイデに突入。イラク側は銃やロケット発射の手榴弾で応戦した。
「海兵2人は殺された。ひとりは建物に入ってやられた」
その建物(家)のなかにはバリケードを築いたグループがいて、海兵が来るのを待ち構え、射殺した。
スミス記者は海兵を殺したイラク人男性のうちのひとりの遺体が、通りに横たわっているのを見た。
ウバイデ郊外の農家で、海兵5人が殺された。2人の男を追って農家に突入したとき、爆発が起きた。
激しい戦闘が続くのをみて、ウバイデの人びとは避難をはじめた。女子どもは白旗をかかげて出て来た。硝煙と爆発をくぐり抜け、人々の列が現れ出た。どっちの方向から弾が飛んでくるか、知れないのに。その姿を見て、不気味な気がした……
イラク人の男はみな拘束された。手にスプレーをかけられる。爆薬を扱ったかどうか、たしかめるためだ……
スミス記者はこのあと、続けてこう書いた。
「家族は引き裂かれ、拡声器が命令を吠え立てる。拘束された者の何人かは戻ってきたが、ほかは帰ってこなかった」
スミス記者の従軍ルポのこの箇所を読んで、胸が痛んだ。
そして、エリ・ヴィーゼルの「夜(La Nuit)」に出てくる、ユダヤ人の家族がアウシュビッツの玄関口にあたるビルケナウで、「死の選別」に遭うくだりを思い出した。
家族は引き裂かれ、拡声器は吠え立てる……
アメリカの海兵(マリーン)たちは、現代のSS(ナチス)なのか?
胸は痛み、耳をふさぎたい気がした。
Posted by 大沼安史 at 09:41 午後 | Permalink

















