« 2005年10月 | トップページ | 2005年12月 »

2005-11-30

〔NEWS〕 BBC会見で元パウエル国務長官補佐官が痛烈なブッシュ政権批判 「イラクWMD」問題「善意のミス」を疑問視

 米国のパウエル前国務長官の首席補佐官をつとめたローレンス・ウィルカーソン氏は11月29日、英国のBBC放送のインタビューに応え、イラク戦争開戦理由とされた、サダム・フセインの「WMD保有疑惑」について、以前は情報収集における善意の(honest)ミスと考えていたが、米情報機関がイラク戦争開戦前、抑え込まれていた疑惑が最近、明らかになったことで、その当初の考え方を疑問視するようになった、と述べた。

 ウィルカーソン氏はまた、テロ容疑者に対する非人道的な取り扱いと、イラクの戦後復興の躓きについて、チェイニー副大統領を名指しし、非難を受けるべきであるとの認識を示した。
 
 (大沼 注)
 本BLOG既報の通り、ウィルカーソン氏は、チェイニー大統領らブッシュ政権内のタカ派を「陰謀団」と呼んだ人物。

 そのウィルカーソン氏がこんどはBBCに登場し、批判のトーンを高めた。

 単独のプレーではないような気がする。
 ワシントンの権力機構内部で、ブッシュ政権、とりわけチェイニー副大統領一派に対する追い落としの動きが出ている、と見ていいかも知れない。

⇒ 
 

http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4480638.stm

Posted by 大沼安史 at 12:17 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 イラク 拉致外国人 アルジャジーラが放映

 衛星放送・アルジャジーラは11月29日夜、バグダッドで拉致された英国人、ノーマン・ケンバー氏ら、外国人4人のビデオ映像を放映した。

 英紙ガーディアン(電子版、11月29日付け)が報じた。

 「正義の剣・旅団」を名乗るグループによる映像で、ケンバー氏のパスポートについても撮影している。
 「正義の剣・旅団」の名が出たのは、今回が初めて。

 グループはケンバー氏が、キリスト教系平和団体の代表であることを隠れ蓑に、スパイ活動をしていたと、いかにも無理な主張している。

 これに対して、同紙はケンバー氏が、「核廃絶のためのキャンペーン(CND)」などで長年、平和運動に携わってきた人物であるとの、知人の証言を掲載した。

 一方、ドイツのテレビ局は同日夜、同じくバグダッドで拉致されたドイツ人女性、スザンヌ・オストホフさんのビデオ映像を放映した。

 ドイツはイラクに派兵していないが、拉致グループは、ドイツがイラク政府と交渉しているので、それをやめないかぎり殺害すると脅している。

(大沼 注)

 英国の平和運動家といい、ドイツ人の女性といい、なぜ拉致したのか、不可解である。

 あの「ザラクァイ」なるものが犯行声明を出していないのも、注目されるところだ。

 だれが、なんのために?

 例によって、陰謀めいた謎が、またひとつ、生まれた。 
 

http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1653589,00.html

Posted by 大沼安史 at 09:51 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-29

〔NEWS〕 「9・11」内部告発者 シベール・エドモンズさんの上告を棄却 米最高裁 

 米ワシントンのFBI翻訳センターで、傍受情報の翻訳にあたっていたシベール・エドモンズさんが、「9・11」テロ情報を同センターの同僚らが「誤訳」するなど、米国の安全を脅かす不法行為を行っていたと内部告発し、逆に解雇されたことについて、米当局を訴えていた裁判で、米最高裁は11月28日、エドモンズさんの上告を棄却する決定を下した。

 Yahoo!Newsに掲載されたロイター電によると、米最高裁は棄却にあたって、何の理由も示さなかった。

 これに対して、エドモンズさんは声明を発表し、「FBIに責任をとらせることに失敗した司法制度に失望している。しかし、わたしは連邦議会が徹底した調査を始めるよう、要求し続ける」と述べ、こんごとも闘いを続行する意志を表明した。

 エドモンズさんの内部告発内容については、「9・11調査委員会」での証言を含め、アシュクロフト司法長官(当時)が、公表すると米国の安全保障が損なわれるとして、「国家機密保持」の網をかけ、封印している。

 このため、エドモンズさん自身も、内部告発の核心的な事実については発言をしていないが、マスコミ取材などを通し、周辺的な事実は明らかになっている。

 「9・11」のテロ実行計画に関する決定的に重要な傍受情報が、外国情報機関と通じる翻訳官によって誤訳されたり、無意味な情報とされていたことなどが判明している。

 それはまるで「9・11」のテロを成功させるための工作のようだった。

 (大沼注:この内容は、ぜひ拙著の『戦争の闇 情報の幻』(本の泉社)を参照していただきたい)

 エドモンズさんはこの事実を、FBI内部の所定の手続きをとって内部告発、司法省にも調査を求めたが、逆に解雇されてしまったことから、裁判闘争を続けてきた。

 一、二審とも、アシュクロフト長官による「国家機密保持」の要請に応えて、エドモンズさんの訴えを退けていた。

 今回の最高裁の決定は、ブッシュ政権寄りの判事構成からみて、予測されていたが、権力ぐるみの真相封じというスキャンダラスな実態がますます浮き彫りになったかたちだ。
 
 (大沼 注)

 最高裁までもが「封印」しなければならない、シベール・エドモンズさんの告発の中身は何なのか?

 ブッシュ政権はなぜ、彼女の告発を、「国家機密」として封じ込まなければならなかったか?

 答えははっきりしている。

 ブッシュ政権内に、「9・11」のテロ成功を望んでいたグループが存在していたからである。より正確には、ブッシュ政権そのものが、同時多発テロの成功のため、考えられるかぎりの工作を繰り広げたからである。

 「9・11」当日のハイジャック訓練も含めた軍事演習などは、その端的な工作の実例である。

 エドモンズさんの告発の一部は、英国人ジャーナリストの調査報道によって明らかにされている。

 米政府の「猿轡」の及ばない、第3国の報道機関の深層取材に期待したい。
 
 

http://news.yahoo.com/s/nm/20051128/pl_nm/court_fbi_linguist_dc

Posted by 大沼安史 at 05:33 午後 | | トラックバック (0)

〔いんさいど世界〕 永遠の都は、ペットの天国、ローマが動物愛護条例

 ここで、いきなり、Question!!

  もういちど、たとえばこの世に、ペットとして生まれるならば、あなたは、どこに生まれて来るのが、ベストだとお思いですか?

 パリ? ニューヨーク、それともハワイ?

(ピンポーン! またブーッの後)答えは……ローマです。

イタリアの首都、ローマ。

永遠の都って、実はペットの都、ワンチャンやニャンチャンたちのパラダイスなんです。

米紙ロサンゼルス・タイムズの記事(デイリーヨミウリ、11月21日付け)の記事を読んでびっくりしちゃいました。

すべての道はローマに通ず。世界のワンチャン、ニャンチャンが理想の生活空間を求めて、一路、ローマに向かう、なんてこともありそうな(?)、ペット・パラダイスになっているんだそうです。

実はローマの市議会が、ものすごい「ペット愛護条例」を制定し、それが11月の9日から施行されているのです。

どれぐらいすごいかというと、たとえば金魚。

金魚なら日本でも金魚鉢で飼うもの。水草を入れ、えさをあげて、その可憐な姿を楽しむものですが、これがローマで禁止されてしまいました。

狭いところに閉じ込めておくのは、動物虐待、というか、金魚虐待だっていうんです。

金魚鉢に棲み続けていると、しまいには、目が見えなくなってしまう(ほんとうにそうなんでしょうか? レンズのようなガラスの鉢にずっといると、たしかに視覚がヘンになっちゃいそうな気もしますが……)。

だから、ダメ。飼うなら、最低でも、ちゃんとした水族館レベルの水槽で飼いなさい、ってことが決まった。

金魚すくいとか、お祭(カーニバル)のお土産で、プラスチックの袋に詰めたりすることも許されなくなった。

これって、そうとうなものですね。

ここまですごくありませんが、同じことはワンチャンたちにも言えます。

犬をペットにしている人たちは、条例で毎日、雨の日も槍の日も、なにがなんでも毎日、散歩に連れ出さなければならなくなった。違反すると、7万円近くの罰金だそうです。

それから、尻尾を短くしたり、爪を抜いたりする手術も禁止(これはチャンチャンも、規制の対象です)。

ニャンチャンについて言えば、野良猫の世話をしている「ネコ・レディー」(ネコ好きおばさん)たちも、これまでのフリーランスの立場から、きちんとした法的認知を受けた、(たぶん)「屋外生活ネコ支援レディー」に昇格しました。

市役所から、手当が出るようになったか、えさ代への補助は出ているのか、わかりませんが……

まぁ、もちろん、犬を毎日、散歩に連れ出すとかはまだわかりますが、しかしどうなのでしょう、金魚を金魚鉢で飼ってはならないなんて。

日本古来の「金魚文化」のようなものがローマにあったら、絶対、こんな条例、つくらないと思いますね。

小さな金魚鉢で何十年も生きたとか、こんなに大きなったなんて話は、日本ではザラですよね。

家のガラス鉢で金魚を育てるって、子どもたちの情操教育にもつながるはず、なのに。

ローマは一日にしてならず、といいますが、日本の金魚文化を「ペットの都」に輸出してあげたい気がします。

Posted by 大沼安史 at 12:35 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2005-11-28

〔イラクから ⑥〕 海兵、ジェフリー・ロジャース兵長 21歳、ウバイデに死す

 米中西部、オクラホマ州の地方紙、「ジ・オクラホマン」(電子版、11月19日付け)に、地元、ユーコン出身、21歳のマリーン(海兵)の戦死を悼む、小さな記事が載った。

 ジェフリー・ロジャース兵長(21歳)。

 11月16日、シリア国境に近い、イラク西部のまち、ウバイデ攻略戦で、他の3人の海兵とともに戦死した。

 母親のジャネットさんが、同紙の記事で、亡き愛息のことを語っていた。

 ジェフリー兵長は、2002年、地元の高校を出て、すぐ海兵隊に入った。
 同じ高校の5人の同学年生も一緒だった。

 前の年、2001年の「9・11」に衝撃を受け、海兵を志願した。
 「世界を安全にしなくちゃならない。みんなを守らなくては」

 母親は一生懸命、入隊を思いとどまるよう説得したけど、無駄だった。

 18日、同州ユーコンの自宅に星条旗と海兵隊の旗が半旗で掲げられた。

 祖母のビリーさんが、戦死した孫のことを、こう語った。

 「礼儀正しい子でしたよ。小さなことでも、みんなにとって大きな意味をもつことがある、って、いつも言ってた、いい子でしたよ」

 「9・11」で義憤にかられ、兵士を志願していった、高校を出たばかりのアメリカの若者たち……。

 その若い正義感は純粋で尊くもあるが、彼らを操って戦地に送り込んだ者どもの意識は、薄汚く、下劣きわまりない。

 壮大な謀略スペタクルでしかなかった「9・11」。

 ジェフリーさんのような若者の死を思うとき、その陰謀があばかれる日の一日も早く来ることを祈らざるを得ない。

  

http://newsok.com/article/1681738/

Posted by 大沼安史 at 08:41 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 イラクで平和運動家の英人ら4人、拉致

 英インディペンデント紙(電子版、11月28日付け)は、イラク現地で救援活動している英国人1人と、カナダ人2人、米国人1人の計4人が、26日に武装したグループに拉致された、と報じた。

 誘拐された英国人は、ノーマン・ケンバーさん。

 ケンバーさんは60年代から平和運動を続けてきた、元医学教育病院の教授。
 バクダッドでは複数の平和団体の現地代表を務めていた。

 カナダ人、米国人については、セキュリティーの観点から名前、所属機関などは公表されていない。
 
 (大沼 注)
 イラクからの撤兵論議が高まり始めたこの時期に、敢えて行った今回の拉致。
 謀略的な背景がなければ、と切に思う。
 無事の生還を祈る。


http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article329728.ece

Posted by 大沼安史 at 11:22 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-27

〔新シリーズ がんばれ シンディー!〕 「平和の母」、ブッシュ牧場に帰る 感謝祭の週末、現地でプロテスト

 「平和の母」こと、シンディー・シーハンさんが、感謝祭の週末、米テキサス州クロフォードのブッシュ大統領牧場隣接地にあるイラク反戦運動の「聖地」、「キャンプ・ケイシー」に戻って、同牧場で休暇を過ごすブッシュ大統領に対する抗議を続けた。

 AP電など現地からに報道によると、シンディーさんは感謝祭当日の11月24日に、サンフランスコからダラス経由で、近くのウェイコー空港に着き、クロフォード入りした。

 空港ロビーには40人近い支持者が出迎えた。

 そのころ、ブッシュ牧場近くに開設された「キャンプ・ケイシー」の大テントの下では、200人近い抗議の人びとが、七面鳥ではなく、イラク料理を食べ、家族的な絆を確かめ合った。

 シンディーさんは、イラクの人びとと連帯するその食事には間に合わなかった。

 カリフォルニアの自宅で私事が重なり、クロフォード入りが遅れた。

 シンディーさんはことし夏、26日間、ブッシュ牧場の前で、息子のケイシーさん(24歳で、イラクで戦死)の死を悼み、抗議行動を続け、一躍、時の人となった。

 愛息の名前を冠した抵抗の拠点、「キャンプ・ケイシー」入りはこれで2度目。

 シンディーさんは、「キャンプ・ケイシー再訪」の心境を綴り、「華氏911」のマイケル・ムーア監督のホームページに寄稿した。

 それによると、シンディーさんはサンフランシスコからの機内で、なんども涙ぐんだという。「まだ、よき思い出を回顧するような場所に辿り着けないでいる」。ウェイコー空港に着くまで、気分は沈みっぱなしだった。

 空港で旧知の仲間の出迎えを受け、シンディーさんは「不思議にアットホームな感じ」した。クロフォード市内の拠点、「平和の家」を経て、「キャンプ・ケーシー」に到着したとき、彼女は「我が家に帰ってきた」と、そう、たしかに感じた。

 ブッシュ大統領には胸襟をひらいて話せる相手が4人しかいない、との報道を引いて彼女は、こう書いた。

 「反対にキャンプ・ケイシーのわたしたちは、笑いと愛と希望と受容に包まれています。ここにいるだけで微笑みが浮かんでくるのです」

 そんな彼女のもとに、「アバズレ女を溝に放り込め」というメールが届いた。

 メールの送り手は、戦死した息子のケイシーを貶めていると、彼女を非難した。
 お前の息子は、お国のために死んだんだろう。
 それなのにお前は反戦運動をやっている。このアバズレ女が、死んでしまえ、という意味のメールだった。

 その非難にこたえ、シンディーさんはこう記した。

 息子はイラクに無垢の人びとを殺しにいったのではない。
 「彼(ケイシー)は、イラクに出発する前、人を殺せるとは思えないと、みんなに語っていた」と。

 シンディーさんは、クロフォード市内の「平和の家」につくられた、ケイシー記念ガーデンのオープニングに出席するなど、現地には27日の日曜日まで滞在した。

 ブッシュ牧場前にこんどは、復活祭のとき、帰る。
 

詳しくは ⇒

http://seattlepi.nwsource.com/national/1110AP_Crawford_War_Protest.html

http://www.michaelmoore.com/mustread/index.php?id=550

Posted by 大沼安史 at 01:51 午後 | | トラックバック (0)

2005-11-26

〔NEWS イラクから ⑤〕 イラクの感謝祭

 11月第4木曜日は、「感謝祭」の休日。アメリカ人にとって、最も大事な休みの日だ。

 英国から米東海岸にたどりついた清教徒たちが、実りの秋の恵みを祝って始めた感謝の一日。

 Thanksgiving。

 彼(女)らが感謝をささげたのは、窮地を救ってくれた先住民(インディアン)なのか、先住民を彼(女)らのコロニー(入植地)につかわした神なのか。

 キリスト暦、2005年の「感謝祭」は、11月24日。
 イラクで戦う14万人の米兵も、アメリカという国の生誕につながる、米国民の祝日を過ごした。

 でも、彼(女)らにとっての感謝祭は、祝日であっても休日ではなかった。
 戦争しに、メソポタミアまで来ているのだから。

 ニューヨーク・タイムズ紙によれば、この日、バグダッドの中心部で、またも悲劇は起きた。

 病院の近くでイラクの子どもたちにオモチャを配っていた米兵のグループに、爆薬を積んだ車が突っ込んだ。少なくとも31人が死亡した。大半がイラク人、それも婦女子だった。

 VOA(アメリカの声)の電子版に、「ユシフィヤ前進基地」のルポが出ていた。

 ユシフィアは、流血の激戦地、「死の三角形」のなかにある、スンニ派イラク人、2万人の町。米軍の前進基地は、鉄条網で囲まれ、砦のように孤立している。

 「感謝祭」のこの日、ひとりの負傷者も出てほしくないという願いはむなしく破られた。
 道路の先にある民家が被弾し、死傷者が出た。

 ひとりの米兵がVOAの記者に言った。「ハッピー・サンクスギビング!(なんてすてきな感謝祭!)」
 そして、こう付け加えた。「これがノーマル。毎日がこうさ」

 シリア国境に近くで戦闘に従事する米海兵隊にも、「感謝祭」の一日が過ぎた。

 AP通信の記者に対して、ミシガン州出身の20歳のマリーン(海兵)は言った。
 「国に貢献するのは大事だけれど、友だちがここにいなくてさびしい。でも、そのことがぼくを感謝させてくれる。ぼくがいま、何を持っていて、何を当たり前のように持っていたかを知ることで」

 カリフォルニア出身の、21歳になる別のマリーンも、ホームシックを隠さなかった。
 「家のカウチに寝転んで、オヤジと一緒にテレビのフットボール試合を見ていられたのに。それなのに、ぼくはいま、イラクで装甲車を運転中さ」
 
 感謝祭の食卓に必ずのぼるターキー(七面鳥)などの食材は、ジャンボ機でイラクに空輸された。
 14万人の米兵の「大半」は、ターキーを口にすることができたという。

 ニューヨーク・タイムズ紙によれば、この日、イラクで、2人の米兵が戦死した。バグダッドの近くで道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発した。
 ほかに、イラク人が少なくとも51人、死亡した。

 
 「先住民」(イラク人)の生活圏に侵入し、破壊活動を続けながら、神に感謝をささげる、コロニー(軍事基地)にたてこもった「入植者」(米兵)たち。

 メソポタミアの地での、3回目の感謝祭は、やはり、硝煙と流血の一日だった。

 「ハッピー・サンクスギビング!(なんてすてきな感謝祭!)」

Posted by 大沼安史 at 10:47 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-25

〔NEWS〕 米海軍、海自 最大規模の合同演習

 米軍の「星条旗」紙(電子版)は11月25日、米空母、「キティーホーク」の記者発表にもとづき、9日間にわたる、米海軍と日本の海上自衛隊の合同演習、「ANNUALEX2005」が同日、終了したと報じた。
 
 YOKOSUKA(横須賀)NAVAL VASE(海軍基地)発の同紙の記事によると、合同訓練には、米側から、空母、キティーホークのほか、潜水艦2隻、その他、海軍艦艇9隻、日本側からは49隻の海自艦艇が参加した。
 
 西太平洋海域における、過去半世紀、最大規模の合同訓練だった。

(大沼 注)

 日本のマスコミは、この「ANNUALEX2005」を報道したのだろうか?

 星条旗紙には、「水兵たちは空母からの(艦載機の)発艦訓練を受けた」とある。

 まさか、とは思うが、海自の自衛官がキティーホークの艦上で、訓練を受けていたとしたら、問題である。

 いくらなんでも、まさか、そこまで?……
 いや、大いにありうる、ことかもしれない。

 日本のマスコミの記者諸君の確認報道を願う。

星条旗紙の記事は ⇒

http://www.estripes.com/article.asp?section=104&article=33243

Posted by 大沼安史 at 07:49 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS イラクから ④〕ファルージャ、忘れまじ

 米国人BLOGジャーナリスト、ダール・ジャマル氏の「ファルージャの瓦礫のなか、生活は続く」という記事を、インター・プレス・サービス(IPS)のHPで読んだ。

 11月23日、サンフランシスコ発だから、いったんイラクを出国しての報道らしい。

 9日前、14日にはブログ「イラク・ディスパッチ」に「ファルージャ再訪」という記事を載せているので、そのあと帰国したようだ。

 わたし(大沼)は、ジャマル氏の、米軍に同行しない、イラク民衆の側からの草の根報道を高く評価するひとりだ。だからときどき、ネットの上で「追っかけ」る。

 そのジャマル氏のIPSでの記事を読んで、またも、イラク西部の都市、ファルージャの悲劇の現場へと引き戻された。

 昨年4月と11月、米軍の侵攻により破壊された、「イラクのゲルニカ」とも呼ばれる戦災都市である。

 ジャマル氏の報告によると、米軍のファルージャ侵攻、「オバケの激怒作戦(Operation Phantom Fury)」によって、36000の家が、60の学校が、65のモスクが破壊された。

 現地の「人権デモクラシー研究センター」によると、4000人から6000人の人びと(その大半は一般住民)が殺され、急ごしらえの墓地に埋葬された。

 ファルージャ市役所のスポークスマンの話では、生き残った人びとのうち、15万人から35万人が戦争難民となっている。

 米軍による都市の破壊は、同市のシュハダ地区でとくに徹底し、家屋の95%が瓦礫を化した。

 イラク政府が約束した補償も、2割出ただけで、支払いは停止されている……。

 これが米軍が「白燐(リン)弾」まで使って制圧した、30万都市の現在の窮状である。

 ファルージャ戦からすでに1年――。
 ひどい話だ。

 ジャマル氏が自分のブログに載せた「ファルージャ再訪」には、「白燐弾」に関する記述に加え、住民の、米軍による残虐行為についての証言も紹介されている。

 「通りに横たわる、負傷した人々を(米軍の)戦車は轢いた。なんども、そういうことはあった」

 「アメリカ人は通訳なしで家に入り、人々を射殺した。英語がわからないので、命令に従えなかっただけなのに。わたしがいた家では26人が射殺された」

 「白旗をかかげて避難する非武装の人びとを撃ち殺した」

 ピカソが生きていたら、どんな地獄絵を描くか?…… 

 ファルージャの悲劇、忘れまじ、である。

IPSの記事は ⇒

http://ipsnews.net/news.asp?idnews=31150

Posted by 大沼安史 at 11:08 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-24

〔NEWS〕 ブッシュ牧場前 エルズバーグ博士ら逮捕 

 米テキサス州クロフォードにある、ブッシュ大統領の牧場近くにテント村を設営、感謝祭の休暇を過ごす大統領に対し、「イラク戦争反対」をアピールしようとした10数人の人々が、11月23日、地元のシェリフに逮捕された。

 逮捕されたなかには、ベトナム戦争に関する「ペンタゴン文書」を暴露し、ベトナム反戦運動に弾みをつけた、ダニエル・エルズバーグ博士も含まれている。

 同牧場前でこの夏、泊り込みを続け、イラク反戦運動のうねりをつくった、「平和の母」こと、シンディー・シーハンさんは、週末に現地に到着することになっており、この日の逮捕はまぬかれた。

詳しくは ⇒

http://www.msnbc.msn.com/id/10173879/

Posted by 大沼安史 at 03:07 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム いんさいど世界〕 アンマンのホテル・テロ事件 くすぶる疑惑

 ヨルダンの首都、アンマンのホテルで11月9日に起きた同時多発テロ事件から半月が経過した。

 57人が犠牲になったこのテロ事件をめぐる「公式ストリー」は、以下の通りだ。

 ・イラクからやって来た、テロリスト3人による自爆。
 ・背後に潜んでいるのは、ザラクァイ率いるテロ組織、「イラク(メソポタミア)のアルカイダ」。

 ほんとうにそうなのか?

 オタワ大学のミッチェル・チョスドフスキー教授らによる、カナダの「グローバル・リサーチ」研究所では、違った見方だ。

 公式ストーリーに疑問を投げかけている。

 チョスドフスキー教授の指摘を列挙すると、

 ① ザラクァイらはネットでの「声明」で、イスラエルや西側情報部を狙ったと言っているが、イスラエル人はひとりの負傷者さえ出ておらず、米国情報部員の犠牲もまったく報じられていない。

 ② ホテル爆破によって死亡したのは、パレスチナ自治政府の軍情報部のトップであるバシール・ナフェと、同予防安全保障部隊の高官であるアベッド・アルムの2人。2人はともに、米軍のイラク侵攻に強く反対していた。

 ③ ザラクァイはイスラム教スンニ派で、爆破で死んだ57人の大半は、ザラクァイがイラクでターゲットとしているイスラム教シーア派でなく、同胞のスンニ派だった。

 つまり、アンマンのテロは、イスラエルや米国情報部員を狙ったものではなく、パレスチナの情報組織高官を殺害するためのものだった可能性が高い。

 教授の指摘に付け加えれば、爆破されたホテルには中国軍の使節の居合わせていた。
 ついでのターゲットにされたことも、あながち否定できないところだ。

 グローバル・リサーチのサイトには、カート・ニモ氏による、「より疑わしい細部」という論文も掲載されている。

 ニモ氏によれば、ヨルダンの情報部関係者が米国のAP通信に対して、

 ① ラディソン、ハイアットの両ホテルで、爆発の直前、照明が消え、その直後、爆発が起きた。
 ② 爆発は宴会場の天井で起きた。

 ――と証言しているという。

 あらかじめ天井に仕掛けた爆弾を爆発させた???

 ニモ氏は、モサド(イスラエル)、英国情報部、アメリカ情報機関のいずれかか、あるいは協働による謀略テロとの見方を示しているが、なかでも可能性が高いのは、手口的に見て、モサドによる犯行だという。

 真相は?

 グローバル・リサーチは ⇒

http://globalresearch.ca

 
  

Posted by 大沼安史 at 01:31 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2005-11-23

〔NEWS イラクから ③〕 ウバイデ従軍記

 英紙ガーディアンのシーン・スミス記者の米海兵隊従軍記が、同紙(電子版、11月23日付け)に載っていた。

 米海兵隊がシリア国境に近い、ユーフラテス川沿いの一帯で続ける、「鉄のカーテン作戦」の同行ルポである。

 フサイバやカラビアの町では抵抗らしき抵抗はなかったが、ウバイデ(Ubaydi)では反撃された。

 海兵隊は戦車やヘリでウバイデに突入。イラク側は銃やロケット発射の手榴弾で応戦した。

 「海兵2人は殺された。ひとりは建物に入ってやられた」

 その建物(家)のなかにはバリケードを築いたグループがいて、海兵が来るのを待ち構え、射殺した。

 スミス記者は海兵を殺したイラク人男性のうちのひとりの遺体が、通りに横たわっているのを見た。

 ウバイデ郊外の農家で、海兵5人が殺された。2人の男を追って農家に突入したとき、爆発が起きた。
 
 激しい戦闘が続くのをみて、ウバイデの人びとは避難をはじめた。女子どもは白旗をかかげて出て来た。硝煙と爆発をくぐり抜け、人々の列が現れ出た。どっちの方向から弾が飛んでくるか、知れないのに。その姿を見て、不気味な気がした……

 イラク人の男はみな拘束された。手にスプレーをかけられる。爆薬を扱ったかどうか、たしかめるためだ……

 スミス記者はこのあと、続けてこう書いた。

 「家族は引き裂かれ、拡声器が命令を吠え立てる。拘束された者の何人かは戻ってきたが、ほかは帰ってこなかった」

 スミス記者の従軍ルポのこの箇所を読んで、胸が痛んだ。

 そして、エリ・ヴィーゼルの「夜(La Nuit)」に出てくる、ユダヤ人の家族がアウシュビッツの玄関口にあたるビルケナウで、「死の選別」に遭うくだりを思い出した。
 
 家族は引き裂かれ、拡声器は吠え立てる……
 
 アメリカの海兵(マリーン)たちは、現代のSS(ナチス)なのか?

 胸は痛み、耳をふさぎたい気がした。 

Posted by 大沼安史 at 09:41 午後 | | トラックバック (0)

〔重要 NEWS〕 ブッシュ大統領 ブレア首相との首脳会談で「アルジャジーラ局、攻撃」を提起 英紙が会談メモをもとに報道 ブレア政権、「メモ詳報」を公的秘密令適用威嚇で封印

 英紙デイリー・ミラー(電子版)は11月22日、ブッシュ米大統領がブレア首相と昨年4月16日、ワシントンのホワイトハウスで首脳会談を行った際、湾岸・カタールの首都、ドーハにある、衛星テレビ局、アルジャジーラ本局に対する攻撃を提起し、ブレア首相がこれを思いとどまらせていたと、英首相府による最高機密の「首脳会談メモ」をもとに報じた。
 
 このミラー紙の報道に対し、ブレア政権は「公的秘密令」を適用すると威嚇。この22日付けの第一報については、同法の適用を見送ったが、首脳会談を記録した「会談メモ」の全容(トランスクリプト)を続報として報じることについては処罰の対象になると圧力をかけた。
 
 これに対してミラー紙は23日付けで、「司法相はブッシュに関する、本紙によるリーク(漏洩)に猿轡をかませた」とのタイトルの記事を掲載し、同紙は法律に従うとして「会談メモ」の詳報の報道については断念することを明らかにした。

 英紙ガーディアンによると、ブレア政権による同法の発動は、今回が初めて。

 ミラー紙の第一報によると、「会談メモ」は昨年5月、ノーザンプトンの元労働党国会議員の事務所に「出現」した。

 この機密漏洩に関しては、英首相府の職員、デービッド・ケオーグ氏(49歳)が、元国会議員のスタッフにメモを流した容疑(公的秘密令違反)で訴追されている。

 ケオーグ氏と、元国会議員スタッフの2人は現在保釈中で、最終、裁判所に出廷する。

 ミラー紙によると、「会談メモ」は5ページの長さ。

 同紙の取材に対し、英政府当局者のひとりは、ブッシュの威嚇は「ユーモア」と述べたが、他の政府関係者は、メモに記録された会談のやりとりからみて、ブッシュ大統領もブレア首相も真剣であったことは、絶対的に明らか」と証言しており、同紙による「会談詳報」の続報が待たれていた。

 ホワイトハウスで英米首脳会談が行われた昨年4月半ばとは、米軍によるイラクのファルージャに対して総攻撃を行っていた頃。

 米政府は、イラクの民衆の側から報道するアルジャジーラに対して不快感を持っており、ミラー紙によれば、2001年には、アフガニスタンのカブールにある支局を、2発の「スマート爆弾」で撃破したほか、2003年には、バグダッド支局をミサイル攻撃し、レポーター1人を殺害している。

  

 〔大沼 解説〕

 ブレア政権が「会談メモ」の詳報を「封印」したことで、ミラー紙の第一報報道の信憑性が裏付けられたかたちだが、「報道の自由」に対する重大な挑戦であり、今後、論議を呼ぶことは必至だ。
 
 デイリー・ミラー紙は英国のタブロイド紙で、発行部数も多く、影響力が大きい。

 同紙はことし7月のロンドン地下鉄同時多発テロ事件でも、「犯人」とされる若者たちがだまされて現場に爆発物を運び、生還できるはずだったのに「自爆」させられたとの、捜査当局内部の見方をスクープし、注目された。

 ミラー紙の今回の(第一報)報道によると、ホワイトハウスの会談は、ブレア首相は国際世論の反発などを根拠にブッシュ大統領を説得し、大統領も遂にホコを収めたようだが、それにしても、アメリカという国家権力のなんと好戦的なことよ。
 
 アメリカにはボスニア紛争で、ベオグラードのセルビア国営放送局を撃破した「前科」もある。
 
 「報道の自由」に対する挑戦として、蟷螂の斧であることを知りつつ、わたし(大沼)もまた、ひとりのBLOGジャーナリストとして、ここに抗議の意思表示をしておく。
 
 「軍事帝国アメリカ」の権力者よ、汝、驕ることなかれ!

 ミラー紙の報道は ⇒

http://www.mirror.co.uk/news/topstories/tm_objectid=16397937%26method=full%26siteid=94762-name_page.html

http://www.mirror.co.uk/news/tm_objectid=16401707%26method=full%26siteid=94762%26headline=law%2dchief%2dgags%2dthe%2dmirror%2don%2dbush%2dleak%2d-name_page.html

 

Posted by 大沼安史 at 05:49 午後 | | トラックバック (0)

2005-11-22

〔NEWS・新シリーズ イラクから ②〕 ジョーンズ軍曹 「砂漠のネズミ」の死

 イラク南部に展開する英軍部隊、第7装甲旅団のニックネームは「砂漠のネズミ(Desert Rat)」だそうだ。 

  その「砂漠のネズミ」のひとり、ジョン・ジョーンズ軍曹(31歳)が戦死したことを、英紙インディペンデント(電子版、11月22日付け)で読んだ。

 20日の日曜日、バスラ北部をパトロール中、道路わきに仕掛けられた爆弾が爆発し、死亡した。
 
 ジャックという、5歳の男の子の父親。

 仲間から「ジョナ」と呼ばれていたジョーンズ軍曹は、切れ味のあるユーモアの持ち主だったという。

 妻のニッキーさんが言っていた。

 「ジョナはほんとうにオールラウンドのスポーツマンだった……彼は兵士であることを愛し、所属する連隊に誇りを持っていた。しかし、なによりも彼はすばらしい父親であり、愛する夫だった」

 16歳で軍務に就いた。英国中部の工業都市、バーミンガムの出身。

 軍歴を読んで、勝手に労働者階級の出身だろうと想像し、同時に歌手のトム・ジョーンズの、あの歌を思い出した。
 
 そう、あの GREEN GREEN GRASS OF HOME(想い出のグリーングラス)。

  我が家の緑の草に手を触れ、帰郷した幸せをかみしめる、男の歌を。

 ジョーンズ軍曹は即死だったという。

 見ず知らずの英国人の彼に、故国の我が家を想い、妻と息子の幸せを祈るだけの時間を持たせてあげたかった。

インディペンデント紙の記事は ⇒
 
http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article328528.ece

トム・ジョーンズの歌の歌詞は ⇒

http://www.azlyrics.com/lyrics/tomjones/greengreengrassofhome.html

Posted by 大沼安史 at 04:24 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS・新シリーズ イラクから ①〕 米軍 幼児3人を含む5人を射殺 葬式帰りの家族のバンを攻撃

 英紙タイムズ(電子版、11月22日付け)のバグダッド特派員電を読んで、悲しくなった。

 21日に起きた、バクダッドの北、バクバ近郊の路上での出来事。

 ミニバンに乗って帰宅途中の、葬式帰りのイラク人の家族らに向かって、米軍兵士が一斉射撃をし、1歳から3歳の幼児3人を含む5人が死亡、2人の婦人と子ども1人の3人が負傷した。

 運びこまれた病院で、親戚の人が叫んだという。

 「子どもたちばかりじゃないか、テロリストじゃないじゃないか」

 幼児たちは、銃弾で頭や腕を吹き飛ばされていた。

 米軍は検問中で、ミニバンを自爆テロリストと誤認した。
 
 バクバ駐留米軍のスポークスマンは、同紙に対してこう言ったという。
 
 「悲劇だ。しかし、こうした悲劇はザラカゥイ一味が爆弾を積んで車で走り回っているから起きる」

 
 (大沼 注)
 日本のマスコミだけでは、なかなか様子がわからない、イラク現地での出来事を、現地からの外国プレスなどの報道を頼りに、本BLOGの新シリーズ「イラクから」として、戦争の続く限り、書き続けていきたいと思う。

 いまのわたしにはそれぐらいしかできない。しかし、それはわたしに、できる。わたしは、時間の許す限り、なるべく多くの出来事を掘り起こし、日本語化して流し続けるつもりだ。

 それがわたしにできる「イラク反戦」であり、イラクのひとびととの連帯である。

タイムズ紙の記事は ⇒

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,7374-1882607,00.html

Posted by 大沼安史 at 03:35 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米軍 「白燐(リン)弾は化学兵器と認識」 モンビオ氏らが指摘

 米軍がイラクのファルージャなどで戦闘に使用した白燐(リン)弾について、ほかならぬ米軍、国防総省当局が「化学兵器」であると認識していた事実が、英紙ガーディアンの著名なコラムニスト、ジョージ・モンビオ氏らによって明らかにされた。

 白燐弾を化学兵器でないと主張する米軍、米政府の言い逃れは、もはやきかない事態になった。

 モンビット氏は、同氏の調査員が探し出した、米カンサス州フォート・リーヴェンワースにある「米国指令部カレッジ」発行の「戦闘書(バトル・ブック)」の記述を、ガーディアン紙(電子版、11月22日付け)のコラムのなかで紹介した。

 それによると、「戦闘書」には、「WP(白燐)を人的目標に使用することは、地上戦の法に反している」と明確に書かれている。

 モンビオ氏はまた、同じコラムのなかで、ブロッガー(フリージャーナリスト)のガブリエル・ザンパリーニ氏がその存在を突き止め、自身のブログに掲示した、米国防総省の機密指定解除文書(タイトル:「燐(リン)化学成分の使用可能性について」、日付:1991年4月)に、以下のようなくだりがあることを紹介した。

 「サダム・フセインに忠誠を誓うイラク軍は、クルド人の反乱者とエルビルの住民……そしてイラクのドゥハク郡に対し、白燐(WP化学兵器を使用した可能性がある。WP化学成分は砲撃や武装ヘリで撃ち込まれた……」

 (大沼 注)
 こうした文書の存在が明るみに出た以上、米軍はもはや口をぬぐうわけにはいくまい。

 白燐という化学成分を使った兵器は、化学兵器以外のなにものでもないことは、当たり前のことである。

 モンビオ氏はコラムのなかで、「戦争犯罪(イラク侵攻)中の戦争犯罪(一般州民がいる都市への無差別攻撃)中の戦争犯罪(白燐弾)」といった表現をしているが、同感である。 

モンビオ氏のコラムは ⇒

http://www.guardian.co.uk/Columnists/Column/0,5673,1647998,00.html

ニューヨークで活動するイタリア人ジャーナリスト、ザンパリーニ氏のブログは ⇒

http://www.thecatsdream.com/blog/

Posted by 大沼安史 at 11:58 午前 | | トラックバック (1)

2005-11-21

〔いんさいど世界〕 シンガポール・サイバー五輪 閉幕 活人犬選手 見事 金メダル

 シンガポールで11月16日から行われていた「サイバー・五輪(オリンピック)」が20日に閉幕しました。

 世界67ヵ国から700人の選手団が参加した、この「サイバー五輪」、会場のサンテック・シティーには、3万9000人の観客が詰めかけたほか、インターネットを通じて、数百万、あるいは千万人の人々がゲームをリアルタイムで「観戦」し、声援をおくりました。

 インターネットの「サイバースペース」を舞台に繰り広げられる、「サイバー五輪」(正式名は、World Cyber Games=WCG)は、2001年に始まり、毎年、開催されている、コンピューターゲームのワールド・チャンピオンシップ大会です。

 ことしのWCG2005大会は、8種目の国別予選に125万人ものゲーマーが参加するなど、世界中のゲーム・ファンを熱狂の渦に叩き込んだんだそうです。

 ご存知でしたか、こういうヴァーチャルなオリンピックがあるなんて。

 大会の運営サイトをのぞいてみましたら、日本人選手も活躍していました。

  ⇒ http://www.worldcybergames.com/tournament/tr_2005_nationalrank.asp

 金メダルをとった、日の丸ゲーマーもいます。
 ニックネーム(選手名)、「活人犬(かつにんけん)」、本名、イヌイ・トモユキさん。

 「Dead or Alive:Ultimate」というゲームで、見事優勝し、金メダルとともに、賞金15000ドル(150万円)を獲得しました。

 日本選手では、ほかに「コニダッシュ」選手も活躍し、ベスト8入りを果たしたそうです。

 で、この「Dead or Alive:Ultimate」というゲーム、どういうものかというと、日本の「テクモ」が開発した3D(3時限)格闘ゲームだそうです。日本生まれのゲームですが、全世界で、なんと数100万本も売れたヒット作で、それだけ競技層が厚いゲームです。

 「活人犬」こと、イヌイ・トモユキさんはこの部門の日本代表として圧倒的な強さを見せ、優勝しました。2位の「銀」は、地元シンガポールの選手、3位の「銅」は韓国の選手でした。

 日本選手はこのほか、シューティング・ゲームの「Counter-Strike:Source」、バスケ3on3の「フリースタイル」の2部門に出場しましたが、あえなく敗退しました。

 結局、日本のメダルは「金」1個のみ。ちょっと残念な結果ですね。

 国別の成績(ランキング)で、日本は6位。サイバー五輪の世界では、中堅クラスです。

 で、トップクラスの成績をみると、国別1位の米国は、「金」が2個、「銀」が1個。2位の韓国は、「金」2、「銅」1。3位はブラジルで、「金」1.「銀」2という結果でした。

 アジア勢では韓国がダントツ、これを中国、日本が追う状況です。中国は今回、「金」1でメダル数では日本と同じでしたが、入賞が5種目あり、日本のひとつ上、5位に食い込みました。

 アジアではなぜ、韓国が圧倒的な力を発揮しているのか?

 それは、お隣のこの国が国策でコンピューター教育に力を注いでいることと関係がありそうです。コンピューター識字率が高いので、おのずとゲーマーの層も厚い。

 実は韓国って、WCGの大会の開催地を、第1回の2001年から3年連続、引き受けた、サイバー・ゲームの最先進地なんです。

 なにしろ、プロのゲーマーさえいるほど。
 韓国って、韓流の映画だけじゃないんですね。

 ふつうのオリンピックのふるさとはギリシャですが、サイバー・オリンピック発祥の地は韓国なんです。

 去年の第4回の開催地は米国のサンフランシスコ、ことしのシンガポール大会に続く、来年の開催国はイタリーに決まっています。
 日本では、いつ行われるのでしょうか?
 

 日本ではコンピューター・ゲームというと、目くじらを立てる人もいるようです。シューティング・ゲームでバーチャルな死闘を繰り広げるなど、ちょっと残酷な感じもしないわけではありませんが、あくまでコンピューター画面上の、ヴァーチャルな世界でのバトル。試合が終わって、韓国と日本のチームが互いの健闘をたたえ合うといったシーンがリアルな場面で行われている。

 「靖国」がどうの、といった現実より、よっぽど、友好的・親善的だと思います。

 サッカー・ゲームの「FIFA」やバスケの「フリースタイル」といった、スポーツ・ゲームもありますし……。

 インターネットの進展で、世界は文字通り、ひとつのなってきました。いずれ、ヴァーチャルなゲーム五輪が、リアルなオリンピックと肩を並べる日が来ることでしょう。

 たとえば、光通信誕生の地である、仙台市を会場に、ネットで全世界の観客をつなぎながら、各国代表のプレーヤーたちが究極の技を競い合う。

 そんな日が近い将来、来ないとも限りません。
 
 
 
 

Posted by 大沼安史 at 01:12 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 白燐(リン)弾、英軍もイラクで使用訓練 前司令官が認める

 皮膚を溶かし、骨まで焼き尽くす化学兵器、白燐(リン)弾を米軍がイラクでの戦闘で使用していることが国際社会で問題になっているが、イラクに駐留する英軍もこれを保有し、戦闘での使用訓練を行っていたことが、英軍の前司令官の自伝での証言で明らかになった。

 英紙サンデー・テレグラフ(電子版)が11月20日に報じた。

 昨年、英陸軍を退いたティム・コリンズ大佐が、自伝の「ルールズ・オブ・エンゲイジメント」で認めたもの。

 2003年4月にイラク南部に駐留する英軍部隊が「怒り作戦」を実施した際、白燐弾の使用訓練を行ったという。

 実戦で実際に使われたかどうかについては、言及されていないが、コリンズ氏は、「可能なとき、使用するよう部下に命じた」と証言しており、使用された可能性を否定できない。

 同紙によれば、英軍はフォークランド紛争の際に実戦に使い、アルゼンチン兵を殺害しているという。

 英国は1980年の通常兵器禁止条約・第3議定書を批准しており、一般住民に対する白燐弾の使用はその第2条に違反する。

 同条約を米国は批准していない。
 

Posted by 大沼安史 at 10:46 午前 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米軍 イラクから6万人、撤退へ 駐留兵士の3分の1以上 英紙報道

 英紙サンデー・タイムズ(電子版)は11月20日、イラク駐留米軍の3分の1以上にあたる6万人が、12月に行われるイラク総選挙の後に撤退する、と報じた。

 イラク駐留米軍は現在、16万1000人規模。

 年末から始める6万人撤退で、イラクに展開する米軍は10万人の大台を切る。

 同紙の取材に対し、米国防総省は撤退の確認を拒否した。
 

Posted by 大沼安史 at 10:27 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-20

〔NEWS〕 在米ユダヤ人団体 「イラク撤退」を決議

 Yahoo!Newsに載ったAP電によると、在米ユダヤ人団体のひとつで、最もリベラルな「改革ユダヤ教連合」は11月18日、テキサス州ヒューストンで年次大会を開き、ブッシュ大統領にイラクからの撤退を求める決議を全会一致で採択した。

 同連合は150万人規模。

 ヨフィエ会長は「漲る気分は明確で圧倒的だ。アメリカのユダヤ人、そしてすべてのアメリカ人は、この戦争に深く批判的であり、政権に対して、いつ、いかなる形で兵士を帰国させるか聞きたいと思っている」との声明を発表した。

 〔大沼 注〕

 リベラルな在米ユダヤ人のなかで、イラク撤退の声がますます強まっている。

 イラク戦争は、イスラエル、そして米国内でのユダヤ人タカ派勢力による、イスラエル周辺国の無力化戦略の「青写真」をもとに、「中東へのデモクラシーの輸出」を「大義=口実」として、米国の2つの影の権力、軍産複合体と石油ロビーが手を組んで仕組んだ戦略資源確保戦争である……これが筆者の偽らざる「推測」であり、世界の「常識」だ。

 そうした戦争を支える柱のひとつ、「イスラエル防衛」に対し、在米のユダヤ人の間で批判が高まっている。
 これはおさえておきたいポイントだ。

 この点に関して思い出さざるを得ないのは、2002年10月25日、ミネソタ州北部の空港で起きた、ポール・ウェルストーン上院議員専用機の着陸失敗「事故」である。

 コックピットにパイロットを2人をおきながら、なぜ、専用機は墜落したのか? 
 
 ウェルストーン議員(民主党)は、リベラルなユダヤ人で、ブッシュ政権(共和党)の動きに警戒感を示していた。

 そして、そのときの米連邦議会は、1議席差で民主党の優位。

 その貴重な「1票」が、ウェルストーン議員の突然の「死」によって失われた。

 イラク戦争開戦に向かう動きのなかで、貴重な歯止めが消えてしまった……

 「事故」原因の再調査が望まれる。
 

 

Posted by 大沼安史 at 11:59 午前 | | トラックバック (0)

〔For the Record〕 クリントン、「イラク戦争はビッグ・ミステイク」

 クリントン前米大統領は11月16日、中東湾岸、ドバイのアメリカン大学で演説し、イラク戦争は「a big mistake(大きな過ち)」であると述べた。

 AP電や英紙インデイペンデントなどによると、前大統領はさらに、ブッシュ大統領が「イラクにおける権力構造の完全破壊を含む、いくつかの失策(several errors)をおかした」と批判。

 続けて、「テロリストたちを呼び込んでしまった。これは中心的な過ちである。そしてわたしたちは、そのこととともに生きている」と指摘した。
 
 〔大沼 解説〕

 クリントンの、この「ビッグ・ミステイク」発言は、これまでイラク戦争評価に慎重な姿勢をみせていた前大統領による、初めての明確な言明とあって、世界に大きな衝撃波となって伝わった。

 この2日間、所要でデスクに座ることができず、この件についてもまた、本ブログにおいて速報することができなかったが、日本ではなぜか報じられていないようなので、「同時代の記録」として、遅ればせながら、記しておく。

 今回のクリントン発言はもちろん、国際、(米)国内状況の風向きを読み取ったうえでのものである。

 ブッシュ政権の失敗をとりつくろい、国際社会における米国の威信をつなぎとめるには、こうするしかないのだろう。

 国内的には、劣位の民主党にふたたび権力の舵取りを任せる「方向」に――米国民に希望と幻想をふりまきながら――政治の振り子が振れ始めたに違いない。

 この点でなにより重要なのは、おそらくブッシュ政権も、「イラク撤退」の検討しはじめている(あるいは終えている)のではないか、との視点である。

 それを知っているがゆえに、たぶんクリントンは「明言」したのだ。

 そう、ブッシュ政権など倒れても、米国のヘゲモニー(と、その政治権力の正統性幻想)さえ守ることができればいい……。

 アメリカの政局は、ニクソンが倒れた「ウォーターゲート」状況に似てきた。

 内部告発などが続き、果たして「ブッシュゲート」の水門は破られるか?

 それとも、したたかな粘り腰で、ブッシュのホワイトハウスが民主党などの攻勢を凌ぎきるのか?
 
 それが今後の注目点である。

Posted by 大沼安史 at 11:07 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-16

〔NEWS〕 米国防総省 イラクでの「白燐(リン)」弾使用を確認

 YahooNewsが11月15日に報じたAFP電によると、米国防総省(ペンタゴン)のスポークスマンは同日、英国BBC放送とのインタビューのなかで、イラクにおける「白燐(リン)」弾の使用を初めて、公式に認めた。

 同スポークスマンは「白燐弾は主に、煙幕をはる目くらましで、ときに敵をマーキングするのに使っている。それは敵の戦闘員に対する使用もあり得る、焼夷兵器である」と述べるとともに、「白燐は通常の弾薬。化学兵器ではない。違法でも非合法でもない」として、非合法の化学兵器にはあたらないと主張した。

 AFP電はまた、このペンタゴン当局者の言明とは別に、国営テレビRAIのドキュメンタリー放映がこの白燐弾問題に火をつけたイタリアでの動きについても伝えた。

 ローマでは14日、米国大使館前で左翼の国会議員らも交えたデモがあり、共産党の幹部が国連調査団の派遣を訴えた。

AFPの記事は ⇒ 

http://news.yahoo.com/s/afp/20051115/pl_afp/usiraqbritainitaly_051115220512

Posted by 大沼安史 at 04:53 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 金閣寺の池のほとりで

 ブッシュ大統領夫妻が小泉首相とともに、金閣寺の鏡湖池のほとりでくつろぐ写真(このコラム記事の末尾にリンクあり)を、ホワイトハウスのHPで見て、こちらも何故か、ほっとした気分になった。

 11月16日。京都。晴れ。 

 池の面は金閣と秋天を映し、静寂の時間が流れる。

 過密スケジュールのなかの、束の間の安らぎ。平和。

 周到に準備された金閣寺ツアーのひとコマだったが、そこにはあの大阪空港での出迎えの、あざとい演出はなかった。

 大統領専用機、「エアフォース・ワン」のタラップから降り立った大統領を待ち構えていたのは、千葉ロッテのバレンタイン監督と、ソフトバンクの王監督。

 たぶん、在日米国大使館がワシントンの了解のもと、セットしたものだろうが、それにしても、ひねり過ぎだった。

 台湾(王監督)、韓国(ロッテ)、米国、日本。

 そこには、大陸、「中国」の顔だけが抜け落ちていた。
 
 台湾に配慮しながら、中国に対して牽制球を投げたつもりなのだろうか?

 アメリカはときどきこういうことをする。

 昨年の秋だったか、ブッシュ大統領がEUの本拠、ブリュッセルを訪問したとき、演説のなかで、なぜかカミュを引用したことがある。人生を、長いマラソンにたとえたくだりで、小説からの引いたものだった。

 その小説のタイトルが『転落』。
 アメリカに協力しなければ、ヨーロッパは没落するよ、とでも言いたげな、ブッシュ大統領にはそぐわない、文学的(?)パフォーマンスだった。

 京都の金閣寺ツアーには、そうした駆け引き、威嚇の入り込む余地がなかった。 

 北山の古刹。
 紅葉と竹林。

 「靖国」のウルトラナショナルとは異質な、日本の奥深い、仏教文化があった。

 中国という主戦場へ向かう大統領にとって、京都滞在は時差調整のためのもので、小泉首相との日米首脳会談など、儀礼的なものでしかなかったはずだが、日本側が用意した「京都での一日」は、すくなくとも「金閣ツアー」に限り、ブッシュ大統領にとって、心休まるもてなしであり、うれしい気遣いであったろう。

 やわらかな秋の日差しも、平和、あればこそ。

 そういうごくあたりまえのことに、「9条」がある国の、古都の名刹の池のほとりで、ブッシュ大統領は気づいただろうか。

 京都にB29の焼夷弾は一発も降り注がなかった。

 アメリカはそろそろ、正気を取り戻すべきときである。

金閣寺でくつろぐブッシュ夫妻と小泉首相の写真は ⇒

http://www.whitehouse.gov/news/releases/2005/11/images/20051116_d-0120-515h.html

Posted by 大沼安史 at 04:07 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)

2005-11-15

〔NEWS〕 「水をかけても、皮膚を燃やし続けた」 ダール・ジャマイル氏がファルージャから、「白燐(リン)」弾被害をレポート

 イラク戦争をイラクの民衆の側から、主にブログを通じ報道している、米国人フリージャーナリスト、ダール・ジャマイル氏が、米軍の「白燐(リン)」弾使用問題で注目されるイラクの都市、ファルージャに入り、英紙インディペンデント(電子版、11月15日付け)に、現地からレポートを寄せた。

 それによると、ファルージャでジャマイル氏は、米軍の「白燐(リン)」弾使用に関する、以下のような証言を得た。

 ・(アブ・サバ氏、ファルージャ市ジョラン地区)「彼らは(米軍は)、キノコ雲のようなものを発する、これらの変な爆弾を使った。これらの爆弾の一部が爆発して大きな炎となり、皮膚の上で燃え続けた。水をぶっかけても燃え続けた」

 ・(アハマド医師、ファルージャ郊外サクラビアで活動)「皮膚が溶けた犠牲者を治療しました。わたしが目の当たりにした人々、そして人体は、明らかに焼夷兵器によるものであって、砲弾の破片によるものではありません」「爆撃されたジョラン地区の家々は撤去されました。その大半がまだ建っているにもかかわらず……」「米軍が特別な弾薬を使った地域の土砂は、着弾地ごとに、200平方メートルずつ、除去されました」

 ・(バーハン・ハサ氏、フリーランスカメラマン)「わたしはクラスター爆弾をどこでも見ました。多くの人体が燃えていました。銃弾を撃ち込まれてはいませんでした」

 ・(住民のアブデル・ラザク・イスマエル氏)「アメリカ人たちは、そうした遺体の一部を、ファルージャに近いユーフラテス河に捨てていた」

インディペンデント紙の記事は ⇒

http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article327136.ece

ジャマイル氏のブログ、「イラク・ディスパッチ」は ⇒

http://dahrjamailiraq.com/weblog/archives/dispatches/000317.php#more

Posted by 大沼安史 at 05:20 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 根室沖 漁船事故のイスラエル海運会社 イラン向け装甲車両部品密輸で拿捕の過去

 9月28日、北海道・根室沖で、イスラエルの大型コンテナ船「ジム・アジア」が、地元の漁船、「第3新生丸」と衝突、漁船の乗組員7人が死亡する海難事故が起きたが、「ジム・アジア」の船主、イスラエルのZIM社の所有する船が2002年夏、イラン向け、禁輸の兵装を運んでいて、ドイツの税関当局に拿捕(だほ)されていたことがわかった。

 MENA通信が同年8月29日に報じたところによると、ハンブルグ港で拿捕されたのは、ZIMアントワープの船で、装甲車のタイヤのゴム部品、3000点を積み込み、イランのバンダル・アッバス港に向かう途中だった。

 部品は、イスラエルのPAD社製のもの。

 イランへの兵装・備品を含む武器輸出は、当時も、イスラエルの法律によって禁じられていた。

 PAD社はタイに輸出するとして、政府から許可をとっていた。

 PAD社を所有するヴァインスタイン氏は、2000年2月、カナダ製の装甲車両とエンジン、部品を1996年から97年にかけ、イランに密輸した疑いで逮捕されている。

 イスラエルとイランの関係は、1979年のイラン革命以来、断絶しているが、イラン・イラク戦争の期間、イスラエルはイランに肩入れして、武器を供給していたとされる。

 ところで、根室沖での海難事故は、「あて逃げ」の可能性を否定できない。

 かりにそうだとすると、なぜに逃げなければならなかったのか、が問題になるが、日本の海上保安庁としては、コンテナ船が何を積み込んでいたかにも捜査の目を向けるべきであろう。

 MENA通信の記事は ⇒

http://www.gvnews.net/html/DailyNews/alert2070.html

 日本のメディアの報道は ⇒

http://news.goo.ne.jp/news/search/search.php?MT=%BA%AC%BC%BC%B2%AD&kind=&day=30&text.x=28&text.y=12

Posted by 大沼安史 at 04:19 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 アンマン同時多発テロ イスラエル筋 「事前避難」言明 ロサンゼルス・タイムズ紙 報道

 ヨルダンの首都、アンマンで11月9日に起きた同時多発テロ事件をめぐり、被害にあったホテルに滞在していたイスラエル人が事前に避難して問題が注目されているが、米紙ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版、11月10日付け)も、イスラエル筋がこの事実を聞いている、と報じていたことがわかった。

 同紙に対して証言したのは、イスラエルの元反テロ活動担当者、アモス・ギオラ氏。

 同紙の電話取材に対し、イスラエル国内の複数の情報筋が、テロ実行前の避難について語ったいた、と言明した。

 この問題は、イスラエルの有力紙、ハーレツ紙が9日に伝えたあと、翌10日に一転してこれを否定したが、その後、再び、事実を確認する報道をしている。

ロサンゼルス・タイムズの記事は ⇒

http://www.latimes.com/news/printedition/la-fg-bombings10nov10,1,4818949.story

Posted by 大沼安史 at 10:10 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-14

〔NEWS〕 夫婦で自爆テロ 未遂の妻 ヨルダンTVで告白

 ヨルダンの首都、アンマンのホテルで起きた同時多発自爆テロ事件で、ターゲットにされたホテルのひとつ、ラディソン・ホテルの結婚式会場にイラク人の夫とともに侵入、自らは自爆に失敗して逃走していた妻が11月13日夜、ヨルダン国営テレビの生放送で、犯行を告白した。

 テレビで告白したのは、同ホテルで自爆したアリ・ハッサン・シャマリ容疑者の妻、サジダ・アル・リシャウィ(35歳)。

 放映に先立ち、記者会見したヨルダンのムアシェール副首相によると、サジダ容疑者は、イラクのアンバール州で活動、昨年、米軍のファルージャ侵攻の際、死亡したとみられる、「アルカイダ」のリーダーのひとり、ムバラク・リシャウィの妹、あるいは姉(大沼注 不明)。

 夫を含む3人の男性実行犯と車でイラクからアンマン入りし、アパートを借りていた。

 英紙ガーディアン(電子版、11月14日付け)の報道によると、サジダ容疑者は「彼(夫)は、ヨルダンのホテルを攻撃すると言いました。レンターカーを借り、11月5日(大沼注 実際に自爆テロが起きたのは9日)にホテルに入りました。ホテルのなかに入って、彼は(宴会場の)一方の角に、わたしは別の角に行きました」などと語った。

 サジダ容疑者はまた、ベルトに巻いた爆薬を黒のアラブ衣裳でどう隠したか、まるでモデルのようにテレビで実演してみせた。

 テレビでの、「11月5日」に犯行に及んだとする、サジダ容疑者の発言は、明らかに本人の思い違い。

 ムアシェール副首相によると、ザジダ容疑者は同ホテルの結婚式宴会場で、腰の紐を引き、爆薬を爆破させようとしたが、失敗した。

 呆然と立ちすくむ彼女を、夫が急いで会場の外に連れ出した。

 夫は会場に戻り、自爆したという。

 サジダ容疑者は避難する人々に交じって現場を去り、借りていたアパートに潜伏しているところを、同日朝、逮捕された。
 ムアシェール副首相によると、彼女を含む4人がアンマン入りしたのは、同月4日のことだという。

 ガーディアン紙の記事は ⇒

http://www.guardian.co.uk/alqaida/story/0,12469,1642074,00.html

 

Posted by 大沼安史 at 11:53 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-13

〔NEWS〕 米海兵隊 「白燐(リン)〈white phosphorus〉」弾使用 ファルージャ戦 同行取材ルポ記事が確認  「揺さぶり・焼き殺す(シェイク&ベイク)」作戦で発射

 イラクの都市、ファルージャに対する米軍の侵攻時に、「白燐(リン)〈white phosphorus〉」弾が使用されていたことが、米海兵隊の迫撃砲班に同行取材していた米紙記者により報じられていたことがわかった。

 本BLOG既報の米軍誌の記述に加え、動かぬ証拠がまたも出てきた。

 駐留イラク軍はなお、使用の事実を認めていないが、半径150メートル以内の人体にとりつき、骨まで燃やしてしまう、この化学兵器の使用問題は、イラク戦争の残虐を物語るものとして、国際的な非難を巻き起こすことは必至だ。

 「白燐(リン)〈white phosphorus〉」弾の砲撃現場に立ち合い、報道していたのは、南カリフォルニア・サンジエゴ地域の地方紙、「NCタイムズ」のダリン・モルテンソン記者。

 同記者のルポ記事は、同紙電子版(2004年4月10日付け)に掲載された。

 モルテンソン記者が同行したのは、サンジエゴに近い、ペデルトンに本拠を置く、米海兵隊の第一海兵連隊第二大隊に所属するフォックス中隊の砲撃部隊。

 そのルポルタージュは、米海兵隊が2004年4月に行った、ファルージャに対する第一次侵攻(第二次侵攻は同年11月)の模様を、生々しく伝えている。

 その関係する部分を拙訳で紹介しよう。

 ファルージャ戦が始まって6日目、同年4月10日(土曜日)の朝のことだ。

 〔For the Record〕

 フェルージャへの砲撃は数日間にわたって続いていた。予想していた以上に戦闘がエスカレートしている。そう多くの海兵たちは言った。でも、まだ対処しうる範囲にあると。

 「それが戦争だ」と、ニューヨーク州モリソン出身のニコラス・ボジャード兵長(22歳)は言った。

 ボジャード兵長は迫撃砲班のリーダー。金曜日と土曜日の2日にわたって、ファルージャの街に、高性能爆薬と白燐(リン)の迫撃砲弾を、部下に命じて、次から次へと撃ち込んでいた。目標が何であるか、砲弾の爆発によってどんな被害が出ているか、知るすべもなかった。

 「このSASO(安全・安定作戦)はすべて、(カリフォルニアの)基地で訓練を積んできたことだ」と、ボジャード兵長は言った。「それがいま、現実の、とんでもない(goddamned)戦争になっている」

 ボジャード兵長が無線で砲撃命令を受けたのは、土曜日の朝、チームのみんなで携帯食の朝食を摂りはじめたときのことだった。

 「準備にかかれ!」
 兵長が叫ぶと、ジョナサン・アレキサンダー上等兵とジョナサン・ミルキン上等兵のふたりが急いで立ち上がった。

 ちょっと前まで、少年のように冗談を言い、ふざけあっていたふたりが、その瞬間、さっそく仕事にとりかかった。

 ターゲットの敵と、砲撃陣地の間には、味方の海兵たちがいる。多くの命がかかっている。

 ボジャード兵長は無線で敵目標に関する指示を受けた。目標を地図に落とし、彼らが「サラ・リー」と呼ぶ(女性名のニックネームをつけている)迫撃砲の砲撃準備に入った。

 (ふたりのジョナサン上等兵のうちのひとり)ミルキンはネバダ州レノ出身の21歳。アレキサンダイーはアラバマ州ウェタンプカ出身の23歳。ふたりで、素早く照準を合わせる。手際のいい仕事ぶりだ。

 「発射準備、完了!」と、数秒の後、ミルキン上等兵は叫んだ。そばの弾薬缶から「白燐(リン)」弾を取り出し、砲筒の先端部で保持した。

 「発射!」。ボジャード兵長が叫んだ瞬間、ミンキン上等兵が「白燐(リン)」弾を砲筒に落とした。

 発射の爆風とともに土煙が舞い上がる。なんどもなんども、発射を繰り返す。「白燐(リン)」の焼夷弾と、高性能爆薬の迫撃砲弾を、交互にミックスして撃ち込んでいく。それを彼らは「シェイク&ベイク(shake'n'bake 揺さぶり・焼き殺す)」と呼ぶ。武装勢力が今週、視認された一群の建物に撃ち込んでいく。

 砲弾がどこに命中したか、彼らは知らないという。そのことを、砲撃を終えたあと、携帯食を埃を払って朝食を摂る間、語りもしない。彼らはふたたび、いつもの悪口の言い合い、罵りあいのおふざけを始める…………

 以上が、モルテンソン記者による同行ルポの関係するくだりである。

 「白燐(リン)弾(WH)」と高性能爆薬を使った砲弾(HE)による「シェイク&ベイク(shake'n'bake 揺さぶり・焼き殺す)」攻撃の現場に居合わせた、貴重な証言報道である。

 迫撃砲班の兵士たちが、砲撃の「結果」を知らないまま、「白燐(リン)」弾を次から次へと撃ち込んでいる実態も活写されている。

 迫撃砲弾が炸裂した現場で、イラリアのテレビRAIが放映した、「白燐(リン)」弾による地獄絵巻が繰り広げられていたと知ったとき、ボジャード兵長や3人の若い海兵たちは、どんな思いにとらわれることだろう。

 今回、「NCタイムズ」紙の報道が明らかになったことにより、国連によるファルージャ現地査察が、ますます求めれる事態になった。

ルポ記事は ⇒

http://www.nctimes.com/articles/2004/04/11/military/iraq/19_30_504_10_04.txt

Posted by 大沼安史 at 01:18 午後 | | トラックバック (0)

2005-11-12

〔コラム 机の上の空〕  モハメド・アリ、ブッシュ大統領に「クルクルパー」 「自由勲章」授賞式で最後の「ハチの一刺し」

 あの元世界ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリさん(63歳)が、11月9日、米ホワイトハウスで行われた「自由勲章」授与式に出席、その晴れ舞台で、ブッシュ大統領に対し、無言で「クルクルパー」のジェスチャーを放った。

 ワシントン・ポスト(電子版、10日付け)が報道した。

 「自由勲章(メダル・オブ・フリーダム)は、アメリカの市民(文民)に贈られる最高の賞。ことしのメダルは、グリーンスパン連邦準備会議議長ら14人に授与された。

 アリさんの首にメダルをかける段になって、ブッシュ大統領はほとんどお道化に近い、くだけた態度をみせた。
 メダルをかけおえた大統領は、アリさんを抱き寄せ、左耳に何事かささやいたあと、まるで「さぁ、やろうじゃないか」と言わんばかりに、ファイティング・ポーズをとってみせた。

 そのときだった。

 パーキンソン病で手足が不自由なアリさんが、右手の人さし指を一本、突き出し、自分の頭のところに持っていき、無言で「2秒間」、くるくる振り回してみせたのだ。

 そう、アリさんの必殺、クルクルパー。
 ベルトをかけたリングならぬ、メダルをもらう晴れ舞台で、蝶のように舞うことはできなかったが、往年の「ハチの一刺し」を食らわせたのだ。

 (お前、バカかよ、クレージーじゃないの)のクルクルパー・パンチ。

 ブッシュ大統領がアリさんの耳になんといったか、なお不明だが、「かかって来い」と言ったようだ、とポスト紙は書いている。

 「かかって来い」……ブッシュ大統領がイスラム過激派の「テロとの闘い」演説で、ときどき使う決めゼリフが、こともあろうに、史上最強といわれる元世界チャンピオンの左耳を直撃するかたちで炸裂したわけだ。
 
 ユーモアのつもりが裏目に出た。

 本名、カシアス・クレイ。イスラムに改宗し、モハメド・アリと改名したチャンプの闘争心を刺激する、不意打ちをくらわせてしまったのだから。

 アリさんがパーキンソン病でなければ、軽くジャブを浴びて、いまごろパンダ目になっていたかもしれない。

 ポスト紙によると、ブッシュ大統領はアリさんの授賞理由の紹介のなかで、この黒人ヒーローがベトナム戦争に反対し、兵役を拒否して、3年間、ヘビー級タイトルを剥奪された経歴にいっさい触れず、ボクサーとしてのみ、リング上の戦士としてのみ、不屈の闘志を発揮し続けたことだけを讃えた。

 口のきけないアリさんはもしかしたら、そのことに怒っていたのかも知れない。

 クルクルパー・パンチをくらった大統領は、会場の笑いのなか、それでも余裕を見せて、アリさんをエスコートして席に座らせようとした。

 席に腰をおろしかけた瞬間だった。

 アリさんが、2発目のクルクルパーを見舞わせた。

 神経質そうなうすら笑いを浮かべる、ブッシュ大統領……。

 そんなアリさんについて、ポスト紙はこう書いた。

 〔For the Record〕

 スーツに姿で、笑みをほとんど浮かべることのないアリは、この日、最大の、最も長い拍手を浴びた。「ベトコンとやりあうつもりはないぜ」「おれはボクシング界最高、唯一の桂冠詩人さ」といった発言で有名な、絶えず引用され続けてきたこの男は、たった一言も言わずに、もっともストライキングな瞬間を生み出した。

 Ali, dressed in a suit, barely caraking a smile, received the loudest and most sustained applause of the day. And the always quotable man who said “I ain't got no quarrel with them Viet Cong”and “I am the onliest of boxing's poet laureates”delivered the most striking moment without speaking a word.

 ポスト紙の記事で、アリさんが席に腰を落としかけながら、ブッシュ大統領に向かって、最後のクルクルパーを放ったというくだりを読んで、感動した。

 そして、こう思った。

 モハメド・アリはリングに倒れこみながら、人生最後の最高の舞台の上で、それでもパンチを繰り出そうとしていたのだな。

 アメリカ大統領という、世界最強の男に向かって、畏まらず、決然と。

 ベトナムのときと同じく、泥沼化し続ける、イラク戦争の最高司令官、ジョージ・ブッシュに向かって、「お前、バカかよ」と言おうとしたのだな――と。

 
 
 モハメド・アリさん、あなたはほんとうに、「自由勲章」受賞にふさわしい!!

 いや、アメリカの「自由勲章」を超えた、「世界自由級チャンピオンベルト」をつくって贈りたいくらいだ。

 わたしたち日本人も、アリさんを見習い、悪質で無能な権力者どもに向かって、無言のクルクルパーをすることにしよう。
 

ポスト紙の記事は ⇒

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2005/11/09/AR2005110901738_pf.html

ブッシュ大統領が何事かをささやいているシーンは ⇒

http://www.whitehouse.gov/news/releases/2005/11/images/20051109-2_p110905pm-0250jpg-515h.html

「自由勲章」に関する日本のメディアの記事は ⇒

http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/kokusai/20051110/20051110i302-yol.html

モハメド・アリさんについては ⇒

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8F%E3%83%A1%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AA

Posted by 大沼安史 at 11:15 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (1)

〔国際問題コラム いんさいど世界〕 アンマンの夜 ヨルダンの「9・11」

 中東の小さな王国、ヨルダンの首都、アンマンで、9日(水曜日)の夜、同時多発テロが起きた。

 11月9日……9th day of the 11th month。
 ヨルダンの「9・11」。

 アンマンの3つの高級ホテルが自爆テロの標的とされた。
 最高級の「グランド・ハイアット」でも、爆発が起きた。

 そこに一度だけ、泊まったことがある。
 1990年の秋。ヨルダン経由でイラクに入ろうとしたときのことだ。
 ホテルには、いまは亡き、朝日新聞の伊藤正孝さん(朝日ジャーナルの編集長)もいて、同じイラク航空の便で、アンマンからバグダッドに向かったことを覚えている。

 巨大なホテルで、客もまばら。屋外プールには人影もなく、寒々としていた。
 そんなホテルに閉じこもっているのがいやで、アンマンの下町にひとりで出かけた。

 ホテルのあるのは郊外の山の手で、坂道を降りた谷あいにアンマンの下町はあった。
 そこには、山の手のホテルにはない、アラブのまちの臭いがあって、入り組んだ小路は治安が保たれ、行き交う人びとで賑わっていた。

 丘の上の権力と閑散。谷底の民衆の活気。
 その際立った対比が、いまも記憶に残っている。

 そのアンマンの山の手、丘の上で起きた、ヨルダンの「9・11」。

 ザラクァイ一派とされる「イラクのアルカイダ」がインターネットで流した「犯行声明」によれば、山の手のホテルはNATOの出先となっており、「うすよごれたイスラエル人」の宿泊先にもなっているので、爆破したという。

 いつもの「ザラクァイ」らしい、実に単細胞的、犯行の動機だ。
 

 今回の同時爆破事件がもしほんとうに、ザラクァイという、テロ世界なりあがりの、スーパースターの仕業だとすれば、このヨルダン人は、故郷にテロルの錦を飾ったことになる。

 ヨルダン第二の都市、ザルカの貧しい下町に育った、チンピラ・ヤクザのザラクァイが、もしもほんとうに、ビンラディンと盟約を結び、イラクを拠点に神出鬼没のテロ活動を続ける、あの「ザラクァイ容疑者」と同一人物であるなら、よくもまぁ、ここまで、立身出世をしたもの。 

 「もう、あいつは、どこかできっと死んでいる」と、親族によって葬式まで出されている、身内の恥さらしが、あろうことか、首都アンマンのホテルに自爆の刺客を送り、アブドラ国王に盾を突くとは。

 「ジハードの池の小魚」(イタリアのテロ専門家、ロレッタ・ナポレオーニさんの表現)に過ぎなかった、オーラもくそもないない男が、アンマンの「丘の上」を、ヨルダン王国の支配の中枢で同時多発テロを引き起こした?

 にわかには信じがたい話ではある。

 
 腑に落ちないわけには理由がある。

 ヨルダンという国には、「GID」という情報組織があって、ことアラブ世界の過激派に関する情報収集活動においては、イスラエルのモサドもかなわない実力を持つといわれる。
 4年前、国内過激派によって、在アンマン米国大使館に対する爆破テロが企てられたときも、事前にキャッチして、未然に防いでいる。
 ヨルダンの情報部、GIDは、いつテロが起きても不思議ではないこの国を、テロの少ない、治安のとれた国にして来た。

 そうしたGIDの鉄壁の守りがなぜ、やすやすと破られたのか?
 それが第一の疑問である。

 ヨルダンはとりわけ「ザラクァイ」の動向に警戒の目を光らせていたといわれる。その目をかいくぐり、アンマンの丘の上に、自爆テロリストを送り込んだ。そんな組織力を、5年間、ヨルダンで刑務所暮らしをしたあと、国を飛び出した与太者あがりのこの男が、わずか数年で身につけるとは、考えにくい。
 今回の「9・11」の背後にも、2001年のあのときと同様、より大きな力が働いていたと見るべきであろう。
 
 この点に関して注目すべきは、英紙ガーディアン(電子版、11月11日付け)の「社説(Leader)」である。

 社説は、ヨルダン王国が一定の議会制民主主義を導入し、イスラム宗教勢力に対し、一定の活動の余地を与えていたが、テロ事件が起きた以上、当局の弾圧は必至である。「しかし、こうした悪しき犯罪の背後にいる勢力に勝利を手渡すないことこそ、賢いことである」――と指摘している。

 イスラム勢力を弾圧して、憎悪の火に油を注ぐことは、相手の手の内にはまることである。そういう愚かなことはやめなさい、と忠告しているわけだ。

 わが意を得たり、まったくもって同感の、ガーディアン紙の社説ではあるが、今回の「9・11」 がヨルダンに「テロ-弾圧-テロ」の連鎖反応が起きることを期待してのものだったとしたら……そして、それが、より大きな力によって企てられたものだとしたら、それはいったい、いかなる構図で仕組まれたものなのか?

 それがおそらく、今回の事件の核心に迫る、われわれが発すべき、第二の疑問である。

 この疑問に答えるには、中東をめぐる最近の情勢の変化に目を向ける必要があるだろう。
 
 ・ 米国とイランとの関係調整の動き
 ・ シリアをにらんだ、イラク西部における米軍の攻勢
 ・ イスラエル国内における政局の緊迫化

 この3つの動きを地図に落として見てみると、その中心にあるのは、やはりイスラエルである。

 イスラエルにとって「東方の脅威」であった「サダム・フセインのイラク」は地図上から消え、メソポタミアの地では、「イラク戦争」の戦乱が続いている(イラクで戦乱が続く限り、イスラエルの東部正面は安泰だ)。

 泥沼化した事態の収拾に、イラン(シーア派)が協力する姿勢を見せ始め、米軍にシリア侵攻するだけの余力が生まれようとしている。

 そうなると、パレスチナ和平を急がなくてはならないイスラエルのシャロン政権にとって、今回、中東に生まれた新情勢は、シリアなど「西方の脅威」を取り除く絶好の機会となる。

 シリアは、米軍がたたいてくれる。

 ついでにヨルダンも不安定化して、なんらかの口実をもうけて、イスラム過激派の一掃を図る。

 イラクでシーア派を攻撃し続ける「ザラクァイ」一派を、ヨルダンに「転進」させれば、シーアのイランの反発もやわらぎ、イラク情勢にも、すこしは落ち着きが出るだろう……。

 米ロサンゼルス・タイムズ紙によれば、ヨルダンの情報機関、GIDは米国から資金援助を受け、CIAと密接に協力している。CIAのエージェントがGIDに自由に出入りするほど、一体化した関係にある。そして、そのCIAがイスラエルの情報部、「モサド」と協力する、中東の諜報地図。
 
 もはや、「解」は明らかである。

 モサド、CIAの関与、そしておそらくはGIDの黙認による、アンマンの「9・11」の「演出」。
 自爆テロ犯を、そうとは気づかせずに操り、丘の上のホテルに向かわせたのは、彼らなのだ。
 

 爆破当日、アンマンのホテルにいたイスラエル人らに、何者かが事前の警告を入れ、全員無事に避難させていた、という、本紙既報のイスラエル紙、「ハーレツ」の報道が、その有力な傍証である。
 
 
 

Posted by 大沼安史 at 01:46 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2005-11-10

〔NEWS〕 「白燐」弾 ファルージャでの使用を確認 米軍誌に記述 イルヴィルでも使用

 米ネット紙、「Rawstory.com」は11月9日、在イラク米軍が昨年11月のファルージャ攻撃の際、「白燐」弾を使用したことを確認する記述が、米軍誌「フィールド・アーティリー」(2005年3・4月号)にあることを、ブロッガーが突き止めた、と報じた。

 記述は同誌の24頁、「ファルージャへの戦い」という記事のなかにあった。

「WP(White Phosporous)、白燐)は、効果的、汎用性のある弾薬であることが証明された」

「われわれは、武装勢力に対する、“shake and bake(揺さぶって焼く”作戦行動(複数)で、発射した。WPを浴びせかけ、HE(高性能爆薬)で一掃した」

 といった記述があり、「白燐」弾が戦闘に使用されたことが確証された。

 また、米軍誌「インファントリー・マガジン」(2004年5・6月号)のイルヴィル攻撃に関する記事のなかにも、「白燐」弾の使用が書かれている。

「占領して60秒経たないうちに、目標はHEとWPの激しい砲撃にさらされた」と。

 在イラク軍の「白燐」弾使用を否定するコメントが、これによって完全に覆された。

詳しくは ⇒

http://rawstory.com/news/2005/U.S._Army_publication_confirms_United_States_1109.html

Posted by 大沼安史 at 04:28 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 ヨルダンでホテル・テロ またもイスラエル人、事前に避難 イスラエル情報部、アルカイダの動向を監視し警告か?

 ヨルダンの首都、アンマンで11月9日午後9時(現地時間)ごろ、市内3つの高級ホテルで爆発があり、少なくとも57人が死亡、115人以上が負傷した。

 爆破されたホテルのうちの1つ、「ラディソン」ホテルには、イスラエル人の観光客らがいたが、全員、事前に避難していて無事だった。

 イスラエル紙のハーレツ(電子版)が10日に伝えた。

 同紙によれば、事前の避難は、「明らかに特別な安全上の警告」があったため。

 同ホテルに滞在していたイスラエル人は、「警備員」によってイスラエルに無事、帰ったという。
 
 イスラエルの反テロ司令部は9日、ヨルダンへの旅行はやめるよう警告を発していた。

 詳しくは ⇒

http://www.haaretzdaily.com/hasen/spages/643661.html

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051110-00000020-jij-int

 〔大沼 解説〕

 またも、謎の事前警告があり、イスラエル人が爆破テロを逃れた。
 
 またも、というのは、7月7日の英国ロンドンでの地下鉄同時多発テロのとき、以来、という意味だ。

 ロンドン・テロの際も、滞在中のネタニエフ財相(当時)に、事前に警告が入り、同相はホテルから外出せず、難を逃れた。(AP電、ドイツ「ビルト」紙が報道)

 そして、こんどはヨルダンのアンマン。
 イスラエルの情報部が、テロを事前に察知していたとしか思えない連発ぶりだ。

 アンマンのテロはアルカイダの仕業という見方が強いが、とすると、イスラエル情報部はアルカイダ組織の内部に「浸透」しているか、「監視」をしっかり続けているかのどちらかであろう。

 あの「9・11」のときの構図と同じでもある。

 それが「またも」の、もうひとつの意味だ。

 

Posted by 大沼安史 at 01:34 午後 | | トラックバック (3)

〔コラム いんさいど世界〕 「忘れろ」と、ブッシュは言った!

 アジア歴訪を前にブッシュ大統領が11月8日、日中韓の報道機関との会見に応じた。
 朝日新聞、新華社、朝鮮日報の特派員が合同でインタビューした。

 「日中関係」をめぐる質問に、ブッシュ大統領は言った。

 「日米も一時は不倶戴天(ふぐたいてん)の敵だったが今では友人だ……過去を忘れることは難しいが、可能だ」

 過去を忘れることはできる。
 だから忘れたらどうか。
 日米関係のように。

 アメリカの大統領の中韓へのアドバイスだった。

 「忘れる」――それは、たしかに可能だ。
 少なくとも、われわれ日本人にとっては。

 日本にとってアメリカは、かつて「鬼畜」。
 その「鬼畜」にいまなお、国土の一部を「占領」され、「軍事基地」としての使用を認めている。

 「グローバルな同盟」の「パートナー」などと言っている。
 「靖国」の「英霊」たちが知ったら、「特攻」で「散華」した者が気づいたら、憤るに違いないことを平気でしている。
 それもこれも、わたしたち、戦後の日本人が戦争の過去を「忘れた」から、だろう。

 アメリカとの戦争を忘れてしまったついでに、わたしたちは、中国との戦争を、朝鮮半島の植民地化を忘れてしまった。

 正確には、忘れさせられた。
 戦前から続く、この国の支配権力にとって、好都合な状況が意識的につくられた。
 戦争を知らず、歴史に関心のない、したがって思い出すこともなく、忘れることもない、「戦後意識」が定着した。

 それはアメリカにとっても都合のいいことだった。ヒロシマもナガサキも、まとめて水に流してくれたのだから。

 そうした、日本が「忘れてしまっていること」、それこそが「忘れていない」中韓が、きびしく指摘し、問題としている点だ。

 そういう「忘れていない」中韓に向かって、「忘れることは可能だ」とアメリカの大統領が言う。
 これはいったい、どうしたことか?

 戦争の過去は「忘れる」べきものではなく、直視すべきことである。

 つまり、決して忘れてはならない。
 忘れずに、過去を直視し、和解のため全力を挙げる。

 だから、大統領は会見で、ほんとうはこう言うべきだった。

 「過去を忘れることは難しいが、和解は可能だ」と

〔For the Record〕
 
 ★ 朝日新聞(11月10日朝刊の「会見要旨」より)

 日米も一時は不倶戴天(ふぐたいてん)の敵だったが今では友人だ。過去を忘れることは難しいが、可能だ。

 ★ ヘラルド朝日より(11月10日付け)

 The United States and Japan at one time were sworn enemies. And now here we are sitting down as friends. In other words, it's possible to forget the past, it's difficult, but it is possible.

 ★ 新華社電(英文)は、この大統領発言を取り上げていない。

    朝鮮日報(英語電子版)は、紹介している。

Posted by 大沼安史 at 11:50 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2005-11-09

〔NEWS〕 在イラク米軍 「白燐」弾、一般人に対する使用を「記憶にない」と否定    「MK77」弾については認める

 Yahoo! Newsが伝えたロイター電(11月8日付け)によると、在イラク米軍のスポークスマンは、昨年11月のファルージャ侵攻時における、一般人に対する「白燐」弾使用を「記憶にない」と否定した。

 しかし、新型のナパーム弾ともいわれる「MK77」弾については、軍事目標への使用を認めた。

 現地の米海兵隊幹部はロイター通信へのメールで、「MK77」弾を使用したのは、同年11月ではなく、同3月から4月にかけての、ファルージャに対する春の侵攻時のみであると言明、同弾の化学組成はナパームと違うと指摘した。

 またバクダッドの米海兵隊は、「白燐」弾は「通常兵器」であり、煙幕をはったり攻撃目標のマーキングに使うが、イラクの一般人には使っていないと主張している。

 この問題は、イタリアのテレビ局がドキュメンタリーを放映したことで表面化した。

 ドキュメンタリーのなかで、ファルージャ戦に参加した元米兵が証言しているが、この元米兵は、米第1歩兵師団に所属していたジェフ・エンゲルハート氏であることが確認された。

 
詳しくは ⇒

http://news.yahoo.com/s/nm/20051108/ts_nm/iraq_usa_weapons_dc&printer=1;_ylt=AuCXxo0KZsvsL1._27CCilRg.3QA;_ylu=X3oDMTA3MXN1bHE0BHNlYwN0bWE-

Posted by 大沼安史 at 05:09 午後 | | トラックバック (0)

〔コラム 机の上の空〕 パレスチナの少年 アーマド君 12歳 彼が隣人に遺したもの

 ヨルダン川西岸、ジェニンのパレスチナ難民キャンプで11月3日、12歳の少年がイスラエル軍兵士の銃弾を浴びた。

 パレスチナの過激派との銃撃戦の最中だった。

 イスラエルの兵士が照準を合わせた、約130メートル先に、銃を手にした若者がいた。

 命中した。
 現場に駆け寄ったイスラエルの兵士は、倒れた少年が手にしていたものを見て、驚いた。
 おもちゃの銃だった。

 少年は虫の息で生きていた。ラマラの病院に急送したが、手に負えず、ハイファにあるイスラエルの病院に運び込んだ。
 救命活動は実らず、少年は5日、死亡した。

 アーマド・カティーブ君、12歳。
 アーマド君の悲劇は、おもちゃの銃を持った少年まで殺す、イスラエル軍兵士の非人道性を示すものとして、ニュースとなって世界に広がった。

 7日、アーマド君の話が、またも世界に、ニュースとなって流れた。

 彼の両親が、彼の臓器の提供を申し出た。

 腎臓病を患っていたアーマド君のお兄さんは、臓器提供を受けることなく、亡くなっていた。
 そのことがあって、両親は腎臓などの提供を思い立った。
 それも、イスラエルのユダヤ人のために。

 イスラエルのハーレツ紙によれば、アーマド君の臓器は、ユダヤ人6人の命を救うことになった。

 腎臓は5歳の少年に。
 肺は5歳の少年と4歳の少女に。
 肝臓は56歳の女性と生後半年の男の赤ちゃんに。
 心臓は12歳の少女に。

 アーマド君の父親は、「これは政治的な問題ではない。人間的な問題なのだ」と語った。

 英紙インディペンデントによれば、ユダヤ人への臓器提供をめぐって、アーマド君の親族の意見は分かれた。

 イスラエルの拘束されているパレスチナ人政治犯は獄中から電話をかけてきて、「敵に腎臓を贈るな」と言った。

 憎しみをどう乗り越え、パレスチナの平和を息づかせるか。

 アーマド君は6人の隣人のなかに、命と希望を遺した。

 

Posted by 大沼安史 at 11:37 午前 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

〔NEWS インサイダー〕 イラクの妖怪、チャラビ ワシントン入り 米国の「イラク撤収」を提案 

 イラク国民会議(INC)を率いる、イラク・シーア派のチャラビ(現副首相)が11月8日、ワシントン入りし、ライス国務長官らブッシュ政権要人と会見した。

 チャラビはイラク戦争開戦前、サダム・フセインのWMD保有疑惑を煽った偽情報の捏造源として知られるほか、イランの暗号を米国が解読していることをイラン側に通報した疑惑の当事者であり、FBIがなお捜査中だ。

 そういう札付きの人物を、なぜブッシュ政権はワシントンに呼んだのか?

 この点について英紙インディペンデント(電子版、11月8日付け)は、チャラビのワシントン入りは、「ホワイトハウスにイラクの泥沼からの脱出策を提案」するためだ、と報じた。

 チャラビは同じシーア派のイランとパイプを持ち、先週、テヘランを訪問し、アルマディネジャド大統領と会談したばかり。

 チャラビはイラク政府の副首相として、イラク石油産業を担当しており、その意味でも、米国としてはなお「使いで」がある存在だ。

 〔大沼 解説〕)

 チャラビがどのような撤退策を提示したかどうか不明だが、イラクをめぐる諸情勢から見て、

 ① イラクはシーア派が今後、実質的にコントロールする
 ② イランはイラク国内の武装抵抗勢力の支援を行わない
 ③ 米国はイラン攻撃を行わない
 ④ イラクのシーア派を抑え込んだ段階で、米軍の部分撤退を始める
 ⑤ アメリカのシリア侵攻を、イランは黙認する
 ⑥ アメリカはイスラエルにイランを攻撃を思いとどまらせる
 ⑦ イラクの石油資源はアメリカがコントロールする

 ――といった内容のものと推測される。
 

Posted by 大沼安史 at 10:32 午前 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 日英豪が「イラク撤退」を調整協議 自衛隊の引き揚げは来年半ば 豪紙、報道

 豪紙、ジ・オーストラリアン(電子版)は11月8日、日英豪の3ヵ国政府がイラクに駐留する部隊の撤退について、ここ数ヵ月、調整協議を続けていると報じた。

 同紙はまた、日本の自衛隊の撤退時期については「来年半ば」になる、との見通しを示した。

 同紙さらに、イラク政府が、日本政府に「さらに1年の駐留」を求めていると報じている。

Posted by 大沼安史 at 09:59 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-08

〔重要NEWS 速報〕 米軍 ファルージャ侵攻時に化学兵器(白燐)を使用 イタリアTV局が証拠映像を放映

 英紙インディペンデント(電子版)は11月8日、イタリアの国営テレビ(RAI)とRAINEWS24(イタリア国営放送24時間ニュース・チャンネル)が7日、米軍が昨年11月、イラクのファルージャに侵攻した際、化学兵器(白燐)を使用したとする証拠の映像を流した、と報じた。

 ファルージャでの化学兵器使用疑惑は、昨年11月10日、「イスラム・オンライン」が報じていたが、米軍は照明弾であるとして、疑惑を否定していた。

 伊RAIが放映したドキュメントは、ファルージャの「人権研究センター」が撮影したもので、ファルージャで戦闘に従事したという元米兵1名が証言している。

 元米兵は「白燐は人体の皮膚に溶け込んで、骨まで焼いてしまう。女性や子どもの焼死体(複数)を目撃した。燐は爆発し、雲状になった。半径150メートル以内の人は、燐を浴びた」と証言した。
 
 ドキュメントに登場したファルージャの専門家、タレク氏は「火の雨が街に降った。多色の物質が体にくっつき、燃え始めた。死んだ人は、奇怪な傷口を持っていた。衣服は大丈夫なのに、体だけが焼けた」と語った。

 「ファルージャ:隠された虐殺」と題されたRAIのドキュメンタリーはさらに、白燐の化学兵器のほか、ナパームの進化型、「マーク77」という、これまたジュネーブ条約で使用を禁じられている非人道兵器が使用されたと指摘している。

 インディペンデント紙の記事は ⇒

http://news.independent.co.uk/world/middle_east/article325560.ece

 RAINのニュースチャンネルは ⇒

http://www.rainews24.it

Posted by 大沼安史 at 12:23 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 米軍のフサイバ侵攻、続く

 米ニューヨーク・タイムズ(電子版)が報じたところによると、シリア国境に近いイラクの都市、フサイバに対する米軍の侵攻作戦は、11月5日現在も続いている。

 侵攻3日目の同日は、米軍・イラク政府軍が、モスクや学校に立てこもる武装抵抗勢力との間で銃撃戦を展開した。

 イラク政府軍兵士は女装した武装勢力3人を射殺。
 うち1人はイラク国外から来た男だった。

 これを含め、これまで3日間の戦闘で36人を殺害した。

 米海兵隊員1人も戦死した。

 (大沼注)
 フサイバに侵攻した米軍には、ニューヨーク・タイムズ紙の特派員が同行している。ほかの西側メディアの同行はないようだ。

 米軍の侵攻は5日で3日目に入った。
 激しい抵抗にあっているらしい。
 
 

Posted by 大沼安史 at 09:52 午前 | | トラックバック (0)

2005-11-07

〔国際問題コラム いんさいど世界〕  「北の帝国」  支配に翳り マラドーナの「神の手」に触れ、蹴り出されたブッシュ大統領 ラテン・アメリカに「時代の順風」

 南米アルゼンチンの沿岸リゾート、マルデルプラタで開かれた米州首脳会議が、話し合いの果実を何も生み出さないまま、11月5日、2日間の日程を終えた。

 米州自由貿易地域(FTAA)構想を携え、2000人の側近と4機のAWACS(早期警戒管制機)を引き連れて現地に乗り込んだブッシュ大統領は、手土産を持つことなく、そそくさと引き揚げざるを得なかった。 

 南米を自らの「内庭」とみなして、したい放題を続けて来た「北の帝国」の、無様な近隣外交の失敗。

 ブッシュに代わって脚光を浴びたのは、「反ブッシュ」を掲げて、現地での抗議運動をリードした、あの「神の手」のサッカー・プレーヤー、地元アルゼンチンのマラドーナであり、米国にとってもっとも煙たい存在の、ベネズエラのチャベス大統領だった。

 〔神の手のマジック〕

 「反ブッシュ」の抗議行動の先頭に立ったのは、ディエゴ・マラドーナだった。

 1986年のワールドカップ・メキシコ大会決勝戦。西ドイツのゴールネット揺らしたマラドーナの2得点は、いまや伝説だ。「神の手」をつかった、あの1点目。敵のディフェンダーを次々にドリブルで抜き去り、ゴールの隅に、ピンポイントでシュートを決めた2点目。アステカ・スタジアムのあのゴール・シーンは、サッカーファンならずとも、記憶に残っていることだろう。

 マラドーナは、その栄光の頂点から、その後、地獄に堕ちる。

 コカイン中毒。ぶよぶよに太ったその体からは、「神の手」を持つ者のオーラは消えていた。

 そのマラドーナが復活した。
 キューバに4年間、通って、リハビリを続け、ことし8月、テレビのインタビューアーになって、「背番号10番の夜」という、レギュラー番組を持つまでになった。

 甦ったマラドーナは、ブエノスアイレス発の特別列車に乗り、400キロの道のりを、抗議の民衆らとともにマルデルプラタ入りした。

 途中、歓迎の人びとが待つ駅で臨時停車し、交流を重ねて、1日から「民衆サミット」が開催されている現地を目指した。

 現役時代を思わせる輝き。贅肉を削ぎ落とし、筋肉が盛り上がった分厚い胸。

 そのマラドーナの上半身が、「反ブッシュ」のメッセージ・ボードとなった。

 Tシャツを着替えるたびに、新しい「スローガン」が胸元を飾った。

 全世界を意識した英語のキャッチワード。

 “STOP BUSH(ブッシュを止めろ)”
 “ASSASSIN(暗殺者)”
 “WAR CRIMINAL(戦争犯罪人)”

 そのすべてが、ブッシュ大統領の顔写真のキャプション(説明文)として、映像になって世界に流れた。

 4日の米州首脳会議開催に合わせ、マルデルプラタのサッカースタジアムで開かれた、「民衆サミット」主催の抗議集会で、マラドーナは40000人の聴衆を前に、こう言った。

 「わたしはみなさんを愛しています。偉大なるアルゼンチンよ。ブッシュを追い出そうではありませんか」(AFP=時事電)

 「アルゼンチンは守られるべきだ。さぁ、一緒にブッシュを蹴り出そう」(米誌「ネーション」)

 ブッシュ大統領を「人間の屑」と言い切った、ブエノスアイレス郊外のスラム出身のスーパースターは、「神の手」のこぶしをふたつ、空に突き上げた。

 〔反米の根にあるもの〕

 マラドーナをしてブッシュ大統領を「人間の屑」とまで言わせたもの。それはアルゼンチンの人びとの、怨念にも似た反米感情である。それが底流にあって、今回、マルデルプラタで一気に噴き出した。

 首脳会議の開会を宣言したホスト国、アルゼンチンのキルチネル大統領の演説もまた、そうした国民感情に裏打ちされたものだった。

 仏ルモンド紙によれば、キルチネル大統領に演説は、米国のネオリベラルな政策で引き起こされた「過去の政治経済に対するアルゼンチン人の怒りのこだまさせる」ものだった。

 「われわれは、2001年にアルゼンチンを襲った危機の結果と、南米地域の多様なデモクラシー政府の崩壊を当たりにしたがゆえに、その政策を批判しているいるのです」

 キルチネル大統領は、ブッシュ大統領が見守るその演壇から、こう言い切ったそうだ。

 2001年、経済危機に陥ったアルゼンチンは、米国(IMF)の「市場経済」化の処方箋で、どん底へと突き落とされた。12月には銀行の預金が封鎖され、通貨の価値も3分の1まで減価してしまった。人びとは街頭に繰り出し、女性はフライパンを叩いて抗議したが、後の祭りだった。

 こうした4年前の恨みが、マラドーナの口を借りて、弾丸シュートのように、ブッシュ大統領に向かったわけだ。

 それだけではない。

 これはブッシュ大統領個人には直接、責任のないことだが、アルゼンチンは1977年から83年前の軍事独裁政権時代、悲劇を経験しているのだ。

 クーデターのあと、軍による「汚い戦争」で、3万人もの国民が殺され、行方不明になった。

 その軍事政権を、米国が支えた。

 そのことにアルゼンチン人はいまでも怒っている。

 マルデルプラタでの反ブッシュ「民衆サミット」には、軍事政権によって息子の命を奪われた母親たちでつくる平和団体、「マヨ広場の母たち」のメンバー200人も参加した。

 マヨ広場とは、ブエノスアイレスの政府庁舎前の広場のことで、いまなお母親たちは白いスカーフをかぶって、毎週水曜日に集まり、抗議行動を続けている。

 アルゼンチンの人びとの心の根っこには、こうした反米感情が、デモクラシーを希求する灯となって、燃え続けているのである。

 だからこそ、アルゼンチンが誇る、ノーベル平和賞の受賞者、建築家でもあり彫刻家でもある平和運動家、アドルフォ・ペレス・エスキヴェル氏のルモンド紙へのインタビュー発言も、以下のように激烈なものにならざるを得なかった。
 
 「ブッシュは全世界にとっての危険であります。人権宣言を尊重せず、国際条約を無視し、国連安保理にも従わない」
 
 「ブッシュはイラクやアフガニスタン、そしてグアンタナモの人権侵害に責任があります。彼は、テロリズムについて語りますが、アメリカによるテロリズムを自ら非難しない」
 
 「マルデルプラタの反ブッシュのデモは、ラテン・アメリカに対する略奪を非難するものなのです」

 〔英雄チャベス〕

 マラドーナとともに、マルデルプラタのヒーローとなったのは、ベネズエラ左翼政権のチャベス大統領だった。

 チャベス大統領は4日、首脳会議の席を抜け出して、サッカースタジアムでの反ブッシュ集会に参加し、延々2時間半にわたって、熱弁をふるった。

 英紙、フィナンシャル・タイムズ紙の特派員によれば、チャベス大統領は以下のような発言をしたという。

 「われわれ(ラテン・アメリカ)は、北アメリカの植民地にはならない」

 「人びとが求める新しき、歴史的な、社会主義のプロジェクト、21世紀社会主義を誕生させるために、資本主義を葬り去ろう」

 これまた激烈かつ挑戦的な演説内容である。

 2ヵ月前、ブッシュ大統領の盟友であるテレヴァンジェリスト(テレビ説教者)のパット・ローバトソンから、「殺されたらいい」という暴言までもらった、南米の暴れん坊、チャベス大統領にふさわしい(?)、ストレートな物言いだ。

 そんなチャベス大統領を、英紙インディペンデント紙は、南米の「ビリー・ザ・キッド(西部の無法者のひとり)」と呼び、ブッシュ大統領をキッドを倒した保安官のワイアット・アープにたとえていたが、なにか「含み」でもあるのだろうか。

 〔米国の巻き返しは〕

 南米の関税障壁を一層し、南米を米国製品の輸出のはけ口にするFTAA協定は、「半球の支配的経済パワーである米国にとって、利益は明らかである」(米ニューヨーク・タイムズ紙)という性質のものだ。

 チャベズやマラドーナが「反対」を叫ぶのも当然のことだろう。

 しかし、いくら反対の大合唱があがっても、南北両アメリカにEUを上回る経済ブロックをつくりたい米国としては、FTAAを捨てるわけにはいくまい。

 そこで今後のブッシュ政権の出方が気になるところだが、米国の政策シンクタンク、「ワールド・ポリシー研究所」の報告によると、米国はラテン・アメリカに対する軍事的な関与を強め、同盟国に対する軍事援助を増大させている。その規模は2006年時点で、2000年実績の実に34倍、1億2200万ドルの達する見通しだ。

 ブッシュ政権としてはこうした軍事援助をテコに拠点を防衛する一方、チャベズ大統領のベネズエラに何らかの形で介入するものとみられる。

 資源確保戦略でイラクの石油の確保に動くブッシュ政権の次なる軍事行動のターゲットに、果たしてベネズエラは挙げられているのか。

 先のエスケヴェル氏の、ルモンド紙での発言にある、「最近、米国はパラグアイに米軍を展開させた。アメリカにとっての関心は、パラグアイの膨大な水資源である」との指摘と合わせ、気になるところである。

 ブエノスアイレス大学の社会学者、マルセロ・ランジーリ教授は、今回のマルデルプラタ・サミットについて、「ラテン・アメリカ史のひとつの転換点だった」と総括しているが、問題は今後の展開の方向である。

 ブエノス・アイレス、すなわち「聖母の順風」に乗って、ラテン・アメリカが平和の時代に向かうことを祈るほかない。 
 
 
 

Posted by 大沼安史 at 09:11 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2005-11-06

〔NEWS〕「偽情報」、またも発覚 「サダム・フセインがアルカイダ・メンバーを訓練 しかも生物化学兵器を」は根拠なし 米情報機関(DIA)、イラク開戦1年以上も前に警告 ブッシュ政権はこれを無視

 米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は11月6日、イラク戦争の開戦理由の根拠のひとつとされた、サダム・フセインのイラクがアルカイダのメンバーに生物化学兵器の使用訓練を施している、との情報が、実はパキスタンで拘束されたアルカイダ幹部による偽情報らしいことを、米国防総省の情報機関、「防衛情報局(DIA)」がイラク開戦の1年以上前、2002年2月に突き止め、秘密報告書にまとめて提出していた、と報じた。

 同報告書の一部が、米上院のロックフェラー情報委員会委員長ら、民主党有力上院議員2人の要請に基づき、機密解除されたことで明るみに出た。

 同紙の報道によると、偽情報は2001年末、パキスタンで逮捕され、現在、キューバのグアンタナモ収容所に拘束されているとみられる、アルカイダ幹部のリビ容疑者。

 リビ容疑者に対する尋問がどこで、どのような方法で行われたか明らかではないが(大沼注 それがほんとうにリビ容疑者による証言だったかも含めて)、DIAの報告書は、同容疑者の「証言」は「意図的にミスリード」しようとしたものとみられる、と指摘している。

 こうしたDIAの秘密報告書が出ているにもかかわらず、ブッシュ大統領は2002年10月のオハイオ州シンシナティでの演説で、「イラクが爆弾づくりや毒、ガス製造で、アルカイダを訓練していることを突き止めた」と言明していた。

 〔大沼 解説〕

 またしても、ブッシュ政権による情報操作疑惑が浮上した。

 DIAから秘密報告を受けながら――ということは、嘘とわかっていながら、米国民、ひいては世界の世論に向かって、恐怖を撒き散らした。

 「イラクがアルカイダに生物化学兵器の訓練をしている。放っておいたら、たいへんなことになる」と。

 それにしても、ペンタゴンの諜報組織がベッタリ、クエスチョン・マークを貼り付けた「偽情報」を無理矢理、「真実」とみなし、イラク戦争に突っ込んでいったブッシュ政権のほんとうの狙いは何だったか。

 イラク開戦キャンペーンの根拠とされたものがことごとく捏造されたものと判明した現在、そこまで嘘に嘘を重ねて、戦争を始めなければならなかった、ほんとうの「開戦理由」が問われなければならない。

Posted by 大沼安史 at 07:54 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 リビー補佐官の後任は「イラク関連捏造情報」受け取りの窓口役 米紙報道

 米紙連合、KR(ナイト・リッダー)の電子版(11月1日付け)は、起訴されたリビー・副大統領首席補佐官の後任、ジョン・ハナー新補佐官が、イラク戦争開戦に向けた「WMD疑惑」でっちあげ情報の、ブッシュ政権側受け取り窓口の役割を果たしていた、と報じた。

 KRによると、チャラビ氏率いる「イラク国民会議(INC)」が2002年6月26日付けで、米上院調達委員会あてに出した書簡のなかに、ハナー氏がホワイトハウス側の情報受け取り窓口であることが記載されている。

 KRはこの書簡のコピーを入手している。

 INCワシントン事務所のカンバール所長によるこの書簡には、INCがハナー氏と、国防総省の高官の2人に吹き込んだ「情報」と同じ内容が、西側主要メディアの118本の記事となって流れたことを確認している。

 そうした「情報」のなかには、INCが亡命者として送り出したアル・ハイデリによる、「イラク国内20ヵ所もの秘密核・生物兵器・化学兵器製造施設を訪れた」との嘘の証言が含まれている。

 
 〔大沼 解説〕 見逃してはいけない重要ニュースである。「サダム・フセインのWMD保有疑惑」キャンペーン工作の構図が、たしかな証拠をもとに明らかにされているからだ。

 その中心にあった人物が、リビー補佐官の後任とは……さもありなん、というべきか。
 
 11月1日に明らかになった事実で、「ニュース」とは言いにくいが、For the Record のために書いておく、
 
 

Posted by 大沼安史 at 06:48 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 CIA秘密収容所 東欧国名を伏せたWP紙に批判

 東欧にCIAの秘密収容所があることを、ワシントン・ポスト(WP)紙が米政府当局者の要請を受け容れ、国名を伏せて報道した問題で、米国のメディア・ウォッチャー、「FAIR」は11月4日、同紙を批判する声明を発表した。

 米高官がWP紙に、国名を伏せるよう求めた理由は、①国名を明かすと、反テロ活動に支障が出る②テロリストの報復の対象となりうる――の2点。

 これに対してFAIRの声明は、反テロ活動に支障が出る、というのは、それが非合法であることが暴露されるからであり、その暴露に伴う支障は恐れるべきことではない、国名を伏せたことにより、法的、政治的手段による是正の道を閉ざし、テロリスト容疑者とされる人びとに対する人権侵害をむしろ永続化させ、逆に報復の恐れを強めてしまった、と、WP紙を強く批判した。

 〔CIA、ボーイング737機を飛ばす〕

 米国のCIAが東欧に秘密のテロリスト収容所を設けている問題で、英紙サンデー・タイムズ(電子版)は11月6日、7人を乗せたCIAのボーイング737型機が2003年9月にポーランドの東北部にある旧空軍基地に飛来し、そこで新たに5人を乗せ、ルーマニア南東部の空軍基地経由で、キューバのグアンタナモ基地に向かった事実がある、と報じた。

 ポーランド、ルーマニア両国政府は、CIA機の発着は、テロリストの輸送と無関係として、関与を否定している。
 
 

Posted by 大沼安史 at 06:45 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 ファルージャの悲劇、再び 米軍、シリア国境の都市、フサイバに侵攻

 米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)が11月6日に報じたところによると、2500人の米軍は1000人のイラク政府軍とともに、シリア国境に近い、フサイバ(Husauba)に対し、5日朝から攻撃を開始した。
 
 武装勢力はカラシニコフで応戦。米軍はジェット戦闘機による500ポンド爆弾の空爆で、陸上部隊を支援している。
 
 米軍は5日の日没までに、フサイバ西部の数区画を制圧したに過ぎない。
 
 侵攻作戦は米海兵隊が指揮している。
 
 フサイバ侵攻は、ユーフラテス川沿いにシリア方面から流入しているとされる武装勢力の侵入ルートを塞ぐのが目的。

 〔大沼 解説〕

 昨年11月のファルージャ侵攻に続く大規模作戦で、一般住民を巻き込んだ戦闘が続いているようだ。「第2のファルージャ」にならなければよいが……。

Posted by 大沼安史 at 06:42 午後 | | トラックバック (0)

2005-11-05

〔NEWS〕 大砲よりバター 戦闘機より被災者支援 パキスタン政府 F16購入を延期

 英紙インディペンデント紙(電子版、11月5日付け)が報じたところによると、パキスタンのムシャラフ大統領は米国製のジェット戦闘機、F16、25機の購入を延期する。

 地震被災者の救援を優先するためだ。

 パキスタン北部での地震による死者は7万人を超えている。

 救助の手はまだ被災地全域に届いていないのが現状で、今後の救援活動になお、50億ドル、要するとみられている。

 F16の値段は1機、2500万ドル。

 戦争よりも人命救助、戦闘機よりも生活の復興。

 ムシャラフ大統領の決定(遅すぎたけれど)を歓迎しよう。

Posted by 大沼安史 at 12:55 午後 | | トラックバック (0)

2005-11-04

〔NEWS〕 米CIAの秘密収容所はポーランド、ルーマニアに 英紙報道

 英紙インディペンデント紙(電子版、11月4日付け)は、米国のCIA(中央情報局)がテロ容疑者を拘束している旧東欧の国家とは、ポーランドとルーマニアではないか、との見方を報じた。
 
 この問題は、米紙ワシントン・ポスト紙が2日付けの紙面で暴露していた。
 
 ポスト紙は、CIAが「黒のサイト」と呼ぶ秘密収容所は、タイ、アフガンのほか、「複数の東欧民主主義国家」にあるとスクープしたが、東欧の国家名については、「反テロ活動に支障が出る」との米政府当局者の要請に基づき、明らかにしていない。
 
 ポスト紙によると、これら「黒のサイト」では100人以上のテロ容疑者が拘束されている。うち、30人は重要容疑者。
 
 こうした容疑者に対してCIAは「高度尋問テクニック」と称する、「水責め(waterboarding)」といった拷問を続けているという。
 
 こうした行為は、米国のみならず、ポーランドやルーマニアにも批准している国際条約、「拷問・非人道的な取り扱い・処罰を禁止する国連条約」に違反するものだ。
 
 これらの秘密施設の設置を受け入れたホスト国でその存在を知るものは、政権トップのごく限られた範囲の当局者にすぎない。
 
 インディペンデント紙の報道は、ポスト紙の暴露を受け、ヨーロッパにおける対応に焦点を当てたものだが、これら秘密収容所を「グラーク(ラーゲリ)」と書き、旧ソ連における強制収容所にたとえて、非難している。
 
 同紙によれば、欧州連合やジュネーブの国際赤十字委員会も調査に乗り出しており、ブッシュ政権はこの面からも追い込まれている。
 
 ポスト紙によれば、ブッシュ政権はCIAに対して、米連邦議会上下院の軍事委員会委員長に概要説明する以外、口外しないよう厳命している。
 
 ブッシュ政権は「ニジェール問題」に続き、またも、政権を吹き飛ばしかねない、自爆的な「爆弾」を抱え込んでしまった。

Posted by 大沼安史 at 08:16 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「ニジェール偽造文書」 イタリア イラク開戦前に米側に警告 ブッシュ政権 もみけしに躍起

 サダム・フセインの「WMD保有疑惑」の根拠のひとつとされ、結果的に「偽造」とわかった「ニジェール文書」問題で、イタリア国会は11月3日、非公開の公聴会を開き、関与が指摘されているイタリア軍情報部(SISMI)のポラーリ長官から事情を聴取した。

 ローマ発のAP電によると、同長官はSISMIとして、偽造文書の流布にまったく関わりを持たないと、関与を否定した。

 しかし、同長官はイラク戦争開戦前に2003年1月に、ニジェール文書が偽造であることを、米側に警告した、と語った。

 (これが事実とすれば、ブッシュ政権は、米元外交官、ウイルソン氏のニジェール調査報告に加え、イタリア情報部から「ニジェール文書」がでっち上げであると正式の通報を受けながら、イラク侵攻に突き進んだことになる)

 一方、ローマ発のニューヨーク・タイムズ特電(電子版、11月24日付け)によると、秘密公聴会でSISMIのポラーリ長官は、「偽造文書」を関係筋にばら撒いていたのは、SISMIの元スパイで情報屋をしている、ロッコ・マルチノという人物である、と証言した。

 このマルチノ自身が偽造を手がけたかどうかは確認されていない。

 マルチノの関与はかねてから指摘されていたものだが、SISMIによって公式に確認されたのは、今回が初めて。

 (マルチノの偽造文書をばら撒いた背後関係については、大沼著『戦争の闇 情報の幻』(本の泉社)を参照願います)

 こうしたなかで、ブッシュ政権側が問題のもみ消しを図ろうとしていたことが発覚、批判を浴びているいる。

 上記のニューヨーク・タイムズ紙によれば、イタリアの左翼紙「ウニタ」は11月1日、FBI(米連邦捜査局)のミュラー長官から、SISMIのポラーリ長官あて、EBIとしてこの問題の捜査を終結する、との書簡が届いていることを明らかにした。

 この書簡のコピーは、3日の秘密聴聞会の席で開示され、FBI側も送付の事実を認めた。

 (イタリアでの真相追求が佳境に入りだしたときの突然の幕引き工作に、追い込まれたブッシュ政権の焦りさえ感じられる)

 〔解説〕

 米国は第二次大戦後、ヴィトー・ジェノヴェーゼといったマフィアの大物を使い、イタリア政治を操作してきたといわれる(ピーター・デール・スコット米カリフォルニア州立大学バークリー校名誉教授)。

 今回の「ニジェール問題」にも、そうした「闇の勢力」が関与した疑いが強い。

 国際諜報の闇の深さを思い知らされる。

 詳しくは ⇒
http://abcnews.go.com/International/wireStory?id=1279158

http://www.msnbc.msn.com/id/9912352/

http://www.nytimes.com/2005/11/04/international/europe/04italy.html?pagewanted=print

Posted by 大沼安史 at 07:40 午後 | | トラックバック (0)

2005-11-03

〔コラム 机の上の空〕 ローザ・パークス 頌

 人種差別のバスに座り続け、黒人公民権運動の口火をきったローザ・パークスさんの葬儀が11月2日、米ミシガン州デトロイト市で行われた。

 4000人もの人びとが参列したキリスト教会での葬儀のもようを、地元紙(デトロイト・ニューズ、デトロイト・フリープレス)などの電子版で読んで、考えさせられた。

 バスに乗ったひとりの黒人女性の、たったひとりの、50年前の抵抗が生んだ、希望と救い。

 徹夜で並んだ開場を待った黒人参列者たちに、クリントン前大統領夫妻ら白人らも加わって、「新しいアメリカの母」(ジェシー・ジャクソン師の言葉)に最後のお別れをした葬儀は、あらためてアメリカという白人優位社会の原罪を償い、民主主義の未来に架橋する、新たな通過儀礼でもあった。

 パークスさんが南部アラバマ州モンゴメリーで、白人専用のバスの前部座席から、立ち上がるのを拒否したのは、1955年12月1日。

 その日のことを、クリントン前大統領は弔辞のなかで振り返った。

 南部アカンソー州に住む、当時9歳のクリントン少年は、パークスさんが白人に席を譲らなかったことをニュースで知った。未来の合衆国大統領は2人の友だちと語らって、パークスさんに連帯することを決意し、バスの前部座席に座ることを止めたという。

 「それは、3人のふつうのこどもの、ささやかなジェスチャーでした。しかし、その小さな行動は、こどもたちの心のなかで、親たち、祖父母たちの心のなかで、何百万回となく繰り返されて来たのです。そして、それはついに、彼女がわたしたちすべてを自由にしてくれたことを証明した………(中略)彼女は、わたしたちの目を開き、合意させてくれたのです。人はみな、自由であるべきだと」

 7時間に及ぶ葬儀の最後に、弔辞を読んだのは、黒人指導者のジェシー・ジャクソン師だった。

 「グッドバイを言う、それだけのことに、これだけ長い時間のかかる人がいる」と。

 92年のパークスさんの人生は、アメリカの朝に向かってひた走る、大陸横断バスのような旅路だった。

 パークスさんが南部を逃れ、デトロイトにやってきたのは、1957年のこと。以来、ミシガンのこの都会は、彼女の第二の故郷となった。

 自動車の町、フリントの博物館には、彼女が座り続けたバスが永久保存されている。

 彼女はデトロイトに来てからも、活動を止めなかった。

 財団をつくって、デトロイト市内に住む、黒人の子どもたちの教育を支援して来た。奨学金を出し、ワークショップを開いて、都市部の貧困な子どもたちに救いの手をのばした。

 その教育支援は、彼女にとって、南部での黒人公民権運動の延長であったろう。

 ミネソタ州にすむわたしの友人の話では、彼女の最後の夢は、デトロイトに彼女自身のチャータースクールをつくることだったという。

 老衰が夢の実現を阻んだ。

 いまから20年ほど前、わたしはミシガン州に住んでいて、デトロイトからきた長距離バスに乗り込み、シカゴ経由でミネソタに向かったことがある。

 隣り合わせた席に、黒人の夫婦がいて、会話を交わした。

 聞けば、シカゴでニューオルリーズ行きのバスに乗り換え、南部に向かうのだという。

 身内が死んだので、このバスに乗っているのだと。

 シカゴはまるで別方向。自分の車もなく、デトロイト空港からの飛行機代も持たない、この貧しい黒人夫婦にとって、グレイハウンドのバスを乗り継ぐしか、ほかに方法はなかった。

 それが1980年代半ばのアメリカの現実の、少なくとも一部だった。

 デトロイトでのパークスさんの葬儀の記事を読みながら、この黒人夫婦はいまごろどうしているのだろう、葬儀には参列したのだろうか、と思った。

 ワシントン・ポスト紙の記事は、会場のグレーター・グレース・テンプル教会の近くで、サキソフォンの男が「ウィー・シャル・オーヴァーカム」を演奏していたと書いていた。

 会場のなかでも、「ウィー・シャル・オーヴァーカム」の大合唱。
 

 わたしたちは、必ずや、打ち勝つだろう
 いつの日か。
 オー、わたしの胸の奥ふかく
 わたしは、たしかに信じている
 わたしたちが必ず、打ち勝つことを

 アメリカの黒人をめぐる状況は、半世紀前と比べ、法的な面では改善されたが、実生活の面ではなお足踏みを続けている。最近は逆に悪化さえしているとの指摘もある。

 アメリカの民主主義はなお、理想の地に向かって、バスを走らせなければならない。

 それは、わたしたち、日本の社会にとっての課題でもあり、目標でもあろう。
 

 バスの道筋を定めた、ローザ・パークスさんの死を悼む。
 
  

Posted by 大沼安史 at 09:08 午後 3.コラム机の上の空 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 2本目のトカゲの尻尾に……ローブ大統領補佐官に身内から辞任求める声

 CIAエージェト身分漏洩事件のもうひとりの主役、カール・ローブ大統領補佐官に辞任を求める声が、ブッシュ政権内から上がっているという。

 起訴されたリビー副大統領補佐官に続く、2本目のトカゲの尻尾切り。

 こちらはリビー被告と違って大物中の大物だけに、その去就が注目されるが、フィッツジェラルド特別検察官の捜査の包囲網は着実に狭まっており、「辞任」だけでは逃げ切れなそうな雲行きだ。

 ワシントン・ポスト紙(電子版、11月3日付け)は、「ローブの将来の役割が議論されている」という見出しの記事を掲げた。

 ホワイトハウスのおける「将来の役割」?

 もって回った言い回しだが、要するに、大統領補佐官としてローブ氏に未来はない、早く辞めてくれ、という声が、ホワイトハウスや政権与党の共和党筋から流れはじめているのである。

 背景にあるのは、同紙も指摘するように、フィッツジェラルド特別検察官が、「タイム」誌のクーパー記者(クーパー記者とローブ補佐官の件は、本紙「机の上の空」既報=ミニNEWS欄参照)の弁護士に接触するなど、ローブ補佐官立件へ向け、捜査を強化しているからだ。

 同紙はローブ補佐官に近い筋の話として、フィッツジェラルド補佐官は「虚偽証言(false statements)」の罪でもって起訴するだろうと見通しを語っているが、その程度で済むのかどうか、大いに疑問である。

 フィッツジェラルド特別検察官は、CIAエージェントの身元をリークしたのはローブ補佐官であると断定して、事件の「本筋」である、諜報法違反の罪で起訴に持ち込もうとしているのではないか。

 そういう流れを知ったからこそ、「辞任」論をふりまく、その「筋」の連中が出てきた、と推測される。

 
 ワシントン・ポストの記事は ⇒ 
 

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2005/11/02/AR2005110203276_pf.html

Posted by 大沼安史 at 05:26 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS 特報〕 イラク戦争に負けてしまう? 米国防総省が懸命に「鳥インフルエンザ」対策 新ワクチン確保へ 「タミフル」も大量購入

 米国防総省(ペンタゴン)が「鳥インフルエンザ(バード・フル)」対策に懸命になっている。

 イラクやアフガニスタンで戦争を続け、世界中で臨戦態勢にある米軍にとって、「バード・フル」対策はそれこそ死活の問題。

 これに罹って兵士がバタバタ倒れてしまえば、戦闘どころの騒ぎでなくなってしまうからだ。

 兵士の「健康力」、即「兵力」であるだけに、ペンタゴンは必死だ。

 米紙「星条旗」紙(電子版、11月2日付け)が報じた。

 それによると、ペンタゴンは現在、米国の国立衛生院(NIH)が開発中の「H5N1バード・フル」ワクチンを、270万ドーズ、すでに発注している。

 第一陣の入荷は来年2月の予定だそうだ。

 (大沼注 つまり、開発中の米国製ワクチンは、来年2月までには完成する見通し、である。これも見逃せないニュースである)

 ワクチンが完成してもFDA(連邦食品薬品局)の「承認」がなければ「投与」できないのがルールだが、ペンタゴンには連邦保健厚生省の「緊急時特別許可」で、兵士に緊急投与する道が開かれている。

 (ワクチンの安全性の最終確認など、待っていられない……)

 ペンタゴンではまた、バード・フルに唯一、効果があるものと期待されている抗ウイルス剤、「タミフル」の調達にも動いており、250万治療コース分(1治療コースは、1日2錠・5日分)を「購入中」だ。

 さらに、吸引式の「レレンザ」という薬の確保にも走っている。
 
 〔大沼注〕
 鳥インフルエンザは、アジアのほか、トルコ以西のヨーローパ各地で感染が確認されている。その中間地域にあたるイラクやアフガニスタンでは感染例の報告はないが、それは感染をまぬかれているという保障ではない。すでに発生しているのに気づかないか、気づく余裕がないかのどちらかである可能性は残されている。
 
 それにしても米軍には人殺しのための兵士の健康維持に動くのではなく、不衛生な戦闘地域での「バード・フル」の予防と人命を守る救助活動にあたったほしいものだ。

 それが米軍に期待される「国際貢献」というものだろう。

 
「星条旗」紙の記事は ⇒

http://www.estripes.com/article.asp?section=104&article=32710

Posted by 大沼安史 at 10:16 午前 | | トラックバック (1)

2005-11-02

〔NEWS〕 米下院軍事委員会 「サウジ侵攻」でヒアリング クーデターを想定 東部油田地帯を制圧

 ワールド・トリビューンCom.が11月1日に報じたところによると、米下院軍事委員会は10月26日、サウジアラビアでクーデターが起きた際の米国としての軍事対応に関し、シンクタンクの専門家からヒアリングを行った。

 証言したのは、ブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン氏(シニア・フェロー)。

 それによると、オハンロン氏は、世界最大の産油国であるサウジで、イスラム原理主義者らによるクーデターが起きると、「オイル・エコノミー(石油に依存した世界経済)大混乱の妖怪が現れる結果になる」と警告。

 かりにサウジアラビア全域の治安を維持しようとする場合は、30万人、油田が集中する東部地域だけを限定的にコントロールする場合でも当面、10万人を兵力を投入しなければならない、と証言した。

 東部地域の油田を完全に守りきるには、さらに10万人の追加投入が必要だとしている。

 (大沼 注)米軍によるサウジ侵攻は、親米的なサウド王家が崩壊した場合、すぐにも現実化しそうなシナリオだ。

 場合によっては、「クーデター」を口実に、サウド家がなお健在であっても、米軍が油田地帯を占領することも十分、考えられる。

 米国による石油資源確保戦略の次の焦点は、イランではなく、むしろサウジかもしれない。

 ⇒

http://www.worldtribune.com/worldtribune/05/front2453676.157638889.html

Posted by 大沼安史 at 04:51 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 「最初、ローブ氏に聞いた」 CIA身分漏洩 TIME記者がTV証言

 「プレイムゲート」事件でCIAエージェントの身分を漏洩した米政府高官が誰なのか、注目が集まる中、米週刊誌「タイム」のマット・クーパー記者は、米ABCテレビの朝の番組(10月31日放映)のインタビューで、「これついては何の疑問もない。わたしは最初に、CIAで働いている(エージェントの)バレリー・プレイムについて、カール・ローブ(ブッシュ大統領次席補佐官)から聞いた」と証言した。

 クーパー記者によると、リビー副大統領首席補佐官(起訴済み)はこれをコンファーム(確認)したという。

(大沼 注) ローブ補佐官の刑事訴追に向け、包囲網は徐々に狭まっている。

 ABCの電子版の記事は ⇒

http://abcnews.go.com/GMA/print?id=1265736

Posted by 大沼安史 at 03:56 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 ベトナム戦争の悪夢、再び イラクで上官をフラッギング

 上官を下級兵士が手榴弾などで殺傷する「フラッギング」(fragging)が、イラク駐留米軍で起きていたことがわかった。

 フラッギングは、ベトナム戦争時に多発したものだが、イラク戦争ではこれが初めて。

 戦争という非人道的な場面における、兵士の怨念の増大、モラル低下が、イラクの戦地でも顕著になりつつある。

 英紙、ガーディアン(電子版、11月2日付け)の報道によると、上官殺しの容疑で軍法会議にかけられるのは、37歳の2等軍曹。

 2等軍曹は爆発物のスペシャリストで、ティクリットの米軍基地内で、イラク武装勢力の攻撃を装い、手榴弾と地雷を爆発させ、上官の大尉、中尉の2人を殺害した。

 同僚の証言では、2等軍曹は日頃、大尉を「憎んでいた」という。

 こうした上官殺しは、ベトナム戦争時に横行し、同紙によれば、1969年から71年までの2年間だけで、600件が発生し、82人が死亡、651人が負傷している(米陸軍調べ)。
 

Posted by 大沼安史 at 12:51 午後 | | トラックバック (0)

〔教育改革情報〕 チャータースクール          3925校に 在籍生徒数、100万人を突破

 アメリカのチャータースクールは新たに424校が開校して、全米で3925校に。在籍児童生徒数も107万6964人と、大台に――ワシントンのNPO、「教育改革センター(CER)」の調べて、こんな結果がわかった。

 来年度(2006~2007年度)に90校が開校することも、すでに決まっている。

 アメリカのチャータースクールは、これでいよいよ「4000校・100万人」の時代を迎えた。

 州別では、多い順に①カリフォルニア(592校)②アリゾナ(449校)③フロリダ(326校)④オハイオ(277校)⑤テキサス(259校)⑥ミシガン(233校)――の順。

詳しくは ⇒

http://www.edreform.com/index.cfm?fuseAction=document&documentID=2214

Posted by 大沼安史 at 11:15 午前 2.教育改革情報 | | トラックバック (0)

2005-11-01

〔For the Record〕 「リビーは攻撃犬の一匹」 「平和の母」、リビー補佐官起訴で声明

 イラク反戦運動の「平和の母」、シンディー・シーハンさんが、リビー副大統領首席補佐官の起訴に関して、以下のような声明(10月28日付け)を発表していた。

  (大沼の仮訳)
 
 「ルイス・“スクーター”・リビーの起訴と辞職は、歓迎すべき事態の発展ではあります。しかし、アメリカ人に嘘をつき、批判する者や反対派を狙い撃ちにした責任は、指揮命令系統の頂点に向かうべきであります。スクーター・リビーは明らかに、この欺瞞の戦争に反対する者に放たれた、攻撃犬の一匹でありました。しかし、彼は上司のご主人さまに仕える犬なのです。この政権は、嘘にもとづく戦争をなお続けています。その戦争は、わたしの息子を含む2000人のアメリカ人の命と、数万人の罪もないイラク人の命を奪っています。今回の起訴はこの国、そして世界中に高まる、占領終結、軍隊の撤収、そして、犯罪に手を染めた者どもに対する責任の明確化を求める呼びかけをなおいっそう強めるものです。この起訴を、イラク戦争を裁判にかけ、わたしたちの兵士たちをいますぐ帰宅させるための跳躍台として役立てましょう」

 原文は ⇒

''While the indictment and resignation of Lewis 'Scooter' Libby is a welcome development but, the responsibility for lying to the American people and targeting critics and dissidents needs to go all the way up the chain of command. Scooter Libby was clearly one of the administration's attack dogs unleashed on opponents of this fraudulent war, but he serves higher masters. This administration continues to wage a war based on lies, a war that has taken the lives of 2,000 Americans, including my son, and the lives of tens of thousands of innocent Iraqis. This indictment reinforces the growing calls in this country and around the world to end the occupation, bring our troops home and hold those responsible accountable for their crimes. Let this serve as a springboard to put the war on trial and bring our troops home now.''

Posted by 大沼安史 at 05:45 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 石油資源、枯渇へ サウジ 原油増産能力に疑問符 NYT紙が報道

 人類による現代文明を発展させてきたエネルギー資源、石油が枯渇へのフィナーレへ向けて、坂道を転げ落ちはじめたようだ。

 原油生産で唯一、余力を持つとされて来た、世界最大の産油国、サウジアラビアの原油増産能力に疑問符が付いた。

 米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版、10月27日付け)が報じた。
 

 「サウジの石油増産の約束に疑念(Doubts Raised on Saudi Vow for More Oil)」と題する、ジェフ・ガース(Jeff Gerth)記者のレポート。

 ガース記者は、米政府の「秘密諜報レポート」を入手し、米国ならびにサウジの当局者、専門家に取材してレポートをまとめた。

 戦略資源である原油は、機密のヴェールに隠されており、埋蔵量や生産余力など不透明な部分が多い。

 サウジについても、採掘可能な原油埋蔵量や増産余力などの正確なデータについては、ほとんど知られていないのが現実の姿で、石油価格が暴騰し、世界経済に影響を広げるなか、信頼すべき実態報告が求められていた。
 

 ガース記者のレポートは、こうした期待に応えるもの。

 それによると、サウジアラビアの増産余力は、ことし2月時点のサウジ石油省高官の言明で、日産1200万B(バレル)から1500万Bは可能であることがわかった。

 これは、それまで言われていた増産余力、300万BDの半分以下の数字だ。

 サウジはこの増産余力をもとに、4月になって、アブドラ王子(当時)がテキサスでのブッシュ大統領との階段で、2009年まで向こう4年間に、日産1250万Bレベルまで、最終的に14%近く増産することを約束していた。

 しかし、ガース記者の調査によると、この約束は空手形で、サウジの現在における石油日産量は950万バレルにとどまっており、増産余力とされる日産150万Bについても、ヘビーな油質で先進国用には不向きなものであることがわかった。

 つまり、サウジの増産余力は今時点で、ほとんどないに等しいわけだ。

 そうなると、未利用・未確認のの埋蔵原油を開発し、生産につなげるしかないが、サウジ側が確認済みの未利用埋蔵路油の2600億Bに加え、1500億Bあるとする未確認埋蔵量(推定値)についても、首をかしげる向きが多い。
 2000年の米国による全世界地質調査では、サウジの未確認石油埋蔵量は、わずか870万Bに過ぎないとされている。

 ガース記者によれば、こうしたサウジの実情は、サウジとともにその増産余力に期待が集まっていた、アラブ首長国連邦についても同じ。

 ブッシュ政権が期待をかけたサウジに次ぐ世界第2の石油資源国、イラクについても「希望は失望に変わった」という。
 
 (大沼 注)

 〔「ピーク・オイル」説、現実のものに〕

 以上が、ガース記者のレポートの概要だが、ここで明らかにされた事実の持つ意味合いはきわめて大きい。

 世界の石油生産がそのピークを過ぎ、枯渇期に入って、加速度的に生産量を減らしていくという、いわゆる「ピーク・オイル」説を裏付けるものだからだ。

 米国のブッシュ政権は、カスピ海周辺の石油資源埋蔵量が予想外に少なかったことから、急遽、中東の石油資源確保策に戦略を再転換し、それがイラク侵攻につながったといわれている。

 その中東の石油資源もまた、実は枯渇期に入っている!

 こうなると、好戦的なブッシュ政権としては、イラク占領をできるかぎり長引かせ、石油資源を確保するとともに、サウジの石油についてもその支配権を強化する一方、イランの石油資源についても確保に動き出す可能性がある。

 こうしたなかで、日本の石油資源戦略はどうなっているのか、気になるところだ。

Posted by 大沼安史 at 01:41 午後 | | トラックバック (0)

〔NEWS〕 言葉と命の重みについて 杉浦法相、「死刑執行サインせず」発言を撤回

 新任された杉浦正健法務大臣が10月31日の就任後の記者会見で、死刑執行の命令書について「サインしない」と表明した。

 発言は、「新しい日本政府が死刑を停止した」(仏ルモンド紙)ものとして、世界中から注目を浴びた。

 死刑制度は先進国で廃止が進み、日本と米国のみとなっている。

 それだけに、今回の杉浦法相の発言は、「米国を最後の死刑執行国とするもの」(同紙)として重視され、世界中に報じられたわけだ。

 同日付けのルモンド紙(電子版)によれば、絞首でもって死刑を執行する日本は、国際社会のなかで厳しく批判されている。執行前の最後のアピールの機会を与えず、執行数時間前にしか、本人および家族に予告しない。

 そういう国の新任法相の発言だけに、国内外で重く受け止められたのだ。

 そんな記者会見での言明が、なんと約1時間後に、「発言は個人としての心情を吐露したもので、法相の職務の執行について述べたものではない」との「コメント」で、撤回された。
 
 法務大臣の記者会見の言葉の、なんという軽さよ。

 命の重みを支えた言葉が、たった1時間で、露と消えた。

ルモンドの報道は ⇒

http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3216,36-705299@51-629278,0.html
 
 読売、朝日の報道は ⇒

http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/seiji/20051101/20051031i118-yol.html
http://www.asahi.com/national/update/1031/TKY200510310288.html

Posted by 大沼安史 at 11:25 午前 | | トラックバック (0)