「30万人」がデモ行進 イラク開戦以来、最大規模の抗議行動 首都ワシントン デモ隊の「海」に
米国の首都ワシントンが9月24日、「プロテスター(抗議者)の海」(ニューヨーク・タイムズ紙の表現)と化した。
主催者の予想(10万人)を3倍も上回る、「30万人」(主催者推定。警察の推定でも15万人)もの参加者たちが、イラク戦争の中止を求めて、「ノット・ワン・モア(もう、これ以上、一人の犠牲者を出すまい)」のスローガンを叫んだ。
BLOGジャーナリストによる現場からの報道によれば、今回の首都プロテストは、地元のケーブルテレビ「C-SPAN」の推計通り、実際は「50万人」規模の大デモンストレーションだった可能性もあるという。
参加者数の正確な数はともあれ、「平和の母」こと、シンディー・シーハンさんらが、実現へ向け最初の突破口を切り開いた今回の抗議行動は、ベトナム戦争当時を思わせる非常に大きな盛り上がりを見せた。
おそらくはイラク戦争の終結を早める分水嶺的な出来事として記憶されることは間違いない。
現地からの報道によると、ホワイトハウスに近い「エクリプス広場」で、この日午前11時半から始まった集会には、全米から、戦死者の遺族や復員兵を含む、さまざまは人々が駆けつけた。
この8月の1ヵ月間、テキサス州クロフォードのブッシュ大統領の牧場近くでキャンプを張り、抗議行動を続けたシンディー・シーハンさんらも、反戦バスツアーを終えて合流した。
集会で演説したシーハンさんは、「ノット・ワン・モア」の音頭を取った。会場を埋め尽くす人の海。「すごい。わたしたちは、歴史の中にいるんだ」と語った。
デモ行進は当初、午後零時半の予定だったが、遅れて始まった。アムトラック(鉄道)でワシントン入りする人たちの到着を待って、出発時間をずらした。
デモ隊は市内中心部の通りを埋め、延々4時間以上にわたって続いた。
「Bush Lied,Thousands Died(ブッシュの嘘で、数千人が死んだ)」「堤防を築け、戦争を止めろ」――そんなプラカードの波が通り過ぎる。
家族連れもいた。デモは初体験という人も多かった。
8歳の男の子は貯金箱を手に、「ブッシュ大統領はこれを取り上げて戦争に使っている」と、参加した理由を説明した。
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、そんななかに、オハイオ州のケント州立大学の教授(教育学)、シェリー・リーフグレンさんの姿もあった。ケント州立大学は周知のように、ベトナム反戦運動で、学生が州兵に射殺された大学である。シェリーさんの手には、「ニューオルリーンズからイラクへ:貧しき人々への戦争をやめよ」のプラカードが握られていた。
デモ行進には、ベトナム戦争時に反戦運動のシンボルだった歌手のジョン・バエズさんの姿も見られた。バエズさんは、クロフォードのシーハンさんのキャンプに支援に訪れるなど、再び運動の前面に立っている。
デモ行進のあと、バエズさんらは反戦コンサートを開いた。
この日、同市内では「イラク戦争賛成」の対抗集会も開かれたが、参加者は200人どまりだった。
ブッシュ大統領はハリケーン被災地に出ていて、この日、ワシントンにはいなかった。
この日はまた、首都ワシントンのほか、シアトル、ロサンゼルスなど全米各地で抗議行動が行われた。
ベトナム戦争の頃、反戦運動の拠点だったサンフランシスコでは、主催者発表5万人(警察発表2万人)のデモが行われた。
当時のプロテスト・ソング、エドウィン・スターによる「War」が復活し、合唱も生まれたという。
“War,what is it good for?”(戦争って何かいいことある?)との歌詞がスピカーが流れると、デモ参加者たちは、“Absolutely nothing”(まったく何の意味もない)と合いの手を入れ、気勢を上げた。
Posted by 大沼安史 at 04:42 午後 | Permalink

















