〔For the Record〕 クリントン、「イラク戦争はビッグ・ミステイク」
クリントン前米大統領は11月16日、中東湾岸、ドバイのアメリカン大学で演説し、イラク戦争は「a big mistake(大きな過ち)」であると述べた。
AP電や英紙インデイペンデントなどによると、前大統領はさらに、ブッシュ大統領が「イラクにおける権力構造の完全破壊を含む、いくつかの失策(several errors)をおかした」と批判。
続けて、「テロリストたちを呼び込んでしまった。これは中心的な過ちである。そしてわたしたちは、そのこととともに生きている」と指摘した。
〔大沼 解説〕
クリントンの、この「ビッグ・ミステイク」発言は、これまでイラク戦争評価に慎重な姿勢をみせていた前大統領による、初めての明確な言明とあって、世界に大きな衝撃波となって伝わった。
この2日間、所要でデスクに座ることができず、この件についてもまた、本ブログにおいて速報することができなかったが、日本ではなぜか報じられていないようなので、「同時代の記録」として、遅ればせながら、記しておく。
今回のクリントン発言はもちろん、国際、(米)国内状況の風向きを読み取ったうえでのものである。
ブッシュ政権の失敗をとりつくろい、国際社会における米国の威信をつなぎとめるには、こうするしかないのだろう。
国内的には、劣位の民主党にふたたび権力の舵取りを任せる「方向」に――米国民に希望と幻想をふりまきながら――政治の振り子が振れ始めたに違いない。
この点でなにより重要なのは、おそらくブッシュ政権も、「イラク撤退」の検討しはじめている(あるいは終えている)のではないか、との視点である。
それを知っているがゆえに、たぶんクリントンは「明言」したのだ。
そう、ブッシュ政権など倒れても、米国のヘゲモニー(と、その政治権力の正統性幻想)さえ守ることができればいい……。
アメリカの政局は、ニクソンが倒れた「ウォーターゲート」状況に似てきた。
内部告発などが続き、果たして「ブッシュゲート」の水門は破られるか?
それとも、したたかな粘り腰で、ブッシュのホワイトハウスが民主党などの攻勢を凌ぎきるのか?
それが今後の注目点である。
Posted by 大沼安史 at 11:07 午前 | Permalink

















