〔いんさいど世界〕 軍曹の戦死 中佐の辞任
イラク南部、バスラに駐留する英陸軍の大隊長が辞任した。
コールドストリーム・ガード第一大隊を指揮していた、ニック・ヘンダーソン中佐(43歳)。
相次ぐ部下の死に耐え切れず、軍服を脱いだらしい。
中佐は、装甲車両が不足していることを問題視し、配備を求めていたという。
英紙、サンデー・テレグラフ(電子版、10月23日付け)が報じた。
ヘンダーソン中佐は、1000人規模の大隊を指揮し、バスラでの治安維持活動に従事していた。
英陸軍大学に籍を置いたことものある、将来を嘱望されたエリート。
その突然の辞任に、大きな波紋が広がっている。
第一大隊はことし5月以降、9人の兵士を亡くしている。
ヘンダーソン中佐はそうした部下の死に、苦しんでいたらしい。
とりわけ、今月18日に犠牲になった9人目の戦死者、クリス・ヒックレイ軍曹(30歳)の無残な死には、大きな衝撃を受けていたという。
そのヒックレイ軍曹について、英紙インディペンデント(電子版、23日付け)が、その人となりを取材し、レポートしている。
英国中部、ブラッドフォード近郊の村の出身。
学校を出て機械修理工になったあと、犯罪、麻薬に走る元学友の姿を目の当たりにし、陸軍に志願したこと。
駐屯地の近くのナイトクラブで、結婚相手のゲンマさんと知り合ったこと。
息子が一人、生まれたこと。
ヒックレイ軍曹の足跡を追ったインディペンデント紙の記者は、取材結果を淡々とした筆致で、克明に記している。
あと数日、生きていれば、任務を離れ、妻子と再開できたはずの、まじめな、ひとりの、イギリスの若者の死。
その死に大隊長は耐えられなかった。
ヒックレイ軍曹は、イラクで戦死した、97人目の英軍兵士だった。
軍曹の人生を追ったインディペンデント紙の記事は、末尾に、ほかの戦死者96人、全員の名前と戦死した日付けを記載した。
Posted by 大沼安史 at 02:07 午後 1.いんさいど世界 | Permalink
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