〔コラム 机の上の空〕 金閣寺の池のほとりで
ブッシュ大統領夫妻が小泉首相とともに、金閣寺の鏡湖池のほとりでくつろぐ写真(このコラム記事の末尾にリンクあり)を、ホワイトハウスのHPで見て、こちらも何故か、ほっとした気分になった。
11月16日。京都。晴れ。
池の面は金閣と秋天を映し、静寂の時間が流れる。
過密スケジュールのなかの、束の間の安らぎ。平和。
周到に準備された金閣寺ツアーのひとコマだったが、そこにはあの大阪空港での出迎えの、あざとい演出はなかった。
大統領専用機、「エアフォース・ワン」のタラップから降り立った大統領を待ち構えていたのは、千葉ロッテのバレンタイン監督と、ソフトバンクの王監督。
たぶん、在日米国大使館がワシントンの了解のもと、セットしたものだろうが、それにしても、ひねり過ぎだった。
台湾(王監督)、韓国(ロッテ)、米国、日本。
そこには、大陸、「中国」の顔だけが抜け落ちていた。
台湾に配慮しながら、中国に対して牽制球を投げたつもりなのだろうか?
アメリカはときどきこういうことをする。
昨年の秋だったか、ブッシュ大統領がEUの本拠、ブリュッセルを訪問したとき、演説のなかで、なぜかカミュを引用したことがある。人生を、長いマラソンにたとえたくだりで、小説からの引いたものだった。
その小説のタイトルが『転落』。
アメリカに協力しなければ、ヨーロッパは没落するよ、とでも言いたげな、ブッシュ大統領にはそぐわない、文学的(?)パフォーマンスだった。
京都の金閣寺ツアーには、そうした駆け引き、威嚇の入り込む余地がなかった。
北山の古刹。
紅葉と竹林。
「靖国」のウルトラナショナルとは異質な、日本の奥深い、仏教文化があった。
中国という主戦場へ向かう大統領にとって、京都滞在は時差調整のためのもので、小泉首相との日米首脳会談など、儀礼的なものでしかなかったはずだが、日本側が用意した「京都での一日」は、すくなくとも「金閣ツアー」に限り、ブッシュ大統領にとって、心休まるもてなしであり、うれしい気遣いであったろう。
やわらかな秋の日差しも、平和、あればこそ。
そういうごくあたりまえのことに、「9条」がある国の、古都の名刹の池のほとりで、ブッシュ大統領は気づいただろうか。
京都にB29の焼夷弾は一発も降り注がなかった。
アメリカはそろそろ、正気を取り戻すべきときである。
金閣寺でくつろぐブッシュ夫妻と小泉首相の写真は ⇒
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2005/11/images/20051116_d-0120-515h.html
Posted by 大沼安史 at 04:07 午後 3.コラム机の上の空 | Permalink
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» ブッシュ大統領、おいでやす京都へ トラックバック 為替マイナスからの日記
京都は警備であわただしいそうです。
(京都に住んでいますが、今台湾にいるんで聞いた話です。)
そら、アメリカ大統領が来れば警備も厳重でしょう。
明日、小泉総理大臣と会談です。
ニュースでは2人の友好関係をアピールするだけで終わるのでは
という感じのことを言ってました。
どんな話をするのでしょう。
「じゅんちゃん、今年はドル高でいくよ。ドルどんどん刷るからよろしくね。
ちゃんと買い続けてよ!」
なーんて事は�... 続きを読む
受信: 2005/11/16 17:20:53

















