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2005-09-30

〔NEWS〕 「告発者の妻はCIAエージェント」 暴露したのは副大統領補佐官 NYT紙報道 「ニジェール・ウラン疑惑」捏造批判の外交官に報復 ジュディス・ミラー記者は釈放

 アフリカ・ニジェールを舞台とした、イラクによる「ウラン入手疑惑」が、他のさまざまな「WMD(大量破壊兵器)」疑惑同様、まったく根拠のないものだったことはすでに既定の事実になっているが、この「ニジェール疑惑」が裏づけのない捏造であることをニューヨーク・タイムズ紙に寄稿して「内部告発」した、米国の元外交官、ジョセフ・ウィルソン氏に対する、ブッシュ政権中枢による報復疑惑が、確定的なものになった。

 9月30日付けの同紙は、ウイルソン氏の妻、ヴァレリー夫人がCIAのエージェントであると、同紙のジュディス・ミラー記者に暴露していたのは、チェイニー副大統領の首席補佐官、ルイス・“スクーター”・リビィー氏であると報じた。

 ジュディス・ミラー記者は、ヴァレリー夫人の身分漏洩事件を捜査中のフィッツジェラルド特別検察官から、機密である同夫人の身分について、ブッシュ政権内の誰から漏洩されたか明らかにするよう求められたが、同記者は「ニュース源の秘匿」の原則を盾に法廷での証言を拒否し、法廷侮辱罪で7月6日以降、ワシントン近郊のバージニア州アレキサンドリアの拘置所に収監されていた。

 ミラー記者は、レビィー氏の側から、「自発的・個人的」な同意を得られたとして、漏洩者について法廷で証言することを決め、29日に釈放された。

 ミラー記者は、ヴァレリー夫人に関し、何も記事に書いていないが、フィッツジェラルド特別検察官は、身分漏洩事件の全容を解明する上で、同記者の証言が必要だとして、強硬な姿勢をとり続けて来た。

 CIA(米中央情報局)のエージェントの身分を暴露することは、エージェント本人の身に危険が迫ることがあり得るほか、国家安全保障上も多大な損害を招くため、法律で禁止されている。

 こうした重大な違反行為を、政権中枢の人物が犯した疑惑がほぼ確定したことで、ブッシュ政権はますます厳しい立場に立たされた。

 フィッツジェラルド特別検察官の捜査の手が、任期切れの来月(10月)までにどこまで伸び、政権内部から逮捕者が出るかどうか、注視すべき事態になった。

 ヴァレリー夫人の身分漏洩については、ほかに少なくとも4人のジャーナリストが証言に応じている。

 夫人の身分漏洩の背景には、イラク戦争開戦前に加熱した「WMD疑惑」に水差すように、「疑惑なし」の調査結果をまとめ、その事実を新聞への寄稿で明らかにしたウィルソン氏に対する、報復の意図があったと見られている。

 ウィルソン氏のニジェール行きは、「夫人の薦めによるもの」(同氏はこれを否定)、それなのに、ああした暴露までして、というのが、報復した側の論理だったらしい。

 釈放されたミラー記者は、イラク開戦前、サダム・フセインの「WMD疑惑」を次々に「スクープ報道」したが、根拠のないものだったことが開戦後、判明している。

 (大沼注)「ニジェール疑惑」の顛末については、拙著『戦争の闇 情報の幻』(本の泉社)に詳しく書いています。

Posted by 大沼安史 at 02:39 午後 |

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