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2005-09-18

「被災バウチャー」で子どもたちを救済

 米連邦政府は「ハリケーン・カトリーナ」で南部の居住地からの脱出を強いられた子どもたちの教育を支援するため、「被災バウチャー」を支給することを決めた。
 2005-2006年度に限った緊急措置だが、対象となる児童生徒は30万人以上に達する見通し。
 
 米教育誌「エデュケーション・ウィーク」が、発売中の9月21日号で伝えた。

 連邦政府がバウチャー(学習クーポン)のかたちで支出する額は、19億ドルに上る見込み。児童生徒1人あたりの支給額は最大7500ドル。州政府による教育支出の90%以下の線に抑える。

 ハリケーン被災家庭の子を受け入れた公立学校には、受け入れ児童生徒数に応じて(つまりバウチャー枚数分の連邦資金が投入される。
 ふつうの公立校のほか、チャータースクールへの転校生も対象。
 私立学校や宗教学校への転校生にも、総額4億8800万ドルのバウチャー支給枠が設けられている。

 マーガレット・スペリングス連邦教育長官は16日、「われわれは前例のないことに取り組んでいる」と、今回の「被災バウチャー」支給が画期的なものであることを強調したが、民主党のケネディー上院議員は、公立校での実施については称賛したものの、私立・宗教学校にも適用されることについては批判的な姿勢を示した。

 
 (大沼・注)ハリケーン被害により難民化した子どもたちの教育支援に、「バウチャー」が適用されることになった。
 「バウチャー」は最終的に、公立学校(教育委員会)に支払われるが、仕組みとしては子どもたち(家庭)に交付され、その子が転校先に持ち込むことで、学校・教委側は初めて連邦資金を得ることができる。
 つまり、「バウチャー」とはあくまで、子どもたち(家庭)自身について回るもの。
 今回のような大規模災害の場合、被災者の避難先を把握するのは時間のかかることであり、「連邦政府―州政府―学区教育委員会―各学校」という「上意下達」式で、対策を資金を配分・交付することはきわめて難しい。
 その点、バウチャーは被災児童生徒とそれを受け入れた学校による「下意上達」方式であって、事前の配分作業など必要がなく、そうした使い勝手のよさが、転校を余儀なくされた子どもたちを支えることになった。
 
 
 

Posted by 大沼安史 at 02:28 午後 2.教育改革情報 |

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