〔NEWS 速報〕 リビー補佐官、起訴 「プレイム・ゲート」事件、ついに立件 ブッシュ政権中枢によるイラク戦争開戦工作の一角、明るみに 特別検察官「捜査はさらに継続」言明
ブッシュ政権高官によるCIAエージェントの身元漏洩事件、いわゆる「プレイム・ゲート」事件で、連邦大陪審は10月28日、チェイニー副大統領のルイス、“スクーター”・リビー首席補佐官を偽証や司法妨害などの罪で起訴する決定を下した。
フィッツジェラルド特別検察官は同日、記者会見し、捜査は「まだ終わっていない」と語り、事件の解明が今後、さらに進展する可能性を示唆した。
起訴を受けてリビー被告は、副大統領補佐官の職を辞した。
CNNやAP通信によると、リビー被告は5つの訴因で起訴された。偽証、嘘誓がそれぞれ2件、司法妨害が1件。
起訴状は、リビー被告が、ブッシュ政権による「サダム・フセインのWMD(大量破壊兵器)」保有プロパダンダを批判した米元外交官の妻(バレリー・プレイムさん)が、実はCIA(米中央情報局)のエージェントであることをマスコミに漏洩、暴露した直接の当事者であるとは、なお断定していない。
フィッツジェラルド特別検察官は、22ヵ月に及ぶ取り調べの過程でリビー被告が行った、FBI(連邦捜査局)や大陪審に対する偽証などに焦点を絞り、立件に漕ぎ着けた。
リビー被告の補佐官辞任についてチェイニー副大統領は声明を発表し、「大変、残念である」と遺憾の意を表明するとともに、リビー被告は有罪が確定するまでは推定無罪である、と述べた。
事件捜査のもう一人の焦点であるブッシュ大統領のカール・ローブ次席補佐官については、この日は起訴は見送られた。
関係筋によると、これはローブ補佐官について立件を断念したものではなく、同補佐官はなお、捜査の対象になっているという。
ローブ補佐官は同日朝、ワシントン北郊の自宅を出る際、記者団に対して「きょうはいい金曜日になる。いい週末になる」と語った。
ローブ補佐官の起訴が当面、見送られたことで、ブッシュ政権としては最悪の事態を避けることはできたが、政権中枢が情報漏洩隠蔽の偽証工作を行っていた事実が明るみに出たことで、さらに窮地に追い込まれたことは確かだ。
イラクによる「WMD保有疑惑」をフレームアップし、米国をイラク戦争へ引きずり込んだ、ブッシュ政権中枢による「開戦工作」の一端が表面化したことは、イラク戦争の正当性を根本から揺るがすもので、全米で広がる反戦・厭戦感情を強めることは間違いない。
「プレイム・ゲート」でCIAエージェントである身元が暴露されたバレリー・プレイムさんは、元外交官、ジョー・ウィルソン氏の妻。
ウイルソン氏は、2002年2月、イラクが核の原料であるウランを、アフリカのニジェールから入手したという疑惑(いわゆる「ニジェール疑惑」)の調査で現地に派遣されたが、帰国後、疑惑が根拠のないものであると報告したにもかかわらず、ブッシュ政権がイラク戦争開戦へ向けたプロパガンダに利用しているのに反発、ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿して世論に訴えた。
ウイルソン氏の夫人の身分漏洩は、これに対する報復として行われたとみられ、2003年6月、ワシントンの政治コラムニスト、ロバート・ノバク氏によって報じられた。
CIAエージェントの身分暴露は、諜報活動に身をおくエージェントにとって命取りになりかねないもので、法律により禁止されているが、今回のリビー被告に対する起訴には、この法律違反の罪は含まれていない。
フィッツジェラルド特別検察官は2003年9月に、事件解明のため任命され、捜査を続けて来た。
Posted by 大沼安史 at 04:29 午前 | Permalink
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