〔教育的な、あまりにも教育的な! NEWS解説〕 「アスベスト校害」と「低学力」
文科省による全国「アスベスト校」調査の中間報告が9月30日に発表された。142の公立校で「飛散の恐れ」があるという。
今朝の新聞で読んで、「あーあ、またか」と思った。
「飛散する恐れ」(?)――たぶん、文科省のペーパーに書いてある通りの表現だろうが、正確には「これからも飛散する恐れ」であり、同時に、これまですでに「飛散した恐れ」であるだろう。
もっと言えば、「すでに飛散したアスベストを、子どもたちや教職員、あるいは父母ら関係者が吸引した(&吸引する)恐れ」である。
だからこそ、アスベストが緊急の、全国調査を要する問題だったではなかったか?
危険なものの「危険性」を、するりと「安全性」と言い換える、あのやり方である。
発表の記者会見の席で、どうしてこういうゴマカシを批判できないのか?
報道によれば、「現段階で、文科省は健康診断の実施については各教委の判断に委ね、特に指示する予定はないとしている」(朝日)――だそうだ。
そして「ただ、児童・生徒や卒業生から健康上の不安の訴えがあった場合には、保健所や労災病院などの健康相談窓口を紹介するよう指導している」とも。
ちょっと待ってほしい。全国の142校でアスベストが「飛散した恐れ」がある、とわかったのだから、その学校だけでも即刻、健康診断を実施するよう通達するのが、公教育を預る政府機関としての筋ではないか。
アスベスト問題については、「健康被害」という、誰が考えたかわからない巧妙な言い方もされている。
健康被害?――いや、より正確には「人命被害」、あるいは無策な「官」による「公害」である。
ことを「学校」に限れば、「アスベスト」問題とは、子どもたちの命を将来的に奪いかねない「アスベスト校害」というべきだろう。
結局、文科省は日本の子どもの命と健康のことなど、ほんとうは何も心配していないのだ。
「低学力」は心配しても、アスベスト被害は気にもかけない。学力にしろ何にしろ、こどもたち一人ひとりの命あってのものだねではないか。
文科省は2007年度から、全国の公立学校の小6、中3の全員を対象に「全国学力テスト」を実施するそうだ。そのための事前準備に、来年度予算の概算要求で40億円以上もの「体制整備等予算」を計上している。
日本の学力を診断するだけなら、世論調査と同じように、抽出調査で十分である。
「学テ」予算を、「アスベスト診断」に回すべきである。
☆ 朝日新聞の報道は、以下で読むことができます。
http://www.asahi.com/special/asbestos/TKY200509290274.html
☆ アスベスト問題における「霞ヶ関」の混乱ぶりについては、以下の記事を参照してくだい。
http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2005/0721_2.html

















