〔いんさいど世界〕 2005年 イグ・ノーベル賞 発表!
2005年、「イグ・ノーベル(Ig Nobel)賞」の授賞式が10月6日、米国のハーバード大学で行われた。
本家、ノーベル賞に対抗(?)して、1991年度に始まった同賞も、ことしで15回目。愉快で大真面目な、そしてときにはピリッと風刺が効いた研究業績に贈られるこの賞、いまや世界の注目の的だ。
ユーモア科学誌『ありえない研究年報』が主催するイベントで、イグ・ノーベルのイグ(Ig)とは、「~ではない」の意味。「NO-ペル賞」という洒落である。
ちなみに、イグ・ノーベルに似た、イグノーブル(ignoble)という英語もあるが、こちらは「不名誉な」の意味。
そこで早速、2005年の晴れの受賞者たちの紹介に入るとするが、栄養学部門で授賞した、われらが同胞、「ドクター中松」氏については、すでに日本で報道済みであり、省略させていただくことにする。(彼の授賞理由に関心のある方は、末尾に掲げたアドレスをクリックしてください)
さて、ことしのイグ・ノーベル賞物理学部門の栄誉は、オーストラリア・クィーンズ大学の研究者2人(うち1人は研究を開始した故人)の上に輝いた。
凝結したタール(あの石油のタール)が滴となって落下するまでの時間を測定するという、まさに粘り強い研究業績が高く評価された。
1927年から始まった実験で、タールの塊が漏斗の先から、ひとつの滴となって落下するまでの平均時間は「約9年」であることが確認されたという。
論文によれば、最新の落下は2000年11月28日に起きた。8滴目の点滴だった。
あの凝結した黒いタールが滴になって落ちる! うーん、地球の重力って凄い!
2005年「医学賞」は、米国ミズーリ州のグレッグ・ミラー氏に贈られた。
「ニューティクル」なるものの発明と、その実用化が高く評価された。
そのミラー氏に対する授賞理由を、発表文で知って唖然とした。
ミラーさんというお方、股(転換ミスではありません)また、モノ凄いものを発明したものである。
この「ニューティクル」なる代物(まさに「代物」です。その意味はすぐお分かりになるでしょう)、ワンちゃんやネコちゃんなど、ペットの動物たちがお付けになる(正確には、付けさせられる)ものだそうだ。
それも股の間に。それも、オスだけが……。しかも、代(理)物……。
科学心に富んだ読者諸兄であれば、すでにご賢察のこととは存じますが、「わたし、ほんとにワカンナ~イ」などとほざくカマトト娘どももいるらしいので、そういう彼女らにキツイ一撃を食らわす意味で、ここははっきりと、真理・真実の名において、事実をしっかり、書きおくこととする。
そうです、「ニューティクル」って、男の股ぐらにのみ存在する、あのタマタマ(これを英語でテンティクルといいます)の代理物。
あたらしい、おニューのタマタマ(テンティクル)、だから、「ニューティクル」。
さらに言えば、この「ニュー」にはもうひとつの「ニュータリング」の「ニュー」が引っ掛けられている。
Neutering ……すなわち「去勢」。
もうこれ以上、説明するまでもないことだが、ミラー氏が発明した「ニューティクル」とは、去勢したオスのペットたちのための、代理タマタマなのだ。
シリコン製だそう。
いくら犬猫とはいえ、股ぐらが涼しいのは、男らしさまで消えてしまったようで寂しいもの。ウラ悲しさの極みである。そういうオトコの子たちのために、ミラー氏はシリコン・タマタマを開発した。
パイプカット手術より割安なのが受け、1995年以来、全世界でなんと15万匹が、この恩恵をタマわっているそうだ。日本ではどうなってるんだろう?
さて、続きましては「平和賞」。
ことしは、英国のニューカッスル大学の研究者2人に贈られた。
イラク戦争が続いている、いまの地球上に、どんな「平和賞」があり得るのか……などとブサクサ言いつつ、授賞理由を読んでタマげた(物理学賞のショックの余韻ということで勘弁してください)。
あの「スターウォーズ」のスペクタクルな戦闘シーンを、イナゴたちに見せて、どのような映像に視覚的な反応を示すか、実験・解析を続けて来たそうだ。
その結果、イナゴたちの脳神経の反応で分かった衝撃の新事実とは何か。
イナゴって、自分に向かって衝突しようとして来る物体にのみ、視覚的に反応し、それ以外はすべて無視してしまう、ってことが分かったそうだ。
これじゃぁ、衝撃の真実じゃなくて、衝突の新事実だよね。
研究者たちは、このイナゴの反応特性をエンジニアリングに活かせるのではないか、と日夜、研究に励んでいるそうだが、平和といえばたしかにこんな平和なこと、ないよね。
これってたしかに、「平和賞」もの。
あの沖縄「密約」返還の日本の宰相に「平和賞」を贈ってしまった、本家のノーベル賞より、こっちの方がホンモノ、よほどマトモな気がする。
「経済学賞」は、マサチューセッツ工科大学のガウリ・ナンダ氏に贈られた。
氏のHPにアクセスすると、すばらしく美しい女性と判明!(ますます、テレビのナレーションみたいになって来ちゃった。ところで、ガウリって、ミサイルの名前にもなった、「火」という意味のヒンヅー語じゃなかったっけ。とすると、彼女はインド系?)
ガウリ嬢への授賞理由は、ある特殊な目覚まし時計を発明したこと。
ベルが鳴ると同時に動き出し、逃げ回って、ベッドの下などに隠れてしまう。
ベルを止めるには、どんなに眠くてもベットから起きだし、見つけ出さないとダメ。そのころにはすっかり目が覚めている仕掛けだ。
ガウリ嬢のHPにその写真が載っているが、茶色のモルモットみたいな動物のかたち。両サイドに小さな車輪がついていて、かわいい。目覚ましというより、ベッドサイドのペットって感じだ。
これがどうして「経済学賞」に?
それはね、早起きは3文の得って、日本でも言うじゃない!! 経済活性化は逃げ隠れ目覚ましから、ってわけ。
その他、「カエルの発する悪臭研究」(「生物学賞」)「人間はシロップと水の中のどちらで速く泳げるか、研究」(「化学賞」)など、愉快・痛快な研究が授賞リストに載っているが、ことしの「文学賞」には、BLOGジャーナリストの端くれとして、考えさせられた。
石油権益を背景とした独裁政治が続く、アフリカ・ナイジェリアの政治腐敗告発サイト、「ナイジェリア偽造メール・ギャラリー」が、晴れの栄誉に輝いたのだ。
「偽造」と銘打ってはいるが、実はナイジェリアの現実に対する、パロディーによる風刺。
亡命ナイジェリア人らが開設しているサイトには、たとえば「【極秘提案】 独裁者が残した、1850万ドルの秘密預金口座のパスワードを、わたしだけが知っています。引き出す方法をご教授しますが、いかがですか」といった、ほんものまがいの「偽造メール」が掲載されている。
なるほど、こういうレジスタンスもあるのだな、と感心させられた。
真実を顕わにする虚構の事実。
笑いが引き裂く、隠蔽のカバー。
日本でも、「偽造秘密文書サイト」なんてものができたら、面白いかも、でも「怪文書」がどっと集まって来たら困るな、などと、思わず、空想に耽ってしまった。
★ イグ・ノーベル賞のサイトは ⇒
http://www.improb.com/ig/ig-top.html
★ ドクター中松氏の授賞については、以下を参照してください。
http://www.asahi.com/national/update/1007/TKY200510060344.html
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20051007/20051007a3880.html

















