2009-11-07

〔いんさいど世界〕 ワンちゃんに人間の名前をつける時代

 11月11日……そう「犬の日」です。この日が、なぜ? 答えは――ワンワンワンワン。

 で、ワンちゃんに、ちなんだ週末の話題をひとつ。

 (まだ)日本じゃ、そこまで行ってませんが、う~っ、ワンワンワンワン、犬たちが大興奮、いっせいに歓声を上げる、大変な事態が起きています。
 じ、実は、欧米(確認がとれたのは、英語圏にかぎってのことですが……つまり英米)で、ペットのワンちゃんに人間の名前をつけるのがフツーになっている……!!!!

 (ワンワンワンワン……ワン・ダ・FUL 日本語に訳すと、「そうだ・そうだ・そうだ・そうだ!!!!」――ワンちゃんたちの「同意」の叫びが聞こえるような事態になっている!!!!)
 
 「人間と犬」との付き合いは、「人間と人間」の付き合いの次に長いってハナシですが、これはもう、人間=イヌ関係史における、画期的な変化というか、史上初の歴史的な事態が生まれているいっていいですよね。

 犬と人間が「名前」、すなわち記号論(?)的に、ついに「同類化」してしまったわけですから。
 犬も人も、名前的に、「一家」「一族」(ワン・ファミリー?? 変な英語ですね??)になってしまった!

 まずは、英紙ガーディアンが伝える、イギリスの状況。
 ある動物保険会社の調査結果(1万2000頭)が、ことし7月に発表されて、是非論が出るやら、大変な騒ぎに。

 イギリスでも、もちろん少し前までは、犬に「ローバー」とか、「スポット」とか、いかにもワンちゃんらしいネーミングをするのがフツーだったのですが、それがいつの間にか、変わっていた。
 犬の名前ランク・トップ10の全てが、人間の名前(がらみ)だったことがわかって、衝撃波が広がったのです。

 1位モリー(2位? ガーディアンの記事に載っていません! 記事を書いた記者の名前だったりして?……)3位チャーリー、4位マックス……

 さて、お次はアメリカ。
 東部のボストンの新聞、ボストン・グローブ紙の記者の方が(この方は愛猫派で、ペットのネコに「タイガー」って名前をつけてるそうです)、ボストン郊外で調査したんですね。 

 そしたら、結果は 1. Sam 2. Max 3. Lucy 4. Lily 5. Bailey 6. Buddy 7. Maggie 8. Mollie 9. Riley 10. Coco。
 これまた、トップ10、全部、人間名!

 う~ん! これ、凄すぎ!

 でも、考えてみれば、分かるような気がします。ホワイトハウスのオバマ家のファースト・ドッグ――あれ、「ボー」って言いましたよね。

 BOO……ボーって……、あ、思い出した。昔、ボー・デレクっていう、物凄い美人女優さん、いたの、憶えてますか!

 パーフェクトな美人で、『10(テン)〔つまり、パーフェクト〕』って映画に出たりしていた……。とってもキレイな人だったなあ……。

 な、なにを、ここで言いたいかというと、そうそう、アメリカのファーストドッグの名前も人間の名前だって言うことです。ボストン郊外のワンちゃんたちがそろって人間の名前を名乗っていようと、別に不思議じゃないことなんですね。チョー・フツー!!

 問題は、どうしてそうなったか、ということですが、これはもう答えはハッキリしている。「家族の一員」が「家族(そのもの)」になっているからです。(大体「家族の一員」なんて言い方自体、ペットを“差別”してますよね。自分の子どものこと――人間ですが――を、「家族の一員です」だなんて言いますか?)
 ペットを「ファーストネーム」(あるいは、その愛称、ジェームズ・ジミーっていうような感じで)で呼ぶようになっている。

 呼ばれたワンちゃんだって、きっと、何かしら感じていると思いますよ。これでようやく、家族の正式メンバーになれたんだ、って。
 うれしいんじゃないですか?、きっと。

 それじゃあ、日本の場合はどうか?
 アニコムっていう動物保険会社の2009年ランクは、
 1チョコ 2ココ 3マロン 4モモ 5ソラ 6ココア 7ハナ 8モカ 9モコ 10ミルク
 ――です。
 人間っぽいのを強いて取り出すとすると、モモとかハナ、モコあたりでしょうか?
 この調査では、英米の傾向はあまり見られない。

 で、もうひとつ、アイリスペットどっとコムの調査を見ると……

 1モモ (2チョコ 3マロン) 4ナナ 4ハナ 8サクラ 13コタロウ 28タロウ……

 人間らしき名前が、これだけある。13位のコタロウなんて、モロ、ヒューマン・ビーイングじゃありませんか!

 そう、その通り。
 英米の傾向は、この日本でも広がって来てるんですね。

 欧米でもポーランドあたりでは、犬に人間の名前をつけるなんてけしからん、なんていう人もいるようですが、みなさん、いかがですか?

 僕の意見を言わせてもらえば、これって、いいことだと思いますよ。
 単なる「呼び名」から「ファーストネーム」へのグレードアップ。それだけ、愛情が増すというものでしょう。

 さっきも言いましたけど、ワンちゃんだって、うれしいはず。
 僕の個人的な体験から言っても、そうです。

 僕、つい最近まで東京の大学で「先生」してましたが、教え子たち(女子)に「ヤスシ」と、(「先生」じゃなく)ファーストネームで呼ばれて(呼び捨てされて)、なんかうれしかったですよ。

 これからワンちゃんをお飼いになる方、人間の名前を考えてみては、いかが?

 英紙ガーディアン ⇒ http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2009/jul/29/pets-names-dogs

 ボストン・グローブ ⇒ http://www.boston.com/news/local/articles/2009/08/16/a_survey_of_favorite_dog_names_in_scituate_and_hingham/

 アニコム損保 2009年ランク 
   ⇒ http://www.anicom-sompo.co.jp/special/sp091029.html

 アイリスペットどっとコム 2009年 ワンちゃん名前ランキング ⇒ http://www.iris-pet.com/wan/event/ranking2009/5.html

  

Posted by 大沼安史 at 04:56 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2009-11-03

〔いんさいど世界〕 熊さんとロジャース博士の友情物語

 今日はアメリカに棲む、ノースアメリカ・ブッラクベアという熊さん――黒熊さんですね――と、70歳になる、おじいさん熊博士、リン・ロジャースさんの友情物語を。

 最近、イギリスのBBCで、そのドキュメンタリーが放映され、その「トンデモ(よい意味で!)交流ぶり」が話題になり、ニュースにもなって世界を駆けめぐっています。

 で、舞台はアメリカの、中北部、カナダ国境に近い、ミネソタ州北東のノースウッド……つまり、「北の森」。森と湖の、豊かな自然に恵まれたところです。
 
 ロジャース博士は、そこに住み込みで、熊研究を続けている人なんですね。黒熊を研究する白髪のおじいさんです。
 ミネソタのノースウッドに来てから、もう22年になるんだそうです。ミネソタに来る前は、ミシガン州で20年間、熊研究してたといいますから、42年もの研究歴。

 熊はもちろん猛獣ですから、かんたんには近づけません。で、麻酔銃で撃って、電波発信器をとりつけて、生態調査をしていた。

 これってふつうの研究法のようなんですが、ロジャースさんは、それで満足できなかった。

 どうしたか? 仲良くなったんですね。

 仲良くなるといっても、こっちから近づいて行って、いきなりベアハッグ、なんてしてしまったら、一巻の終わり。

 熊さんの大好きな木の実をプレゼントして、ブラック・ベアと信頼関係を築いて行ったんだそうです。

 信頼関係を深めた相手は、現在8歳になる、熊のジューンさん(3児の母です)。

 で、どのくらい親密かというと、たとえばジューンさん、博士の髭面を、舐めまわしてくれるですね。キスしてる、つもりなんでしょうが、すごいですね。

 あと、森の中の木陰で、二人並んで座って、景色を眺めたり。

 その信頼関係たるや絶大なもので、ロージャースが連れて来る人たちも仲間だと思って、絶対に襲わない。

 で、ロジャース博士は「熊の学校」を開いて、野生熊と触れ合う現地学習を続けているそうです。一度、参加してみたいですね。

 ロジャース博士には、もう一頭、ジューンの妹かお姉さんのジュリエットという交流相手がいるのですが、こちらは現在、信頼関係構築中。
 攻撃のするふりをしたり、カメラに左フックを見舞わせたり、まだ「威嚇」行動をしているそうですが、ロジャース博士に言わせれば、「凶暴」なんじゃなく、怖がっているだけなんですね。

 博士によれば、地球で最も危険な動物は人間。熊は100万頭に1頭しか、人間を殺さないけど、人間は18000人に1人、殺人を犯しているそうです。

 うーん、人間が一番、危険……「アフガン」や「イラク」のことを考えると、なんか、納得しちゃいますよね。 
   
 最後にもうひとつ。ロジャース博士の研究で、おもしろいことが分かったので、ご紹介しましょう。

 それは、あの「熊のプーさん」から生まれた、神話、と言うか伝説に関することですが、熊さんってハチミツ大好きってイメージ、僕ら、持ってますよね。

 でも、実際はハチミツ、好きじゃないんだそうです。

 蜂の巣に近づいたら、刺されちゃいますからね。

 ロジャース博士の研究所では――「ワイルド・リサーチ・研究所」というのですが、インターネットでも画像などを公開しています。

 動物好きのみなさん、必見のサイトですね。 
 一度、ごらんになってください。

 中学校の先生たちが――英語や生物の先生たちが、このロジャースさんのサイトを「教材」に「総合学習」の授業をしたら、きっと大人気になるはず。(文科省のみなさんも、学習指導要領違反だなんてケチなこと言わないで、一度、のぞいてくださいね)

 見るだけでも楽しい。とくにジューンの小熊たち、かわいいですよ~!!

  博士の研究所 ⇒ http://www.bearstudy.org/website/

   http://www.guardian.co.uk/environment/2009/oct/27/bearwalker-of-the-northwoods

  

Posted by 大沼安史 at 10:20 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-17

〔いんさいど世界〕 悪夢のカリフォルニア 

 「夢のカリフォルニア」が破綻の危機に瀕しています。いや、すでに実質的に破綻しているとの見方も。
 ゴールデン・ステート(黄金の州)、カリフォルニア……ウエストコースト文化の発信地でもあったカリフォルニア。
 それがいまや死に体に……あの若々しい躍動感はどこに行ったのでしょう?

 ことし7月、カリフォルニアの州知事……そう、あのシュワ知事が、州政府機関を月に(さらに)3日、休んで、人件費などを浮かす、と発表しました。
 現金も枯渇し、州の支払いはIOUで、と言いだすありさま。
 IOU―― I Owe You. お金、借りています。つまり、借金証書。

 州政府のスタッフは、サラリーを、このIOUで受け取っているそうです。信じられませんね。

 カリフォルニアは州(ステート)で、アメリカ合州国の一員ですが、州の憲法も、州の最高裁もある、準国家。一つの国と想定して、GDPを算出すると、世界第8位になるんだそうです。
 「G8」のメンバーになれるんですね。

 これまで、まるで「天国」のように思われていた、それだけの「大国」が、どうして、ここまで転落してしまったか?

 1960年代にママズ&パパズが、「夢のカリフォルニア(California Dreamin')」という曲で、アメリカは「冬」だけど、カリフォルニアは違う。あそこは「安全で温ったか」だぜ、と歌った、あのカルフォルニアは、どうして冷え込んでしまったのか?

 「寒いカリフォルニア」の直接の引き鉄を引き、カリフォルニアの人々の夢を奪い、州の財政を破綻させたのは、もちろん、あの「住宅バブル」の破裂。

 カリフォルニアにも、サブプライムな人々(つまり裕福じゃ人たち)がたくさんいて、その「マイホームの夢」が狙われた。どんどん貸し込まれ、バブル崩壊とともに「夢の我が家」から追い出された。
 
 ローンを払えない家族を「マイホーム」から追い出す……これをフォアクロージャーって言うんですが、そのフォアクロージャーに遭ったファミリーが「万」の単位で出た。

 で、なぜローンが払えなくなったか、というと、「失業」もそうですが、なんと言っても「医療費」が大きいんだそうです。

 アメリカには公的医療保険制度がなく、民間の保険に入っていなかったら、まずアウト。入っていても、厳しい「査定」にあって立ち往生するケースが続出、家族の誰かが病気にかかり、家を失うパターンが出来てしまった!

 この8月、ロス郊外のイングルウッドのアリーナで、8日間にわたって無料診療所が臨時開設されたのですが、先着1500人(毎日受付)分の診察券を求めて、前の晩から順番待ちの列が出来た。
 コンサートじゃなくて、診察を受けるために、病人が並んだ。初日には午前3時半で「打ち止め」になった……。

 これを見て、まるで「第3世界だ」と誰かが言ったそうですが、その通りですね。
 ロサンゼルス・タイムズに、診察券をゲットした女性が付き添いのボランティアと抱き合って喜んでいる写真が載っていましたが、とてもGDP世界1の最先進国の姿じゃありません。

 カリフォルニア州には「ヘルシー・ファミリー」という最貧層の子どもたちの医療費を支給する州独自の制度もあったそうですが、財政難でシュワ知事、これも「ターミネート」してしまった。それで100万人の子どもたちがセーフティー・ネットから放り出された。

 で、あのハリウッドの人気者だった知事のシュワちゃん、今や、ブッシュ大統領の最低記録を下回る、超不人気ぶり。

 大学生の数も減り(もう、大学に行けない! 1996年の進学率・43%、2004年・30%)、失業率は増え(12%超、70年ぶり、世界スイカの首都と呼ばれるメンドタという町では、この冬50%を突破する見通し)、税収は細り、州の公債はジャンク一歩手前まで暴落し、レイオフされた教師たちはハンストしているありさま。

 おまけに州政府機関が月3日、休む?……じゃ、刑務所はどうするだ、という問題が浮上したりしてテンヤワンヤの大混乱。ことしの夏など、フォアクロージャーされた郊外の家のプールから蚊が大量発生して、刺されて病院に運び込まれるお年寄りも。

 そのままハリウッドの「映画」になりそうな、とんでもない経済破綻パニック状況になっているのですね。

 「夢のカリフォルニア」じゃなく、「悪夢のカリフォルニア」!

 でも、「対岸の火事」だといって、日本のわれわれが笑っていいともバナシではありません。「対岸の火事」ではなく「対岸の鏡」と見なければならない。

 「霞ヶ関・天下り天国」のおかげで、「日本全国・トバッチリ天下り地獄」に苦しむ、太平洋のこちら側だって、どうなるか分かりません。    
 

 ⇒ ガーディアン カルフォルニア・ルポ http://www.guardian.co.uk/world/2009/oct/04/california-failing-state-debt

   LAT 州財政状況 http://www.latimes.com/news/local/la-me-furlough14-2009oct14,0,7601041.story

   信者の「家」を守る神父 http://edition.cnn.com/2009/LIVING/04/22/foreclosure.priest/index.html#cnnSTCText

   ロシアTV報道 IOUを発行 http://www.youtube.com/watch?v=i8HscRtbths&feature=player_embedded

 
 

Posted by 大沼安史 at 11:22 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-16

〔いんさいど世界〕 イランの女性たちが「人権」求め、100万人署名運動

 暗殺されたロシアの女性ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさんを記念し、彼女がモスクワのアパートのエレベーター内で射殺された命日(10月7日)に贈られる賞がある。

 「アンナ・ポリトコフスカヤ賞」――世界の闘う女性たちを讃え、支援する平和賞だ。

 ブルガリアで民主化運動に取り組んだジャーナリスト、マリアナ・カトザルヴァさんら女性の有志がロンドンで立ち上げたRAWという団体が贈っている。

 RAWは、Reach All Women in War(戦火の下にある、すべての女性に手を差し伸べる)の、イニシャル。
 そう、WAR(戦争)の「反対語」である。

 3周忌のことし、受賞したのは、「平等な人権」を求め、100万人署名運動を続ける、イランの女性たちだった。

 彼女たちのサイトにアクセスして、ほんとうに大変なことをしているのだな、凄い女性たちだな、と思った。

 たとえば、ジェルヴェ・ジャヴァヘリさんという女性が革命裁判所で、「6ヵ月」の判決を受けたという10月12日付の告知。

 昨年、2008年の「6月12日」、テヘランの街頭で、他の8人の女性とともに、「イラン女性連帯の日」の集会に参加しようとして、逮捕された。

 いま、「6月12日」とカッコ付けで日付を強調したが、「100万人署名運動」は2006年のその日、テヘラン市内ハフト・エ・ティール広場で、女性たちが決起したことで始まったものだ。

 女性たちが要求しているのは、「二等市民」として扱われている女性の法的権利・平等の確立だが、その要求事項の最初には、明確にこう書かれている。「社会変革のための協働・協力の推進」――。「幅広い、社会活動家を結びつける触媒になる」と、目的を明記しているのだ。

 なるほど、イラン社会(人口)の半分を占める女性が権利を獲得しようとするのだから、変革が生まれないわけがない。

 だから、「神の国」イラン当局は神経を尖らせ、できれば根絶したいと思っているのだろう。

 では彼女たちは、どんな活動をしているのか?

 ナージド・ミルハジさんという方は、サイトに、こんな体験記を書いていた。

 気晴らしに外出したら、若い女性が一人、「ドロボー、ドロボー」と叫んで、若い男を捕まえていた。車上荒らしを目撃し、現行犯逮捕したのだった。男たちが集まって来た。
 騒ぎが一段落したところで、ナージドさんは早速、「100万人署名運動」を訴え、理解を求めた。男たちの間から、「勇敢な女性だ」「女性だけが勇敢だ」という声が聞こえたからだ。
 が、群衆からは冷たい視線が注がれるばかり。
 その時、ドロボーを捕まえた、若い女性が、ナージドさんに署名を申し出た。そばにいた男性が、ペンを差し出した。
 その場の空気がガラッと変わった。ナージドさんはハンドバッグに署名用紙を2枚しか入れてこなかったことを悔やんだ……。

 僕は「なるほど」と思った。
 あのアハマジャネドの「不正選挙」に抗議する、イランの「緑の革命」の底流には、こうした女性たちの、生活の場での、勇気ある行動の積み重ねがあったのだ!

 「緑の革命」では、抗議デモを行った若者たちが当局に次々び逮捕されたが、女性たちは「自分たちの子どもたちを釈放しなさい」と、共同声明を発表している。

 サイトに登場した女性たちた、皆、それなりの覚悟で自分を曝け出したのだろう。ヴェールを脱いだその顔写真は、彼女たちの希望を、苦悩を、決意を、見る者に、強く訴えかけて来る……。

  

 ⇒  HP http://www.sign4change.info/english/
    ユーチューブのビデオ http://www.youtube.com/watch?v=v7wIXWZ1oWg&feature=player_embedded#

   ガーディアンのビデオ http://www.guardian.co.uk/commentisfree/libertycentral/video/2009/oct/08/million-signatures-campaign-iran-anna-politkovskaya

  ガーディアンへの手紙 http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/07/anna-politkovskaya-award-war-iran

 RAW http://www.rawinwar.org/

  アンナ・ポロトコフスカヤ Wiki http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%A4

 
 ジェルベ・ジャバヘリさん http://www.learningpartnership.org/fr/advocacy/alerts/iranwomenarrests0307

 年表 http://www.learningpartnership.org/fr/advocacy/alerts/iranwomenarrests0307

 新刊NEWS NONO頑爺レモン革命 
     大沼 安史著  定価1680円(本体1600円+税)
  ⇒ http://homepage2.nifty.com/forest-g/book/4196.html

 「60年安保」から半世紀を迎える今、平和を、憲法9条をどのように守っていくか。
 「歴史の封印を解き、歴史の真実を見詰め、平和を、9条を守り抜く」異色の政治ファンタジー小説!
 戦後政治最大の謎とされる「M資金」に日本・オランダ混血の美少女NONO(のの)が挑み、 頑爺(がんじぃ)が「9条」を守る「改憲」阻止の闘いに、命の炎を燃やす。 6月15日、夜の国会前・・・イマジン! 「レモン革命」の奇跡が起きる! 卒業式の日の丸・蒸発事件をテーマにした『緑の日の丸』の続編。小田実氏へのオマージュ!

Posted by 大沼安史 at 06:48 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-13

〔いんさいど世界〕 米軍のグアム集中移転に、先住民族の「チャモル」の人たちが「反対」を表明! 

 グアムの先住民族、「チャモル」の人たちが、沖縄の海兵隊などの移転による、島の米軍要塞化に反対の声を挙げている!

 反対運動のリーダー、ジュリアン・オゴンさん(弁護士)の話を、米国の反戦・平和放送局、「デモクラシーNOW(DN)」で聞いて、問題の深刻さを初めて知った。

 グアムは、戦時中、日本軍が侵攻、島の名前を「大宮島」と改称、その後、米軍に逆上陸され、悲惨な結末を迎えた、ミクロネシアの島である。そう、あの「横井庄一さん」の島!

 そんな過去も忘れ、今や日本人の観光客が群れる観光リゾートとして「脚光」を浴びているグアムだが、ここはもともと、先住民族、チョモロの人たちの島。7万3000人(全人口の37%)が、このマリアナ諸島最大の島(淡路島サイズ)で生活している。

 なぜ、グアムがチャモロの島なのに、ほかに10万人もの「よそ者」(その中には米軍関係者2万人が含まれる)がいるか、いうと、この島が1898年以降、アメリカによって(それ以前はスペイン)支配され、いいように使われて来たからだ。米軍再占拠後は基地の島となり、戦後、周辺海域ではアメリカの核実験が繰り返されて来た。

 そのグアムに沖縄の米海兵隊をはじめ、駐韓米軍などが移駐、単なる(?)基地の島が、超要塞の島と化す……。

 オゴンさんによれば、今後、グアムに移転してくる米軍(家族、労務者)は5万人(沖縄から移転する海兵隊は8000人、その家族は9000人とされている。なんのことはない、グアムの「沖縄化」が進むだけのこと……)。

 こんな途方もないことが行われようとしているのに、先住民族のチョモロの人たちは何の発言権もない!

 「私たちはアメリカの大統領選にも投票できず、連邦議会に対しても代表を送り出していない」のに、アメリカの委任統治の名の下、これだけ勝手なことをされる(ている)わけだ。

 そして、そのアメリカのやりたい放題に、60億ドルもの移転費を提供する日本政府!
 日本もまた共犯者である。

 ネットで調べたら、沖縄・名護の「二見以北10区の会」の人たちが、チャモルの人たちと連帯していることがわかった。

 沖縄の海兵隊がグアムに「出ていけば」それでいいのではない。
 沖縄の米軍は(韓国の米軍は)、米本土に帰ればいい。それでいいのだ。

 オゴンさんはインタビューの中で、オバマの「ノーベル平和賞受賞」を聞いて、「なんて皮肉なこと」と思ったと語っているが、ほんとうにそうだ。

 オバマが……そしてアメリカが今後、取り組まねばならないこと、それは「世界帝国」化したグローバルな軍の展開を、縮小することである。

 米国が軍のグアム移転を中止し、本国へ撤収せよ!
 
  

 ⇒ http://www.democracynow.org/2009/10/9/guam_residents_organize_against_us_plans

   チャモルの人たちの声明 http://www.7genfund.org/current_actions/news-from-the-field/united-nations-2008/united-nations-statements-from-the-pacific/statement-from-the-i-nasion-chamoru/

   グーグル BOOK検索 http://books.google.com/books?id=InCbIsyMV4EC&pg=PA79&lpg=PA79&dq=Chamoru+nation&source=bl&ots=SZVOEkyFI9&sig=p6TbBDaWeN7fVNJQTR9ZUxS2_po&hl=ja&ei=OzHUSoviMNejkAWStKH0DQ&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=7&ved=0CDEQ6AEwBg#v=onepage&q=Chamoru%20nation&f=false

   二見以北10区 http://kichi-iranai.jp/d_10kumovement/a_news/20070208/20070208.html

   日本軍グアム占領 Wiki http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84_(1941%E5%B9%B4)

   米軍によるグアム奪取 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84

   在沖米海兵隊 グアム移転協定可決 琉球新報 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-143140-storytopic-3.html

   日本政府 移転費用 まず350億円を提供 朝日新聞http://www.asahi.com/politics/update/0711/TKY200907110182.html

Posted by 大沼安史 at 06:33 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-11

〔いんさいど世界〕 世界最大の卸売り市場 中国・義鳥(イーウー)で早くもグローバルXマス商戦 中東からの移民、2万人以上を受け入れ 「インド洋海洋戦略」を象徴?

 アメリカの巨大モールがゴーストタウン化し、日本のシャッター商店街がますます錆びつく中、中国・沿海部の港湾都市、「義鳥(イーウー)」はいま、2009年グローバルXマス商戦の最中にあり、「世界の工場」の卸売りセンターとして、活気で沸騰しているそうだ。

 「義鳥(イーウー)」、日本では一般にあまり知られていない地名だが(観光ガイドブックには載っていないが)、貿易関係者の間では「中国ビジネス」のメッカとして知られている。

 漢口の南、100キロにある、浙江省の都市。人口は200万人。

 世界の商売人たちは、この「イーウー」に行って、メイドイン・チャイナの製品を買い付けているという。

 わが愛読の英紙インディペンデントのルポ記事で、その実態を知り、たまげた。
 ⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/asia/chinas-wholesale-market-christmas-starts-here-1799303.html

 400万平方メートルの広大な敷地に、62000軒の卸売り店がひしめき合っているそうだ。売られている品は、32万種類。世界200ヵ国以上に輸出されている。

 で、どんな品物が売られているかだが……文字通り、何から何まで。Xマス商戦用のサンタさんからはじまり、サッカー・ワールドカップ用のテディー・ベア、など何でもあり。

 中国の靴下メーカー5社も直営アウトレットを開いているそうだ。

 で、気になるのは、世界大不況の最中、ここ「義鳥(イーウー)」の景気だが(バロメーターの役割を果たすから……)、昨年の前半はさすがに不景気風が吹き寄せていたが、その後は回復基調。
 
 ある店の縫いぐるみ店の女性経営者は、「日本は不景気だけど、でもピンクパンサーはいつも売れている」なんてホクホク顔――とか。

 (え~、ピンクパンサ~?、ダセー、なんて原宿あたりのギャルならから言いそうだが、世界の「義鳥(イーウー)」の商売人が言ってるのだから、間違いありません!!)

 しかし、「世界の工場=中国」の卸売りセンター=イーウーで驚かされるのは、その万里の長城的ビジネス規模だけではない。

 な、なんと中東の人々が2万人以上、移住して来て、ここに住み着き、働いているそうだ。シリア、イラン、イエメン、エジプト、リビア……イラクからも100人。

 これは凄いこと。いにしえの「長安の春」は、いま「義鳥(イーウー)」において再現されてお~る!

 中華であり続けながら、国際化も進む、中国。しかも、中東勢に対する、この門戸開放政策!

 サウジなど湾岸の産油国が、石油取引から「米ドル」を追放、中国の「元」を中心とした「通貨バスケット」に移行する計画を進めているのも、「義鳥(イーウー)」の動きを見ていれば、よくわかる。

 ひょっとしたら、中国って、東シナ海からインド洋(そしてペルシャ湾)に続く(アフリカまで届く)「大中華共栄圏=インド洋海洋戦略」を採ろうとしているのかも……。

 21世紀はまさに中国の世紀! すごい時代になって来た! 

 

Posted by 大沼安史 at 09:29 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-10-03

〔いんさいど世界〕 完全報道! 2009年 イグ・ノーベル賞 ☆「憲法9条」の平和の真理をビール瓶で証明 ☆原発事故対策で「毒ガスマスク・兼用ブラ」を開発 ☆乳牛に人間と同じように女性の名前をつけて呼ぼう……

 日本の主流メディアのニュース報道は、空間的(紙面的)に、時間的(電波的)な制限があるので、どうしても「つまみ食い」(イイトコ取り)に陥りがち。

 コレに対して、小生のこのコーナーは、つまみ食い・イイトコ取り主義とは無縁の「完全報道」を旨とする! エヘン!

 ……と威張りたいところが、実態と言えば、情けないことに、よく言って――そう、あのミレーの『落ち穂ひろい』。悪く言うなら、ハイエナか、ハゲワシ(最近、頭髪に隙間が生じつつあるので、どちらかと言うと、ハゲワシ……かな?)

 前置きはこのぐらいにして、今週の「ハゲワシ版・ニュースにならない世界の大ニュース・連坊小路風」(*注 小生、仙台の連坊小路で、寂しく暮らしおります……)の「特ダネ」は、あの「イグ・ノーベル賞」。
 そう、あの、愉快・痛快・奇怪(キッカイ)なニセ「ノーベル賞」の2009年・授賞式が、このほど(10月1日)、アメリカのハーバード大学で行われたのであ~る。

 つまみ食い主義の日本のメディアは、すでにご承知の通り、「イグ・ノーベル賞・生物学賞」を受賞した、田口文章・北里大学名誉教授だけを取り上げているが――もちろん、田口博士の「パンダのふんから取り出した菌を使って生ごみの大幅な減量に成功」という業績は大変な学問的成果ではあるのだが、それに負けずとも劣らない、愉快・痛快・奇怪な「世紀の業績」が目白押しなのであ~る!

 まずは、ウシ年生まれの私(*注 60歳)の最(さい)お気に入りは、イギリスのニューキャッスル大学農学部の研究者2人が受賞した「獣医学賞」。

 で、このイギリス人たちが、どんな「世界的な発見」をしたかというと、乳牛のオッパイの出方なんですね。
 乳牛さんに名前をつけて、名前で呼ぶと、名なしの権兵衛ウシより、オッパイが多く出るんだそうです。
 で、どんな名前で呼んでいたかというと、たとえば「デイジー」。
 たぶん、「ハイ、デイジー、ハウアーユー!」とか、「デイジー、グッドナイト!」なんて声かけてたんじゃないですか! たぶん、ウシだって、なんか、感じるところがあって、期待に応えようって気になったんじゃないかな!

 これは日本の牧場でも、パクリOKですよね。
 たとえば、最近、オッパイの出が悪いウシさんに、「フーミン」(*注はナシです)なんて名前をつけ、「フーミン、朝だよ~ん」とか「フーミン、もう寝ようか」なんて声をかけたら、一気にDカップ化して、飼い主をウシウシ、喜ばせたりして。

 「平和賞」もまた凄いんだな。
 な、なんと、あの永世中立・永久平和の国、スイスのベルン大学の研究者たちが、世界の軍縮を加速する――かも知れない、ダ、ダ、「大発見」をした!
 それも、ビール瓶!

 中身の詰まったビール瓶と、空のビール瓶のどっちが、外部からの「攻撃」に強いか、実験で確かめたんです。そしたら、空のビール瓶の方が強かった!

 これって、敵対関係の中では、一国の防衛力の強化は他国の攻撃力の強化に繋がり、開戦の確率を高め、戦争の悲惨さを強めるだけだ、という、あの20世紀の歴史の教訓につながりそうなことですね。(*注 これを僕は「マクナマラの定理」と呼んでいます)

 なんか、日本の憲法「9条」の正しさが、ビール瓶で証明されたような気がするなあ~!(むむ、今晩あたり、受賞おめでとうということで、再開したばかりの禁酒を破り、ひとりビールで乾杯しても、よいかな……ウシシシ)

 そして、「公衆衛生学賞」に輝いた、「毒ガスマスク兼用ブラ」!。
 米国のイリノイ州の女医さんが特許を申請中のもので、ふだんはブラジャーとして着用し、いざ、有毒性のガスが周りに立ちこめ出したら、早速をブラを外し、カップを顔に当てて、有毒ガスから身を守るのだそうです。(下記BBCの記事に図解が出ています)

 ブラだから、カップは2個。残り1個は、近くの人に「提供」できる優れもの!

 この女医さん、どうしてこんなもの、考え出したかというと、この方、ルーツがウクライナなんですね。ウクライナといえば、聖書で「破局」が「予言」されていた「ニガヨモギ」……そう「(ウクライナ語で)チェルノブイリ」。
 あの放射性ガスが拡散した「チェルノブイリ原発」事故から考案したものだそうです。

 う~ん、マジなんですね。ヨード剤(のどを守る)だけでなく、こんなブラも配給しておいたらいいかも知れませんね。

 で、以下、2009年の輝け・イグ・ノーベル賞の他部門を、ごくかいつまんで(これもつまみ食い?)紹介すると……。

 ☆ 医学賞 83歳になるカリフォルニアの医者(男性)が受賞。子どもの頃、お母さんに、指をポキポキ鳴らしているとリューマチになるよと脅かされたことから、実験に着手。これまで60年も左手だけを毎日ポキポキし続け、右手と比べてきたが、違いは見られなかった。「ママ、それって間違いだよね!」

 ☆ 化学賞 メキシコ国立大学の研究者らが受賞。テキーラをダイヤモンド化する技術を開発。もちろん、素面(しらふ)で。

 ☆ 物理学賞 米シンシナティ大学の研究者らが受賞。おなかが大きくなった女性がなぜ、後ろ向きにひっくり返らないか、を物理学的に解明!

 ☆ 数学賞 アフリカのジンバブエ中央銀行の総裁が受賞。1セントから100兆ドルまでの紙幣を発行して、「数に強い国民」を育成!

 ☆ 経済学賞 アイスランドの4つの銀行が受賞。小さな銀行が超大銀行に膨れ上がり、そしてまた縮小できるものか、身をもって証明! 金融ビッグバン&ブラックホール!

 ☆ 文学賞 ジョイスやベケットを生んだ文学の国、アイルランドの警察が受賞。「プラオ・ジャディー」という架空の人物に対して、交通違反の切符を50回以上も切った、ミステリー作を演じたことで。なお、「プラオ・ジャディー」とは、ポーランド人が持つ運転免許証に書かれた言葉で、その意味はポーランド語で、「運転免許証」!

 以上、つまみ食い的な「イグ・ノーベル賞」の「完全報道」でした!

 ⇒ 公式HP http://improbable.com/

 時事電 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009100200376

 LAT http://www.latimes.com/news/nationworld/nation/la-sci-ignobels2-2009oct02,0,3349450.story

 BBC http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8285380.stm

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Posted by 大沼安史 at 10:37 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-09-19

〔いんさいど世界〕 メキシカン・パワー ギネス全開

 先日、オランダの大学の調査で、メキシコが「幸せ 世界ランキング」第5位の「栄冠」を手にしている(?)と紹介しました(日本はなんと50位グループに低迷!)。

 それで、「メキシコ」にちょっと注目していたら、アンテナに、こんなニュースが!

 メキシコの人って、ギネス好きなんだそうです。
 
 ニューヨーク・タイムズ紙が、スライド・ショーで紹介してました。これがなかなか、楽しくて、幸せになれます。 

 証拠(?)写真、11枚によるスライド・ショー、まずはごらんになってください。

 ⇒  http://www.nytimes.com/slideshow/2009/09/08/world/20090908RECORDS_index.html

 トップバッターは、マイケル・ジャクソンさんの死を悼んで、なんと1万3千人が、首都メキシコー・シティで、あの「スリラー」を一緒に踊った、って話。
 ギネスですね、これは。
 マイケル・ジャクソンさんも、天国で観てて(一緒に踊ってて)、幸せだったんじゃないですか。

 さすがにこれは、日本のテレビでも、ニュースで流れたそうです(僕は観てないのですが……)。
 そっくりさんも登場しました。ヘクター・ジャクソンさん。いじめっ子・ジャクソンさんです。

 食べ物では、クリームチーズとヨーグルトを1トン、砂糖250キロ、バター150キロを使った、チーズケーキづくり。チェフ55人の力作です。見た目、直径2・3メートル。円形。イチゴな海のように渦巻いています。ギネス・ケーキ!

 それから、重さ50キロ近いミートボール。

 さらには、長さ4.5メートルのトルタ(サンドイッチ)も。

 でも、見て楽しかったのは、アルモヨラって町の、繊維工場のみなさんが作った、世界最大のスボン。
 クレーンで吊り上げているんですが、高さは見た目、16メートル。ウエスト20メートル。

 まるで、ガリバー旅行記ですね。
 メタボがどうの、って厚生労働省がけち臭いこと言ってる、どこかの貧相な国とは大違いです。

 こんなズボンの似合いそうな――いや、もう似合わない人がメキシコにいます。

 2006年のギネスで、体重世界1に輝いたマヌエル・ウリブさんて、メキシコの男性がいるですが、560キロの体重の「半減」に成功したそうです。「激やせ」でギネス入りをならっているそうです。

 それから、これは幸せだな~と感心させられたのは、バレンタインデーのキス・ギネス。

 3万9987人が一ヵ所に集まって唇を合わせたそうです。
 これまでの記録は、2007年にイギリス人たちが作った、3万2648人。これを7300人以上、上回ったわけですね。

 でも、気になるのは、3万9987人のこの7という数字。キスじゃなくて奇数……ということは??
 ま、詮索しても仕方ないですね。幸せであれば、いいのですから。

 「集まった」といえば、マリアッチの演奏家549人が一堂に会した演奏会てのも。

 史上最年少の闘牛士、11歳の男と子が2時間かけて牛を倒したってのもありましたが、ギネスは記録として認めることを拒否したそうです。「残酷なのはダメ」……丑年の私としては、賛成です。幸せじゃないですもの。

 ニューヨーク・タイムズは、世界1リッチな麻薬密売人の写真も載せてます。ま、シャレですがね。

 こうして観てくると、メキシコのみなさんのパワー、感じますよね。

 それに比べて、日本のギネス(??)は、国民の借金世界1、とか、相対的貧困率世界1、ですからね~。

 逆ギネスの国、日本!! 
 逆ギレ、したくなっちゃいますね。
 幸せじゃいんだから、この国は、も~~~!!! 

 

Posted by 大沼安史 at 10:26 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-08-27

〔いんさいど世界〕 とほほ ニッポンの「幸せ」 世界50位クラス 

 ☆ 9月1日にラジオ放送する「予定原稿」です。

 9月、総選挙の夏が終わり、再出発の秋が来ました。マニフェストの実行が時が――国民生活、建て直しの秋が、やって来ました。

 これからが本番です。 ようやく、再建へのスタートラインに立った日本。

 今朝は、私たち日本人は、いったいどんな地点に立っているのか、すこし変わった視点から、再確認してみたいと思います。

 すこし変わった視点――それは「幸せ(ハピネス)」の視点です。「幸せ(あるいは不幸せ)」のレンズで見ると、日本は――日本人は今、どんな立ち位置にいるのか?

 オランダのロッテルダムのエラスムス大学が、「幸せ・世界データブック」プロジェクトという研究を進めていて、結果をネットで公開しています。

 ルート・ヴィーンホーベン教授が中心になって続けているプロジェクトです。

 最近、「2000年から2008年までの期間」を通してみた、世界幸せ度ランキングというものを発表したので、まず、それを見ることのしましょう。

 10段階評価。最高にハッピー10点、最悪に(アン)ハッピー0点のスケールで見た、世界ランクです。

 まず、トップ5ですが、①アイスランド(8.5)②デンマーク(8.4)③コロンビア(8.1)④スイス(8.1)⑤メキシコ(8.0)。

 中南米が2ヵ国、入っている……ちょっと意外な気がします。

 気になる国をいくつか拾い上げると、アメリカは7.0で、27~31位グループ。

 アメリカにめちゃめちゃにされたイラクは、4.3で、135~138位グループ。

 北朝鮮は?……というと、リストに入っていません。北朝鮮の皆さんに本音を聞くことができないからなんでしょうね。  建前的には「幸せ10.00」の「地上の楽園」なんですから……。

 で、気になる、われらが日本ですが、これが6.4で、48~53位グループ。

 アフリカのナイジェリアとか、アジアではマレーシアとかと同じグループですね。

 先進国としては、低すぎる。アメリカに負けているですから。

 ちなみにドイツは21~24位グループです。

 お隣、韓国は5.9で、日本より低い、66~71位グループ。中国は、6.3で、日本のすぐ下の54~55位グループ。

 結局、日本って、あんまり幸せな国じゃないんですね。

 で、こんどは、日本に的を絞って、幸せ度の推移をたどってみると、4段階評価(4~1)の10段階換算でみると、平均値が最も高かったのは、1993年で6.78。  最新の2007年の数値は5.77まで下がっています。

 今なら――2009年の今なら、もっと下がっている……これは間違いないことでしょうね。

 日本人は(そんなに)幸せでない!――この不幸せ加減を、「全国世論調査」として、はっきり見せてくれたのが、今回の総選挙の結果だと言うこともできるでしょう。

 では、わたしたちは、どうして(そんなに)幸せでないのか?  「2009年OECDデータブック」によると、日本の相対的貧困率は、共稼ぎ世帯でみると、ついに世界1(最悪)となったそうです。

 アメリカを抜いたのですね。

 貧困大国・日本……政治の責任ですね。

 日本再生……出直しの秋、再出発の秋。

 目指すは、加山雄三的世界、「しあわせだな~」の新生・日本です。  

   ⇒ http://worlddatabaseofhappiness.eur.nl/hap_nat/nat_fp.php   

Posted by 大沼安史 at 08:43 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-08-21

〔いんさいど世界〕 英国防省がUFOファイルを解禁

 UFOのメッカ?、イギリスの国防省が「UFOファイル」を機密解除し、このほどオンラインで公開しました。
 1981年から96年までの期間、同国の国防省が収集した、ファイル14個分、計4000頁ものUFO情報が一挙に開示されたのです。

 昨年5月から、同省が進めているUFO情報公開で、今回で4回目だそうです。

 でも、今回の公表分には、英国で大変な騒ぎとなった

 ①「1981年の空軍基地目撃事件」と

 ②「1993年の警察官も目撃事件」、

 ③「1995年の少年2人による目撃事件」

 が含まれており、英国のみならず、全世界のUFOファン(?)の注目を集めています。

 で、まず①の「1981年の空軍基地目撃事件」ですが、これは同年1月13日に、サフォークの英空軍と米空軍が共同で運用している空軍基地で、2度にわたって目撃されました。
 
 それも米空軍の副司令官、チャールズ・ホールト大佐らが目撃し、英国防省に報告していたのです。

 それによると、光を放つ、不思議な、金属の飛行物体が、基地近くの森に着陸したんだそうです。飛行物体は三角形をしており、地面に放射痕と、3箇所の、目に見える痕跡を残していたそうです。

 この米軍による目撃報告について英国防省は、報告があった事実そのものを否定していました。ところが、2年後の83年、米国の情報自由法に基づく情報開示請求があり、一転して報告の事実があったことを認めているんですね。

 う~ん、こうなると、信憑性が高まって来るなあ~。

 で、これに追い討ちをかけるように、今回の公開資料には、この目撃事件に関する、面白いエピソードが含まれているそうです。

 4年後の1985年のこと、国防省の前高官が当時のサッチャー政権に対して書簡を送り、そんな否定ばかりしてると、「ババナの皮」で足をとられ、コケちゃいますよ、と警告したんだそうです。

 つまり、サフォークでの目撃証言は、それだけ真実性が高い、わけですね。
(ただし、同省は、この目撃情報をファイル化しただけで、UFOの存在を確認するところまでは踏み込んでいません)

 続いて、②の「1993年の警察官も目撃事件」ですが、これは同年3月31日未明、デボンからコーンウォール、サウス・ウェールズ、シュロプシャーにかけて、30箇所以上の地点で6時間にわたって、双胴の船のような形をした大型の飛行物体が、光を放って飛んでいるのが目撃されたものです。
 で、なんと警察官、軍人合わせて70人もの目撃者がいることが、今回、公開されたファイルで分かりました。

 最後に③の「1995年の少年2人による目撃事件」ですが――これはけっこう、イギリスでは有名な話だそうですが――、今回、開示された国防省ファイルで、これまた詳しいことがわかりました。

 同年5月4日の午後11時ごろのことでした。スタッフォードシャーのチェイスタウン近くの農地に、UFOが着陸しているのを、通りかかった10代の少年2人組が目撃したのです。

 これはお皿を逆さにした円盤形のUFO。下部が赤く輝いていたといいます。4階建ての高さ。2人との距離は12メートルでした。

 そして、な、な~んと、円盤の下から、現れたのは宇宙人。
 な、な~んと、レモンのような頭をした宇宙人ではないか。

 そ、それも、な~んと、英語で、2人にこう言ったそうだ。

   We want you,come with us.

    キミタチガホシイ、イッショニオイデ

 ギョッとした2人、恐ろしくなって逃げ出し、警察に駆け込むことになるのですが、警察官の証言によると、2人の皮膚はな、な~んと、赤く輝いていたそうだ。

 翌朝、警察官が現場に行くと、地元のファーマーがいて、「別に変わったこと、なかったぞがなもし」と、言ったそうです。

 もしかしら、その農業してたおじさん、宇宙人が変身・変装していたのかも????  

 この③についても、英国防省は判断を下していません。(同省の公式見解は、UFOは特に防衛上、大きな問題になっていない(だから無視)という態度だ)

 僕なんか、少年2人の証言の方が、信憑性ありと思うのですが、みなさん、どう思いますか????

 で、最後に、もひとつ、オマケを言うと、今回、解禁されたファイルには、1989年と90年の2度にわたって、ベルギー空軍の戦闘機がUFO迎撃のスクランブルをかけたことも記録されているそうです。
 
 三角形のUFOだったそうです。

 ベルギーの目撃情報がなんで英国防省のファイルの中にあるかというと、3年後、ベルギー空軍の首脳から英国防省に報告があったんです。

 それによると、ベルギー空軍の戦闘機のレーダーは、UFOをたしかにとらえていた(ロックド・オン)していたそうです。でも、その物体が何なのか特定できなかった(ので、攻撃しなかった)んだそうです。

 この時、ミサイルを発射なんかしていたら、UFOが反撃して来て、ちょっとした宇宙戦争になっていたかも知れませんね。

 ちなみに、英国防省ファイルによると、英国でのUFO目撃報告は、1993年から96年の3年間に800件に達しているそうです。

 ということはつまり、イギリスのUFOって、珍しいものでもなんでもなく、ごくありふれた、身近なものなんですね。

 な~んだ、つまらない――ですって???

 ⇒  http://www.independent.co.uk/news/uk/politics/secret-mod-files-reveal-ufos-went-to-the-top-1773100.html

 http://www.guardian.co.uk/uk/2009/aug/17/mod-report-ufo-sightings

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Posted by 大沼安史 at 10:25 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-08-18

〔いんさいど世界〕 「日本崩壊」の政治災害下、「リベンジ選挙」がスタート 英紙が「日本貧困譚」 皇居近くに難民村 100円コーヒーで終日、過ごすホームレスたちの沈黙……「一票」に怒りを込める時が来た!

  総選挙告示の今朝、地元・仙台の東北放送のラジオ生番組に出演した。午前8時30分――選管での立候補受付開始時刻。
 遂に選挙戦、ヨーイ・ドン。

 「今、私たちは歴史的な瞬間を迎えているのかも知れませんね」――思わず、こんなコメントをしていた。

               ☆

 番組で私は、総選挙に関して、2点、指摘した。

 ひとつは、今回の選挙が、パーフェクト・ストームの中で迎える選挙であること。

 この「パーフェクト・ストーム」とは、完璧な暴風雨状態、これ以上、ひどいものはない、最悪の嵐(ただし人災)のことである。

 アメリカの保守派のコメンテーターの表現をかりたものだが、今回の総選挙は、生活崩壊、経済崩壊、政治崩壊という、最悪の状況で戦われる選挙だという意味である。

 日本崩壊の中で突入した選挙戦――

 ここから、2点目のポイントが導き出される。    

 「今回の総選挙は単なるチョイスの選挙ではない。有権者が自分たちの政権を創り出し、永田町に据える選挙だ」

 政治の消費者から、政治の生産者へ。

 私たちは今や、それほどまでに追い込まれているのだ。

               ☆

 世界的な経済紙、フィナンシャル・タイムズ(F・T)に、日本の「政治災害」による難民たち(ホームレスたち)に焦点を合わせた記事が載っていた。

 ⇒ http://www.ft.com/cms/s/0/3c619350-8b4a-11de-9f50-00144feabdc0.html

 「最も弱い人々に、安堵できる展望はない」

 その記事を読んで初めて知った。

 東京の皇居近くの公園にまで、テント村が出現している、というのだ。

 日本のマスコミでは(たぶん)報じていない「ニュース」だ。

 ホームレスの人たちは住民登録をしていない(以前、しただけ)だから、選管から届く「入場券」を持ってはいないだろう。

 しかし、「有権者」には変わりない。

 そのテント村へ出かけて、「清き一票を」と頭を下げる、政権党の候補者はいるのだろうか?

               ☆

 FT紙の記事には、100円のコーヒーで、終日、「マック」で時間を過ごす、ホームレスたちの「沈黙」のことが書かれていた。

 そんな「マック」の前を、選車は何度も通り過ぎたことだろう。

 選挙戦初日、「マック」に入り、ホームレスたちと握手を交わした(交わせた)政権党の候補はいただろうか?

               ☆

 麻生総理総裁が行かねばならないところは、「アキバ」ではなく、「テント村」や「マック」だろう。
 政権党の国会議員が行って頭を下げねばならないのは、「靖国」ではなく、「テント村」や「マック」だろう。

  「今日の繁栄を築いた英霊」に感謝する気持ちがあるなら、「今日の繁栄を築き、挙げ句の果てに弾き出された」、苦悩の魂をもってこの世を生きる「政治難民」の諸氏に対して、どうして「申しわけない」の一言も言えないのか!

 未曾有の政治災害、未曾有のパーフェクト・ストームを引き起し、人々を悲惨の底に突き落としたことをまずもって反省し、全国津々浦々の政治難民たちに謝罪してから、選挙運動を始めるのが筋というものではないか!

               ☆

 「リベンジ選挙」である。
 「一票」でもって、人々が繋がり、そのことで、たった一枚の投票用紙に歴史的な重みが加わった、おそらくは史上初の、連帯感と危機意識、そして再生への一縷の望みをかけて行われる、腐敗・酩酊・金満・無責任政治家・在庫一掃処分の「総世直し選挙」である。

 テントの中にうずくまり、マックのイスで口を噤まざるを得ない同胞の心を思い、怒り込めて、私もまた、「一票」を投じることにしよう。

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Posted by 大沼安史 at 07:32 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2009-08-01

〔いんさいど世界〕 小泉ジュニアは米国タカ派の公認ポチ候補?

 小泉純一郎元首相の次男、進次郎氏(28歳)が、米海軍の海軍基地、ヨコスカのお膝元、神奈川11区から、自民党の公認候補として出馬する。

 街頭で交差した、同学年の「よこくめ勝仁」候補の、「握手を」の呼びかけを無視した、ふてぶてしい態度は、どうやら父親譲りのようだが、今、問題にしなければならないのは、そうした「性格」のことではない。
 
 ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=JhFUYwt3kfY
 ⇒  http://www.youtube.com/watch?v=w645WnLs2t8

 「握手」する・しない、より、もっと重要な問題は、この小泉ジュニアが、米国のタカ派の手元で育てられた、政治的な出自の持ち主であることだ。

 日本のジャーナリズムは、プロモーション中のタレントのように、ジュニアの街頭活動を追うのではなく、この二世、いや三世議員候補の、政治的なバックグラウンドを探る必要がある。

              *

 小泉進次郎氏の公式HPによれば、コロンビア大学の大学院を修了し、その後、間もなく、「米国戦略国際問題研究所(CSIS)」の「研究員」となったとある。

 ⇒  http://www.jimin.cc/koizumi/  

 問題はこの「CSIS」なる研究所がどういうものか、だが、それはさておき、まずもって確認しておきたいのは、このジュニアがCSISの研究員になった時期について、である。

 氏の公式HPによれば、CSIS入りは、2006年(平成18年)6月。
 
 ということは、つまり、父、純一郎の首相在任中のことだ。(純一郎首相は同年9月26日まで在任)

 父親の七光りがあった、とは思いたくないが、進次郎氏を「研究員」として採用するCSIS側に、日本の現職首相の愛息であるとの認識がなかったわけではあるまい。
 CSISには「対日問題の研究チーム」(ジャパン・チェア)もあるからだ。

 この「2006年6月」は小泉首相の時代であるとともに、もちろん、ブッシュの時代でもあった。
 日米蜜月時代――そのあきれ果てた親密さのクライマックスが、同年7月1日の、パパ小泉のメンフィス訪問だったことは、なお記憶に新しい。

 ブッシュ夫妻も同行した「プレスリーの聖地」への旅に、ジュニア・進次郎氏は同行したのだろうか?

              *

 ジュニア・進次郎氏のCSIS入りの時代的な背景を確認したところで、次の問題は、「で、CSISって何?」ということになる。

 ジュニアが大学院を修了したコロンビア大学はニューヨークにあるが、CSISはワシントンにある。

 1964年、バーク(海軍提督)とアブシャー(のちのレーガン政権高官)の両氏によって、ジョージタウン大学内の機関として発足、その後、独立して今に至る、ヘリテージなどと並んだ、米国タカ派の代表的な研究所として知られる。

 現在、理事としてキッシンジャーやブレジンスキー(コロンビア大学)、スコウクロフトらが名を連ねているが、私が個人的に注目するのは、CSISの「お抱え学者」として、フレッド・イクレがでんと居座っていることである。

 イクレはレーガン時代に、ワインバーガー国防長官、及び、レーガンに振り付けした、「核の神学者」で、空前の大軍拡のイデオローグだった人物。

 イクレが仕切った、このレーガン時代に、権力の座にありついた連中(ウォルフォウィッツら)が、クリントン時代の空白を経て、再び権力の蜜に群がったのが、息子ブッシュの時代。

 CSISとはつまり、こうした軍事タカ派の中枢シンクタンクであるわけだ。

 ブッシュ=小泉の時代に、ジュニア・進次郎氏がCSIS入りできた背景には、こうした政治的な流れがあったのである。

               *

 さて、このCSISのジャパン・チェアに就いているのが、マイケル・グリーン氏(ジョージタウン大学助教授)だ。(ジュニア・進次郎氏はどうも、このグリーン氏の下で、日米関係の分析の仕事をしていたようだ)

 ワシントンでは、今や希少動物と化したジャパノロジストの一人として、日本のマスコミの寵児扱いされている、このグリーン氏の最近のCSIS論文が面白い。

 (⇒  http://csis.org/files/publication/090519_platform.pdf )

 なかなか為になる。アメリカの保守派(タカ派)の対日観を理解することができるからだ。

 グリーン氏が同僚のニコラス・スジェツィニー氏とことし5月19日付で、共同発表した、このCSIS論文のタイトルは「政治的な不確実性にもかかわらず、日本はなお軍旗を高く掲げることができる(Despite Political Uncertainty, Japan Can Still Show The Flag.)」。

 こんな「タイトル」を聞かされただけで、日本の「ポチ」イメージが、「米軍旗」を担がされた「のらくろ」イメージに変化してしまうが、そこにはたとえば、ジュニア・進次郎氏のパパ・純一郎元首相について、以下のような記述がある。 

 For those in Washington who benefited from the predictability of the Koizumi years, it is hard not to feel some sympathy for alliance managers facing the current circumstances.

 懐かしき「小泉の歳月」! あの頃はよかったなぁ~! 小泉の下で日本は「予測可能だった」から。それに比べると、いまに日米同盟のマネージャーたちに同情したくもなるよなぁ~!

 と、まあ、大体、こんな意味だが、「予測がついた」とは、日本の「軍旗のらくろ」総大将が、ブッシュと親密で、噛み付かれる心配はなかったということだろう。

 ここで話を元に戻すと、だから、ジュニア・進次郎のCSIS入りは、こうした「予測可能性」のあった、よき時代での出来事であったわけだ。

                *
                 
 そんなCSIS出身の進次郎氏に、日本のポチ政治家に、CSIS以下、アメリカの軍事タカ派は何を期待しているかは、最早、言うまでもなかろう。

 ここで再び、グリーン氏らの論文を引用して紹介すると、なんと、こんなことまで言い切っているのだ。

 If one looks beyond the political headlines and examines the politics of Japanese security policy more closely, it is striking how many new precedents are being set. Over the past month, the Self Defense Forces (SDF) have demonstrated capabilities and doctrine on missile defense and antipiracy that would have been unthinkable even a few years ago. Meanwhile, officials and scholars are laying the conceptual groundwork and building a strong consensus for new National Defense Program Guidelines (NDPG) that will position the SDF to increase capabilities even further in the years ahead.

 (政権が交代しようと)な~に、大丈夫。もう、ちゃっと仕掛けは、打ってあるから、気にしない、気にしない。先月なんか、日本の自衛隊、ミサイル能力、見せてくれたじゃない! 日本の当局者も学者たちも、ほか、あの日本の「新防衛大綱」、地ならししてくれているしさ。もう、大丈夫! 

 こういうグリーン氏の下で、ジュニア・進次郎氏は鍛えられたのである!(洗脳された!)のである――これこそ、日本のマスコミが追及すべき大問題ではないか。

 あなたはどう思っているの? 軍旗、掲げよ(ショー・ザ・フラッグ)と命令されたら、言われた通りにするの?――と、まずもって問い質すのが筋ではないか?

 握手した・しない、が問題ではない。問題は、ジュニア・進次郎よ、お前はポチなのか――である。お前は、タカの言いなりになって動く、ポチなのか?????

 自民党の防衛族の中には、「敵ミサイル基地攻撃能力を持て」などと狂ったようなことを言い出している連中もいるが、そうした動きを、CSIS研究員だった、ジュニア・進次郎氏よ、君はいったい、どう考えているのか?

   
 小泉進次郎氏よ! 国政選挙に出る以上、君には、握手に応えなくとも、政治的な信条を問う問いには明確に答える義務がある。
 

Posted by 大沼安史 at 10:07 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-07-29

〔いんさいど世界〕 「神の国」はいつでもどこでも「死の教育」

⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog2/2009/07/post-f84e.html

Posted by 大沼安史 at 09:25 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-07-24

〔いんさいど世界〕 ないない尽くしのアフガン……ウィリアム・ファフ氏、そして、故・藤村信氏のこと

 米ネット誌、「トルースディグ」に、パリ在住の米国人ジャーナリスト、ウィリアム・ファフ氏の論説、『計画通りに行かないアメリカの戦争』が載っていた。

 言うまでもないことだが、ファフ氏は、今は亡き、あの「パリ通信」の藤村信氏(熊田亨氏)のように、パリを拠点に国際情勢を追い、観察結果を記事に書き続けて来た、ベテラン・ジャーナリストだ。
 蓄積があるから、パースペクティブのある記事が書ける。つまりは、信頼できる、大記者。だから、折に触れて目を通す。

           *

 ファフ氏によれば、欧州では、アフガンは米国にとって「新たなベトナム」だという見方が広がっている。アフガン=第2のベトナム戦争。

 ま、ここらあたりは常識的な指摘だが、ファフ氏はさらにグイと踏み込み、「ベトナムよりもっとヒドイ(悪い)」と、イッキに核心に迫る。

 なぜか?

 「ベトナム」には少なくとも、ハッキリした「敵」がいた。「北」には責任ある共産主義者の「政府」があった。
 そして、アメリカにはそこで戦う(的外れではあったが)「理論」があった。(空爆、ゲーム理論)

 「アフガン」にはそれがない。「空爆」できる「タリバン政府」という実態がない。「タリバン」は確かに敵だが、いつの間にか、消えてしまう敵だ。
 だから、アメリカはタリバンを「降伏」に追い込むことはできないのだ。

 では、アメリカに、アフガンで戦って勝つための「理論」があるかというと、それもない。  

 ないない尽くしのアフガン。

 それをファフ氏は一言、The “no’s” have it. と言っていた。

           *

 日本には残念ながら、藤村信氏亡き後、このレベルの、このクラスの大記者は(ほとんど)いない。

  ああ、ホントニ残念なことだなぁ~。

 で、仕方なく、藤村信さんが元気でいらしたら、きっと、こんな「題」の「カブール通信」を書いたはずだ(と勝手に思う)。

 私は一度だけだが藤村信さんの謦咳にふれたことがあるので(この強引な論?法!!)、どんな「題」のレポートを書くか、それだけは分かるのだ。

 そう、きっと、こういうタイトルに決まっている。

 「アフガン 砂漠に乾いたもの」―― 

 ファフ氏の “NO’s” に響きあう題だ。

 ⇒  http://www.truthdig.com/report/item/20090723_us_foreign_wars_not_going_according_to_plan/
 

Posted by 大沼安史 at 09:31 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-07-23

〔いんさいど世界〕 民主党はポチにならない?……FT紙が「自民党」後の日米関係で解説記事 (以下は本ブログの提言)麻生首相よ! 立て! 吠えろ! 噛み付くんだ!

 フィナンシャル・タイムズ紙が「自民党」支配崩壊後の日米関係を展望する解説記事を掲載した。
 筆者は同紙アジア・エディターのデイビッド・ピリング氏(前東京支局長)。

 ピリング氏によれば、「日本の戦後体制」は「2本の柱」に支えられて来た。
 このうちの一本、「自民党(LDP)」が「今、瓦解しようとしている」。

 で、問題は――(自民党支配の崩壊はすでに自明のことだから)、もう1本の柱である「日米関係」がどうなるか?……だが、この点についてピリング氏は、最初の柱、自民党の崩壊を前提に、「民主党の日本」と「アメリカ」の、新しい日米関係の展望に筆を進めている。

 同氏によれば、差し迫った民主党(DPJ)の勝利は、単なる政権交代で終わらない。
 戦争を強く記憶していない政権が史上初めて、日本に誕生し、戦争の罪過、戦後の米国依存にこだわらない、新たな日米関係を模索するだろうとしている。

 そしてその日米関係を――難しいことだが――、日本とアジア・中国との絆を認めさせたものに築き上げようとするだろうと見ている。

 まあ、当然といえば当然の結論だが、ピリング氏の解説記事の結びに、日本の民主党政権のワシントンに対する姿勢に関する、アメリカのコメンテーターの、気になるコメントが出ていたので、記憶(記録)にとどめることにしよう。

  “Sit, stand, bark! They’re just not going to do that any more.”

  「お座り、立て、吠えろ」――彼らはもう、それをしないだろう。

 日本の自民党のポチぶりを下敷きにした指摘だが、それにしても情けない。

 これもピリング氏の記事の中で出てくることだが、ヒラリーは2007年のForeign Affairs誌に寄稿した論文の中で、

  the Sino-US relationship was(is) the world’s single most important.

 と書いていたそうだ。

 「日米関係は」の誤りではない「米中関係」は世界で最も重要な、唯一の二国間関係である、と、ヒラリーは言い切っていたのだ。

 本音なのだろう。このヒラリーの記事を読んで、日本の政府、外務省がどんな反応をしたか、知りたいものだワン。

 最後にもうひとつだけ、ピリング氏の記事の中で気になったことを。

 それは、氏が麻生首相のことを、

  Taro Aso, Japan’s walking-dead prime minister,

 と書いていることだ。

 麻生首相は毎朝、ウォーキングで健康づくりに余念がないが、「歩く屍」とは、(たぶん)的確な表現(英語のネイティブではないので、小生としては断言できない)ながら(?)、いささか語弊がある表現ではある。 

 自業自得とはいえ、自分の国の首相が、ここまでバカにされているかと思うと、ますます情けない。

 このまま、引き下がったらオトコが廃る!――だよね。

 そこで本ブログとして提案!

 麻生首相よ、どうせ、政権を追われるんだ。
 国民が知らない「日米密約」、まだいっぱいあるだろうから、イタチの何とやらで、いっそのこと、全部、バラしたらどうだ!

   “Stand, bark, attack! ”

 ポチよ、立て! 吠えて、噛み付け! バラすんだ!
   

 ⇒  http://www.ft.com/cms/s/0/b74b3e26-770a-11de-b23c-00144feabdc0.html
 

Posted by 大沼安史 at 08:37 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-07-16

〔いんさいど世界〕 オバマよ、学生当時の「ヴィジョン」を忘れるな! 「核のない世界」をつくれ! ヒロシマ・ナガサキに来るんだ! そして……HAARPを破壊せよ!

 ファッション・デザイナーの三宅一生さんがニューヨーク・タイムズ紙に「閃光の記憶」という文章を寄稿し、オバマ大統領にヒロシマを訪れ、「平和橋」を渡るように求めた。

 私は三宅一生さんの文章に感動し、勝手に非公式の全訳をブログに掲載した。
 (⇒ http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2009/07/for-the-record-.html )

 オバマもきっとニューヨーク・タイムズで読んだはずだ。 

  Every step taken is another step closer to world peace.
 (ひとつの歩みは、世界平和に、一歩、近付くことである)

 オバマもきっと感動したに違いない。

               *

 先日、同じニューヨーク・タイムズ紙(7月5日付)に、「オバマの青年時代が、彼の、核のない世界のヴィジョンをかたちづくった」という見出しの記事が載っていた。オバマの学生時代の話だった。
 (⇒ http://www.nytimes.com/2009/07/05/world/05nuclear.html?_r=2&hp )

 オバマは、ソ連を「悪の帝国」として大軍拡を進めた、あのレーガンの時代に、ニューヨークのコロンビア大学で学んだ。

 その時(1983年に)、「サンダイアル」という学内誌に寄稿した論文(そう、彼も寄稿したのだ!)が、昨年末、同窓のOBの手で「発見」された。

 「戦争メンタリティーを打ち破る」というタイトルの記事で、その時すでに、四半世紀後の未来の大統領は「核のない世界(a nuclear free world)」のヴィジョンを語っていたのである。

               *

 「核のない世界」――これはオバマがベルリンで語り、プラハで語った希望の言葉だ。
 アメリカの大統領(候補)が、ここまで言い切る……これはかつてなかったことだ。

 オバマは学生時代のヴィジョンを捨てずに生きて、大統領として発言したのだ。

 オバマはコロンビアの学生時代、マイケル・バロン先生の国際関係論のゼミに入り、「大統領としてロシアとどう交渉すべきか」論文に書き、提出していたそうだ。(A評価だった!)

 そして今、ロシアの大統領と話し合い、新たな核削減交渉に入ろうとしている……!

               *

 米ロ交渉は今後、とりあえず、核弾頭数の削減ということになるだろうが、私がオバマ大統領にお願いしたいのは――それは世界の多くの人々が願っていることだが――、レーガン時代の「スター・ウォーズ」の落とし子である、あの「HAARP」を廃棄して欲しいことだ。

 HAARP(Frequency Active Auroral Research Program=高周波活性オーロラ調査プログラム)。
 アラスカのフェアバンクス郊外の原野で1980年代の終わりから建設が始まり、2005年に完成したものである。

 アラスカ大学が研究機関として関与しているが、米国防総省のファンドを下に、米空軍・海軍が合同委員会を設けて運用にあたっている謎の施設である。

 このHAARPについて、ロシアの国会が2002年8月、米軍の「新たな統合地学兵器(integral geophysical weapon)」である、との声明を発表、国連にアピールしたことを、オバマ大統領――あなたは知っているはずだ。
 (⇒ http://www.rense.com/general28/deathray.htm )
 

               *

 地上のアンテナ群から電離層に向かって、360万ワッツの電波を集中照射し、電離層のターゲットを数千度の高熱の温めるなどして、

 ① 電離層を押し上げて、ソ連のICBMをプラズマで破壊(「スターウォーズ」計画の構想)するほか、

 ② その際、生まれた低周波の電波を地表・地中に向かって反射させ、人工的に大地震を引き起す、とともに、

 ③ 人間の脳と同じ低周波でもって、人間の精神活動を破壊する

 ――もので、ロシア議会のみならず、世界の人々から批判が高まっている存在であることを、オバマ大統領、あなたは知っているはずだ。
 (ネットでは、中国の四川地震は、HAARPによる攻撃だという説さえも飛び交っている!
  ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=AYA8avPrygA&feature=fvsr 

  6月29日、ニューヨークの上空に現れた、不気味なオレンジ色の乳房雲も、HAARPのせいだする憶測さえも飛び交っている。
  ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=Mea9jXGG7XU&feature=related 
 
  世界はそれだけ恐怖しているのだ! )

               *

 HAARPの危険性については、世界的に名高い、カナダの女性科学者でカトリックの尼僧でもあるロザリー・バーテル博士も警鐘を鳴らしている。
 (⇒ http://www.youtube.com/watch?v=OEFJGDurfa4&feature=related )

 オタクの「妄想」ではなく、バーテル博士の指摘である。

 重く受け止めるべきだ。

 私見を言わせていただけば、HAARPは「核」と並ぶ、究極の「絶対兵器」である。この地上にあってはならない兵器である。

               *

 オバマよ、ヒロシマに来て、「核」と「HAARP」の廃棄を語れ!

 

Posted by 大沼安史 at 05:50 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-07-09

〔いんさいど世界〕 「私はウイグル人の涙」 “ウイグルの母” ラビア・カーディルさん、中国大使館に抗議デモ

 アメリカのワシントン郊外で、「ウイグルの母」と呼ばれる、ラビア・カーディルさん(63歳)が亡命生活を送っている。

 世界ウイグル会議の議長、ウイグル民族の「母」は、自ら11人の子の母である。
 うち、息子2人は中国の刑務所に囚われているそうだ。

 新彊ウイグル自治区の生まれ。レストラン、小売店などを経営する実業家として成功したが、1999年、中国当局に逮捕され、釈放後、2005年に米国に亡命した。

 その「ウイグルの母」が7日、ワシントンの中国大使館に抗議デモを行ったことを、ワシントン・ポスト紙で知った。

 デモには100人を超す在米ウイグル人が参加した。
 
 青と白のウイグルの旗を持って。髪の青く染めた参加者もいたそうだ。

 ラビアさんは通訳を通して、こう語ったそうだ。

 「毎日、ウイグル人が死んでいます。私は自分をウイグル人、数百万人の声だと考えています。私は彼・女らの涙だと、自分のことを考えています」 

 「中国政府は私たちをとても抑圧しています。私たちウイグル人は私が欲していることを欲しています。自由が欲しいのです」

 ウイグル語が禁じられ、イスラムの祈りも禁じられ……今回のウイグル人の「決起」の背景には、経済的な困難に加え、民族的な誇りを奪われて来た悲しみと怒りがあるようだ。

 デモには、ラビアさんの末っ子(末娘)の大学生、ケケヌス・シディクさん(19歳)も参加、英語でこう叫んだそうだ。

 「私たちはあまりにも長い間、騙され。殺され、レイプされ、犯され、奪われ。裏切られ、捨てられ、売られ、拷問にかけられて来た」と。

 ラビアさんは赤いケータイを持ち歩き、そのケータイで現地と連絡を取っている。

 中国当局は彼女を暴動の扇動者としているが、ラビアさんはこれを否定。「中国の警察が挑発した結果」と、非難している。

 チベット人にとって「ダライ・ラマ」が精神的な支えであるように、ラビアさんはウイグル人の希望の拠りどころだ。

 ラビアさんは、ウイグルの黒い角帽を被ってデモ隊を率いた。お腹が空くと、腰と下して、持参したオニオンとグリーンペッパーのピザ・スライスを食べたそうだ。

 中国の一人っ子政策を無視して、11人もの子を産んだ「ウイグルの母」は強し!

 
 ⇒  http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/07/08/AR2009070804141.html?hpid=artslot

    http://www.allfacebook.com/2009/07/rebiya-kadeer-urumqi/
 
   写真 ⇒ http://www.google.co.jp/imglanding?imgurl=http://www.epochtimes.de/pics/2008/04/29/xxl/2008-04-29-xxl--20080419_Rebiya_Kadeer_12.jpg&imgrefurl=http://www.epochtimes.de/articles/2008/04/29/275955.html&h=600&w=800&sz=84&tbnid=rBBBBYiJLSxJsM:&tbnh=107&tbnw=143&prev=/images%3Fq%3DRebiya%2BKadeer&hl=ja&usg=__fxmQCkqEqPaT6FGIr7X_Ty-NzgA%3D&ei=YcNVSun1N6aI6wOo44TGDw&sa=X&oi=image_result&resnum=7&ct=image&q=Rebiya+Kadeer&start=0#start=1

  WIKI 英語 ⇒ http://en.wikipedia.org/wiki/Rebiya_Kadeer

   同 日本語  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AB

  日本での紹介 ⇒ http://www.geocities.jp/kokok0512/

  アムネスティ(フランス)⇒ http://www.amnesty.fr/index.php?/amnesty/agir/campagnes/femmes/droits_des_femmes/defenseures/chine_rebiya_kadeer

Posted by 大沼安史 at 08:40 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-07-01

〔いんさいど世界〕 イラン 若者の革命

 ディリップ・ヒロ(Dilip Hiro)というロンドン在住のインド系の作家・評論家がいる。
 中東問題に関するこの人の論説には、いつも教えられることが多いが、今回のイラン「緑の革命」でも、そうだった。問題の所在、背景を、わかりやすく的確に示してくれているので、門外漢の私にはありがたい。
 ⇒ http://www.tomdispatch.com/post/175089/dilip_hiro_the_weeks_of_living_dangerously
 
 とくに人口学的な背景説明には目を開かされた。
 あの1979年の「イラン革命」から1999年までの20年間に、イランの人口は6500万人に倍増、総人口の3分の2が25歳以下になったそうだ。
 「シャーの時代」を知らない世代が、圧倒的多数を占めているのである。

 学生は3倍し、女性のシェアはなんと60%に。テヘラン大学では全学部で男子学生を上回っているのだそうだ。

 若者の国、若い女性の国、イラン。

 ヒロ氏によると、イランで宗教的な締め付けが緩んだのは、1997年以降のハタミ政権の時代。
 ロックコンサートも、NGO(非政府組織)も容認されるようになった。

 そんな「自由化」が逆コースをとるのは、とくに2005年以降。アフマジャネドが政権に就いてから。宗教警察が街頭で服装をチェックし、大学では男女、席を同じうせず、という事態が生まれた。

 通りで手を握り合うこともできない若者たち。

 今回、若者たちが立ち上がった背景には、こんな「神の国・反革命」があったわけだ。
 
 若者が求めるデモクラシー、人権、表現の自由が、イスラムの支配ともろにぶつかり合った――これが今回の「イラン・緑の革命」の本質である。
 
 ヒロ氏が、「イスラム」と「デモクラシー」の衝突が起きている、と指摘しているのは、こうした事情があるからだ。

 政治分析における人口学的視点の重要性は、フランスのエマニュエル・トッドも指摘しているところだが、イランがここまで「若者の国」化している以上、「神の国」側がいかに弾圧強化で臨んでも、デモクラシーへの流れを阻み続けることは難しかろう。

 Greening of Iran――イランは「イラン革命」を、つまりは「シャーの時代」を知らない世代によって、CIAが打倒した「シャー以前」の民主政権の時代へと、遡行しつつ前進(Back-to-the Future) しようとしているのかも知れない。  

 

Posted by 大沼安史 at 07:52 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-06-28

〔いんさいど世界〕 イラン 「神の国」情報戦争

 イランの民主化闘争をめぐって、ネット情報戦争が起きている。
 抵抗する市民と、弾圧する「神の国」当局の間で、「コミュニケーション」をめぐる闘いが続いている。

 民衆のコミュニケーションを断ち切ろうとする「神の国」側は、既報の通り、ムサウビ氏のウェブ・サイトをハッカー攻撃し、閉鎖に追い込んでいる。
 ⇒  http://server307.webhostingpad.com/suspended.page/
 
 アナクロな「神の国」らしくない所業だが、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、イラン当局はヨーロッパのテレコム企業の援助で、世界最高レベルの「ネット検閲・コントロール」メカニズムを整備し、民衆のネット・コミュニケーションを大量にスクリーニングしているというから、サイトの閉鎖など、お茶の子さいさい、ということか。

 WSJによれば、イランが「モニタリング・センター」で運用しているのは、DPI(ディープ・パケット・インスペクション)という監視システムで、ネット利用者のウェブ閲覧、Eメール、友人同士のダウンロードなど、ほとんど全てを傍受することができるそうだ。
 ⇒ http://online.wsj.com/article/SB124562668777335653.html

 こうしたオーウェル的な監視社会化の中で、イランの民衆がネットを通じたコミュニケーションを守るツールにしているのが、当局の「オンライン検閲」の防火壁をかいくぐることのできる「ゴーストネット」ソフトウエアだ。

 カナダの企業が開発したもので、AFP通信によれば、この10日間に18000人もイラン人がダウンロードしたという。
 ⇒ http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5gcMQujm9uRlw0hHaQBlWxr_K90nA 

 「ゴーストネット」――幽霊ネットとはおもしろいネーミングだが、これを使えば、たとえば「FACEBOOK」に開設された、ネダさんを悼むコミュニティー、「イランの天使」サイト (⇒ http://www.youtube.com/watch?v=B7l1MruLmgE )にも自由にアクセスすることができるし、ユーチューブの「映像」にもアクセスすることが可能だ。

 いうまでもなく、コミュニケーションは社会運動のライフライン。最後の、最高の砦である。
 「神の国」において、死守されるかどうか、そこにイラン「緑の革命」の成否がかかっている。
 
  

Posted by 大沼安史 at 06:19 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-06-19

〔いんさいど世界〕 アウシュビッツで闘った「あしたのジョー」たちの話

 ことしは「アンネの日記」のアンネ・フランクさんの生誕80年の記念の年です。
 誕生日は、1929年6月12日。

 そう、生きていれば(15歳でナチスのベルゲン・ベルゼン収容所で亡くならなければ)、今月の12日で、満80歳になったはず。

 日本では、80歳で、元気いっぱいなおばあちゃんたちはフツーですね。そのおばあちゃんたちが10代半ばの乙女だった頃……といったら、そんなに昔のことじゃありません。歴史的には、ついこの間、ナチスによる、あんなひどいことがあった! 忘れてはならない歴史の教訓です。

 で、今日は、日本ではあまり知られていない、ナチス時代に実際にあった話、「アウシュビッツの、あしたのジョー」の実話を。

 ことしの春、4月26日、サラモ・アラウチさんというギリシャ出身のユダヤ人男性が、イスラエルでお亡くなりになりました。86歳でした。アンネ・フランクさんより、6歳年上、ですね。

 そのサラモさんの訃報をイギリスの新聞(電子版)で読んで、この方のことを知ったのですが、サラモさんはナチスの収容所で――あの悪名高き「アウシュビッツ」で生きるために闘い続け、移送先のベルゲン・ベルゼン(そう、アンネ・フランクさんが赤痢でなくなったところですね)で解放の日を迎えた方なんです。

 生きるための闘い……「アウシュビッツのあしたのジョー」。そう、サラモさんはボクシングの闘いの日々を生き抜いたんです。

 サラモさんはギリシャのテッサロニキの出身。子どもの頃から、港で沖仲士(港湾荷役)として働き出しました。腕っ節が強かったそうです。お父さんの指導でボクシングの練習を始め、14歳でデビューしたそうです。その後、2年間(1939年まで)の戦績は、24戦24KO。ギリシャ国軍のボクシング・チームにも選ばれたそうです。

 そんなサラモさんの住むテッサロニキに、ナチスがやって来て占領した。テッサロニキには当時、ユダヤ人が4万7千人、住んでいたそうですが、みんな強制収容所に送り込まれた。(生き延びた人は2000人だけだそうです)

 サラモさんの家族もアウシュビッツに送られたのですが、お母さんと3人の姉妹は着いたとたん、ガス室送りになったそうです。(サラモさんは後で、お父さんともう1人、お兄さんか、弟さんかを、アウシュビッツで亡くしています)

 アウシュビッツに着いて間もない頃、ナチスの司令官が車で収用棟に乗りつけ、「ボクサーはいないか?」と言ったんだそうです。サラモさんは当時、16歳。アウシュビッツに着くまでに疲労困憊し、怯え切ってもいたのですが、一歩前に踏み出したそうです。

 リングは、土の上に線を引いただけ。グローブを渡され戦わされた。最初の相手は、「チャイム」という名のユダヤ人。この相手をノックアウトすると、次の相手は身長180センチ以上あるチェコ人だった。

 サラモさんは167センチで、体格ではかなり劣っていたのですが、これもノックアウトで地面に沈めたそうです。

 それ以来、毎日、ちゃんとした食事を与えられ、週に2、3回のペースで、リングに上る生活が始まったそうです。

 負けたら死が待ち受ける、苛酷なルール。そんな生と死の賭かったボクシングの試合を、収容所のナチたちは酒を飲みながら面白がって観ていた。どっちが勝つか賭けをして。

 サラモさんは結局、1945年、ベルゲン・ベルゼンへ移送されるまで、ざっと200戦、対戦したそうです。
 
 赤痢にかかっていた時、2回、引き分けただけで、あとは連戦連勝だったそうです。

 サラモさんはギリシャ時代、「バレエダンサー」と言われたくらい、フットワークがよかったそうです。それで、勝ち続けることができた。

 最大のピンチは、ドイツ系ユダヤ人ボクサー、クラウス・シルバーさんとの戦いでした。クラウスさんは、収容所に来る前、アマチュア時代、44戦全勝だった人で、アウシュビッツに来てからも、100戦以上、勝ち抜いていた。

 大変な試合になったそうです、最初、クラウスさんがサラモさんをダウンさせる。にもかかわらず、サラモさんは立ち上がり、逆にクラウスさんをノックアウトした。

 サラモさんは試合後、クラウスさんの姿を見ることがなかった。クラウスさんのような強い選手でも、決まり通りに、殺されてしまったのですね。

 サラモさん自身、何度も、もういやだ、殺されてもいい、戦いたくないと思ったそうです。

 それでも戦い続けたのは、アウシュビッツで見たことを、世界に告げるんだという「熱い決意」があったからだそうです。そういう使命感もあって、戦い続けることができたのでしょうね。

 でも、内心はどんな辛かったことでしょう。
 生き抜くには勝たなければならない、しかし負けた相手は――同胞は、死なねばならない……

 それを喜んで観ていたナチス……

 これはもう「あしたのジョー」を超えた、ほんとうに物凄い、惨い話ですね。

 生き延びたサラモさんはベルゲン・ベルゼンで会ったユダヤ人女性と結婚し、パレスチナに移住、お子さんを4人授かり、運送業でも成功、幸せな人生を送るのですが、今から20年前、自分をモデルにした映画の撮影で、アウシュビッツに戻ったことがあるそうです。

 「私は心の中で、両親にあった。そして泣き出した」と、その時のことを語っています。

 サラモさんは「明日」をつかみましたが、闘いに敗れ、明日をつかめずに死んでいったボクサーたちもたくさんいた。

 「アンネ・フランク」さんとともに、私たちはサラモさんら、ナチの収容所で闘った「アウシュビッツのジョー」たちのことを、忘れてはなりません。 

⇒ http://www.telegraph.co.uk/news/obituaries/5258959/Salamo-Arouch.html

http://www.independent.co.uk/news/obituaries/salamo-arouch-boxer-who-stayed-alive-in-auschwitz-by-fighting-200-exhibition-bouts-for-nazi-officers-1689791.html

Posted by 大沼安史 at 05:38 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-06-16

〔いんさいど世界〕 100万人が抗議デモ 「イラン・運命の日」&「雨の中のメーク・ラブ」 ロバート・フィスク記者@テヘラン 

 英紙インディペンデントのロバート・フィスク記者がテヘラン入りして、現場からレポートを続けている。

 16日の同紙(電子版)でのレポートのタイトルは「イランの運命の日」。

 前日、15日のデモを目撃したフィスク記者は「それはイランの運命の日であり、勇気の日だった」と書いた。

 フィスク記者は、あのビンラディンとも何回か会って取材している、中東報道の第一人者。その彼がテヘランに入っている! 頼もしい限りだ。

 フィクス記者によれば、「群衆は歌い、叫び、笑い、大統領を“クズ”と呼んでバカにした」そうだ。

 1979年の「イラン革命」以来の大群衆の抗議行動。100万人!

 群衆の勇気は「信じられないほど」だとフィスク記者は言う。
 デモの人々は皆、テヘラン大学で学生が5人、ピストルで無残に撃ち殺されたことを知っており、それを知りながら街頭に出た。

 フィスク記者が15日朝、大学のゲートに行くと、学生たちが泣いていたという。「虐殺だ」と叫んでいたという。

 雨の中、フィスク記者の横を、若いイラン人男性が歩いていた。ペルシャ語の詩を歌いながら。テヘラン大学の学生だった。フィスク記者はその学生に、その歌を訳してくれ、と頼んだ。

 「現代イランの詩人、ソーラブ・セペリの詩です」

 学生の(英)訳はこうだった。

   私たちは雨の中、行かねばならない
   私たちは目を洗わなければならない
   そして私たちは世界を別の目で見なければならない

 現場からのレポートで、詩を紹介するフィスク氏。
 さすがだ。

 テヘラン大学の学生はさらに、フィスク氏にこう続けた。

 「この詩の次の一行は、雨の中での女性とのメークラブ。ちょっとデモには似合わないね」
 その学生と、仲間の2人は笑いながら、頷き合ったのだそうだ。

 雨の中のメーク・ラブ……デモの本質――「自由」を、この一言で見事に描いてみせた、イランの学生たち&フィスク氏。

 やがてテヘランの雨が上がって、デモの群衆の上に陽が降り注いだという。

 運命の女神がイラン民衆に微笑むことを祈る。

⇒  http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-irans-day-of-destiny-1706010.html

Posted by 大沼安史 at 07:54 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-06-13

〔いんさいど世界 (増補版)〕 ピョンヤンより愛を込めて 金正日の対米プルトニウム・ラブコール

 北朝鮮がまたも「強硬姿勢」を強めた。「3回目の核実験準備」に続き、こんどは「全プルトニウムの兵器化」だそうだ。
 ⇒  http://www.independent.co.uk/news/world/asia/north-korea-says-it-will-weaponize-its-plutonium-1704347.html

                     *

 1945年の「神の国」(日本)と、2009年の「地上の楽園」(北朝鮮)は、民衆の福祉などそっちのけで、独裁者どもが(とその取り巻き)「国体護持」に躍起となった点で共通している。

 「神の国」は「冷戦」の幕開けという「カミカゼ」が吹いて、戦後民主主義の「皮」をかぶることで「国体護持」に成功したが、「地上の楽園」の将軍さまは、3男坊への権力移譲=皇位継承が無事、実現するかどうか――果たして自分たちは生き残れるかどうか、気になって仕方がないようだ。

 で、「瀬戸際政策」のカードを次々に切って、「聖戦遂行!」「撃してしやまん」「欲しがりません、勝つまでは」と国内の引き締めにかかる一方、「国体護持」の確約を求め続けている……。

 北朝鮮の「挑発エスカレーション」の「構図」には、そんな、既視感とやりきれなさが漂う。

 が、それにしても、「国体護持」に躍起な金正日は、なぜ、次から次へと、世界の反発を買う――世界に叩かれっぱなしの「強硬姿勢」を打ち出しているのか?

 逆説的な言い方になるが、答えはひとつ――北朝鮮はアメリカに対して、「対決」という名の「塩」を贈っているのだ。

 つまり、金正日の「核」には、米国への「愛」が込められている。すなわち、「プルトニウム・ラブコール」。

 ではなぜ、「敵に塩」のラブコールを、「北」はアメリカに贈るのか?
 それは、朝鮮半島の軍事緊張が高まれば高まるほど、米国の、中国に対する立場が強まるからだ。

 「世界帝国」として経済的にも破綻した米国は、金融面で中国の協力を引き出すしかないが、イラク・アフガンという重い足枷もあり、ペキンに対して切れる、自前のカードはゼロ。
 そんな時に「北」の将軍さまが、脳卒中にもめげず、暴れまくってくれることは、米国にとって、願ってもない「交渉材料」。実にありがたいことであるわけだ。

 アメリカとしては(その気もないのに)、中国に対して、そんなに言うならいいですよ、北朝鮮の体制存続、認めてあげてもいいですよ……でも、その代わり………と言える――。

 2回目の核実験の際、中国外務省は北朝鮮を「罵る」声明を発表したが、それは子飼いのポチ(将軍さま)が勝手に、オバマ政権に対し「シッポ」を振る……あ、いや、「塩(それもプルトニウムをまぶした!!??)」を贈ったことへの怒りだったはずだ。

 オバマ大統領は今年後半、初の中国訪問を行うことを模索中だと言われる。
 後半とは秋以降という意味だが、北朝鮮の軍事独裁政権にとっても、10月初めは「皇位継承」発表の山場である。

 金正日は、そこらあたりに「終戦の日」を設定、オバマ政権に花を持たせるかたちで、朝鮮半島の「現状維持」を――つまりは、国体維持の護符を、あわよくば米・中・北朝鮮による3ヵ国共同宣言によって勝ち取る戦略でいるのだろう。

 もちろん、米政権もこうした「北」の意図を知っているから、今年後半に向かう政治日程の中で、「第二次朝鮮戦争」カードをちらつかせながら、北朝鮮を適当にあしらいつつ、中国に圧力をかけ、日本をもまた、いいように操ることだろう。

 となると、「米」「北」双方が「賭金」を吊り上げる必要が出るから、小競り合い的なミニ・軍事衝突ぐらいは、ありそうだ。

 (オバマは賢いから、1962年の「キューバ危機」の際のケネディのように、「北朝鮮」を海上封印(seal-off)したとしても、「封鎖」(blockade)という言葉は使わないだろう。たぶん、「隔離(quarantine)」と言い換えるはずである。「封鎖」は「戦争行為」であるからだ)

                       *

 北朝鮮の超瀬戸際政策は「国体」の存続を賭けた、アメリカに対する媚態――醜態である。「核」という名の「ぶって! ぶって!マゾ姫」を、アメリカに押し付け、いいように使ってください、と言っている。

 それは米占領軍に対して、食うに事欠く「大和撫子」たちを集め、早速「特殊慰安所」を開設した、「終戦時」の日本の権力者の姿と、どこか似ている。
  

 

Posted by 大沼安史 at 08:59 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-06-06

〔いんさいど世界〕 「ハグ」しよう! アメリカの若者に「連帯」の動き

 10代の若者たちにとって、「ハロー」は「どお? ハグしない」の意味――こんな見出しの記事が、ニューヨーク・タイムズの電子版(5月28日付)に載っていた。

 Hello&Hug――ハローはもちろん、あのハロー。ハグは、「抱き抱き」のハグである。
 この「ハロー⇒ハグ」を、アメリカの10代が、大規模に始めている……なんだか、面白そうな「ニュース」なので、しっかり(?)、読み込んだ。

 で、感想は、ムム、ナ・ナニイ! い、いまどきの若いもんワ~!……偉い、凄い、ガンバレ、いいぞ!

 さすが「オバマ」をホワイトハウスに送り出した、アメリカの若い世代のやることは凄い! 立派だ!

 「ハグ」でもって連帯のコミュニティーを生み出そうとしている……そんな気がして、嬉しくなった。

 で、その「アメリカン・ヤング・ハグ(?)」の実体だが、「ハグ」にもいろいろあって、最も、一般的なのは、「基本友だちハグ(basic friend hug)」。

 これは、いわゆる、ふつうの(???)ハグ。これが最もポピュラーだそうだが、その熱烈バージョン(?)、「ベア・ハグ(熊抱き)」も、もちろん人気テク。

 その最新の発展型が、「ベア・クロー(熊爪)」。
 これは男の子が女の子をハグする技で、両肘を両サイドに突き出しながら、抱き抱きするのだそうだ。(これ、たぶん、プロレスから来た技!?)

 もちろん、いきなり「ハグ」は、目下、熱愛中でないかぎり、なし。

 最初は「ハイ5(ファイブ」(これ、分かりますよね)で始まり、続いて「フィスト・バンプ」(たぶん、こぶしの甲を合わせる……)、このあと「スラップ・オン・ザ・バック(背中に手を回して、手のひらでやさしく叩く)をして、最後に「ハグ」する、由緒正しき作法があるという。
 ハグ、小笠原流!?

 こうした「ベア(熊)系」の「ハグ」だけではない。後ろから抱き抱きする「シェーク&リーン」というのもあるそう。
 これってたぶん、背中に取り付いて、カラダを揺さぶって(シェークさせ)、2人で1本の、細身(リーンな)の棒(ステック)みたいになってしまう技じゃないかな。

 それから、「トリプル」というのも。男の子と女の子が3人で同時に決める、難度の高いハグ技だそうだ。

 で、アメリカの、どこで「ハグ」が異常発生しているか、と尋ぬれば、学校!、学校」! 中学!、高校!
 若者たちの集団生活の場で蔓延しているそうなのだ。

 慌ててしまったのが、学校の「管理者」たち。廊下の渋滞などを緩和するため、ハグ禁止令とか、ハグ3分間ルールを施行、規制に乗り出す学校も出て来た。

 なんと無粋な! 「いじめ」とか「校内銃乱射」などより、よっぽどいいことなのに、ねえ!

 で、この「ハグ」蔓延を、どうみるか、だが、エイミー・ベストさんて、女性社会学者によると、1970年代に始まった(ああ、あのヒッピーたちの……?)「アメリカ人全体のあいさつ進化」のひとつの現れ、とか。

 つまり、カラダを触れ合い、人間的な接触を求める、全体的な文化潮流の変化が底にあって、そこから生まれた新たな若者文化だというのだ。

 それも、草の根に生まれ、広がった現象。文化史的なルーツを辿ると、黒人男性たちの、「ダップ」といわれる「ハグ」に遡るという。

 ああ、なるほど、そうか。
 「ダップ」して連帯する黒人文化を起源とし、このクソな「分裂社会」を「触れ合い連帯」で再生しようとする若者たち……そう考えると分かりやすいし(?)、そう考えるのが自然じゃないかな?

 「ハグ」による認め合い。同じ人間なんだという共感。

 オルタナティブ・スクールのある女性教師は、タイムズ紙の記者に対し、「(ハグは)、誰もがみんな、年齢、自意識を超え、大切にされたいと思っている、そんな願いの核心を突くもの」と指摘している。
 まったく、その通り。

 「オバマ」を担ぎ出したアメリカは、若者世代が「ハグ」し合いながら、その先頭に立ち、競争社会・分裂社会・自己責任社会を乗り越える、共生社会づくりに進みだしているのかも知れない。そんな、希望のイメージが膨らむ。

 そういえば、オバマも凄い「ハグ」男。奥さんのミシェルさんも相当な「ハグ」女で、選挙キャンペーンでは、一度に2人も「ハグ」してたっけ!

 でね、日本の社会もまた、その縮小型である日本の学校社会もまた、陰湿な「いじめ」が横行する分裂社会。

 とりあえず、学校で、「ハグ」しようぜ!

⇒ http://www.nytimes.com/2009/05/28/style/28hugs.html?_r=2&hp

 

Posted by 大沼安史 at 09:32 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-05-23

〔いんさいど世界〕 荒地のアメリカ 「死のモール(Death Mall)」が続出 超大型ショッピングセンターがゴーストタウン化

  「死のモール(Death Mall)」――経済危機にあえぐアメリカで、こんな「言葉」が……「現象」が普通に使われる(見られる)ようになりました。

 「モール」とはアメリカの消費経済のシンボルだった、超大型ショッピングセンターのことです。
 それが経済不況のあおりを受け、旗艦店(キーテナント)であるチェーンの大型店の撤退などで、ガラガラになって店じまいに追い込まれている。

 ゴーストタウン化……「死のモール」は、アメリカ型消費文化の死をも物語っているようです。

 そんなアメリカの「モール」をめぐる現状を、22日付けのウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ、電子版)が詳しく報道しました。

 アメリカのあとを追って来た、日本の消費文化の未来を予告することでもあるので、レポートに内容を少し詳しく紹介します。

 「死のモール」化をめぐるデータで、まず挙げなければならないのは、「グリーン・ストリート」という調査機関のものです。

 この機関は個人経営を除いた「モール」だけのウオッチしているので、そのデータには限界があるのですが、全米1032の「モール」のうち、84の「モール」が「死んだ」のだそうです。
 同機関によれば、アメリカの「モール」の平均年間売上高は、「30平方センチ」あたり381ドル。これが「250ドル」(ざっと、2万5000円)を下回ると、持たなくなるんだそうです。
 
 また、旗艦店の「シアーズ」はこの5月と6月の2ヵ月間だけで、「モール」内の23の店舗を閉鎖し、撤退するそう。

 「モール」というのは、四隅に「シアーズ」とか「メイシー」といったチェーンの超大型店(デパート)を置いているのが普通ですが、こうした「コーナーストーンの店」が抜けることで、「モール」の死への歩みが加速するわけです。

 「グリーン・ストリート」によれば、ことし2009年の「死のモール」数は、「100を超える」ものと予想されています。2006年は「40」でしたから、倍から3倍へ、激増するわけですね。

 WSJの記事はもちろん、こうした統計だけでなく、「死のモール」の具体例をいくつか紹介しています。
 その一つは、ノースカロライナ州シャーロットの東部にある「イーストランド・モール」
 
 この「モール」の30平方センチあたりの年間売上高は昨年210ドルまで落ち込んだんだそうです。で、旗艦店の「シアーズ」と「ディラーズ」が来月、いなくなってしまう。

 この「イーストランド」ができたのは約20年前。シャーロットの高所得層が街の北部、南部に住み始めることで、低所得地域の「モール」へと変わり、苦戦するようになったようです。
 (マイケル・ムーア監督の映画、『華氏911』でも、ミシガン州の低所得地域にある「モール」が出て来ますね。そこでないと、兵士としてイラクの戦場に送り込む、貧しい若者をリクルートできないのだそうです……)

 「イーストランド」のケースは、経済危機が低所得層を直撃し、それが「モールの死」にストレートにつながっていることを物語る事例のひとつ、といってよいように思われます。

 さて、次の問題は、こうした「死んだモール」をどうするか、という問題です。そこでしか営業できない地元の業者の方もいるわけですから、地元の自治体としても、そのまま、ゴーストタウン化を許すわけにもいかない。

 シャーロット市で「イーストランド」を、マンションや公園を含む新しい商業施設に再開発しようとしてはいるそうです。
 
 しようとはしているけれど、期待した民間からの出資がなく、計画しただけ、というのが現状だそうです。

 郊外型超大型ショッピングセンターの死……日本でも先行するアメリカから教訓を学び、早めに対策を考える必要があるようです。
 

⇒  http://online.wsj.com/article/SB124294047987244803.html#mod=rss_Today's_Most_Popular

Posted by 大沼安史 at 09:49 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (2)

2009-05-19

〔いんさいど世界〕 「自分の真実を見つけるんだ。そしてソウルフルな人生を生きてくれ」 アメリカのソウル歌手、ジョン・レジェンドが母校、ペンステートの卒業式でスピーチ

 グラミー賞を受賞したアメリカのソウル歌手、ジョン・レジェンドさん(31歳)が17日、母校のペンシルバニア州立大学(ペンステート)の卒業式(学位授与式)で、「クラス・オブ・2009の」(2009年卒業組)の、人生の門出を祝うスピーチを行った。

 ジョン・レジェンドさんは名曲、「エブリバディー・ノウズ」などで知られる本格派の歌手だが、スピーチを聞いて、あの伝説のリフレーン、♪ One more try,try を聴いた時のように鳥肌が立った。

 ソウル歌手のソウルフルなスピーチのタイトルは、Finding Your Truth: Living a Soulful Life(「自分の真実を見つけるんだ。そしてソウルフルな人生を生きてくれ」)。

 10歳年下の同窓生への餞の演説は、虚言と欺瞞に充ちたアメリカの権力政治を厳しく非難。善悪二元論の思考停止から脱却し、自ら真実の探し求めながら、リアルでピュアなものを見出してゆく、ソウルフルな人生を送るように、と励ますものだった。

 ジョン・レジェンドさんはオハイオからペンステートへ出て来たばかりの頃を振り返り、当時の世界観を「善対悪、闇対光、天国対地獄、こちらの味方か、テロリストの味方か」という、「パーフェクトな二項対立」が用意された世界だった、と語り、このペンステートでの学生生活で、その呪縛から解放されるキッカケを掴んだ、と自らの精神の遍歴を明らかにした。

 呪縛を解く言葉は、たとえば黒人作家、トニ・モリソンの「何もかも振り払えば、風に乗れるかも」――だったという。

 単純明快、あれかこれかの二元論を超える道はどこにあるか?
 自らの経験を振り返るや否や、ジョン・レジェンドさんの演説は早速、核心に向かい、「国民として、世界として、ぼくらにはもっと真実が必要だ」と訴えかけた。

 何の「真実」か?

 みんなが自ら知らねばならないこと、それはたとえば「イラク戦争」の真実であり、「金融危機」の正体である、とジョン・レジェンドさんは言い切ったのだ。

 そしてその「真実」の追求を、「ソウル」の探求につなげて、人生を生きて行け、と。

 ♪「真実」を求めることも、「ソウル」を求めることも、同じだよな。
 (Searching for truth is in many ways the same as searching for your soul.)

 ♪「ソウル」って、まともなことだし、人生でリアル&ピュアなことを探すってことだろ。それって、ぼくたちのど真ん中にあることだよな。それ、やるために、この地球に生まれたんだよな。
 (Soul is about authenticity. Soul is about finding the things in your life that are real and pure. The things that are at your core. The things you know you were put on this earth to do.)

 まるでソウルを聴くような、シンプルな文句の連打が心を揺さぶる。

 演説の締め括りは、さらに凄かった。

 「真実はいつの日か、君を自由にしてくれるぜ」
 (The truth will set you free someday.)

 「2009年の卒業生諸君、君たちの“いつの日か”は今日、始まるんだ!」
 (Class of 2009, your someday begins today.)

 こういう先輩歌手がこういう演説をし、共感の叫び声をあげる大学の後輩たち……

 そう、それはもう、今や(間違いなく)レジェンド(伝説)と化した、と言っていい、稀に見る名演説だった!

⇒  http://www.johnlegend.com/us/news/%E2%80%9Cfinding-your-truth-living-soulful-life%E2%80%9D-john-legend-university-pennsylvania-commencement-speec

    http://www.youtube.com/user/johnlegend?blend=1&ob=4

Posted by 大沼安史 at 10:00 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-05-09

〔いんさいど世界〕 映画 「南京!南京!」、中国で制作・上映 「南京虐殺」を映像化 監督がBBCのインタビューで「日本人も人間である」と発言 

 「南京虐殺」事件を描いた中国映画、「南京!南京!」(英語名は、City of Life and Death、「生と死の街」)が、中国各地で上映され、反響を呼んでいるそうだ。

 英国BBCが報じた。
 
 監督は陸川(ルー・チュアン)氏(38歳)。白黒映画で、日本人の俳優も出演している。

 中国国内で反響を呼んでいるのは、中国側に「同情的な日本兵」(最終的に自殺する)が登場するなど、客観的な視点が採用されているからだ。

 このため、ルー監督のもとには、映画を観た中国人から「死の脅迫状」が届くなど、反発も出ているという。

 この点についてルー監督は、BBCのインタビューで、

 「この映画は南京虐殺を扱った他の映画と違う。この映画は日本人の目で戦争を見つめようとしたものだ」

 「日本人も人間であって、獣ではない。このことを中国の人々に知らせることは非常に重要だ」

 ――と語った。

 日本での公開も予定されているが、ルー監督はBBCに対し、ふつうの日本人になぜ中国人がなお彼らを憎んでいるか見てもらいたい、と語っている。

〔大沼 注〕

 日中新時代は、歴史の過去を直視する未来志向のものでなければならない。

 映画「南京!南京!」の日本公開の実現と、それを契機として民衆レベルにおける相互理解、信頼関係の構築が本格的に始まることを望む。

 またぞろ、「日中和解」にブレーキをかけようとする(「親日」の仮面をかぶった親方?)「外国勢力」が、日本の自称「右翼」「愛国者」たちを使って、「南京虐殺はなかった! 反中キャンペーン」に乗り出す恐れ、なきにしもあらずだが、ルー監督の考えに習えば、われわれ日本人もまた、そろそろ「中国人の目」で「南京虐殺」事件を見るべきときだろう。

 この映画が「日中」の隔たりに架橋するものになることを切に祈る。  
 

⇒  http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8039832.stm

  http://twitchfilm.net/site/view/full-trailer-for-lu-chuans-nanking-massacre-film-city-of-life-and-death/

  http://www.recordchina.co.jp/group/g31189.html

  

Posted by 大沼安史 at 08:35 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-05-06

〔いんさいど世界〕 ゴールをゲットだ! 人生でも! ニューヨーク ホームレス・サッカー・チームが大活躍

 ホームレスたちのサッカー・チームが、ニューヨークで大活躍しているそうだ。
 ニューヨーク・タイムズが報じた。

 不況の直撃にも負けず、キックバックして自立の道を探る、プレーヤーたち。
 彼らにとって、チームとはホームであり、ピッチはまさに人生の夢を甦らす「フィールド・オブ・ドリームズ」であるのだろう。

 電子版の記事は、ビデオ付き。見て、読んで、ブログに書かずにはおれなくなった。

 レンガ色のユニフォーム、セコハン(お古)シューズ姿の「ストリート・サッカー・NY(ニューヨーク)」の面々が、4月28日、「チェルシー・ピアーズ」という室内サッカー競技場で対戦した相手は、カナダの「ロイヤル銀行」チーム、「ガナーズ」だった。

 真新しいユニホーム姿のバンカー・チームは、学位(デグリー)持ちのエリート。
 バンカーとホームレスの対戦は、まさに金融不況の加害者と被害者、リッチ対無一文、マンション対ストリート(路上)との対決。現代を一枚の縮図として見せるゲームとなった。

 結果は、10対4で――ホームレスの勝ち。ホームレス・チーム(ビデオで見ると、全員が黒人のようだ)が、余裕のバンカー(銀行家)チームを破ったのだ。

 「ストリート・サッカー・NY」の本拠は、マンハッタン島に沿って流れる「イースト・リバー」の中島、「ワーズ島」のホームレス・シェルター。

 昨年秋、ノースカロライナからニューヨークに引っ越して来た、ローレンス・カンさん(白人、31歳)という元学生サッカーのスター選手が、シェルター内の、埃だらけの体育館を練習場に、チームづくりに取りかかった。

 サッカーなどしたこともないホームレスたちが集まったが、最初の練習で大半が脱落、2回目の練習に顔を出したのは6人だけだった。

 英語も満足に話せない移民ホームレスが中心で、お互い、名前も知らない状態。パスを出す時、相手を名前で呼ぶところから始めたそうだ。

 ナイキ社からジャージーの寄付を受けるなどして練習を続けるうちに、サッカー以外の面でも進歩の兆しが現れた。ケースワーカーに会うのを拒否していたメンバーが話し合いをするようになり、ほかにシェルターを出て家族のもとに帰る者も現れた。

 チームのセンターバックを務めるクリスさんは25歳。まだ、シェルターをねぐらにしているが、デパートのカフェで働き始めた。そのクリスさんの弁が、なかなかいい。

 「(サッカーとして)ノーマルなところに戻ったと言うつもりはないけど、自分を取り戻したような気がする」

 みんなサッカー通じ、自分と自信を掴んでいるのだ。クリスさんらにとって、サッカーは「自分の足で立つための道具」になっている……。

 バンカー・チームの「ガナーズ」に勝つまでは、負けてばかりだった。

 待望の初勝利は「流れるようなパス」で勝ち取ったもの。その見事なチームプレーぶりに、隣のフィールドから観戦していた人の中から、感嘆の声が上がった。

 「パスの出し方さえ知らなかったんだ。お互いを信じることができないところから始めたんだ」と、監督のカンさん。

 信頼のパスワークはピッチの上に限らず、ホームレス・プレーヤー一人ひとりが自立を目指す面でも、大きな支えとなるものだろう。

 タイムズ紙の記事によれば、アメリカでは2005年に、「ストリート・サッカーUSA」という競技団体が発足、現在、ニューヨークを含む16都市でチームが活動しているそうだ。

 また、ホームレスのサッカーはアメリカに限ったことではなく、世界各国に広がっており、ことし9月には「ホームレス・ワールド・カップ」がイタリアのミラノで開かれるそう。(日本からも出場するチームがあるのかしら……)

 ストリートから巻き返し、人生のゴールを決めようとするホームレス・プレーヤーたちに、みんなで熱い声援を贈ろう!

⇒  http://www.nytimes.com/2009/05/03/nyregion/03homeless.html?_r=6&hp

Posted by 大沼安史 at 05:17 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-04-23

〔いんさいど世界〕 窓ぎわのダニィ(Dani)ちゃん

 ことし、2009年のピュリツァー賞が4月20日に発表された。同賞のサイトで受賞者、受賞作のリストをざっと眺めているうち、「特集記事」部門のところで、釘付けになった。

 受賞者、フロリダ州の地方紙、「セントピ-ターズバーグ・タイムズ」紙の女性記者、レイン・デグレゴリー氏の受賞作、「窓際の少女(The girl in the window)」から目を離すことが出来ず、その長文(A4用紙へのダウンロードで、14頁分)の特集記事(フィーチャー)を最後まで読み通してしまった。

 シングルマザーに6歳までネグレクト(育児放棄)され、8歳まで、言葉を覚えず、おむつもとれなかったた少女、ダニィをめぐる物語である。

 痛みにも反応せず、視線を結び合うこともできない彼女を引き取り、自分たちの娘として育て始めた、共稼ぎの夫婦と、その息子、ダニィより一歳年上の兄の、つましい家族の、愛の物語である。

 少女の不幸を包み込み、絶望を希望に変えた、奇跡の物語。
 読んでしまったからには、どうしても紹介せずにはいられない、魂を揺すぶられる実話――久しぶりに、涙で心が洗われる気がした。 
  
 デグレゴリー記者の受賞記事(2008年7月31日付)は、借家のボロ家の、たったひとつの窓のシーンから始まる。

 ガラスが割れ、カーテン代わりに毛布を垂らせた窓の奥から少女が顔を覗かせているのを、近所の人が見たのだ。

 その家には中年の女性が、すでに成人した息子2人と、自分のボーイフレンドとともに、3年前から住んでいたが、その家に、やせ細った少女がいるとは、近所の人もそれまで気付かなかった。

 少女は陽の光を見て、家の奥に消えた。

 それから数ヵ月が過ぎた2005年7月13日、通報で警察官2人が、そのあばら家に駆けつけた。一足早く到着した州政府の保護担当者(女性)が、車の中ですすり泣いていた。「信じられない。こんなの初めて」と。

 警察官らが中に入ると、部屋は犬猫、人間の排泄物で汚れ、ゴキブリの巣と化していた。ゴキブリは冷蔵庫の中にも住み着いていた。

 ドアを開けると、暗闇の中で足元に何かを感じた。少女が床のマットレスに体をまるめて転がっていた。裸で、汚れたおむつをつけたきり。そばに使用済みのおむつの山ができていた。

 警察官が最初に見たのは、少女の両目だった。黒い瞳を大きく見開いたまま、まばたきもせず、焦点を合わせようともしない。「黒髪」には虱がたかり、皮膚は虫に食われた痕だらけ。警察官が抱き上げようとすると、少女は子羊のような鳴き声を上げた。

 「名前は?」と聞いても無反応。
 警察官がその場にいた母親に詰め寄ると、「わたしには、これしか、できない」という弁解が返って来た。

 少女の名前はダニエルだと母親は言った。もうすぐ、7歳になると。

 タンパ総合病院に収容された少女の体重を量ると、17.2キロしかなかった。食事を与えようとしたが、噛むこともできない。いないいないバーにも、アイコンタクトにも、栄養注射の針の痛みも無反応、泣くことさえ知らない様子だった。おしゃぶりを続け、歩行はカニのように横歩きするだけ。

 脳をスキャンするなど異常がないか調べたが、何の問題も見つからなかった。目に光がなく、人やモノに対して関心を示すこともない。診察した精神科医らは、「私が診た最悪のネグレクト」「一生涯、正常に戻ることはないだろう」と語った。

 タンパ総合病院で1ヵ月半、過ごした少女は、退院後、養護施設(グループホーム)に入った。依然として、おむつのとれない状態。

 2005年10月、7歳になったばかり少女は小学校の特殊学級に通うことになったが、喚いたり、クローゼットに逃げ込んだりの毎日で、なんとかなだめることができるようになったのは、それから1年経った後のことだった。

 2007年の春分の日が過ぎた復活祭の週末、少女は住宅の改装業を営むバーニーさんと、ハウスクリーニングをして共稼ぎするダイアナさん夫妻に引き取られ、ひとつ年上の9歳になるウイリアムちゃんの妹として、新しい生活を始めた。

 「最悪の新生活だった」(バーニーさん)。

 人形を引き裂き、包み紙ごとチョコレート・エッグを食べ、髪の毛をブラッシングすると、暴れて抵抗した。
 おむつもとれず、ベッドで眠ろうともしない。それでも、やがてバーニーさんに歯を磨かせるようになった。
 その年の10月、少女は正式に一家の養子となり、「ダニィ」の愛称で呼ばれるようになった。

 それから1年近く。
 ダニィは背が伸びて、体重も保護された当時の倍になった。黒かった髪は、ほんとうはブロンドだと分かった。ブラッシングには叫び声を上げて抵抗するが、してよいことと悪いことをだんだんと区別できるようになった。

 乗馬セラピーとスピーチ・セラピーを受けている。
 まだ、言葉を言えるところまで行かないが、兄のウイリアム君は、ダニィが「ストップ」と「ノー」と言うのを聞いたと証言している。「自分の名前も言ったような気がする」と。

 おむつはとれたが、まだ高いベッドで眠ることはできない。

 でも、今、彼女はハムを噛むことができるし、周りの人と視線を交わすこともできるようになった。泳ぐこともできる。

 そして何より、自分の名前が「ダニィ」であることも、ちゃんと知っている。

 デグレゴリー記者の記事の結びは、書き出し同様、窓辺のシーンで終わる。
 新しい家の窓。外を見ることができる窓。
 デグレゴリー記者は、こう書いている。

 「彼女が外を眺めたいと思ったら、両手を伸ばすだけでいい。すぐ後ろにはお父さんがいて、抱き上げようと待ち構えている」と。

 父親のバーニーさんはいつかダニィが「パパ(ダディー)」と呼んでくれる日が来ると信じている……。

 バーニーさんは、養子紹介機関のあっせんで、ダニィと小学校で初めて会った日のことを覚えている。他の人は拒絶するのに、黙ってブランコを揺らさせてくれたのだそうだ。

 その夜、バーニーさんはこんな夢を見たそうだ。
 寝室の天井に、両手が伸びて指を絡ませ、その指でつくったブランコに、ダニィちゃんが乗って揺れている夢を。

 その夢を見たとき、バーニーさんの決意はすでに固まっていたのだろう。
 バーニーさんの決意が固まった時、ダニィちゃんの人生に、心の窓が開いたのである。

 一家にますます幸せが訪れることを祈る。

 また、ダニィちゃんをめぐる物語を書いてくれたデグレゴリー記者には、敬意と感謝の気持ちを届けたい。

 デグレゴリー記者はドラマーの旦那さんとの間に、11歳と10歳の2人の息子をもうけたママさん記者。

 受賞記事の中では、ダニィちゃんをネグレクトしたシングルマザーにも取材し、枯葉剤を浴びた後遺症で、ベトナム帰りの夫を亡した女性であることも紹介している。

 調べ上げた事実を過不足なく淡々と記述し、事実をして語らせた、見事な筆。
 ピュリツァー賞、受賞、おめでとうございます。

⇒  http://www.pulitzer.org/

  http://www.tampabay.com/specials/2008/reports/danielle/

Posted by 大沼安史 at 11:15 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2009-04-18

〔NEWS〕 フランス 怒れる労働者 交渉拒否の経営者を吊るし上げ

 ワシントンポスト紙が18日に報じたところによると、フランスで、怒れる労働者らが、レイオフを一方的に通告した経営者らを吊るし上げる事態が相次いでいる。

 同紙によれば、労働者が経営者のオフォスに雪崩れ込み、交渉を求める事態は、米系のキャタピラー社やソニーなど6社で起きている。

 グルノーブルにあるキャタピラー社では、約40人の労働者が経営トップ5人を閉じ込め、レイオフ通告を巡り交渉を求めているという。 

 経営不振の責任は、まずもって経営者が負うべきこと。労働者にしわ寄せするのではなく、自らを「合理化」(解雇?)するのが先決だ……。役員報酬も自主返還する――これは当然のことだ。

 身奇麗な経営者は、フランスにも、いない?!

⇒  http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/04/17/AR2009041703181.html?hpid=topnews

Posted by 大沼安史 at 05:56 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-03-08

〔いんさいど世界〕 アメリカで「環境学生運動」盛り上がる 史上空前 ワシントンに1万2千人が結集

 アメリカで学生運動が盛り上がっています。先週、首都ワシントンに、なんと1万2000人を超える大学生らが結集、連邦政府、連邦議会に圧力をかけました。

 学生だけの首都結集としては、史上空前の規模だそうです。

 テーマは「反戦・平和」ではなく……なんと「環境」。
 これから、地球という「エコ」(「エコ」とは、「家」の意味。「エコ」を管理する(ノミー)するのが経済で、「エコのロジー(状態)がエコロジーです)に生きる若い世代が、ぼくたち・わたしたちの「環境」を守り抜こうと、集まったのです。

 名づけて「パワー・シフト'09」。「パワー(権力&エネルギーの意味)」を変化(シフト)させようと、全米50の環境団体でつくるネットワーク、「エネルギー行動連合」が、3月2日から4日間、アメリカの権力中枢を舞台に、ヤング環境サミットを開催しました。

 参加者は18歳から26歳までの若い世代が中心で、高校生も。カナダからも駆けつけた大学生たちもいたそうです。

 オハイオ州のマウイント・ユニオン・カレッジからは3人が参加しました。このカレッジは「グリーン・キャンパス」づくりに先進的に取り組んでいるところ。2006年に旗揚げした「キャンパス・気候・チャレンジ」(700大学加盟)にも参加しているそうです。
 大学のHPに、「必要なのは、ダーティーな燃料を燃やすことではなく、クリーンエネルギーを手にすることだ」との参加学生の声が紹介されていました。

 アメリカNO1の「反戦・平和」環境放送局」、「デモクラシーNOW」は番組で参加者へのインタビューを特集しました。
 そのうち、ネバダ州からやって来たナヴァホ族の女子学生は、「ナヴァホ(インディアン)がウラニウム鉱山で何も知らされず働かされ、癌になっている」現実を告発、原子力エネルギーの恐怖を訴えていました。
 火力発電のための石炭採掘に伴う水銀汚染を告発する声もあり、全米に広がるさまざまな「環境汚染」が、若者たちの手で、ワシントンに届けられたわけです。

 若者たちは連邦議会の芝生の庭先(ウェスト・ローン)に陣取り、議員たちにロビー活動を続ける一方、「環境にやさしい建築技術」といったテーマでワークショップを開くなど交流を続けました。

 このようにアメリカで、若者たち「世直し」の前面に躍り出たのは、実に半世紀ぶりのこと。
 1960年代の、あのベトナム反戦、公民権運動の盛り上がり以来、久しぶりのことですが、学生だけの1万2000人もの結集は、60年代でもなかったことだそうです。

 では、どうして今、若者たちは立ち上がったか? それも「環境」をテーマに!

 ひとつはやはり、オバマ氏を草の根の選挙戦でワシントンへ送り出した、若者たちの自信が考えられます。
 実際、今回の「パワー・シフト'09」参加者の多くが、オバマ氏の選挙運動に携わった若者たちだそうです。

 二つ目は、若者たちが肌で感じている「地球環境の劣化」に対する危機感です。
 若者たちとは、社会の未来をつくる世代であるわけですが、その社会の未来が危ういものになっている。この世界、なんか変だ、ぼくたち(わたしたち)、この先、ちゃんと生きているけるのか?……といった危機意識を強く持っているようなのです。
 それって実は「人類の本能」に基づく、人間的・生物的な「直感」によるものなのかも知れません。

 「ヤバイぞ、地球環境」――は、日本の若者たちも「共感」しているものでしょう。
 この日本でも、そろそろ、アメリカのような「環境学生運動」が前面に出て来る頃合ではないでしょうか?

 
  

⇒  http://media.www.mustangdaily.net/media/storage/paper860/news/2009/03/02/Columns/The-60s.Are.Back.Students.March.For.Environmental.Change-3656778.shtml

  http://www.alternet.org/environment/129728/a_new_epoch_for_environmentalism%3A_massive_climate_change_action_proves_a_turning_point_/?page=entire

  http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/02/28/AR2009022801877.html

  http://www.nytimes.com/gwire/2009/02/27/27greenwire-student-activists-hit-washington-to-push-for-em-9912.html

  http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1882700,00.html

  http://www.1sky.org/

   http://media.www.mustangdaily.net/media/storage/paper860/news/2009/03/02/Columns/The-60s.Are.Back.Students.March.For.Environmental.Change-3656778.shtml

Posted by 大沼安史 at 12:51 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2009-03-03

〔いんさいど世界〕 オバマ ノーベル平和賞に「内定」 えっ? ホワイトハウスに農園?

 アメリカのオバマ新大統領、最初から安定した走りをしてますね。先日の一般教書演説もすごかった。世界中の人が「ユーチューブ」などで「視聴」しました。こうなると、アメリカの大統領じゃなく、世界の大統領、地球村の村長さんって感じですね。

 ご存知のように「ファーストドッグ」(の犬種)も決まりました。
 ポルトガル・ウォーター・ドッグ。
 プードル系ですが、もともとポルトガルの沿岸で、漁師さんと一緒に海の漁に出ていた(いまも、出ている)犬なんだそうです。

 魚を網に追い込んだり、漁具を回収したり、船と船、沖と浜の連絡役を務めたり……「猟犬」というのは聞いたことがありますが、「漁犬」というのは初めてですね。

 遠くはアイスランド沖の厳寒のタラ漁にも出るんだそうです。

 写真でみると、真っ黒な犬。こういう働きものの犬を、ファーストドッグにするあたり、オバマ家らしいですね。(決め手は人間へのアレルギーがない犬、ということらしいですが……)

 で、今日の「知られざる話題」、ニュースにならない世界の大ニュースは、オバマ大統領がことしの「ノーベル賞」の「内定」したってニュースです。

 もちろん、「平和賞」。

 ノーベル平和賞を選ぶ、ノルウェーのオスロの財団がオバマさんを、平和賞の「候補」にピックアップしたそうです。

 イラクからの米軍撤退を表明したオバマさんですから、これに敵う人はいません。
 てことは、オバマさんで「決定」ですね。「内定」どころか「決定」です。

 でも、ノルウェーの選考委員の人たちって、賢いですね。オバマさん、あなたを「平和賞」候補にしたんだから、ちゃんと「イラク・イラン・アフガン・中東和平」に取り組んでください……って念押しのメッセージを突きつけているですね。

 うーん、さすが。選考委員の人たちに「ノーベル平和賞」、あげたくなっちゃいます。

 まあ、これはこれとして、もう一つ、オバマさんがらみで、知られざるニュースを紹介すると、ノーベル賞よりもすごいのが、な、なんと、ホワイトハウスに「農園」できるって話です。

 ホワイトハイスの広々とした芝生を畑にしてしまう。そこで農作物を育てる。
 夏ごろには「オープン」(って言うんですかね)するんだそうです。

 オバマさんて庶民派なんですね。ホワイトハウスで農業やるっていうですから……。「漁犬」こと、ポルトガル・ウォーター・ドッグもお手伝いするかも知れませんね。

 そのうち、農耕用の「ファースト・ホース(馬)」とか、「ファースト・カウ(乳牛)」、「ファースト・ピッグ(豚=食用)」なんてのも現れたりして……。

 でも、ホワイトハウスの農園って、初めてのことじゃなく、ルーズベルト大統領時代にも造られたことがあるそうです。

 戦時中のこと。アメリカでも当時、「ビクトリー・ガーデン」って言って、自給自足の家庭菜園がいたるところに造られたんだそうです。
 
 「ホワイトハウス」のイメージが、ブッシュ時代の軍事帝国総本山イメージから、平和の庶民派白亜館 にますます変わっていってほしいものですね。

⇒  http://en.wikipedia.org/wiki/Portuguese_Water_Dog

  http://www.independent.co.uk/news/world/politics/obama-in-running-for-nobel-peace-prize-1633669.html
 
  http://www.commondreams.org/headline/2009/02/24-9

Posted by 大沼安史 at 08:03 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-02-20

〔いんさいど世界〕 時は金なり 助け合いシステム 起動 大不況下 Time Dollar に脚光 

 先週は、公式通貨を補完する「第2のマネー」、「コミュニティー通貨」を極大ざっぱに紹介しました。地域社会の人びとがお互いの信頼を担保に、地域限定型の「自分たちのマネー」を発行、モノとサービスを交換して地域の経済を守る動きが、経済大崩壊の震源地・アメリカで生まれているのです。

 今日はそうした「コミュニティー通貨」の双子の兄弟というか、姉妹のような、ユニークな動きを報告したいと思います。

 アメリカで誕生し、北米各地に広がり、欧州など全世界に根付き出した「タイム・ドル(ダラー)」の動きです。

 Time Dollar――訳して「時間ドル」。アメリカのエドガー・カーン博士が(1980年に)発案し、1990年代半ばに、本格的な草の根運動として注目を集めるようになった、地域社会における経済活動活性化のアイデアです。

 ニューヨーク州イサカで発行されている「イサカ・アワー」というコミュニティー通貨は、独自紙幣を発行、サービス(労働)のほか、モノ(労働による生産物)の交換(売買)も可能とするシステムですが、「タイム・ドル」は「労働(サービス)」の「交換」を地域社会ベースで行う仕組みです。

 エドガー・カーン博士が創始した「タイム・バンク(時間銀行)USA」のHP(⇒参照)に、わかりやすい概念図が出ています。

 それをより簡素化して説明すると、こうなります。

 ひとり暮らしのマーサおばあさんが、地域の「タイム・バンク」を通じて、誰か代わりにお店で買い物してください、とSOSを発しました。
 それを「タイム・バンク」を通じて聞きつけたのが、スタンレーさん。マーサおばあさんとは面識はありませんが、代わりに買い物してあげようと思い、買い物代行をしてあげました。遠くのお店へ行くので、所用時間は「2時間」。
 労働1時間あたり「1タイム・ドル」の決まりになっていますから、マーサおばあさんは「タイム・バンク」の「口座」上、「2タイム・ドル」の「マイナス」。スタンレーさんは逆に「2タイム・ドル」(以下、TDと表記)の「プラス」になります。
 「2TD」を手にしたスタンレーさんですが、自宅でパーティーを開くことになり、その「2TD」でもって、サキソフォーン演奏家のラウルさんに出演してもらいことになりました。
 一方、「2TD」マイナスのマーサおばあさんは、「タイム・バンク」登録者のロベルタという人の依頼で、セーターを編んで(5時間かかったので)「5TD」をゲット。さしひき「3TD]のプラスに戻しました。
 そこで、マーサおばあさんはキャシーさんに頼んで、TDでもって家の掃除をしてもらいます。そのキャシーさんがこんどは…………という具合に、あらゆる「労働」が「1時間」あたりの単位計算で、平等に交換され、「公式通貨」の「$ドル」がなくても、地域の人びとの経済的な助け合いが実現する仕組みです。

 この「何をしても、1TD」が、「タイム・ドル」システムのいわば肝。脳外科の手術も、庭の草むしりも、同じ1時間なら「1TD」。平等主義が貫かれているわけです。
 「労働をなるべく高く売る」とか「市場の需給バランスで」といった「非人間的な市場・競争原理」を意図的に排除した、「みんな同じ人間。お互い様」路線が徹底しているのですね。

 こうした「タイム・ドル」システム、昨年5月には西海岸の大都市、ロサンゼルスに初めて、「エコー・パーク・タイム・バンク」というのが誕生、地域の住民28人で、「留守中の花の水やり」「ネコの世話」「チェロ教習」など、TDを媒介に助け合いを始めているそうです。

 東海岸のバーモント州(「緑の山の州」って言うんだそうです)では、「タマネギ川(オニオン・リバー)エクスチェンジ(交換)」というTDがあり、「車での送迎」「お料理教室」、あるいは「昔話の語り聞かせ」など、それぞれの技能・労働を交換しているそう。

 西海岸、サンフランシスコ近郊、東オークランドには「ソブランテ」というTDが5年前に立ち上がり、160人のメンバーを抱えるまでになっているそうです。

 こうしたTDがアメリカでどれだけの数に達しているかというと、「タイム・バンクUSA」がつかんでいるだけで、60。世界的にはスペインなど22ヵ国に広がっているそうです。
 (ちなみに、独自紙幣の発行は、アメリカでは2004年時点で、なんと82地域にも達しているそうです)

 「お金」(公式通貨)がなくても、「時間」(自分の人生の時間)さえあれば、地域社会の人びとが助け合うことができるこのシステム。
 まさに「時は金なり」――あなたの地域でも立ち上げてみてはいかが??!!! 

⇒  〔タイム・ダラーの流れ〕 http://www.timebanks.org/documents/timebanks_cycle-1.pdf

 〔タイム・ダラー HP〕 http://www.timebanks.org/

 〔ロサンゼルス〕 http://www.timebanks.org/documents/LATimes2008.pdf

 〔バーモント〕 http://www.timebanks.org/documents/VermontMaturityJune2008.pdf

 〔オークランド〕
    http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/g/a/2009/02/16/moneytales021609.DTL

Posted by 大沼安史 at 11:27 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-02-14

〔いんさいど世界〕 金融危機を生き延びる 「マネー創出」の時代、到来

 カジノ化した世界経済が崩壊し、グローバルな危機が進行しています。巨大バブルが弾けて金融機関、及び財テクに走っていた企業はどこも、火の車。貸せない、借りれないの「マネー不足」が深刻化、流れの末端に位置する庶民の生活を直撃しています。

 世界の中央銀行はマネーの大放出でもって危機を乗り越えようとしていますが、放出先は一般の庶民ではなく、あくまで金融機関。担保力のあるリッチな企業、個人しか、恩恵にあずかることはできません。

 日本も同じ。日銀がいくらマネーを供給しようと、われわれ一般の日本人の財布の中になかなか落ちて来ない。

 そんな状況の中で、日銀オンリーではなく、中央政府もマネーを発行する「政府紙幣」構想が今、取りざたされているわけです。

 国債だと買い手が必要ですが、「政府紙幣」であれば、買い手がなくともじゃんじゃん発行できる。これを使って、公共事業を実施し、景気の底上げを図ろうという狙いです。

 「政府紙幣」とはつまり、公式通貨と「平行」して流通する、中央政府(お上)発行の「第二のマネー」ということになるわけですが、経済危機が一段と深刻化する中で、世界的には、コミュニティー・レベルで「新通貨(マネー)」を発行する動きが出ています。

              # # #

 英国の新聞、「ガーディアン」は、ジョージ・モンビオというスター・コラムニストを抱える、高級紙です。英国のみならず、国際世論に影響力を持つ、この「ガーディアン」が先月、モンビオ氏の「政府がわれわれを救えないなら、われわれは自分たちをマネーを自分で刷るライセンスを持たねばならない」という論説を掲げました。

 「われわれのマネーを刷る」……そう、われわれ民衆が中央銀行、中央政府の手をかりず、自分たちで自分たちのための「マネーを創出」せよ、というアピール文がガーディアンの紙面を飾ったわけです。

 ついに出た、といべきか、ようやく出たというべきか?

 実は、この自分たちで自分たちのマネーを発行し、地域社会(コミュニティー)の経済(モノとサービスの交換)を守るという取り組み、実は1929年の「世界大恐慌」(の前段階)以来、世界各地で実際に行われ、今に続いている、新しい経済の流れ、なんです。

 この流れ――「代替通貨」とか「コミュニティー通貨」とか「平行通貨」とか「補完通貨」とか、いろんな呼称のある、自分たちのマネーの創出する運動については、僕個人、かねがね関心があり、以前、アメリカのグレコという人が書いた本を翻訳、『地域通貨ルネサンス』というタイトルで刊行したことがあるのですが、さまざまな成功例があるのに、これまでは「草の根」に隠れて、あまり知られることはありませんでした。

 モンビオ氏はこの知られざるアイデアをガーディアンのコラムを通じて、一気に世界の人びとの元へ届けたわけです。

               # # #

 これまで世界では、どんな「われわれのマネー」が発行されて来たか?

 ドイツのシュバネンキルヘンという炭鉱町では1923年、シルビオ・ゲゼルという経済学者の提案に沿って、炭鉱主が「ヴァーラ」というマネーを発行、ヤマの暮らしを守りました。
 モンビオ氏によれば、この「ヴァーラ」はドイツ国内2000の企業が採用、各企業コミュニティーの経済を支えたそうです。
 当時のドイツは政府紙幣の「マルク」がハイパーインフレを続け、マネー不足が深刻化していたのです。

 また、オーストラリアのヴェルグルという町では1932年に、町役場がゲゼル博士の草案した独自通貨を発行、市民の暮らしを守る一方、公共事業にも力を注ぎ、スキーのジャンプ台まで建設したそうです。

 より現代に近いところでは、ブラジルの南部、パラナ州のクリティバ(現在の人口180万人)という都市(日系人も4万人いる!)。道路などのゴミ拾い、清掃をした人に、報酬として「クリティバ・マネー」というバス乗車コイン(という形の独自通貨)を発行、地域経済の活性化につなげたそうです。              

 以上が、モンビオ氏がコラムで紹介している事例ですが、世界的には1980年代以降、米国ニューヨーク州イサカの「イサカ・アワー」(紙幣発行)や、カナダ・バンクーバーの「LETS」(台帳方式)といったコミュニテイー通貨が次々に登場しており、「われわれのマネー」を創る動きは多面的、重層的に展開しているのが実情です。

               # # #

 それでは金融危機の震源地であるアメリカでは、どんな状況か?

 インディアナ州のサウスベンドでは、「ミチアナ・マネー」というコミュニティー通貨を創出する動きが出ているそうです。地元のコーヒーショップの店主らが立ち上げようとしているもので、「ドル」札が流れてこないなら、自分たちでマネーを発行、地元経済を維持しようと意欲を燃やしています。

 北カルフォルニアのフンボルト郡では、「フンボルト交換コミュニティー通貨プロジェクト」が存在感を増しており、参加者(地元企業)は毎月、6社ペースで増えてる、といいます。(現在、70社加盟)

 世界的にはどうか?

 世界の動向を端的に示すものとして注目されるのは、ブラジルの動きです。ブラジルのベレムで先月、始まった「世界社会フォーラム」で、ブラジルの「新しいマネー」として、新通貨「アマゾニダ」と立ちかげる決議が採択されています。

 日本ではどうするべきか?
 
 「マネー創出」の動きを見続けてきた僕としても、モンビオ氏同様、「やってみる価値あり」という考えです。

 たとえば、仙台なら仙台で、公式通貨「円」と同価値の市内及び周辺地域限定の地域通貨「ダテ」(伊達政宗から命名)を発行、モノとサービスの交換(売買)を支える。

 「円」と組み合わせて(補完通貨機能)使えるようにすれば(たとえば、パン屋さんが代金の半額をダテで受け取る)、「円」の有効活用にもなり、それだけ地域全体の流動性が増すわけだし、(円の消費)税収にもつながる。 

 「われわれのマネー」、コミュニティー(地域)通貨の創設は、まさに「やる価値」あり、です。
  

⇒ 
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/jan/20/george-monbiot-recession
-currencies

  http://www.dawn.com/2009/01/31/top17.htm

   http://www.wsbt.com/news/local/39529132.html

 http://www.times-standard.com/localnews/ci_11489434

 
http://www.rcreader.com/index.php?option=com_content&task=view&id=13473&Item
id=42

 http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=100450777

Posted by 大沼安史 at 03:51 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2009-02-02

〔いんさいど世界〕  反貧困 レジスタンス フランス流

 フランスで、反貧困レジスタンスが勢いづいている。スーパーの売り場でお祭り騒ぎをする「ピクニック闘争」や、空きビルを占拠して、住居として「解放」する動きなど、さすが革命の国らしいラジカルさだ。

 スーパーでの「ピクニック(再所有)闘争」を続けているのは、「呼びかけとツルハシ」という若たちのグループ。

 カルフールといった大型スーパーの売リ場に乗り込み、その場でパーティーを開く、新たな闘争スタイル。音楽を鳴らし、果物など棚の食べ物を食べ、ミニ宴会を楽しむ。

 店のガードマンや警官が駆けつけるまでの短い時間を、精一杯楽しむ。

 これまで4回、「ピクニック」を決行、これからも続けるという。

 リーダーは、レイラさんという若い女性。政治学の学位を持っているが、パートで辛うじて生活している。

 英紙・オブザーバーの取材に、「スーパーマーケットは公共空間。(ピクニックは)楽しい。単に反スーパーということではなく、社会システムに対する挑戦だ」と語っている。

 空きビルの占拠を続けているのは、「暗黒の木曜日」という若者グループ。1月にはパリの(セーヌ)左岸の空き病院を占拠し、解放した。
 
 住む場に困った若者がいるのに、空きビルを使わない手はない、という論理だ。占拠したクリニックは、5年も空いたままだった。

 大学生の3割もが職に就けず、社会に巣立たなければならない、「不安定世代」と呼ばれる、パリの若者たち。

 それにしても、「ピクニック闘争」とは凄い。

 ⇒  http://www.commondreams.org/headline/2009/01/25-3

     http://lappeletlapioche.blogspot.com/

     http://www.liberation.fr/societe/0101313602-sa-loi-du-marche

   http://www.jeudi-noir.org/En-3-mots-Jeudi-noir-pour-un.html

Posted by 大沼安史 at 03:40 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2009-01-03

〔いんさいど世界〕 ふるさと・ハワイで充電 オバマ大統領 「アロハ精神」で「チェンジ=世直し」に挑戦

 ふるさとハワイで2週間にわたり、英気を養っていたオバマ氏が元日にシカゴに戻った。ワシントンでの就任式は今月20日。あと2週間ちょっとで、「新大統領」になる。

 ハワイで大統領選の疲れを取り、再充電したパワーでもって、いよいよ「世紀の難局」に立ち向かうオバマ氏。

 大統領選の嵐を「フツーに」乗り越えたオバマ氏のこと、ホワイトハウス入りしても、いつものように驕らず、昂ぶらず、平常心で難問に取り組んでくれるものと、オバマリアンのぼくとしても、期待をかけているところだが、その「落ち着き」「平常心」の秘密、実は「ハワイ」にあり、と知って、目からウロコが落ちる思いがした。

 ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストの両紙に、オバマ氏の「精神力」の源泉、ハワイの「アロハ精神」にあり、と喝破する記事が掲載され、一読、思わず手を打って、なるほどそうか、それなら大統領になっても大丈夫、と頷いたものである。

 ALOHA……ハワイで日常の挨拶に使われている現地の言葉だが、これって単なる「コンニチハ」ではないそうなのだ。

 ハワイに生きる人びとの心の基底にある、深い、深い、意味合いを持つコトバだそう。オバマ氏にもそれがあり、それに気付いた両紙の記者が、「ハワイ発」の「大ニュース」として、米本土の人びとに伝えたのである。

 で、「アロハ」とは実はどういう意味かというと、「直訳すれば、生命の息吹」(ニューヨーク・タイムズ)。より丁寧な言い方をすれば、「平安な(ピースフルな)精神状態であり、さまざまな考え方、文化を受容する、フレンドリーな態度」(ワシントン・ポスト)なのだそうだ。

 一説では、ALOHAは「A(アカハイ)=優しさ」「L(ロカヒ)=団結」「O(オルオル)=同意」「H(ハアハア)=謙遜」「A(アホヌイ)=忍耐」の、5つのコトバの頭文字からなる、ハワイの人びとの気高き精神のあり様を指すもの、ともいう。(ニューヨーク・タイムズ)

 優しさ・忍耐・謙遜・同意・団結、ピースフル・フレンドリー……それが「アロハ精神」。

 オバマ氏がこの「アロハ精神」の体現者であることの具体例として、両紙の記者が挙げているのは、ヒラリーやマケインとの激しい選挙戦の最中、オバマ氏が攻撃的ではない態度を取り続けたことだ。

 一時は「言われっぱなし」の、あまりの受身ぶりに、支持者の間からも批判が出たそうだが、それもこれも、相手に対する「優しさ」、「忍耐」「謙遜」「同意」「団結」があったればこそ。

 こうした「落ち着いた態度」が逆に、心が広い「大統領らしさ」を醸し出し、11月の「圧勝」を呼んだという分析である。

 つまりはオバマ圧勝の一因として、ふるさとハワイがオバマ氏の心に育んだ「アロハ精神」があったわけである。

 ハワイ選出の下院議員、アバクロンビー氏(民主)によれば、オバマ氏の「アロハ流」演説は全米の有権者の血圧、心拍数をともに「10ポイント」下げたそう。

 言われてみればその通りで、オバマ氏の演説には、罵倒や憎悪、誹謗や中傷は全くなく、たしかに聞くものの心に沁み入るものがあったことは事実である。

 それではなぜハワイに「アロハ精神」が根付き、オバマ氏の心に宿ったのか?

 この点について、ハワイ大学のケント教授は、「ハワイは小さな島国。みんなで一緒に暮らすしかない。だから、ハワイ人はなかなか他人に怒りをぶつけられない」と説明する。

 だからハワイでは、交差点でイライラしてクラクションを鳴らしまくることもないのだそうだ。

 今風に言えば、ハワイという「共生」の社会が、「アロハ精神」を生み、オバマ氏を育てたのである。

 ケント教授は今回の大統領選で、オバマ氏の応援団として、米本土のオハイオ州でボランティア活動を行ったが、その時、オバマ氏の演説を聴いて、「これ(思いやり、優しさ)って、ハワイだなぁ~」と思ったそうだ。
 
 イラク、アフガン、そしてガザ。
  大恐慌以来の経済危機。

 オバマ氏の前には、まさに世界=史的な課題がヒマラヤ状態で山積しているが、ワシントン・ポストの記者は、これを「ホーポノポノ」でもって打開してくれるものと、「アロハ新大統領」に期待をかけている。

 「ホーポノポノ」とは「話し合い」と「赦し」でもって、正しい解決の道を探り出す、ハワイ伝統の知恵だそう。

 「アロハ」&「ホーポノポノ」

 不況でギスギスし始めた、われらが日本も見習うべき「精神」&「知恵」のような気がする。

 ハワイから学ぶべきは「フラダンス」だけではない。 

⇒ http://www.nytimes.com/2008/12/25/us/politics/25obama.html?scp=1&sq=Aloha&st=cse 

  http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/01/01/AR2009010102035.html?hpid=topnews

                    ☆ ☆ ☆

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☆ わかる「裁判員制度」 ~その概要と実際~
   氏家 和男
   定価1890円(本体1800円+税)
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  前・日弁連副連会長の著者が、さまざまな疑問や質問を想定して、150問以上にわたって丁寧に解説。裁判員裁判の事例や最新の法令・政令も収録。一般市民ばかりでなく、企業の担当者や自営業者も使える内容。

☆ 緑の日の丸
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  http://homepage2.nifty.com/forest-g/book/891.html

  「大分教育汚職事件」を「予言」! 君が代、日の丸問題、不登校、いじめなど、教育界が抱える様々な問題をテーマに、制度疲労で壊れかかった日本に再び「緑」をよみがえらせるには何が必要か。明日を担う若い命を育てるには何をすれば良いかを、小説形式で提言。加藤周一氏へのオマージュ!


杜の都・仙台の「本の森」は、郷土史家、教師、元新聞記者らが地域の文化運動として立ち上げた市民出版社です。本にしたい原稿募集中!
⇒  http://homepage2.nifty.com/forest-g/index.html

Posted by 大沼安史 at 07:24 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-12-21

〔いんさいど世界〕 素足に涼しい砂浜in Dubai & 素肌に冷たい風in Paris そして遂に「現代の自由の女神」現る!

 最近のこのコーナー、「ニュースにならない世界の大ニュース」(注・仙台の東北放送ラジオの番組コーナー名です)、ワールドクラス(?)の「世界3面記事」みたいになって来ました。

 硬派のぼくとしては、エヘン、意に染まない部分もあるのですが、「神は、笑いと驚きの中に宿り給ふ」(ジャック天野氏の迷言)そうなので、今週もこの線で行きたいと思います。

 地球温暖化と世界大不況――暑さと寒さの2題噺を。

 まずは暑さから。
 イギリスの新聞、「デイリー・メール」の報道によると、中東のドバイに、プライベート・ビーチ付きの超豪華ホテルが、来年末か再来年にオープンするのだそうです。

 これだけ聞くと、「フツーじゃん」ということになってしまいますが、イタリア風の建物はともかく、この「プライベート・ビーチ」が凄い。

 なんと、「リフレジレーティド・ビーチ」なんだそうです。リフレジレーター(冷蔵庫)の「リフレジレーティド・ビーチ」。

 そう、砂浜を冷やしちゃうんだそうです。

 湾岸のドバイは、ぼくも一度だけ行ったことがありますが、とにかく暑い。ビーチの表面温度も50度ぐらいに達して、裸足だと火傷しかねない。

 そこで、お客様が素足で歩けるよう、砂浜全体を冷やすんだそうです。

 もちろん、「世界初」の「冷蔵ビーチ」。

 別にサンダル履きでいいじゃん、と、ぼくなんか思いますが……
 冷やす電気でまたまたCO2大放出、石油成金さんたち、いい加減にしてくれ、と文句のひとつも言いたくなります。

 ま、これは「前菜」程度のお話ですから、このぐらいにして、「本日のメーンディッシュ」に移りたいと思います。

 世界大不況にからむ、「寒~い」パリ発の話題です。

 フランス各紙の報道によると、今月(12月)15日、パリ市庁舎文化局前で、全裸の男女8人(男性3人、女性5人)が、着衣の仲間3人とともにポーズをとりました。

 花の都も、冬は寒い。でも、この全裸の8人、寒さにめげず、正々堂々と自らの存在を曝け出した。

 それを、スケッチする、支援の画学生たち…………

 そう、絵のモデルさんたちがポーズを取ったのですね。

 「裸の群れ」が決めたポーズは、1830年の革命を描いたドラクロアの名作、『民衆を導く自由の女神』。

 芸術の都、パリのモデルさんたちにも不景気の波が押し寄せ、生活保障を要求してポーズをとったのです。

 で、なぜ、パリの市庁舎文化局の前で、かというと、裸デッサンのギャラリーを運営する当局が、「コルネ」を禁止したからです。

 「コルネ」っていうのは、アイスクリームのコーンのような円錐形の紙袋で、モデルさんたちがこれを回して、チップを得ていた。これを禁止しちゃったそうなんです。

 真っ裸の抗議プロテスト。真冬だけに迫力ありますよね。

 フランスではいま高校生たちが「マニフ」っていう街頭デモをするなど、無能な政府に対する民衆の怒りが噴き出しています。

 ギリシャでもスウェーデンでも、若者たちが立ち上がっている。

 ひっとしたら、「裸の民衆の群れ」の中央でポーズを決める、この超美人モデルさんって、「トンデモ世界」に対する「グローバル世直し大革命」を呼びかける、「現代の自由の女神」なのかも知れません。

   

⇒  http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-1094797/Worlds-refrigerated-BEACH-built-luxury-hotel-Dubai.html#

    http://www.lemonde.fr/culture/article/2008/12/15/en-pleine-crise-d-identite-les-modeles-parisiens-manifestent-pour-leurs-salaires_1131301_3246.html

  http://www.lefigaro.fr/actualite-france/2008/12/15/01016-20081215ARTWWW00459-a-poil-.php

  http://www.bakchich.info:8080/spip.php?page=imprimir_articulo&id_article=6183

Posted by 大沼安史 at 10:12 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-12-13

〔いんさいど世界〕 寒さも何の 「アイスマン」 氷漬け・世界新記録に挑戦 暑さにゃ負ける オーストラリア 暑熱砂漠を立ち入り禁止

 寒くなりましたね。灯油代はかかるし……。国民の税金使って無料「給油」やるなら、「常夏のインド洋」じゃなく、「師走の宮城県」でやってほしい。そんな愚痴のひとつも、こぼしたくなる、不況の年の瀬です。

 というわけでは、今朝は「寒さ」(だけじゃ、舌、かじかんじゃう?んで)と「暑さ」の話題を。

 まず、「寒さ」の話題ですが、みなさん、「アイスマン」さんってご存知ですか?

 英語で ICE MAN、そう「氷男」……。

 その名の通り、驚くべき「耐寒性」を持った人がいるんです! どこに? オランダに!

 名前は? ウィム・ホフさん。

 この48歳のオランダ人のおっさんが、「アイスマン」として世界に名高い方です。

 この「アイスマン」さん、今月20日、ドイツのケルンで、世界記録の挑戦するというので、話題になってます。まあ、「また、やるの? おっさん」って感じで、半ば呆れているのですが……

 挑戦するのは「氷漬け」の世界新記録更新。氷のキュービック(直方体)を詰めた透明の「五右衛門風呂」に裸(パンツ一丁)で入り、どれくらい長い間、耐えられるか、我慢の限界に挑戦するんだそうです。

 現在の世界記録は1時間31分。これってもちろん、「アイスマン」さん自身の記録ですが、ケルンでは「1時間45分」に挑むそうです。

 東北新幹線の東京発「はやて」号が仙台を過ぎてもまだ「氷漬け」になっているわけですから、凄いですね。

 で、この「アイスマン」さん、「氷漬け」以外にも、これまで数々の偉業を達成して来ました。北極の氷海の下を60メートル、泳いだり、160キロもの北極圏裸足マラソンを走破したり。

 昨年、2007年の4月には世界最高峰、エベレストの8合目(?)、7400メートルまでパンツ一丁で登山し、その後、裸での立ち入りを禁止されたりしているそうです。

 「アイスマン」は、お騒がせ「ハダカマン」でもあるわけですね。

 で、ここからが話のキモになりますが、この「アイスマン」さん、なぜ寒さにへいちゃらかというと、自分の才能に気づき、能力開発を続けて来たからです。

 20年以上も前の冬、オランダの町の公園を散歩していたとき、池に氷が張っていた。その氷になぜか魅せられ、服を脱いでザボンと飛び込んで出たら、チョーいい気持ちだった。それで目覚めちゃったんですね。

 以来、チベット仏教の導師に「トゥモ」という「内なる炎を燃やす発熱」の技を学んで修得、暖房はいらない(かどうかは知りませんが)あったか人間になっちゃったんだそうです。

 ぼくも微々たる「年金暮らし」を前に、ノー暖房生活を慣れようとする毎日ですが、その「トゥモ」とかいう「発熱の技」、なんとかゲットしたいものです。「発熱」といえば、一昨日、風邪で熱、出したばかりですが……

 寒さの話が発熱の話に変わったところで、「暑(熱)い」話題をひとつ。

 南半球のオーストラリアはいま、「真夏」ですが、オーストラリア政府が史上初めて、砂漠への立ち入り制限(全面禁止)をかけた、というニュースがつい先日、流れました。

 シンプソン砂漠ってところで、地球温暖化の中で暑熱化が進み、今「夏」は日中の最高気温が摂氏58度に、砂の表面温度が95度に達するだろうって予報が出て、これはもうこの砂漠に入ったら、焼け焦げてしまう、ということから、オフリミットの措置をとったんだそうです。

 こうしてみると、人間って寒さには耐えられるけど、暑さ(熱さ)には弱いんですね。

 寒さの本番はこれからですが、そんな中でも「地球温暖化」の危機のこと、忘れてはなりませんね。 
 

http://www.innerfire.nl/en/index.php?module=dagboek

   http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/netherlands/3684102/Dutchman-aims-to-break-record-in-freezing-bath.html

   http://jp.youtube.com/watch?v=UOT2OSb5tUY

   http://www.guardian.co.uk/travel/2008/nov/12/australia-outback-desert-simpson

Posted by 大沼安史 at 03:00 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-11-30

〔いんさいど世界〕2009年7月4日付「ニューヨーク・タイムズ」を先行発行 「イラク戦争 終結」「ブッシュが懺悔の自己訴追 国家転覆罪」を「予言」報道

 来年の話をすると鬼が笑うと申しますが、来年の話を――それも「希望」の話をしなければ鬼も泣く、昨今のありさまではないでしょうか?

 ジョージ・ブッシュがイラク・アフガンをぶっ壊し、ウォールストリートが世界経済をぶっこわし、日本では漢字も読めない「あっ、そう太郎」が政治をぶっこわして、退場もせず権力の座に居座っている。

 鬼だってあきれ果てているのではないでしょうか? というわけ(?)で、今日、紹介するのは、鬼も拍手の「来年のビッグニュース」。

 来年、2009年7月4日付「ニューヨーク・タイムズ」が先行発行され、その「予言報道」に喝采の嵐が湧き上がっている、という(日本では)知られざる大ニュースです。

 「32頁」建て、「120万部」が発行された、このアメリカを代表する「最高級紙」で何が報じられているかというと、これがほんと、凄いんです。

 1面のトップ記事は……「米兵、即時帰還へ」。そう、「イラク戦争、終結」の「大ニュース」です。
 米国防総省は「本日、7月4日、イラク派遣の米軍部隊が数週間に帰国する、と発表した」。
 「国連がイラクの復興活動に入り、病院・学校・道路その他の建設を進め、総選挙を監督する」と。
 
 この「トップニュース」の「関連記事」も組まれており、ニューヨークのマンハッタンでは、アパートの窓から「早く帰って来て! ベッドでかわいがってあげる」(意訳ではありますが……)なんてサインを出す市民(女性?)も。

 ま、この程度なら、さもありなんで、「あっ、そう」とか言って読み捨てできますが、ビックリ仰天、目が点になる超ど級ニュースも、ゾロゾロ目白押し。

 その最たるものが、「国家転覆罪でブッシュを訴追」で、「大量破壊兵器などイラクにはないことを知っていながら、イラク戦争をおっぱじめ、アメリカをガタガタにしたことが、遂に法廷で裁かれることになった」というんですね。

 大統領に選ばれた人は、ウォーターゲート事件のニクソンのように、刑事訴追を免れるものなんですが、ブッシュ前大統領って人は、やっぱトンデモ男で、自分の方から「訴追をリクエスト」したそうなんです。以前、イラクの抵抗勢力に向って「かかって来い」と言ったように、こんどは「やってくれ(Bring it on!)」と叫んでいるそう。

 ブッシュ前大統領の「改心」理由というのもふるっていて、「先月、イエス・キリストを話し合って、生まれ変わったから」っていうんです。
 で、ビンラディンについても、「一人でも追い詰め、つかまえる」というんですから、これはもう、正義の味方、「テキサスの保安官」って感じですね。

 ま、こんな調子で、世界の誰もが実現を「期待」する「ビッグニュース」が並ぶ中、「うん。これはいい」と思ったのがあります。
 「国連による包括的兵器禁止条約が加盟各国の全会一致の賛成で批准された」って「ニュース」です。

 「小火器」から「核兵器」まで、およそ「兵器」なるものを、地上かた一掃する国際条約が遂に締結、批准されたっていうわけですから、ブッシュの訴追なんか、チンケな話になりますよね。

 ホント、この2009年7月4日付「ニューヨーク・タイムズ」にあるような世の中になってほしいものですが、すでにお気づきのように、この新聞って、高級ブランド品によくある「フェイク」。

 紙面の体裁も、ネット上の「電子版」の「つくり」も、ホンモノと全く同じで、一瞬、騙されちゃいますが、「7月4日付」という日付に着目すれば、「あっ、そうか……」と納得もできます。

 7月4日はアメリカの独立記念日。
 つまりこれって、アメリカよ、もう一度、原点に立ち返れ、みんなで再出発しよう、という、呼びかけのメッセージなわけですね。

 制作・発行元は、反骨のフェイク・サイトや偽スポークスマンで有名な告発者グループの「ザ・イエス・マン」や、「桃色暗号(コード・ピンク)」という女性平和団体など。半年かけて編集、このほど(といっても、11月12日ですが)、全米各地の街頭で配布しました。無料のフリーペーパーっていうやつです。

 お遊びというより、社会風刺、社会に対する提言です。新聞は社会の木鐸っていいますが、コレってまさにソレ。

 あくまでも「パロディー」であることを明示しながら(これは事実ではありません。フィクションですと断って)、こうした「未来新聞」を発行するのも、言論活動のひとつのあり方かも知れません。

 先日、僕の「友人」の「ジャック天野」にこの話をしたら、

 「おれもやってみるか! 毎朝新聞とか読毎新聞といった架空の新聞を創刊し、

 『閻魔さまが復讐 トンマさまと読んで 太郎ちゃん、舌抜かれる』(先のことだけど……)

 『岩波書店 太郎ちゃん専用、ルビふり広辞苑を発刊』(僕もほしいなあ~)

 『教科書会社 太郎ちゃんに小学生用国語教科書をプレゼント!』(したかも)

 ――なんてスクープ記事を乱発するのもいいな」

 なんて言ってました。

 とまれ、鬼に笑われてもいから、今年の忘年会では、やなことを忘れるだけでなく、来年に実現すべき、いい話、夢ある希望の話を、いっぱいしたいところですね。
  

⇒  http://cityroom.blogs.nytimes.com/2008/11/12/pranksters-spoof-the-times/

  http://cityroom.blogs.nytimes.com/2008/11/12/pranksters-spoof-the-times/

Posted by 大沼安史 at 04:52 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-11-09

〔NEWS〕 どうなるファーストドッグ?(ついでにブッシュのラップドックの運命やいかに?……)

 オバマ新大統領の「誕生」で、ワシントンのブッシュ政権がすっかり霞んでしまいました。
 オバマの地元、シカゴが、「新世界」の新しい「首都」になった感じです。

 こうなると、ブッシュは「レームダック」どころか、すでに「ペキンダック」(?)ですね。それも、犬も食わない……

 ホワイトハウス記者会とのパーティーで、ブッシュが「想い出のグリーングラス」の替え歌を歌い、「♪ ブラウングラス(枯れ草)になった芝生で待つのは(ファーストドッグ=大統領家の愛犬を指す)のバーニーだけさ」と自嘲的に声を張り上げ、「出て行け拍手大喝采」を浴びたことは、本ブログで既報の通りですが、よく考えれば、大統領が交代するって、「ファーストドッグ」まで交代することなんですね。

 そこで今日は、今、全世界の愛犬家注目の、オバマ大統領家の「ファーストドッグ」に、どんな犬がなるのか――って話題を紹介しましょう。

 この話、実はオバマ氏の「大統領勝利演説」に始まるんです。

 あの世界が感激し、涙を流した、歴史的な名演説の中で、オバマ氏がユーモア交じりに、お嬢さんのマリアさん(10歳)、サーシャさん(7歳)に対して、「これで君たちも約束のパピーを(ホワイトハウスで)飼えるね」って言ったんです。

 これで俄然、「どんな犬がファーストドッグになるんだろう?」――と期待と関心が高まったのですが、オバマ氏はさらに先日、シカゴで行った当選後初の「新大統領記者会見」で、ファーストドッグ問題に「この問題は重要だ」と言ってわざわざ言及、この問題に関する今後の「政策方針」を明らかにしたことから、話題沸騰といった状態になっています。

 この席でオバマ氏が明らかにした「ファーストドッグ」選びに関する「政策基準」は2つ。その2つの「調整」がなかなか難しいことも、明らかにしました。

 その2つの「基準」とは、

 ① 長女のマリアさんがアレルギー体質なので、「低刺激性」の犬にしなければならない

 ② ファーストドッグは(ペットショップで売られている、血統書つきの高価な子犬ではなく)、野犬・不用犬収容施設(シェルター)出身の犬にしたい

 ――というもの。

 ②のシャルター犬を選ぶと、「(白黒混血の)ぼくのようなマット(雑種)が多いから」(低刺激性の血統かなかない見分けがつかないのが悩み)――と、揺れる胸のうちを明らかにしたわけです。

 高額なペットショップ・パピー(低刺激犬)にすれば問題は解決されるが、シカゴの貧困地帯のコミュニティー活動家として出発したオバマ氏としては、やはり草の根出身の「シェルター犬」から選びたいと思っている……わかる気がしますね。オバマ氏だって草の根をうろついていたマット人間で、それがアメリカの「ファースト・ジェントルマン(大統領)」に選ばれたわけですから。

 さて、この苦しい心中を吐露した記者会見に、ユーモアの国・英国のBBC放送がすばやく反応し、雑種でもこんな低刺激犬がいますよ、と早速、トップニュースで提案しました。

 BBCによれば、たとえば「ラブラドゥードル」なら、アレルギーの人が飼っても大丈夫だそうなんですね。「ラブラドゥードル」……そう、ラブラドルとプードルの雑種。

 それから、「シュヌードル」ってのも、OKだそうです。麺類のような名前ですが、これって、シュナウザー犬(ドイツ出身)とプードルの雑種だそう。

 「コッカプー(コッカプドルではなく、コッカプー)」も、BBCのお薦めリストに入っていました。

 「コッカプー」……なんか間抜けそうな(筆者=私の後世における生まれ変わりであるような……)名前ですが、これ、コッカースパニエルとプードルの雑種なんですね。

 こうして見ると、プードル・ベースなんですね。

 BBCによれば、長女のマリアさんのお気に入りは、「ゴールデンドゥードル」だって噂が流れているんだそうです。

 ゴールデンレトリバーとプードルの子なんですが、これも恐らく低刺激性の犬じゃないでしょうか?

 ちなみに、この夏、行われたアメリカの愛犬家たちの「ファーストドッグ」選によれば、ペディグリー・プードルが「当選」しているそうです。

 オバマ氏としても、国民の意思を無視できないはずですから、次期ファーストドッグは、プードル系で決まり、っていうことでしょうね。

 さてこうなると(???)、ファーストドッグの座から転落するブッシュの愛犬「バーニー」とともに、ブッシュのラップ(ひざ上)ドックといわれた、われらが日本の政権当事者の行方が気になるところです。

 先だって、麻生さんのところへオバマさんが電話して来て、「10分間」話し合ったって新聞に出てましたが、別に特別に麻生さんだけに掛けてきたわけではなく、オバマさんってシカゴから世界の指導者に電話掛け捲っているんですね。

 ドイツのシュピーゲル誌の英語版サイトを覗いたら、あのフランスの政界のラカイユ(クズ男)、サルコジなんかと「30分」も話し込んでいるんですね。

 ブッシュの「ポチ」だった日本、このまま世界のマケイン、いやアンダードッグ(負け犬)にならなきゃいいんですが……

   


  http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/us_elections_2008/7716985.stm

   http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/us_elections_2008/7714480.stm

  http://www.nytimes.com/2008/11/08/us/politics/08obama.html?_r=1&hp&oref=slogin

   http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,druck-589084,00.html

Posted by 大沼安史 at 09:22 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-11-02

〔いんさいど世界〕 オバマが拓く 「グリーン・ニューディール」 「軍産金油官複合体」を超えて

 いよいよ、世界が注目する米大統領選の投票です。ブッシュ政権下、最悪のものになった「悪夢」が、夜明けの光の中で、退場の時を迎えるのか、それとも延命し続けるか?

 選挙戦は最後まで過熱したものになりました。

 事前投票では、電子投票のソフトウエアに「トリック」が仕込まれ、「オバマ」のタッチパネルを押すと、「マケイン」に「清き一票」が入る“不正”も発覚。

 大統領選と同時平行で行われている上院議員選挙では、共和党女性候補がオバマと同じ、民主党の女性候補の「声」を捏造、テレビコマーシャルで「神なんか、いない」と言わせる、とんでもないネガティブ・キャンペーンまで繰り広げられて来ました。

 ブッシュが初「当選」した、あの2000年の「フロリダ逆転?劇」のような、不正な選挙管理による「新大統領」の「捏造」は、二度とあってはならないことです。

 さて、「オバマ新大統領」に世界が期待をかける中で、オバマの選挙「公約」の中から、新しい世界の標語、というか、合言葉が生まれています。

 ネオリベ+ネオコン、「軍産金油官複合体ドラゴン」どもが食い荒らした、われわれ世界の人々が住まう「家(エコ)」を、新たに立て直そうという「願い」と「決意」のこもった「新語」が登場しました。

 「グリーン・ニューディール」という言葉です。哲学でも、政策構想でもあります。

 「グリーン」とはもちろん、あの「環境を守る」グリーン。「ニューディール」とは、あの有名な、ルーズベルトによるアメリカ世直しプロジェクトのことです。

 1929年の大恐慌でメチャクチャになったアメリカ(の「エコ・ノミー」(家政)を)を立て直した「ニューディール」を、世界的な金融経済危機に苦しむ現在において再現しようというプロジェクト、これが「グリーン・ニューディール」です。

 この希望の哲学&政治が、米大統領選キャンペーンの中で浮上したのは、オバマ候補の努力によるものです。

 オバマ候補は「今後10年間、毎年150億ドル以上を投入し」、

 ①アメリカを石油に頼らない再生可能なエネルギー経済の国にチェンジする

 ②それによって、500万人分の新しい「グリーン・ジョブ(環境雇用)」を生み出す

 ――と公約に掲げました。

 オバマ候補は、この「第2のアポロ計画」(人間を月に送った)によってアメリカ経済の「グリーン景気回復(リカバリー)」を実現すると宣言しました。

 このオバマ候補の公約が大きな弾みとなって、「グリーン・ニューディール」を目指す世界的な潮流が生まれているのです。

 たとえば、米誌「ネーション」(電子版、10月29日付)には、「グリーン・ニューディールに向けてともに活動しよう」という、ヴァン・ジョーンズさん(「万人のためのグリーン」という組織の代表)の論文が発表されました。

 労働者、社会正義活動家、環境保護運動家、学生、宗教者を中心に「グリーン成長同盟」を結成、新たな社会づくりに取り組もうと呼びかけています。

 また、英国の「新経済財団(NFE)」という組織は、「金融危機」「ピーク・オイル(石油枯渇)」「気候変動」を一体化してとらえ、「成長」の「神話」に見直しを迫りつつ、現在進行形で破局へと進む世界的危機への対策プログラムを発表しました。

 「金融・経済」と「環境」という「双子の脅威」が国際社会を、人類の生存を脅かす中、今後さまざまな「グリーン・ニューディール」構想が生まれ、現実化してゆかねばなりません。

 日本政府も「バブル崩壊後の経験を教えてさしあげます」などとばかり言わずに、「日本発」の、画期的な「グリーン・ニューディール」の政策・提言づくりに取り組むべきでしょう。

 オバマ候補は、「脱石油」経済への移行を「アポロ計画」に譬えましたが、日本政府が取り組むなら、「グリーン維新」とでもいうべき、体制変革を伴う、根本的なものになるかも知れません。

 「緑の維新」を、果たして日本の政治は起すことができるのか?

 今、口をヘの字にして頭を悩ますべきは、「解散」の時期ではなく、戦時中以来の全体主義のゾンビがネオリベ路線をとった挙げ句、ついに日の本を奈落の底に突き落とした、この国の従来型政治の「解体再構築」でありましょう。

⇒ http://www.independent.co.uk/news/world/americas/obamas-green-jobs-revolution-984631.html

  http://www.thenation.com/doc/20081117/jones

  http://www.opendemocracy.net/node/46653/print

Posted by 大沼安史 at 02:27 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-10-28

〔いんさいど世界〕 難病のプロゴルファーが奇跡の復活 優勝飾る 多発性硬化症 新薬で克服

 今朝はゴルフの話題。クラブも握ったこともない僕が話をするのも何ですが、とてもいい話(日本

ではいまだ知られざる……)があるので、ご報告したいと思います。

 難病にとりつかれ、いったん選手生命を失ったプロゴルファーが、52歳にして奇跡の復活を果た

し、英国のシニア・ツアーで優勝したという話です。

 このゴルファーが克服した難病は、「多発性硬化症(MS)」。これを臨床実験中の新薬で直し、

再起に漕ぎつけました。

 これは世界中のMS患者の皆さんにとっても、大変な朗報。ほんとに勇気付けられますね。

 このプロゴルファーは、ジンバブエ国籍、英国在住の白人男性、トニー・ジョンストーンさん。
 ことしの6月、英国のジャージー島のゴルフ場で開かれた「ジャージー・シニア・クラシック」で

、強風が吹く悪コンディションの中、辛抱のゴルフを続け、優勝を飾りました。

 2001年のカタール・マスターズ以来、7年ぶり、7勝目のヨーロッパ・ツアーでの勝利。22

勝を上げている米国プロゴルフツアーを加えれば、通算29勝目の栄冠を手にしたわけです。

 そんなジョンストーンさんがなぜか急に歩けなくなったのは、2003年のことだったそうです。

「9ホールまで行ったところで、コンセントを抜かれたように、先に進めなくなった」そうです。

 医者の診断は、筋肉痛とか疲労骨折といった「職業病」のカテゴリーを超えた、「多発性硬化症」

(MS)という難病。

 この病気は、中枢神経系の脱髄疾患のひとつで、運動マヒ、視神経炎など引き起すといいます。日

本では人口10万人あたり8~9人の発症率で、全国に約1万2千人、患者がいると見られています

 しかし、ジョンストーンさんは、ゴルファーとしての人生をあきらめませんでした。英国のケンブ

リッジ大学の研究チームが新薬開発を続けていることを知り、その実験台になったのです。

 その新薬、「アレムツズマブ(Alemtuzumab)」は元々、白血病治療薬として30年前に開発されて

いたもの(発見者のセザール・ミルステインさんは1984年にノーベル賞を受賞)ですが、ケンブ

リッジ大のチームはMSに有効ではないかと2005年から。投与法を含め実験を開始、欧米での臨

床実験の結果、インターフェロン投与者と比べ、症状を71%も軽減できる、といった好成績を収め

ることができました。

 ジョンストーンさんは、その「アルムツズマブ」に救われ、グリーン上に甦ったわけです。

 診断から5年、練習を再開してから2年後の快挙。

 「ジャージー・シニア・クラシック」でジョンストーンさんは最終日、16番のホールで、ドライ

バーをミスショットして、ボールをラフの中に入れてしまったそうです。
 「ゴルフ人生最悪のドライバー・ショット」だったそうですが、そのあと奇跡のリカバリーに成功

し、このホール、なんとバーディーまで奪ったそうなのです。

 そのバーディー・パットを決める際、ジョンストーンさんは、「オレはまだやれるぞ」と、自分の

ゴルフに再び、自信を持つことができたそうです。

 執念の復活を遂げたジョンストーンさんなわけですが、優勝インタビューにこう答えたそうです。

「この勝利はMS患者の仲間に対する、希望を捨ててはいけないというメッセージになるだろう」と

 日本のシニアツアーになんかにも参戦して、元気な姿を日本のファンにも(日本のMS患者さんに

も)見せてもらいたいですね。

 ところで、この「アレムツズマブ(Alemtuzumab)」という新薬、まだ試験を継続中で、英国でもま

だ認可が下りていません。
 早く安全性と効果が確かめられて、日本でも使えるようになるといいですね。 

 

⇒  http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-wellbeing/health-news/drug-can-

reverse-the-effects-of-ms-969774.html

  http://www.europeantour.com/default.sps?pageid=127&pagegid=%7BAEFB93B0%2DEFF5%2D4C05%

2DAB0F%2DFD08D947D944%7D&eventid=2008844&reportid=62774

  http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/068.htm

Posted by 大沼安史 at 08:02 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-10-11

〔いんさいど世界〕 氷の国 アイスランド メルトダウン

 北大西洋の氷の国、アイスランドで金融メルトダウンが一気に進み、国家破綻の危機に瀕している。人口30万人の小さな島国は、「グローバリゼーション」の反動「引き潮」の中で、今や「沈没」寸前だ。

 国有化された3大銀行が抱え込んだ負債は、アイスランドGDPの12倍にも上る。この計算の根拠となった「GDP」は、金融ツナミが押し寄せる前のものだろうから、今後の国内経済の縮み具合では「数十倍」「数十年分」にも達するはずだ。

 国家破綻を回避しようとアイスランド政府はロシアから「40億ユーロ」の外貨注入を受け、息をつなごうとしている。

 北欧諸国にSOSを出したが、断られ、なぜかロシアにすがりついた。

 しかし、この「40億ユーロ」も(本当に融資が行われたとしても……)当座をしのぐだけで、最終的には「IMF」による「救援」を待つしかないと言われる。

 が、そんな頼みのIMFも欧米救済を優先せざるを得ず、今後の展開しだいでは、「焼け爛れたまま」放置される恐れもある。

 仮にロシア、IMFなどの救援があったとしても、国家破産は避けられない。
 経済のグローバル化が引き起した、史上初めての「国家倒産」劇だ。
 なぜ、そうなったのか、原因究明、真相のあぶり出しが求められている。

 しかし、それにしても不思議なのは、漁業が主産業(ニシンはしかし、1982年を最後に、獲れなくなってしまった……)のこの氷の島国に、なぜ「金融センター」が出現したか、ということである。

 この疑問に、フィナンシャル・タイムズがヒントらしきものを出しているので紹介しよう。
 10月10日付の「残酷な風」という、同紙の資本市場担当エディター、ジリアン・テット記者(元東京特派員)が補足取材してまとめた追及記事である。

 アイスランドは今世紀に入って、いきなり急角度で「離陸」を始めるが、そのエンジンをふかした「マネー」は何処から来たのか?

 これについてFT紙の記事は、「ロシアとの不思議なリンクの物語」を指摘する。アイスランドの金融力の起源にはロシアの影の部分がつきまとっている、というのだ。
 これはもう、アイスランドの「奇跡」の陰に、ロシア・マフィアが存在していると言ったも同然である。

 ロシアとアイスランドとのかかわり……。同紙によれば、たとえばアイスランド一の大金持ちは40歳になったばかりのカリスマ富豪だが、ロシアのサンクトベテルブルクで醸造所を営み、それをハイネケンに売って財を成した人物だ。その男は今や世界第4位のジェネリック薬品メーカーを経営するまでになっている。

 こうしたロシア・マネーのローンダリングの受け皿として、アイスランド金融セクターの規制緩和を徹底的に進めたのは、前首相のディヴィッド・オドソンだ。

 「規制緩和(デレギュレーション)」とは耳障りのいい言葉だが、要は「無法地帯」の容認。オドソンは、レイキャビークを「番外地」化し、なんでもあり・やりたい放題の「金融ヘイブン」にしてしまった。

 アイスランドの銀行も地道な商業銀行の枠を超え、ウォールストリートの投資銀行のような真似を始めた。地元の産業に「投資」するのではなく、欧米の金融カジノでの「投機」にうつつを抜かす、酒と薔薇の日々。ドイツや英国の銀行がジャブジャブ金を貸してくれるので、ギャンブル資金に不自由しない日々が続いた。

 ガーディアン紙(10月8日付)によれば、「円資金」もスイス・フランとともに、キャリー・トレードで流れ込んでいたそうだ。

 とすると、今回のアイスランド・デフォルトで、重い火傷を被った(逆にぼろ儲けした)日本の金融機関、投資家(機関)もあるはず。在京の経済ジャーナリストには是非とも実態を解明してもらいたい。

 英国では自治体がアイスランドに投資して、巨額の焦げ付きが出そうな雲行きだ。おそらく、日本でも、ハイ・リターンを期待して、投資に走った公的団体もあるはず。
 在京ジャーナリストには、この点についても、是非ぜひ、追及してもらいたいものだ。

 疑い深い元社会部記者の小生としては、厚生年金・国民年金のファンドなんかも案外、注ぎ込まれているかも知れない、などと、ついつい勘ぐってしまう。

 氷の国の首都、レイキャビークでは国有化された銀行の前で、アイスランドの「プレスリー」による、士気高揚のロックコンサートが開かれたりしているそうだ。(ニューヨーク・タイムズ、10月9日付)

 もう、ここまで来ると「歌う」しかないのかも知れない。(そういえば、あの「大恐慌」のあと、アメリカではジャズ&ミュージカルを中心としたショービジネスが最盛期を迎えた……)

 しかし、歌えば気は晴れるかも知れないが、アイスランドの一般大衆の前途に待ち構える苦難はリアルなものであり、歌って消せるものではない。通貨の価値は下がり、インフレは激化し、借款返済のための増税も始まるだろう。

 が、ただ黙って金満家どもから回されたツケの支払いを続けるのは癪だし、正義に反する。
 そこで、提案である。

 ① アイスランド国営の「民衆銀行」を設立し、国民経済・国民生活の安定を図れ!
 (これはあの「華氏911」のマイケル・ムーア監督が、アメリカ民衆の救済策として打ち出している提案である)

 ② 公式通貨、クローネと「平行」して、国内限定のコミュニティー通貨を発行し、経済復興を図れ!
 (アメリカでは大恐慌後、「スクリップ」という代替通貨が自発的に流通した!)

 ③ アイスランドの監督官庁、捜査当局は国営化した3行の取引履歴を精査し、送金元での脱税、マネーロンダリングなど犯罪事実を掴んだら、「国際刑事裁判所」に告訴せよ!
 (アイスランドはいわば「密室」。犯罪の立証は意外に簡単かも……)

 ところでさっき、「歌で現実は変わらない」などと、とんでもないことを書いてしまったので、最後に弁明をひとつ。

 アイスランドの首都、レイキャビーク沖の島には、オノ・ヨーコさんが建てた「イマジン・ピースタワー」がある。
 そう、あのジョン・レノンの「イマジン」を光に換え、世界の空へと放射している「光のタワー」だ。

 「歌で現実は変わらない」のは確かだが、「イマジン」すれば、「歌で現実を変えられる」かも知れない。

 同じ島国、アイスランドの苦境は他人事ではない。アイスランドの国難を無にしない、想像力が求められている。
   
⇒ http://www.ft.com/cms/s/0/57967514-96f9-11dd-8cc4-000077b07658.html

  http://www.guardian.co.uk/world/2008/oct/08/iceland.globaleconomy

  http://www.nytimes.com/2008/10/09/business/worldbusiness/09icebank.html?_r=1&oref=slogin
  
  http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/council-millions-at-risk-in-icelandic-banks-955702.html
 

      
  

Posted by 大沼安史 at 11:44 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (3)

2008-10-04

〔いんさいど世界〕 ペイリンは、ブッシュ時代を締め括るビックラ・マーク=感嘆符(!)に過ぎない……NYTコラムニスト、ボブ・ハーバート氏が筆刀両断!

 ニューヨーク・タイムズの黒人コラムニスト、ボブ・ハーバート氏が、副大統領候補「討論」に触れ、共和党のサラ・ペイリン候補を筆刀両断、厳しい筆誅を加えた。

 すごい切れ味。

 新聞のコラムとは、こういうものか、と思わせる、見事な筆さばきだ。

 書き出しは、こうだ。

 Sarah Palin is the perfect exclamation point to the Bush years.

 サラ・ペイリンという共和党副大統領候補とは、単なる「!」に過ぎない……。
 そう、あの文末につく「!」
 それも「ブッシュ時代」を締め括る「!」

 なぜ、彼女は単なる「完璧な」「!」でしかないのか?

 それは民主・バイデン候補との「討論」で「討論」できなかった、彼女の発言・文章(無)能力にもよる。

 Now comes Ms. Palin, a smiling, bubbly vice-presidential candidate who travels in an alternate language universe. For Ms. Palin, such things as context, syntax and the proximity of answers to questions have no meaning.
 
 笑顔を振りまき、元気に「別世界の言語宇宙」を行くだけで、「文脈」「構文」「質問に対するまともな答え」に何の意味も見出さないサラ。

 そう、彼女には「ブッシュ時代」の終わりを告げる「!」の存在価値しかないのだ。
 日本語で言い直せば、「中身ゼロ」。
 アメリカの政治家も、ウォールストリートの株同様、随分、値を下げたものである。
 (もちろん、その暴落ぶりや、日本も負けてはいないが……)

 「応答」もできず、「質問」への「答え」を「別の質問」への「答え」で返すサラ。

 “I may not answer the questions the way that either the moderator or you want to hear.”

 「コーディネーターやあなたの聞きたいような風に答えないかもしれないわよ」と、最初から釘を刺す彼女……。

 彼女が一方的にまくし立てたあと、バイデン候補はコーディネーターに対し、こう聞いたそうだ。
 「どこから始めていいかわからないよ」と。

 これについて、ハーバート氏はこうコメントを付け加える。

 Of course he didn’t know where to start because Ms. Palin’s words don’t mean anything. She’s all punctuation.

 「もちろん、わかるはずがなかった。ペイリン氏の言葉は意味のないものだったから。単なる感嘆符に過ぎないから」

 ペイリン候補の「エネルギー対策」の発言も「!」ものだった。

 But after Senator Biden suggested that John McCain’s answer to the nation’s energy problems was to “drill, drill, drill,” Ms. Palin promptly pointed out, as if scoring a point, that “the chant is ‘Drill, baby, drill!’ ”

 「掘るのよ、ベイビー、もっと掘るの」

 掘る(ドリル)、とはもちろん油井掘削の意味だが、「ここほれニャンニャン(???)」ぽくって反吐(ヘド)が出そうだ。

 「ドリル、ベイビー・ドリル」、何だよ、それ 「!!!」???

 これでマケインの負けが決まった!!!
   

⇒  http://www.nytimes.com/2008/10/04/opinion/04herbert.html?_r=1&hp&oref=slogin

Posted by 大沼安史 at 05:51 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2008-09-08

〔いんさいど世界〕パリ発 衝撃の告発 サルコジはCIAのスパイ?! T・メイサン氏が「サルコジ作戦:CIAはいかにしてエージェントの一人をフランス共和国の大統領に据えたか」で追及 陰謀でドヴィルパンを追い落とし、仏社会党を撹乱 

 「9・11」をめぐる疑惑追及で名高い、フランスのジャーナリスト、ティエリ・メイサン氏が、自ら主宰する「ヴォルテール・ネット」で、衝撃の告発を行った。

 「サルコジ作戦:CIAはいかにしてエージェントの一人をフランス共和国の大統領に据えたか」と題する告発記事は、仏大統領選へのCIA(米中央情報局)の関与を暴露、サルコジを結節点とした、CIA、フランス金融右翼、コルシカ・マフィアなどによる、闇の権力ネットワークの実像に迫っている。

 メイサン氏は、『驚くべき謀略』や『ペンタゲート』といった著作で、あの「9・11」事件のうち、とくに「国防総省」に対するハイジャッック機「突入」疑惑を追及したことで、国際的にも有名なジャーナリスト。
 そのメイサン氏による今回の「調査報道」は、自国・フランスの新大統領、サルコジを「CIAのスパイ」と名指しで告発したものだけに、今後、世界的な波紋を呼びそうだ。

 「サルコジ」といえば、シラク大統領の後継者争いを同じ与党・共和国連合のライバル、ドヴィルパンと演じた男だが、メイサン氏によれば、このドヴィルパン追い落としに、CIAが一役買ったという。

 ドヴィルパンを嵌める罠を仕組んだのは、「フランス・アメリカ協会」のロンドン・オフィス。CIAも共用するこのアジトで、「ルクセンブルクの銀行の秘密口座リスト」なるニセ文書が偽造されたという。

 サルコジは、その「リスト」には自分の名前が載っていることを逆手にとって、ドヴィルパンによるフレームアップだと主張、治安(警察・検察)を担当する内務大臣の職権を利用して、ドヴィルパン宅を家宅捜索。これによってライバルの政治生命を奪い、与党内における大統領候補として立場を万全のものにした。

 ドヴィルパンは2003年に、米国のイラク侵攻に反対する演説をしたことで、ブッシュ政権の目の仇になっていたことは、なお記憶に新しい。

 さて、文書偽造の舞台となったロンドン・オフィスを管理する「フランス・アメリカ協会」とは一体、なにものなのか?

 メイサン氏によれば、その「会長」はCIAの局長だったネグロポンティ、その「事務局長」だったのが、フランク・ワイズナー(ジュニア)という人物だ。
 実は、この「フランク・ワイズナー(ジュニア)」という男、ネオコンの中心人物の一人である、あのウォルフォビッツ(前・世界銀行総裁)の後を襲い、米国防総省の重要ポスト、政策計画局の局長を務めた経歴の持ち主。
 このことからも、(イラク戦争に反対した)ドヴィルパンの追い落としの黒々とした背景が浮かび上がる、というののだ。
 (この「フランク・ワイズナー」こそ、「サルコジ」がアメリカとつながるキーパーソンなので、名前を記憶にとどめおいて欲しい)

 さて、「サルコジ」を与党候補にしたCIAが次ぎに打った手は、野党、フランス社会党に対する工作だった。

 アメリカ(CIA)=サルコジ一派が最も恐れたのは、「ミッテランの秘蔵っ子」として人気の高かったファビウスが社会党候補になること。組みしやすい女性候補のロワイヤルに勝たせるため、二通りの方法で対社会党工作が進められた。

 ひとつは、ファビウス陣営の票を割るために、ドミニク・ストロース・カーンを対立候補として立たせたことだ。

 メイサン氏によれば、このストロース・カーンという男もいわくつきだ。
 米国のライス国務長官がスタンフォード大学にいた頃、彼女の引きでそこで教えていたのが、このカーン。
 さらに驚くべきことに、ストロース・カーンは国際通貨基金(IMF)の総裁に選ばれ、いまもその椅子に座っているのだ。

 もうひとつの工作は、社会党にトロツスト系の人間を、「少なくとも1万人」も入党させ、その組織力をファビウス、ロワイヤル追い落としに使ったことだ。

 メイサン氏によれば、CIAはソ連のスターリン主義に対抗するため、歴史的にフランスのトロツキストを支援しており、その組織力を利用してフランス社会党内に、リオネル・ジョンパンらエージェントを送り込むことに成功しているという。(あのジョスパンまでも!……)

 こうしてフランスの新大統領となったサルコジだが、「勝利」の夜、選挙運動を担った支持者をそっちのけで、向った先はシャンゼリゼにある「フーケ」という有名なカフェ。この「フーケ」は、フランスのカジノ王の店で、そこにはフランスの富裕層の群れが待ち構え、サルコジとともに祝杯を交わしたという。

 サルコジが次ぎに何をしたかというと、豪華ヨット、「パロマ」号の上での地中海バカンス。
 この「パロマ」号は、サルコジの友人である、ユダヤ大財閥、ロスチャイルド出身のヴァンサン・バロールという男の持ち船だそうだ。

 この秘密のヨット・バカンスは、パパラッチに撮影されて暴露されることになるが、サルコジがパリに戻って大統領として最初にした仕事、さらなるカジノの認可だったという。

 以上はメイサン氏が描く「サルコジ」の成功(裏)物語の概要だが、同氏の暴露で見逃せないのが、イタリア・マフィアとつながりがあるとされる、「コルシカ」(仏領、地中海の島)をめぐる疑惑だ。

 コルシカ担当の長官が、何ものかに殺害されたのだが、サルコジは旧友であるはずの男を「犯人」として逮捕したのだ。(この男は無罪を主張したが、その後、なぜか沈黙し続けているという)
 メイサン氏の調査によれば、「真犯人」は金で雇われた殺し屋で、アフリカのアンゴラに逃走、そこでフランスの石油企業にガードとして雇われたそうだ。
 コルシカ担当長官の殺害は、コルシカにおけるマフィアの影響力を守るため仕組まれたものと、メイサン氏は見ている。

 ところで、ここで出て来た、この「マフィア」問題は、実はCIAのサルコジ工作につながる歴史的な背景を織り成すものだが、その話に進む前に、サルコジが政権の柱として頼りにする「4人組」なるものの素性を、ごく簡単に見ておくとにする。

 「4人組」とは、シャルル・パスカ(後述)の右腕だったグエン官房長官、ロスチャイルド銀行出身のペロル官房副長官、レヴィト外交顧問(シラク大統領からブッシュ寄り過ぎると解任された経歴の持ち主。ユダヤ系)、そして閣僚名簿に登載されていない諜報担当のボエ(米国の国家安全保障局のヨーロッパ担当次席を務めたこともあるという)。

 この顔ぶれを見ただけで「サルコジ一派」の正体が浮かび上がるが、極めつけはサルコジが経済・財政相に抜擢したクリステーヌ・ラガルデという女性である。

 メイサン氏によれば、彼女のキャリアはすべて米国内でつくられたもの。ディック・チェイニー(副大統領)の「国際戦略研究センター」で、ブレジンスキーとともに、ポーランドの民営化問題を検討していたという人物である。
 あのストロース・カーンのIMF総裁就任などと考え合わせれば、国際金融資本が吹きまくる「ネオリベラリズム」が、このアメリカ「育ち」の女性を通して、フランス政権の経済中枢を握った、といっても過言ではなかろう。

 ついでにもうひとつ、メイサン氏が挙げるサルコジがらみの事実を紹介すれば、サルコジの異母兄弟であるピエール・オリビエ(アメリカでは「オリバー」を名乗る)は、ブッシュ家なども加わる軍事・石油・金融権力、「カーライル・グループ」のカルーチ(元国防長官、CIAの元副長官。カルーチがCIAの副長官になったのは、ドヴィルパン追い落とし工作のところで名前が出て来た、フランク・ワイズナー〔ジュニア〕の父親、フランク・ワイズナー〔シニア〕の引きによるものだった!)により、同グループの新設ファンドの代表に取り立てられたという。

 ここまでの話の流れは、「サルコジ大統領」が生まれ、「サルコジ政権」が登場した、いわば同時代の舞台背景を追ったものだが、メイサン氏は、こうした経過を生んだ歴史的な流れについても調査のメスを入れている。

 メイサン氏の指摘のうち、「サルコジ」と絡む事実関係について、列記するとこうなる。

 ① 米国が第2次世界大戦の末期、シシリア島上陸作戦などで頼ったのが、シシリア系マフィアの大ボス、ラッキー・ルチアーノだった。このルチアーノとのコンタクト役を果たしたのが、フランク・ワイズナー(シニア)だった。

 ② 1958年、北アフリカへのソ連の影響力拡大を恐れたCIAは、アルジェリア問題を利用、引退していたドゴールをフランスの大統領につける「クーデター」を組織した。ドゴールは権力の座に就くと、対米従属一辺倒の姿勢をとらず、米国を苛立たせる。そのとき、ドゴールを守る私兵(SAC)が結成されるが、その中心にいたのが、後にフランス政界の黒幕としてサルコジを引き立てることになる、シャルル・パスカだった。

 コルシカ人のパスカは、カナダの密造酒家、「リカード」の娘と結婚、ラッキー・ルチアーノなどアメリカのシチリア・マフィアとも密接な関係を持った。パスカはSACの私兵をリクルートする際、ルチアーノの「コルシカ大使」に協力を求めた。

 パスカは後に内務相まで出世する。この時。パスカはサウジ、イスラエルと関係を結び、イスラエルの諜報機関、モサドの名誉会員にもなった。

 パスカはサルコジの初婚の際、新郎・サルコジに付き添うベストマンを務めたいわば後見人で、パスカが内務相だった時、サルコジは予算相兼政府スポークスマンを務めていた。

 ③ サルコジはハンガリーの貴族の父親と、ユダヤ人の母親の間に生まれた。両親は離婚、父親は再婚したが、サルコジの母、アンドリー・マーラーが秘書をして働いたのが、シャルル・パスカとともにSACを創設したアシール・プレッティだった。

 プレッティは後にフランスの国民議会の議長にまで上り詰めるが、1972年、米誌「タイム」が麻薬の「フレンチ・コネクション」を暴く記事を掲載、その中で名前を挙げられたため、失脚を余儀なくされる。「タイム」誌の記事は、コネクションの立役者の一人として、ジャン・ヴェントゥーリというマフィアのボスを名を挙げているが、このボスは、シャルル・パスカルの「リカード」の代理人だった男だ。

 ④ サルコジの父は1977年に再婚相手とも離婚するが、このフランス人女性がアメリカに渡って再婚した相手は、アメリカの政府高官。当時、国務省のNO2だった相手の名は、驚くなかれ「フランク・ワイズナー(ジュニア)」。そのあの「シニア」の息子で、ドヴィルパン追い落とし工作の「ジュニア」が(サルコジの義母の)再婚相手だった!

 この義母の伝でサルコジは米国務省の「訓練プログラム」で「便宜を供与」されているという。

 ――以上が、メイサン氏の暴露する、「サルコジ」をめぐる歴史背景だが、まるで大河ドラマのような経過を振り返ると、同氏がサルコジを「CIAのエージェント」と結論づけたわけが納得できる。

 傍若無人な振る舞いを続け、「フランス政界のラカイユ(屑)」でしかない「チンピラ」が、どうしてフランス大統領になれたのか、不思議でならなかったが、メイサン氏の「告発」でようやく事情がわかった。
  
 (「サルコジ」といえば、大統領になる以前、治安を担当する内務相として、都市の郊外に住む若者たちを「ラカイユ(社会の屑)」呼んで抑え込もうとした強硬派としての「実績」があり、その「強面」ぶりがフランス人保守層の支持を取り付けた、とばかり思っていたのだが……)

 「サルコジ」という男の人格を知る上で、見過ごすことができないのは、シラク大統領の娘との不倫問題だ。メイサン氏によれば、サルコジは「フィガロ」紙の論説委員と結婚したシラク氏の娘を(自分が新郎のベストマンを勤めながら)「寝取り」、夫を自殺に追い込んだそうだ。以来、シラク氏はサルコジを憎み、両者の間の対立はその後も尾を引いたといわれるが、シラク氏とすれば当然のことだろう。

 最後にひとつ、これも「意外なこと」だったので、付け加えておきたいことがある。それは、サルコジによって外相に取り立てられた、ベルナール・クシュネルのことだ。

 クシュネルは「国境なき医師団」にも関わって来た「良心的」な人物で、サルコジ政権入りに驚いた人も多かったが(わたしのその一人だった)、メイサン氏によれば、「クシュネル外相」を指名したのは、あのフランク・ワイズナー(ジュニア)で、彼に与えられた任務は「コソボ独立」と「フランスのアラブ政策の変更」だという。

 メイサン氏によれば、このコソボの「ボンドティード米軍基地」こそ、アフガン産のヘロインが米空軍機で運び込まれる中継拠点であるそうだ。

 今回のメイサン氏の暴露は、あの「9・11」事件でのペンタゴン「突入」疑惑のすっぱ抜き並みの、超ド級の衝撃力を秘めている。

 メイサン氏の今回の「暴露」と「告発」が、今後、どのような「続報」を生み出すか、世界は今、息をのんで事態の進展を見守っている。
 

⇒  http://www.voltairenet.org/article157821.html

Posted by 大沼安史 at 03:12 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (2)

2008-08-31

〔いんさいど世界〕 CIAがカーン博士の「核の闇ネットワーク」に「モグラ」「仕込む スイス人技術者父子を買収 スイス政府 技術者のパソコン情報を全面削除 米国の圧力か?!

 「イスラムの核の父」、パキスタンのカーン博士による「核の闇ネットワーク」に、米国のCIA(中央情報局)が「モグラ」(スパイ)を仕込み、サボタージュ(妨害破壊発動)を行わせていたことが分かった。

 「モグラ」は、スイス人技術者(71歳)とその息子2人。
 スイスでは外国のためのスパイ活動を自国民に禁じており、本来なら訴追を免れないが、事件が発覚しているにもかかわらず、スイス政府は技術者一家のパソコン・ファイルを破壊し、証拠を隠滅してしまった。

 スイス政府はパソコンには核の設計図などが含まれており、テロリストらの手に渡ることを阻止するためデータを破壊したとしているが、ファイルにはCIAにとって暴露されては困る情報が多数含まれていると見られ、それが裁判を通じて公開されるのを恐れ、消去した――との見方が強まっている。

 ニューヨーク・タイムズ(電子版)が8月25日に報じた。

 それによると、CIAによって買収されていたのは、フリードリッヒ・ティナー技術者と、息子のウルス、マルコの父子3人。

 CIAはまず、2000年にウルスの取り込みに成功、その説得で「モグラの父子」が生まれた。
 ティナー父子側にCIAから流れた買収・工作資金は、その後、4年間に1000万ドルに上った、とされる。

 父親のティナーは、真空ポンプを開発した技術者で、これがウランを濃縮する遠心分離機に利用できることから、カーン博士とつながり、30年来、博士の「核の闇マーケット」活動に寄与して来た。

 ティナーがCIAの指示で従事したサボタージュ工作は、IAEA(国際原子力機関)の査察官らによっても確認されている。

 査察官らは2003ー04年に、イランとリビアの核施設で、見た目には全く問題はないが、正常に動かない「真空ポンプ」を確認。
 また、2006年の初めには、イランのナタンツで、工作が施された「電源装置」により、遠心分離機が50基も爆発、使用不能となった。

 カーン博士のネットワークへのティナー父子の関与は、2004年の初め、マレーシアの警察報告書の中で明るみに出た。

 これを受けてスイス当局が捜査に乗り出し、身柄を拘束したりもしたが、(おそらくは米側の圧力で)この一件は立件されることなく、ことし5月23日、スイスの法務大臣が米国から帰国後、パスコン・ファイルの「廃棄処分」が行われ、裁判を維持しうる「証拠」が全て失われた。

 ファイルの「情報」がテロリストの手に渡るのを防いだとする「処分理由」の説明に対し、当然ながら、スイスの国内外から批判が噴き出ているという。

 ファイルを厳重に保管すればいいだけのことなのに、どうして廃棄したのか――という、極く真っ当な批判だが、IAEAに近い欧州の外交官によると、ファイルの中にあった「核弾頭」の設計図は、スッケチーで不完全なものだったという。

 となると、ファイルを全面廃棄した理由が他になければならないが、タイムズ紙の記事は、そこにCIAとのコンタクトの一部始終が記録として残されている可能性がある、と指摘している。これが「公開」されるのをCIAは恐れた……もちろん、これは説得的な推論だが、もうひとつ考えられるのは、ティナーのファイルによって、イランの核開発が実はブッシュ政権が喧伝しているほどには、進んでいない事実が明らかになることである。

 ブッシュ政権はたぶん「イラン抑止の大義」をなくすことを恐れ、ファイルを封印したのではないか? 

 米側はティナーのパスコン・ファイルを「レビュー」してはいる。当然、「コピー」もしていることだろう。

 その「コピー」にはもしかしたら、「北朝鮮」情報も入っているかも知れない……。  
 

⇒ http://www.nytimes.com/2008/08/25/world/25nuke.html?_r=1&scp=1&sq=Shadowy%20Deals&st=cse&oref=slogin

Posted by 大沼安史 at 06:04 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-08-18

〔いんさいど世界〕 中国で「平和の祭典」 イラクで「地獄の血祭り」 「北京五輪」の影の下で……「米中蜜月」 互いの首都で「新大使館」をオープン イラクでは8日以降、米兵6人、イラク人200人が死亡

 「北京五輪」の熱い夏が続いています。世界新記録のラッシュ、代表選手のメダルの数……世界中の人びとの目が、オリンピックが続く中国に注がれています。

 そんな中、今朝は「北京五輪」の陰に隠れて、日本のわれわれに届かなかった(いまだに届いていない)重要なニュースを2つ、お届けしたいと思います。

                  ◇

 最初の「知られざる大ニュース」は、8月8日の開会式当日、開会のちょうど12時間前、北京であったことです。

 開会式が始まったのは午後8時8分(末広がりのゲンをかついだわけですが)、その朝、午前8時8分、アメリカのブッシュ大統領がテープカットの鋏を入れました。

 何のテープカットだったか、というと、これがアメリカの新大使館。
 地上8階建て、総床面積50万平方フィート、日本円で450億円もの工費をかけた新しい北京大使館にこけら落としだったんですね。

 このアメリカの新大使館のオープンがなぜ、注目すべき出来事だったかというと、この建物、アメリカの在外公館としては、バグダッドの新大使館に次ぐ規模なんだそうです。

 バグダッドのそれは要塞をして建てた半軍事施設ですから、アメリカの「純粋な」(?)大使館としては、世界1の規模。国務省のほか、20を超す連邦政府機関を含む、700人のスタッフが常駐、10月から業務を開始するそうですが、これでも足りなくて、別館新築工事に間もなく着手するんだそうです。別館にはさらに10機関、230人のスタッフが入る予定。

 一方、中国の方は一足早く、先月(7月)末、ワシントンに、新しい大使館をオープンしました。述べ床面積25万平方フィート。
 ワシントンの在外公館の中で、最大のものだそうです。

 この米中「新大使館」の「エール交換」は何を意味するか?
 これはもう、分かり切ったことですね。

 「米中蜜月」……このレンズを通して見れば、北朝鮮に対するアメリカの「友好」姿勢の理由がハッキリわかります。中国に気兼ねしてるんですね。

 米中大接近の中で、日本はどうするのか?
 ここは考えどころでしょう……。
                  
                  ◇

 もうひとつの「知られざるニュース」は、「イラク」です。

 北京では平和の祭典が続いているわけですが、酷暑のイラクでは血みどろの殺し合いの日常が続いている。
 「オリンピック」のニュースの陰で、完全に忘れ去られた形ですが、目をそむけてばかりはいられません。

 開会式が行われた8日以来、イラクでどれだけの人が戦闘で命を落としているかというと、これは17日までの数字ですが、イラクの人びとが少なくとも199人以上、米兵は6人、亡くなっているのです。

 開戦以来の米兵の死者数は、これで「4142人」。(これもまた「記録」です……)

 この間、女性の自爆テロも2件、起きています。
 
 メソポタミヤの夏は、世界1の猛暑の夏。そこでこれだけの地が流れてしまった……。
 イラクの人びとは「北京五輪」をテレビで楽しむ余裕なんてないと思いますよ。

 要塞のようなアメリカの新大使館は5月に一応、完成し、7月から移転・入居が始まっています。

 そのアメリカ大使館のインターネットのホーム・ページにアクセスしてみたら、バグダッド動物園にベンガル虎が2頭、アメリカからやって来たという記事が写真つきで紹介されていました。

 写真は水浴びするトラの写真で、「観客」は写っていません。

 イラクでは動物園のトラの方が、イラクの一般市民より、よほど快適な生活を送っているのではないでしょうか?

 2頭のトラのうちの1頭の名前は、なんと「ホープ(希望)」。

 悪い冗談でしかないような気がしますが、さすがに「平和(ピース)」とは付けられなかったのでしょう。

 「北京五輪」の陰で「イラク忘れまじ」……オリンピックの盛り上がりの中で「8・6」「8・9」「8・15」を迎えた、われわれ日本人だからこそ、肝に銘じなければならないことですね。 
 
  

⇒ http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/08/07/AR2008080700568.html 
 
 http://2008games.nytimes.com/olympics/story.asp?i=20080808071404100000101&&scp=4&sq=U.S.Embassy,China&st=cse

  http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/n/a/2008/08/04/international/i113406D42.DTL&type=printable

  http://www.csmonitor.com/2008/0424/p01s04-wome.html

  http://www.guardian.co.uk/world/2008/feb/29/usa.iraq/print

  http://iraq.usembassy.gov/prt_080808.html

  http://wiredispatch.com/news/print/?id=288789

  http://wiredispatch.com/news/print/?id=288793

  http://wiredispatch.com/news/print/?id=292252

  http://wiredispatch.com/news/print/?id=296426

  http://wiredispatch.com/news/print/?id=297486

Posted by 大沼安史 at 04:30 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-08-10

〔いんさいど世界〕 半ズボン COOL! 夏の男性ファッションの主流に 

酷暑です。地球「温暖化」どころの騒ぎじゃありません。「暑熱化」の夏です。

 これだけ暑くなると、「夏のファッション」も変わります。変わらざるを得ないし、事実、変わっている。で、今朝は真夏のファッションの話題を……。

 といっても、女性のファッションの話ではありません。男性ファッション。それも短パン(ショーツ)。

 ニューヨーク・タイムズ(電子版、7月31日付け)に「短パン、掟破り」って記事が出ていました。「スライド・ショー」付きの読みごたえ、見ごたえのある特集記事です。

 「短パン。掟破り」の「掟(服装コード)」とは、やはり職場とか、フォーマルなシーンでは長ズボン、穿きましょうよ――っていう長年の習慣。

 そんな「長ズボン」の掟に対し、短パンで挑戦する男たちが、2008年のこの夏、アメリカで増えているんだそうです。

 女性が「OKミニ・スカート」なのに、男が「NO短パン」なのはおかしい、短パンでオフィスに来て何が悪いんだ――ってヤンキー野郎が増殖してるんだそうです。

 つまり、男ども、「短パンでドレスアップ」って感覚ですね。

 ニューヨーク・タイムズの記事についた「写真」を見て驚きました。  足は素足、短パン……とここまではまあ、理解できるのですが、ノーネクタイなものの、ちゃんと長袖の背広の上着を着こなした若者が、カメラに向かってポーズを決めている。

 日本で言えば、ピカピカの1年生が、そのまま大人になったような、おかしな感じ。

 でも、第一印象としては衝撃であっても、見慣れれば(そう30秒くらい眺めれば)、別に何とも……。短パンに背広、なかなかイケルじゃん!……てな訳です。

 では、なぜ、アメリカの男たちは長ズボンを脱ぎ始めているか? 答えはかんたん、暑さ対策ですね。

 それから、もうひとつは、SEXアピール。女性って、短パン姿の「ふくらはぎ」とか、「くるぶし」に魅力を感じるそうなんです。 ホントだろうか?

 ま、SEXアピールは横に置いといて、たしかに長ズボンは暑苦しいですね。仕事の能率も上がらない。そこで、アメリカのソレトレークシティーって西部の盆地の都市では、「社内長ズボン禁止」なんてオフィスが登場したそうです。 「震度7」っていう宣伝会社の英断です。タイムズの記事についた「スライド・ショー」に同社のオフィスの様子が出てきますから、ごらんになってください。

 「スライド・ショー」には、90歳代でいまなお、弁護士として活躍している、ニューヨークのハイマン・グロスさんの颯爽たる短パン姿も収録されています。

 ハイマンさんは15年前、マンハッタンの職場の上司に、夏は短パンにしようと提案したことがあったそうです。そのときの上司の答えは「ビーチにでも行きな」。

 でも、この15年間に、時代は大きく様変わり。 ハイマンさんは短パン姿で、オペラにもバレエにも行くのですが、周囲の人は今や、誰も気にもとめないそう。もはや職場でも劇場でも、違和感がなくなってるんですね。

 「スライド・ショー」を見て、もう1個、びっくりしたことがあります。 「プラダ」など有名ブランドの、2009年(つまり来年)の春・夏ものの男性ファッションショーがミラノなどですでに行われているのですが、モデルが着ているのはすべて短パン・ルックなんですね。

 中には、日本の学生たちの就活スーツの短パン版のようなのを着込んだモデルもいる。

 で、どうも欧米の来年の夏は、ことし以上に「短パンの夏」になりそうな感じです。

 こうした欧米のファッション状況に対し、日本の男たちは、こんごどう対応していくのか?

 波に乗るのか、トレンドに背を向けるのか?  これはもう流れに身をまかせるしかないような気がします。

 だって、こんなに暑いんだもの。

 日本のクールビズって、今のところノーネクタイ程度にとどまっていますが、来年あたりは、背広(上着)に短パン、ノーソックス・ノーネククタイでないと、クールビズって言われなくなるかもしれませんね。

 でも、日本人としては、欧米のトレンドに流される一方だなんて、情けないですよね。

 政府が音頭をとって、お洒落な「ビジネス・ふんどし」なんてものの普及を図ってはいかがでしょう。 短パン以上に「クール」でることは間違いありません。 

 

⇒  http://www.nytimes.com/2008/07/31/fashion/31shorts.html?scp=1&sq=Shorts%20Crack%20the%20Code&st=cse

 http://www.nytimes.com/slideshow/2008/07/30/fashion/0731-SHORTS_index.html

Posted by 大沼安史 at 03:22 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-08-06

〔いんさいど世界〕 北京五輪 いよいよ開幕 仙台で国際メジャー・デビューを果たした天才ピアニスト、「ランラン」が開会式で演奏 & 検査にひっかからない走力超アップのスーパードラッグが登場

 いよいよ「北京五輪」が開幕します。世界が注目する真夏のスポーツの祭典。どんなドラマが待ち受けているのでしょう。楽しみですね。

 そこで今朝は、直前に迫った北京オリッピックをめぐる話題を2つ。

  明るい話題と、ちょっと厭な暗めの話題を1個ずつ(いすれも英紙インディペンデントの記事より)、お届けします。

 まずは、明るい方の話題から。

 開会式で、仙台ゆかりの天才・若手ピアニスト、ランラン(朗朗)さん(23歳)が記念の演奏を披露するのだそうです。

 「朗朗」とは、中国語で「輝き」の意味。
 「鳥の巣」のステージで、スタジアムのスポットライトと世界の注目を浴びながら、自慢の「真っ赤なスタインウェー」で何を弾くのか、注目されています。 

 仙台ゆかりのランランさんといいましたが、1995年、仙台で開かれた「若い音楽家のチャコフスキー国際コンクール」のピアノ部門で優勝、見事、国際メジャー・デビューを果たした人なんですね。

 当時、ランランさんは弱冠、13歳の少年。2年後、アメリカにわたり、15歳でシカゴ交響楽団と協演しました。

 でも、ランランさんに国際舞台への切符を手渡したのは、われわれ仙台でのコンクールだったわけです。

 で、ランランさんが五輪開幕式で何を演奏するかというと、たぶん、ピアノ協奏曲「黄河」になるのではないか、と見られています。

 Xian Xinghaiが1940年頃、作曲したカンタータ「黄河大合唱」をもとに、1970年頃、ピアノ協奏曲に編曲された作品。いかにも「中国のクラシック」という感じの名曲です。

 ランランさんの熱演に期待したいですね。

                     ◇

 一方、暗めの話題は、というと、ドーピング・テストにひっかからない、走力増強ドラッグがなんと2種類も出回っていて、北京五輪に影を投げかけているのだそうです。

 ドーピングでこれまで問題となっていたのは、筋肉モリモリのステロイド系ドラッグでしたが、今、問題になっているのは、ちょっと違ったタイプのドラッグです。

 その中のひとつには、「カウチ・ポテトの夢」ってあだ名がついているそうです。
 「AICAR」という、英国製のドラッグ。

 寝椅子でリラックスしながら、ポテトチップを口に放り込み、テレビなんかを楽しむ、あの「カウチ・ポテト」。そんな「体を動かさない」状態にいながら、何もしないでエクササイズでカラダを鍛える、そんな夢のドラッグなんだそうです。

 マウスによる実験では、カラダを動かさない「座ったきり」マウスに投与したところ、走るスピードがなんと44%も向上したそう。

 このドラッグ、細胞に直接命令を出し、脂肪を燃やし、血糖を下げるなどしてエネルギーの発散を促進する「効き目」があるんだそうです。

 もう1個は、アメリカで開発された「GW1516」ってドラッグ。「AICAR」と効能は同じですが、効き目はもっと凄い。

 エクササイズしているマウスより、なんと68%も走行距離をのばせるんだそうです。こっちは、マラソン向き、っていうことでしょうか?

 この2つの薬物、糖尿病などの実験治療に実際、使われているそう。合成も簡単にできるんだそうです。

 そうなると……やはり……。

 スピード社の水着だけでもやんなっちゃうのに、こんなの使って、男子100メートル、夢の8秒台へ、とか、男子マラソン、ついに1時間50分の壁、突破……なんてことになったら、厭ですよね。

 えっ、それも見てみたい……たしかに、それもその通り……なんですが―――
 

 
⇒  http://www.independent.co.uk/news/world/asia/why-chinas-first-olympic-superstar-will-be-a-pianist-called-lang-lang-882634.html

  http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-wellbeing/health-news/warning-to-beijing-olympics-over-pills-that-mimic-exercise-882608.html

Posted by 大沼安史 at 10:43 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2008-08-01

〔いんさいど世界〕 イラク戦争の真実を写す 「ファルージャ自爆テロ」の現場を撮影! フリーの写真記者 ゾラーヤ・ミラー氏 イラク米軍が取材禁止・追放処分

 米国のフリーランス・カメラマン、ゾラーヤ・ミラー氏(32歳)をご存知だろうか?
 
 インドネシア大津波など災害の現場やイラクなどの戦場に入り、撮影を続けているフリーの写真記者である。(日本にも来て、OKINAWAを撮影している)

 Zoriah(ゾラーヤ)……ファーストネームだけで呼ばれる気鋭のフォト・ジャーナリストだ。

               ◇

 その「ゾラーヤ」(以後、敬意を込めて「ゾラーヤ氏」と呼ぼう)が、イラク駐留米海兵隊から取材禁止の通告を受けていたことが、最近、分かった。

 イラクでの従軍取材は原則自由だが、「敵に攻撃の効果を知らせてしまう」という理由にもならない理由で、「追放」を言い渡されていた。

 米軍による、写真取材禁止が強化され、米国民、そして世界の人びとの目に、戦争の惨たらしい実像が届かないよう、徹底した報道管制が敷かれているのだ。かつての日本の、情報局による検閲を思わせる、厳しい報道規制である。

 アメリカのネット反戦放送局の「デモクラシーNOW」や、ニューヨーク・タイムズ紙などの報道によると、ゾラーヤ氏はことし6月26日、イラクのファルージャで、米海兵隊第3連隊に所属する「E中隊」に同行取材をしていた。

 「市議会」を取材しては、と誘われたが、パトロール部隊への同行を選んだ。そして間もなく、その市議会で爆発が起きた。

 ゾラーヤ氏もパトロール隊員とともに、現場に急行した。海兵隊員3人を含む20人が死亡した自爆テロの現場でシャッターを切った。

 身元も分からないほど、バラバラに飛散した人体の部位。下半身を吹き飛ばされた男。床に転がった手首……
 
 ゾラーヤ氏は、自爆テロのむごたらしさを記録した現場写真を、自分のウェブサイトに掲載した。
 すると、早速、イラク駐留海兵隊の司令官、ケリー少将から、取材禁止の申し渡しがあった。  

 ニューヨーク・タイムズによると、写真記者が撮影後、追放された事例は、同紙として、ほかに4件、確認しているそうだ。

 そのうちの1件は、2005年1月18日、「ゲティー・イメージ」に属するクリス・ホンドラス氏が、タル・アファールで撮影した、両親を米軍に殺されたイラクの少女が、血まみれになって泣き叫ぶ写真を撮影し、その後、米軍部隊から追い出されたケースである。
 (この少女の写真は、下記のニューヨーク・タイムズの電子版記事にも掲載されている)

 同紙によれば、イラク戦争の従軍写真取材はベトナム戦争時と比べ物にならないほど厳しく制限されており、ゾラーヤ氏に対しては、米軍は海兵隊取材ばかりか、イラク及び全世界での米軍同行取材を全面禁止する処分を行った。

 それだけ、「生写真」が出るのを恐れているのだ。

 ゾラーヤ氏はイラクを出たが、イラクで撮影した写真は、彼のウェブ・サイトに保存され、世界の人びとに目の当たりにされるのを待っている。

 まさに、百聞は一見に如かず。ゾラーヤ氏のサイトの「イラク写真館」に収録された写真の数々は、観る者に戦争の真実を告げ、戦争というものに対する態度決定を迫るものだ。 

 その中に、ちょっと変わったスナップが混じっているので、紹介しておこう。
 2007年にバグダッドで撮影した、米軍兵士のお腹の刺青の写真だ。

  “Walk peacefully on heavens streets, You’ve done your time in hell.”
 (「天国の通りを平和に歩きなよ。地獄でたっぷり時間を過ごしたんだから、さ」)

               ◇       

 ゾラーヤ氏はコロラド州デンバーの「デンバー・ヴァルドルフ」校の出身。つまり、シュタイナー教育を受けて育った人だ。

 同窓会のインタビューに、ゾローヤ氏は、こう答えていた。
 「ヴァルドルフ教育が教えてくれた重要なレッスンは、前へ進み続ければ、いつか、そこにたどり着く、ということ。途中、どこにいるか分からなくなることもあるけどね」

 イラクでの米軍同行取材を禁止されたゾローヤ氏だが、イラク及びイラク米軍に対する取材はたぶん、今後とも続行するはずだ。

 前へ進み続けて、いつか、そこにたどり着く……ゾローヤ氏のこれからの取材活動の成功と身の安全を祈ろうと思う。 
  

⇒ http://www.zoriah.net/blog/suicide-bombing-in-anbar-.html

  http://zoriahphoto.com/Iraq/iraqintro.html

  http://www.democracynow.org/2008/7/14/embedded_photojournalist_accuses_us_military_of

  http://www.nytimes.com/2008/07/26/world/middleeast/26censor.html?_r=1&scp=1&sq=Zoriah%20Miller%20&st=cse&oref=slogin

Posted by 大沼安史 at 07:09 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-07-18

〔いんさいど世界〕 大地を守れ! アメリカ先住民が「ロンゲスト・ウォーク(最長行進)Ⅱ」 「昨日」を知り、「今日」、「明日」を祈る……

 サンフランシスコからワシントンへ……アメリカの先住民たちが5ヵ月かけ、3600マイルの「最長行進(The Longest Walk)Ⅱ」を歩き切り、ゴールインした。

 1978年の第1回から数え、30年ぶりの大行進。連邦政府の条約破棄を覆した前回に対し、2回目の今回は「環境」保護を訴え、ゴミ拾いをしながら歩き通した。

 今回の「Ⅱ」は、AIM(アメリカン・インディアン運動)の指導者、デニス・バンクス氏らの呼びかけで組織された。

 出発は真冬の2月11日。サンフランシスコからスタートした行進は南北2ルートに分かれ、途中、先住民の居住地を訪問しながら、ワシントンの連邦議会に突きつける要求事項を積み上げ、7月11日、首都に到着した。

                 ☆

 デニス・バンクス氏が、ネット放送局「デモクラシーNOW」のインタビューで語ったところによると、30年ぶりの「最長行進Ⅱ」の準備に取り掛かったのは、5年前から。
 先住民の居留地でも、「地球温暖化」の影響が顕著になって来たからだという。

 「彼・彼女ら(先住民)の何人かは、泣きながら私たちに話してくれました。汚染された水がどれだけ儀式を穢し、汚染されら空気がどれだけ呼吸を損なっているかと。地球温暖化はまさに真実なのです」

 バンクス氏が辿ったのは、南ルート。コロラド川にはクロニウムが流れ込み、モジャヴェ、ワラパイ、ハヴァスパイ、ヤヴァパイ・アパッチ族の生活を危機に陥れていた。
 ナヴァホの居留区ではウラニウム鉱山が稼動し、ナヴァホ族による反対運動が起きていた。

 先住民の聖地も蹂躙されていた。ケンタッキーでは1200ヵ所の墓地に開発の波が押し寄せていた。

 デニス・バンク氏によれば、今回の「Ⅱ」にもまた、日本山妙法寺など日本から29人が参加し、「南無妙法蓮華経」を唱えながら、先住民と一緒に歩き通した。日本の先住民族であるアイヌの女性も参加したそうだ。

 行進最終日の7月11日は、数千人がワシントンで合流、コンヤース連邦議会下院議員に嘆願書を手渡した。

                 ☆

 「Ⅱ」のネットのサイトに、「行進」の意味を書いた「変化へのマニフェスト」が掲載されており、のぞいて見ると、冒頭に「祈り」が掲げられていた。

  祖父よ 今日、私たちはこれから生まれて来る世代のために祈る

  祖父よ 今日、私たちは生きとし生けるもののために祈る

  祖父よ ひとつの精霊、ひとつのからだ、ひとつの声の祖父よ 私たちはこの祈りを送る

  祖父よ 今日、私たちの祈りを聞いてほしい そうでなければ、Red Man(レッド・マン)たる私たちの明日はないかも知れない

 「明日」(未来)のための祈りを「今日」(現在)捧げる……それが先祖によって聞き入れなければ、私たちに「明日」はないかも知れない……

 ここでいう「祖父」(先祖)とはたぶん、「過去(昨日)」を指すに違いない。

 平易な言葉が、深い真実を湛えて、心を打つ。
 私たちはどれだけ「昨日(過去)」を大事にし、「明日」のため、「今日」を祈っているのだろう?

 湖畔の山上におったてた「バブルの館」に集まった、あの指導者たちの胸に、大地を歩き通した人びとの「祈り」のカケラもなかったろう。

 洞爺もまた、アイヌ・モシリであった「昨日」を、思い起こす者はなかったはずだ。

                 ☆

 デニス・バンクスさんらがコンヤース下院議員(ミシガン州選出)に嘆願書を渡した、というくだりを読んで、コンヤース議員に仮にもし、「ベンジャミン・フランクリン」の霊が乗り移っていたなら、どんな感想を持っただろう、とフト思った。

 そう、アメリカ建国の父の一人、先住民の「イロコイ共和国」の民主主義・平和連邦をモデルに、アメリカのデモクラシーを構想した、あの「ベンジャミン・フランクリン」が今、アメリカ連邦の首都、ワシントンに甦ったなら、どんな思いで先住民たちの「最長行進」を迎えていたか、と――。

 250年の時間の流れは、アメリカの自然を破壊し、大地を変え、ブッシュ政権下で遂に、昔、先住民から学んだ「民主主義」の知恵を蹂躙してしまった……。

                 ☆
 
 「昨日」に学び、「明日」のために「今日」祈る……アメリカ先住民たちの「最長行進Ⅱ」は、そのことの大切さを、踏みしめた歩数の確かさでもって、日本のわれわれにも教えているようだ。
    

⇒  http://www.longestwalk.org/

  http://www.democracynow.org/2008/7/10/longest_walk_2_thirty_years_after

Posted by 大沼安史 at 12:38 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-07-14

〔いんさいど世界〕 ミサイルか? 学校か?

 ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ニコラス・クリストフ氏が、アフガン、パキスタンで「学校」づくりを進める、アメリカ人男性のことを書いていた。

 グレグ・モーテンセンさん(51歳)。
 アフガンで医療活動と井戸掘りを続ける日本人医師、中村哲さんのような、肝っ玉の中に決意と希望を秘めた活動家である。

 クリストフ氏のコラムに導かれ、モーテンセンさんのことを少し調べた。
 そして感動し、うれしくなった。こういうアメリカ人がいる! 

 その感動は、以前、中村哲さんの活動を初めて知ったとき感じた、誇らしい思いと同じものだった。

 モーテンセンさんはアメリカはミネソタの生まれだが、間もなく両親に連れられ、アフリカのタンザニアへ。キリマンジャロが見える場所で育った。

 父親は現地にキリスト教系の病院をつくり、母親はインターナショナル・スクールを開いた。

 米陸軍の衛生兵として「冷戦」下の西ドイツに駐留。その後、アメリカに戻り、大学で神経病理学を専攻した。

 転機は妹の突然の死で始まった。1992年、モーテンセンさん、35歳の年。
 翌年、モーテンセンさんは悲しみを断ち切ろうと、世界第2の高峰、K2に、パキスタン側から登頂を試みた。

 失敗し、道に迷い、疲れ果てたモーテンセンさんがたどり着いたのは、コルフェという、イスラムの貧しい、山間の村。が、村人たちは、見ず知らずのモーテンセンさんを助けてくれたという。

 そのコルフェ村で、モーテンセンさんは、自分がなすべき「使命」に出会う。
 村には、学校の校舎はもちろん、一本の鉛筆も、一枚の紙もなく、凍てついた地面に棒で文字を刻み込む子どもたちがいた。

 元気を回復したモーテンセンさんは、村人に「学校をつくりに戻って来る」と約束して帰国。
 カリフォルニア・バークリーの救急病院で看護士として働いてお金をため、テレビのキャスターや、理解ある科学者からもらった寄付金と、自分の登山用具、マイカーを売り払った代金を足して、1万2千ドルをつくり、コルフェ村に戻って「学校」を建てた。

 村人への約束を果たしたモーテンセンさんだったが、これで終わり、ではなかった。これを手初めに、篤志家からの資金援助で「中央アジア協会」というNGO(非政府組織)を設立、アフガン、パキスタンの辺境山岳地帯を中心とした地域で、次々と「学校」を建設、その数、いまでは73校に達しているという。

 モーテンセンさんが建てている「学校」はすべて、女の子のための学校。
 「もし、男の子を教育したなら、それはその子自身の教育になる。しかし、女の子を教育すれば、村全体の教育につながる」という、アフリカの諺に学び、「女子校」づくりに専念している。

 2005年10月に大地震が起きたカシミール地方のパティカという村にも翌年9月、中国から機材・資材を運び込み、学校を建てた。学校の中庭に、地震で亡くなった村の女の子7人のお墓をつくった。

 タリバンに捕まり、8日間、拘束されたこともあるが、村の長老らがモーテンセンさんの後ろ盾になってくれた。

 中村哲さんの場合もそうだが、人道的な貢献を阻むものは、結局のところ、何もないのである。タリバンもイスラム原理主義も、たしかに「ハードル」になるものかも知れないが、飛び越えられないわけではない。

 モーテンセンさんのようなアメリカ人の存在は、他ならぬ「アメリカ」にとっても救いであり、貴重なプラスである。

 武力行使という「破壊」より、学校づくりという「建設」の方が、「地域の平和と安定」に役立つのは言うまでもない。モーテンセンさんの「貢献」によって、どれだけ「アメリカ人」の悪しきイメージが回復されていることか? 

 モーテンセンさんは「トマホーク・ミサイル1発で、学校を25校、つくることができる」と訴えている。
 
 日本の自衛隊をNATO軍に組み込み、アフガンに派兵するなんて、それこそ愚の骨頂。
 「井戸」を掘り、「医療」を施し、「学校」を建てることこそ、われわれがやらねばならぬことである。

 モーテンセンさんが本を書いているというので、読んでみたくなり、洋書屋さんに一冊、注文を入れた。

 本のタイトルは「3杯のお茶」。

 インドネシアのバリ島に伝わる諺から採ったそうだ。
 「相手と最初、飲むお茶は、他人と飲むお茶だ。2回目に飲むお茶は、大事なお客様と飲むお茶だ。3回、お茶を飲んだ相手は、もう家族である」

 モーテンセンさんはたぶん、ほんとうの「国際貢献」とは、ミサイルをぶち込むことではなく、一緒にお茶を飲みながら信頼を深めることだと訴えたくて、本のタイトルにしたのだろう。

 もしかしたら……いや、絶対に、間違いなく、モーテンセンさんは中村哲さんの「井戸掘り」の仕事を知っている!!

 知らないわけがない。だからこそ、「お茶」の諺を、わざわざ書名したのである。

 モーテンセンさんと中村哲さんの「対談」を、一度、どこかで、ぜひとも聞いてみたいものだ。
 日本の政治家たちにも是非とも聞いてもらいたいものである。   
  

⇒  http://www.gregmortenson.com/welcome.php

  http://www.gregmortenson.com/Articles/FeaturedArticles/01-13-08PhiladelphiaInquirer.htm

  http://www.nytimes.com/2008/07/13/opinion/13kristof.html?em&ex=1216094400&en=dbe49e9756ce6974&ei=5087%0A

Posted by 大沼安史 at 02:33 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-07-10

〔いんさいど世界〕 TOYAサミット 無責任の極み(サミット)で限界露呈に「大成功」  増補・訂正版

 道民がかつて「バブルの館」と呼んだ、お山の頂上、金ぴかリゾートホテルでの「G8サミット」が終わった。

 「大成功」だった!!??
 ……そう、「首脳」たちの「無力」と、「サミット」の「地上」との隔絶ぶりを満天下に曝したという意味で、史上「最高」のサミットだった。

 「標高」においても「無責任」ぶりにおいても、まさに史上「空前」のサミットだった。

 ■ 「最悪汚染男から、おサラバさ」

 英紙インディペンデントが報じたところによると、G8の首脳会議の場で、ブッシュ大統領が「これでグッドバイだ、最悪汚染男から」と、ジョークを一発、放ったという。

 「2050年まで50%削減」への「前向きな取り組み」を表明したときのことらしい。

 インディペンデント紙は「石油を寝て来たテキサス男の大統領」の口から、よもやそんな言葉が飛び出すとは、とからかっていたが、ブラックユーモアとしても気色悪い。

 「50年50%」で「最悪汚染男」の汚名が晴れると思ったら、「100%」大間違い。
 「ジョージ・ブッシュ」の名は、「石油奪取・イラク戦争男」の異名とともに、「人類最悪男列伝」の中の、輝かしいトップの座の一画を占め続けることだろう。

 ■ 「3B」仲間に「史上最悪汚職男」のレッテル

 ニューヨーク・タイムズ(電子版)に載った、ルスツ(留寿都)プレスセンター発特電の末尾についたAFP電には、正直ビックリした。

 ホワイトハウスが同行記者団に配った参考資料の中に、イタリアのベルルスコーニ首相に関する、こんな「人物紹介」が交じっていたそうだ。

 「政治汚職と悪で有名な、イタリア史上最悪の問題男」と。

 国務省あたりの内部資料がフリーパスで出ただけのことのようだが、慌てたホワイトハウスのスポークスマン氏、「明らかにミステーク、ずさんな仕事だった」と、火消しに懸命だったそう。

 それはともかく、ベルルスコーニといえば、名前の頭文字をとって「3B」と称せられる(TOYAサミットに抗議に来日した「グローバル・ジャスティス運動」の指導者、スーザン・ジョージ氏の表現)、最悪政治家トリオの重要構成員。

 その「3B」の親玉格のBUSHから(残る3人目はブレア)冷や水を浴びせかけられたベルルスコーニ首相、サミット会場では(日本のテレビ報道で見る限り)なぜか、終始、満面の笑みをたたえていた。

 ブッシュといい、ベルルスコーニといい、自国の若者を「ラカイユ(社会のクズ)」と呼んだサルコジといい、とんだ「トンデモ男」が、そろいもそろって、TOYAの山の上に登ったものだ。

 あの種の人間のことを、東北弁では「ホイド」という。「Gホイド」

  ■ 「食糧危機」尻目にグルメ大盤振る舞い

 TOYAサミットでもうひとつ、世界の失笑を買ったものがある。そう、あの「18コース」グルメ大盤振る舞い。

 食糧が世界的に高騰、飢えが進行しているにもかかわらず、「対策」を話し合うのも忘れ、美食、美酒に舌鼓を打った、あの醜態。

 カネの出所はもちろん、日本国民が納めた税金。
 その財源の中には、北九州市で老人の「生活保護」を剥ぎ取り、「オニギリ、食いたい」と叫ばせて餓死に追い込んだ「節税分」も含まれていよう。

 この「グルメ三昧」もまた、「G8」の正体を明らかにしたものとして、「歴史」に残るに違いない。

 ■ 「KY日本」、流れを読めず

 あのブッシュに「50年50%」を認めさせたと、鬼の首でもとったかのような日本政府だが、アホとしか思えない。

 「TOYAサミット」を、プラスの意味で後世に残るものにしたかったら、ホスト国=日本としては、最悪でも例の自爆カミカゼ戦術をとるべきだった。

 ブッシュのわがままを放っておき、「宣言なし」「合意なし」の「空中分解サミット」にしておけばよかったのだ。

 そうすれば、「ポスト・ブッシュ」の世界で、一から出直すことも可能だったはず……。

 ないしろ、オバマは「80%カット」を、ブッシュ後継を目指すマケインでさえ「60%カット」の公約を掲げているのだから、もっと高い場所で仕切り直しし、交渉を再開することも考えられたはずである。

 なのに、「50%」で手打ち……。

 ブッシュが悪乗りして、ジョークを飛ばしたくなった気持ちもわかる。

 ■ 年金積立金損出「5兆8000億円」の謎

 それにしても、「温暖化ガス抑止」コミットメントに、あれだけ「断固ノー」を貫いていたブッシュが、サミット会議中、一転、「まあ50%なら仕方ない。それも2050年時点でなら」と態度を変えたのは、どうしてなのか?

 朝日新聞によると、日本側の「最後のお願い」に、「ホスト国に恥をかかせるわけにもいかない」と米側が「譲歩」した、水面下の交渉があったようだが、いかにも日本の「政治部記者」の手になる「真相報道」のようで、気持ちが悪い。

 これは全くもって根拠のない話であり、まったくもって直感に基づく想像だが、疑い深い元「社会部記者」の小生としては、サミット直前に発表された「年金積立金 2007年度 5兆8000億円運用損」と関係あり、と睨んでいる。

 日本の政府当局は、ブッシュからの依頼(恫喝)を受け、恐らくは前年度の最終局面、ことしの1-3月期において、「債権証券化デリバティブ商品」の紙屑の山の買い取りを迫られたのではないか……これが、小生の元ブン屋としての「勘」である。

 日本政府は、あれだけ出血大サービスしたのだから、「50パー」ぐらい言ってくれたっていいんじゃないの(クーン、クーン、ワンワン)と迫った!!!……

 この「推論」を支える状況証拠はふたつ。

 ひとつは、1月のダボス会議で行われた、G8の秘密「債権証券化バブル崩壊対策」会議(この秘密会議については、ウォールストリート・ジャーナル紙が報じている)。

 もうひとつは、ニューヨーク・タイムズの東京特派員(経済担当)が書いた、「ドル安円高対策で日本政府にできること」という記事の内容である。
 その記事にはなんと、サブプラ組み込み「債権証券化商品」の日本政府による大量購入アイデアが書かれていた!!

 日本の現役ジャーナリストに期待したいのは、事の真相の解明である。「5兆8000億円」もの年金積立金が、投資の失敗(または覚悟の「損失補填」)で消えたのだ! 「ブッシュの押し売り」によるものなのか、ハッキリさせてほしい。

 ■ 「山頂」と「下界」と

 今回の「TOYAサミット」は、お山のサミット(頂)の「リゾートホテル」を会場としたことで、その「下界」(現実の生活世界)との隔たりを際立たせ、その点では予想を超える「大成功」だった。

 「G8」がいかに「世界の民衆」から遠い存在なのか、いかに「世界の民衆」を見下しているか、「頂上」と「裾野」の「標高差」が、その絶望的なまでの隔たりが、全てを物語った。

 これほどまで現実から離れた「別世界サミット」は史上初めてのことではないか?

 山頂でのサミットは、G8の限界をも曝け出した。

 G8だけでは最早、世界を動かせないことが、あの洞爺湖畔の山頂で明らかになった。

  そして高らかな「TOYA宣言」を合図に始まった「全世界同時株安」!!

 ふだんは熊しか出ないTOYAの山から、「不況」を連れて「ベアー」が降りて来た!!

 「視界ゼロ」の濃霧に閉ざされ、その後、晴れ間が覗いた洞爺湖の頂上からの眺めに、(もしかしたら熊の姿はあったかも知れないが)人の姿はなかったはずだ。

 世界の現実にコミットせず、世界の民衆の姿に目を向けないで来た先進国サミット。

 「TOYAサミット」が終わり、「G8」に、世界が「グッドバイ」を告げる時が来た。
   
  

⇒  http://www.independent.co.uk/news/world/politics/bush-to-g8-goodbye-from-the-worlds-biggest-polluter-863911.html

 http://www.nytimes.com/2008/07/09/science/earth/09climate.html?pagewanted=2&sq=Gay%20Stolberg&st=nyt&scp=4

http://www.democracynow.org/2008/7/9/as_global_food_crisis_tops_g8

http://www.ft.com/cms/s/0/43f7cf18-4e05-11dd-820e-000077b07658.html

Posted by 大沼安史 at 08:16 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-06-29

〔いんさいど世界〕 姿を変える変身ビル 「可変・超高層マンション」 湾岸のドバイで着工へ

 ペルシャ湾岸、アラブ首長国連邦の都市、ドバイ。
 一度だけ行ったことがあります。

 もう20年近くも前のこと。イラクのサダム・フセインが侵攻したクウェートに、バーレーン経由で現地入りしようとして失敗、仕方なくドバイまで、すごすごと引き揚げた時のことです。

 そのときですら、ドバイの繁栄ぶりはもの凄いものでした。まるで、現代建築の見本市。
 その後、海面埋め立てが進み、人工島がいくつも出来て、いまや非現実感さえ漂わせる、未来を先取りした都市へと成長しています。

 そのドバイに、超高層ビルのイメージを一新する革命的なビル(マンション)の建設が計画されているそうです。

 フィレンツェ在住、イタリアの建築家、デーヴィッド・フィシャー氏が先日、ニューヨークで記者会見して発表しました。

 その名も「ダイナミック・アーキテクチャー(動く建築)」。

 これがどういうものかというと、高さ420メートル、地上80階建て。

 ふつうのビルだと、鉄骨を組み上げ、各フロアを仕切って部屋を配置する建築法ですが、このビルはまず、ビルの芯になる巨大な円筒を建て、その周りにプレハブの「家(部屋)」を最上階から地面に向かって、1階ずつ配置して行く。

 「プレハブ」の「家」は、イタリア南部のバリの工場でつくるんだそうです。そこで内装まで仕上げ、壁に絵をかけた完成品にして、ドバイまで運んで大円筒に取り付ける。
 これだと、1階あたり1週間で出来上がるのだそうです。

 革命的なのは建築法だけではありません。大円筒の周りに取り付けられた「家」(部屋)は、各階ごと、なんと水平に、ぐるぐる、自由に動くことができる。

 フロアごと自分の住まいにしてしまえば、自分の寝室の窓から朝日を見たいなと思ったら、その寝室部分を東に向ける。「居間」から、ペルシャ湾を眺めてみたいときは、「北」向きに……。

 そんなふうに、80階の全てが、ルービック・キュービックのように、それぞれ思い思いの方向へ水平に移動することで、ビル全体の形が変わる。

 つまり、ドバイに建設予定のこの超高層ビルは、世界初の「変身するビル」になるわけです。

 もっと驚くことがあります。

 各階ごとに、大きな風車がついているんです。ふつう、風車の羽根は垂直に回転しますが、このビルのは水平に回る。ビル風をとらえて、それで風力発電し、各戸の屋根に取り付けた太陽光パネルと合わせ、エネルギーを自給するのだそうです。

 この「動くビル」、ドバイの次はモスクワで、70階建て、高さ400メートル。そのあと、摩天楼の本場、ニューヨークにも建てる計画。

 いずれ、日本にもお目見えするのでしょうが、たしかに革命的ではあるけれど、僕にはどうも、住みたいって気がしません。

 そんなに動いてどうするの?……てな感じ。

 家にいるときぐらい、動かず、じっとしていたい、「いつもの窓からの眺めと眺めていたい」と思いますが、皆さんはいかがですか???  
 

⇒  http://www.dynamicarchitecture.net/ 

http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/art-and-architecture/news/revolutionary-skyscraper-will-offer-rooms-with-a-variable-view-853536.html

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Posted by 大沼安史 at 03:26 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-06-22

〔いんさいど世界〕 「スーパーバブルが弾けている!」 ジョージ・ソロス氏 「狼少年、3度目の正直」

 世界的な投資家、ジョージ・ソロス氏が、「スーパーバブルが崩壊している」と、警報を発している。過去25年間に膨らんだ、空前の「バブル」がいま、弾け出したというのだ。

 ソロス氏は過去2度にわたり、世界経済の崩壊を予言、2回とも外したが、3度目の今回は確信を持って「叫ぶこと」が出来るそうだ。
 今度こそ、「スーパーバブル崩壊」という「ホンモノの狼」が来た、と。

 ソロス氏は、ハンガリー生まれのユダヤ人投資家。今はアメリカに住んでいる。
 子どもの頃、「ナチス・ドイツ」「ソ連」とふたつの「全体主義」を経験、英国に出て苦学したあと、投資家としてのし上がった。
 1992年には英政府を相手どって戦いを挑み、遂には英ポンドを切り下げに追い込むなど、華々しい実績を残して来た。

 ソロス氏が運営するヘッジ・ファンドの、1969年から2000年までの平均収益(リターン)は、実に30.5%。 

 そんな投資家として名を成す一方でソロス氏は、「全体主義」に反対する慈善活動を続け、旧東欧に大学を開設するなど、リベラルな「開かれた社会」づくりに富を還元している。
 氏の「開かれた社会」財団の寄付金は総額50億ドルに達するという。

 投資家としてのソロス氏は昨年(2007年)になって一線を引退するが、すぐさまその年夏、現役へ一時復帰する。

 世界経済の雲行きが怪しくなったことを察知し、自ら対策に乗り出したのだ。
 「ソロス・ファンド・マネジメント」が運営するヘッジファンドのポジションを変更、サブプライム・ローン問題が顕在化する直前、逃げ切りに成功した。おかげでソロス氏のファンドの昨年の利益は40億ドルに達し、利益率としては32%という高水準の維持に成功したという。

 新たな「ソロス伝説」が生まれたわけだ。

 そんなソロス氏が、いま世界で「スーパーバブルが崩壊し始めている」と、警告を発したのは、ことし5月のこと。
 当時は、経営破綻したウォールストリートの大手証券会社、ベア・スターンズが、巨大投資銀行、JPモルガン・チェースに「吸収」されることが決まり、サブプライム・ローン問題に端を発した「金融危機の」前途に、ようやく光明が見えて来た(と言われていた)矢先。

 そんな最中の、ソロス氏の警告(ソロス氏は同月発売の新著、『金融市場の新しい枠組み』の中で、「スーパーバブル崩壊」を指摘し、その後、欧米マスコミとのインタビューで自説を繰り返している)だけに、発言は衝撃波となって広がったが、世界経済の安泰ぶりを強調する「金融エスタブリッシュメント」からの反発もまた激しく、いまなお揺れ続けているのが現状だ。

 ソロス氏に反旗を翻してる筆頭は、ウォールストリートの「機関紙」、「ウォールストリート・ジャーナル」紙。

 6月21日の紙面で、ソロス氏とのインタビューを掲載、同氏が1987年と1998年の2回、世界経済の崩壊を予言して、いずれも外している事実を指摘、まるで今度も「外れ予言」だと言わんばかりの聞き方をしている。

 そんなインタビューアーの突っ込みを軽くいなしてソロス氏はこう語っている。

 「狼は、少年が3度、叫んだあとに来る」と。

 つまり、3度目の今回は、ホンモノの狼、ホンモノのバブル、ホンモノの世界経済の危機だと言っているのである。

 そのバブル(崩壊)の規模、危機の規模についてソロス氏は、ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビュー(新著発売前のプロモーション会見)で、77歳になる彼の人生の中で最大のものだと言っている。ソロス氏は、あの大恐慌の翌年、1930年生まれだから、大恐慌以来、最大の経済危機がいま、世界に襲いかかっている、というわけだ。

 それでは、ソロス氏がいう「スーパーバブル」とは一体何ものなのか?
 その膨れ上がった「泡」の具体的な中身は何なのか?

 この点に関し、ニューヨーク・タイムズ紙に書かれているのは2つ。
 ひとつは「住宅・住宅ローン」バブル、もうひとつは「石油バブル」。同紙によれば、ソロス氏はこの2つのバブルに言及、それが過去25年間に膨れ上がったものだと語っている。

 そう、たったそれだけ……。ソロス氏は、それしか語っていないのである。

 なぜ、たった、それだけなのか?……
 もちろん、それしか話せないだけのこと。それ以上、話せば、「崩壊」の速度を加速しかねないと心得ているからだ。

 しかし、「たったそれだけ」でも、およそのことは想像がつく。

 いま、崩壊し始めた「スーパーバブル」とは、1980年代半ば以降のマネーの奔流が四半世紀後に生み出した「債権証券化バブル」と、そのバブルから逃避したマネーが生み出した「石油バブル」の双子のバブルのことである。

 中でも親バブルの「CDO債権証券化バブル」は、62兆ドルもの「CDSデリバティブ保険」という「金融核兵器」を抱え込んでおり、破綻の連鎖反応が始まれば一気に核爆発を起こしかねない、とんでもない代物である。

 ソロス氏はそのことを臭いほど知っているから、言わずにはおれないから、投資家人生の終幕の今、オブラートに包んだ形で、敢えて発言したのだろう。

 ソロス氏はブッシュ政権の「CDO・CDS」野放し政策を批判し、オバマ氏支持を早くから明言していた人物だ。

 ことし1月、G8の中央銀行が「CDO・CDS対策秘密会」を開いたといわれる、スイス・ダボスでの「世界経済フォーラム」にも居合わせて、慌てふためく「金融エスタブリッシュメント」エリートどもの姿を冷ややかな目で眺めていたはずだ。

 こうしてみると、このダボス会議で、アメリカの記者団にソロス氏が語った「日本の非ナチ化しなければならない」との発言(本ブログ既報)は、ますます重大な意味を帯びて来る。

 「日本銀行」を、ヒトラーの「ライヒス・バンク」のように「打ち出の小槌」化し、円キャリ=ドル・ツナミを送り続けたブッシュ政権のポチどもの無節操・無責任ぶりに、たぶんソロス氏は怒って発言したのだ。

 「スーパーバブル」を極大化した責任のかなりの部分は、ブッシュ政権の言いなりになり、「格安マネー」の怒涛の出荷を続けた、日本の金融権力者にもあるだろう。

 「スーパーバブル」の崩壊がいよいよ本格化した来たら、おそらくソロス氏はもっと具体的な形で、「犯人」の名指しを始めるはず。

 ソロス氏が「3度目の正直」で呼んだ「狼」は、日本の当局者の喉笛にも食らいつこうとしている。

 
⇒ http://www.nytimes.com/2008/04/11/business/11soros.html?scp=18&sq=Soros&st=nyt#

  http://www.nytimes.com/2008/06/07/business/07oil.html?scp=8&sq=Soros&st=nyt

  http://dealbook.blogs.nytimes.com/2008/04/11/george-soros-the-face-of-a-prophet/?scp=2-b&sq=Soros&st=nyt

http://online.wsj.com/article/SB121400427331093457.html?mod=home_we_banner_left

Posted by 大沼安史 at 03:49 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-06-12

〔いんさいど世界〕 フラットな市場幾何学@AKIBA 惨劇の意味を問う

 東京・秋葉原の電気街で、日曜日の白昼、悲劇は起きた。トヨタ系自動車工場への派遣社員、加藤智大・容疑者(25歳)が歩行者天国にトラックで突っ込み、歩行者を無差別にナイフで突き刺して17人を死傷させた惨劇――。

 そこでは、あのオウムのサリン事件のような、世界の救済のために人殺しをしでかす集団倒錯はなく、孤独な一人の青年による、まるでマニュアル通り仕事をこなすような「自己=他者の破壊」の作業が、異様な集中力でもって黙々と演じられた。

 犯人の青年に、いったい何があったのか?

 動機の核にあるのは、すでにハッキリしている。「派遣労働」に伴う絶望が、青年の怒りを掻き立てた……これはもう、すでにわかっている。

 分からないのは、そうした絶望と怒りが、なぜ「AKIBA」に向かったのか、という問題である。
 なぜ、青年は「AKIBA」を目指したか?……

 わたしになりに到達した結論は、青年は「市場の原理」を、そのフラットな断面、平面の一次元において内面化させ、その限りにおいて、純粋な「自己=世界の破壊」へと突き進んだという、至極、当たり前なことである。

 別な言葉で言えば、加藤智大という若者は、労働力が「市場化」され、若者が「使い捨て」されている、日本経済(ECO)の、取り付く島も奥行きもないフラットな「現実」の中で、折り目正しく、対称的な補償行動に走っただけのことだ。

 その恐るべき「素直さ」「正直さ」に、わたしは慄然たる思いを禁じ得ない。

 自動車工場で塗装の仕事を命じられていた彼は、「解雇通知」を機に、怒りを募らせる。が、その怒りの矛先は、工場あるいは派遣会社に、ではなく、「AKIBA」に向かった。

 青年はおそらく、「生産」の現場における絶望的な自らの「生」の「対称点」を、「AKIBA」に見出したのである。「生産」から遠く離れ、しかも、その「生産」から逃れられない、「消費」の聖地でもある「AKIBA」に。

 自動車工場における「派遣労働」は、青年にとって「負の労働」でしかなく、永続する自己否定=死ぬまで続く「生の死」を意味した。対する「AKIBA」は、刹那の歓喜の連続する自己肯定=死ぬまで続く「死の生」。
 そのことを、青年は無意識にせよ、感じ取っていたのではないか。

 青年はたぶん「AKIBA」に、「自動車工場」の日常から連続する、反転してポジ化した「死」の臭いを嗅ぎ取り、その「偽装された生の謳歌」に我慢ならなかったのだ。だから静岡から高名高速で直行し、「AKIBA」の「生」の抹殺を演じた。

 「不特定」多数を狙った「無差別」殺人ではない。自動車工場における自分から見て「対称点」に群れる「特定」多数を狙った、ある意味で徹底して「平等」な殺人だった。

 「派遣労働」の地獄を許したのは、「小泉構造改革」という「政治」だったが、「AKIBA」の惨劇には、「政治的な怒り」のカケラもなかった。「労働の市場」(工場派遣)において「敗者」を自認し、絶望の人生を送ることを拒否した青年による、「消費の市場」(AKIBA)における、瞬間的な「リベンジ」、一瞬の「勝者幻想」……。

 あの殺戮はまさに、「AKIBA」という祝祭の場における、花火のような血祭り。「政治」として制度化される「他者」の存在に一切、目を向けることのない「市場原理主義」的な、生と死の秘儀だった。

 フラットで、酷薄なほど公平な、「AKIBA」というマーケット。青年はたぶん、その「市場」の評価を期待して犯行に及んだのだ。「惨劇」を「惨劇」として、エンタメとして評価の秤にかけてくれる「AKIBA」――(青年は犯行の前日、秋葉原でゲームソフトを売り、定価より高く売れたと、携帯の掲示板に書き残していた……)

 それにしてもやりきれないのは、「自己破壊」に向かって、一路、「AKIBA」に突き進む、青年の「律儀さ」である。

 まるであの「カンバン方式」のように、効率的な「工程表」の指図するまま犯行に及んだ、青年の「段取り」の確かさは異様だ。それはまるで、自動車工場での作業を、そのまま再現したようでもある。

 恐らく、それは、たとえ無意識であったにせよ、「真面目」だったというこの青年にとって、曲げてはならない、人生態度であったろう。変身すらできず……いや、変身することを拒否し、「等身大」の、いつもの自分の姿をあくまでも晒し、値踏みをしてくれといわんばかりの懸命の作業ぶりで、車に塗装でもするかのように、ナイフを突き立て、突き立て、次々に新たな血潮を噴き出させた加藤智大容疑者。

 彼にとって、「AKIBA」とは、「対極」ではなく、あくまで「対称点」でしかなかった。彼は逆方向の福井に向かい、そこでナイフを買って静岡に引き返してしまうのだが、そのままどうして、たとえば日本海沿いを列車で北上し、ふるさとの青森に戻れなかったか、残念でならない。

 (彼は福井でナイフを買った店の店員を、「いい人だった」と掲示板に書き残している。この時点ではまだ彼に、引き返すチャンスはあっただろう……。せっかく福井まで「脱走」し、「AKIBA]を「工場」の向うにある、幻想の対極=対称点としてとらえられるポイントに立てたのに、そこに踏みとどまることができず――あるいは再出発すること叶わず――つまりは「福井」を「対極」ととらえられず――、弓を振り絞るように、己という矢を放ってしまった……)

 「対極」は、ラウンドな、まるい大地を前提とし、地平の向うには何かがある。が、「対称点」は一次元の、フラットな平面における、一見、正反対の価値を持った「一点」でしかなく、そこには逃げ場も、隠れ家もない。あるのは任意の必然性だけだ。

 ナビに導きかれるまま、トラックのハンドルを握り、アクセルを踏んで、一路、東名をひた走った、解雇された派遣労働者、加藤智大容疑者。

 「AKIBA」は彼の、自らの「自己破壊者」としての「価値」を最大化する、「工場」からの線分の延長にある平面幾何学の「対称点」、フラット化した市場社会の、「消点(バニッシング・ポイント)だった。

 「対極」として用意された「ウラ=もうひとつの日本」、生を養える逃げ場、再出発の場の制度的再保証(たとえば、派遣労働者への雇用保険の適用……)――「労働」を再建する「政治」が動き出さなければ、この国は滅んでしまうだろう。

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Posted by 大沼安史 at 10:23 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2008-06-07

〔いんさいど世界〕 「オバマ」を育てた「黒毛のアン」

 写真を見たら、髪の毛が黒かった。黒褐色かも知れないと思っていたら、「raven-haired(黒髪)」と出ていた。「赤毛のアン」ならぬ「黒毛のアン」……アメリカの次期大統領(候補)、バラク・オバマのお母さんは、われわれ日本人と同じ、みどりの黒髪の持ち主だった。

 アン・ダンハムさん。
 1942年の生まれ。1995年、52歳で亡くなった。生きていれば今、65歳。
 自分より5つ年下のヒラリーを破り、民主党の大統領候補になったわが子の姿を、天国からどんな思いで見守っていることだろう。

 まさに、「この母にしてこの子あり」……。白人の母親の勇気は、自らを「黒人」という長男の挑戦心となって受け継がれている。

 アンお母さんは、カンサスからハワイへ移住した白人家具セールスマンの家に生まれた。
 ハワイ大学でケニア人留学生と出会い、18歳で結婚。その年、オバマをもうけたあと、こんどはインドネシアからの留学生と再婚。ジャカルタに渡り、一子をもうけ、ハワイに帰郷、ハワイ大学に入り直し、文化人類学のフィールドワークで、再びインドネシアへ。「村の鍛冶屋」という800頁もの大論文を書き上げて博士号を取得、ジャカルタで貧しい人びとのための「マイクロ・クジレット」事業に取り組む……

 彼女がケニア人留学生と結婚したのは、1961年のこと。当時、白人女性が黒人男性と結婚することは、(ニューヨークタイムズは「稀」なこと、と書いているが)実際はタブーに近いことだったろう。
 そんな母親を、オバマは「リベラルな1960年代の申し子」と書いている。

 再婚した母に連れられてオバマは幼少の頃の5年間をインドネシアで過ごした。現地の学校に通うオバマを、母親は毎朝4時にたたき起こし、通信教育の教材で一緒に英語を勉強したという。

 そのころ、母親は共働きで、ジャカルタのアメリカ大使館に勤務していた。「働きながら教える」教育ママ。

 そんな早朝レッスンをサボったオバマを、母親はこう言って叱りつけたそうだ。「ピクニック、やってるんじゃないんだ。このバカたれが」と。

 教育ママのお母さんは「働きながら学ぶ」人でもあった。再婚した夫との間に生まれた娘とオバマを連れてハワイに帰郷、ハワイ大学に入り直して、働きながら、子育てしながら、勉強を始めた。

 フィールドワークの場をインドネシアに定め、農村をオートバイの荷台に乗って駆け巡った。「農民の鍛冶屋」がテーマだった。

 彼女の最後の活躍の場は、ジャカルタを拠点とした、マイクロ・クレジット事業。貧しい人びとを対象にした民衆金融の普及に取り組んだ。

 ジャカルタの彼女の家は、人権活動家やコミュニティー活動家のたまり場だったという。
 コロンビア大学を出て、シカゴのスラム(サウスサイド)に入り、コミュニティー活動を始めたオバマのカラダには、そんな母親の血が流れているのだ。

 これはオバマの回想でもあり、異父妹のヌグ(9歳年下)の証言でもあるが、母親は、「正直、率直な物言い、自立した判断」を尊ぶ人だった。偉ぶった人間も大嫌い。動物が不当な扱いを見ただけで涙を流す、同情心にあふれた女性だった。
 
 ニューヨークタイムズは彼女のことを「オバマの道筋をつけた、自由な心の放浪者」と呼んだが、まさにその通り。異国の草の根に飛び込んでゆく彼女の自由闊達な行動力と、「Yes,We Can!」と叫んでホワイトハウスを目指すオバマのチャレンジ精神は、同じDNAに刻み込まれたものだろう。

 そんなアンお母さんがハワイの病院で亡くなったとき、オバマはイリノイ州の上院議員選挙戦で、彼女のそばにいることができなかった。そのことがオバマの人生最大の悔いだという。

 オバマにとって「一番大事な品」は、オアフのサウスビーチの崖で撮った写真だ。その崖の上から、インドネシアの方角目指し、太平洋に母親の遺灰を散らしたのだ。

 『Audacity of Hope』という本の中でオバマは、少年の頃の母親との思い出をいくつか綴っている。

 夕暮れ時、散歩の途中、母親に「目をつぶって」と言われて聞いた、葉ずれの音のことを。
 
 真夜中、母親に起こされ、並んで一緒に見上げた、素晴らしい月のことを。
   
 オバマは「命短し、だからこそ生きるのだ」と、どこかに書いていた。

 それは正しく「母の教え」であり、たぶん、アメリカ大統領への道をひたすら歩む、一個の異色の政治家、オバマを導くものである。

 
⇒ http://www.nytimes.com/2008/03/14/us/politics/14obama.html?_r=2&oref=slogin&oref=slogin

  http://www.time.com/time/nation/article/0,8599,1729524,00.html

Posted by 大沼安史 at 02:35 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (2)

2008-06-01

〔いんさいど世界〕 サルがマインドコントロールでロボットアームを操作 食べ物を口に BMI(脳・マシーン・インターフェース)、実用化へ一歩

 「マインドコントロール」というと、誰かに自分の心が操られてしまう感じがして、嫌な気がしてしまいますが、自分が気合を入れるだけで、たとえば機械を動かすことができる、そんな「マインドコントロール」なら、どうでしょう?

 これなら、嫌じゃありませんよね。頭の中で考えただけで、その通り、機械が動いてくれるんですから……。

 頭が考えただけで機械が動く――これって「BMI」というんだそうです。BはBrain(脳)のB、MはMachineのM、IはInterface のI。つまり、「脳・マシーン・インターフェース」。

 インターフェースって界面、二つの別々の顔(もの)をつなぐ(接続する)ことですよね。
  BMIってつまり、脳とマシーン(機械)を接続することなんです。脳が考えたことを、カラダではなく人体の外の機械に伝え、脳の指示通り、機械を動かす。

 そんなSFまがいの、夢のような実験に、アメリカの脳科学者たちが成功して、世界中の評判になっています。米紙ニューヨーク・タイムズや英紙インディペンデントなどが報道して、いっぺんに知れ渡りました。

 お猿さん2匹を使ってBMIに成功したのは、ピッツバーグ大学のアンドリュー・シュワルツ博士らのチーム。

 で、どんなBMIだったかというと、ロボットアームを使った事件だったそうです。

 お猿さんの脳の運動中枢にある、100個のニューロン(神経単位)に電極を取り付け、お猿さんの脳が出す「指示(考え)」をコンピューターが解析、その信号を、マシュマロとかフルーツといったお猿さんの好物を運ぶロボットアームに伝える仕組み。

 お猿さんの脳がちゃんと指示を出せば、ロボットアームはちゃんと口の前まで食べ物を運んでくれる仕組みです。

 お猿さんとしは、食べ物が口の前まで来たところで、(これはロボットアームではなく)自分の手で握っていたグリップを緩めると、食べ物がポーンと口の中に飛んで入る――そんなBMI実験の成功し、食事風景を撮影したビデオを公開しました。
(下記の英紙インディペンデントの記事にアクセスすると、ビデオを見ることができます)

 念力というか、マインドコントロールでロボットアームを操作し、好物をゲットする……これはもう、ものすごいことですが、このお猿さんたち、けっこう簡単に「マスター」してしまったんだそうです。

 どんなふうにして、そこまでたどりついたかというと、よくスポーツ選手(もちろん、人類の……)がする「イメージ・トレーニング」――アレなんだそうです。

 ロボットアームがこう動くと、食べ物が口の前まで来て、そのときグリップを緩めれば、おいしいものにありつけるよ、っていうことを何度もお猿さんに見せる。

 それをお猿さんが頭の中で正しく「再現」したとき出す脳の電気信号が、コンピューターを通じてロボットアームに送られ、ロボットアームが正しく動く……どうも、こういうこと、らしいんです。

 で、この実験成功が、われわれ人間にとって、どれぐらいの意味を持っているかというと、これが計り知れないぐらい大きいんだそうです。

 たとえば脊椎損傷で手足が麻痺した人がいたとします。いまのところ、介助なしにモノを動かすことはできませんが、このBMIが実用化すれば、「考えた」だけでロボットアームが、自分の手(足)になって動いてくれる。

 今回のお猿さんの実験では脳に電極をつないでいますが、脳科学者たちはシリコンのハードウエアを脳の運動中枢に植え込み、炭素のソフトウエアで動く構想を練っているそうです。

 つまり、脳の思考による遠隔操作が可能となる時代が遅かれ早かれやって来る。

 うーん、なんだか、すごいことになって来ましたね。

 で、今回、お猿さんMBIに成功した、ピッツバーグ大学のシュワルツ先生たちですが、次の目標に掲げているのが、お猿さんにロボットアームがモノをつかむ「感触」を(脳で)感じてもらうことなんだそうです。

 脳の「考え」をロボットアームに一方的に伝えるだけでなく、逆方向の信号を脳で受け取ることができるようにする。

 な~るほど、そこで「双方向性」が生まれるわけですか(?????)。

 うーん、やっぱ難しい……知ったかぶりもここまで。アタマがこんがらがって来たところで、この辺でお開きにしたいと思います。

⇒ http://www.independent.co.uk/news/science/a-small-bite-for-a-monkey-a-giant-leap-for-mankind-835851.html

http://www.independent.co.uk/news/science/bmi-the-research-that-holds-the-key-to-hope-for-millions-835850.html

  
 

Posted by 大沼安史 at 03:31 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-05-18

〔いんさいど世界〕 ミーハー的オバマ論 大統領になってほしい5つの理由

 何を隠そう、僕は(ONUMA)は、「オバマ(OBAMA)」のファンである。いわゆる「オバマ・マニア」の一人。名前のローマ字を2文字、入れ替えれば、すぐ「オバマ」になれる(?)ほど、根っからの支持者である。

 そう、「NU]と「BA]は、交換可能(?)な運命の星の下に、生まれて来た!?……

 「BA」氏が「次のアメリカ大統領」へ向け、王手をかけた。そこで、「NU」としては、59歳、チョー晩生な「ミーハー」ぶりを発揮、なぜ「BA」を「NU」が支持するか、ここでその理由を明らかにしたい。

                ◇ 

 まず、オバマ氏の「言葉力」である。「言葉力」……変な言葉(「KY」よりはまとも)だが、話す力、書く力を指す。この言葉力が彼にはある。それもハンパじゃないレベルの言葉力が……。

 「文藝春秋」6月号の「座談会」で、作家の井上ひさしさんが、オバマ氏の「言葉力」について、こんな発言をしていた。

 「この記事を読んで、オバマさんの演説はとても演劇的、物語的だと感心しました」
 「簡単な言葉を使っているといっても、小泉純一郎さんの『ワンフレーズ・ポリティックス』とは違います。小泉さんの言葉は暴力的でうしろ向きすぎます。小泉さんの『ぶっ壊す』は、今わたしたちの歩いている道を『ぶっ壊す』という感じですが、オバマさんの『チェンジ』は、歩いている道の少し先に明かりを灯して、そこまで行きたいを思わせます……」

 井上ひさしさんの指摘の通りだ。
 たとえば、オバマ氏が3月18日、「独立宣言」の地、フィラデルフィアで行った、あの名演説、「よりパーフェクトな団結を目指して(A More Perfct Union)」。

 演説は、「かの独立宣言が行われたホールは、いまわれわれがいるこの場所のすぐそば、通りの向うに立っている」と切り出し、聴衆を一気に「アメリカ史」の「物語」の中の「舞台」に引き入れて、自分たち一人ひとりが、「物語」の当事者であることに気付かせることから始まる。

 「わたしたちの前に立ちはだかる挑戦を、わたしたちは解決できないだろう……もし、わたしたちが力を合わせ、一緒に問題解決に取り組まなければ……」
 「わたしが歴史の中のこの瞬間、大統領選挙に出ようと決めたのは、そのためである……」

 演説のビデオを見て確認したが、オバマ氏は原稿を「見ないで」語り切った。原稿の文章が目の前に浮き出る装置に頼らず、最後まで言い切った。事前の発表された演説テキストとの「違い」(といっても微細なものだが)は2ヵ所だけ、1回、言い淀んだだけだった。

 演説テキストはたぶん、オバマ陣営のスピーチライターによるものだろうが(オバマ氏が自分で書いたものでないかもしれない……わたし(大沼)は、オバマ氏自身が書いた可能性が高いを見ている)、中身はオバマ氏自身が「すでに書いた」ものの集成である。

 オバマ氏は「自伝」を含め、本を2冊、それもかなりの分量のものを、政治家には珍しく、ゴーストライターなしに書き上げ、出版しているが、そこに書かれた言い回しが演説の随所に見られるのだ。

 オバマ氏の演説の力(語りかける力)は、その「書く力」によって裏打ちされている。その演説が人の心を動かすのは、その「言葉力」にある。

                ◇ 

 僕の「オバマ・ミーハー」の第2の理由は、「あれか、これか」の「2項対立」を超える柔軟な発想力である。対立しているだけでは、何の解決も生まれないし、結果として「勝者がすべてを分捕る」だけである。

 そんな「2項対立」の間に道を通していく。これはすでに紹介したことだが、オバマ氏はイリノイ州の上院議員時代、死刑制度賛成・反対派、双方から批判を浴びながら、死刑になりうる犯罪容疑者の取り調べについて、「自白」場面だけでなく、取り調べの全過程のビデオ撮影を捜査当局に義務付ける法案(捜査当局は、これに抵抗したという。日本ではこの抵抗に屈し、「自白」場面のみのビデオ撮影になった)を上程、結果的に死刑賛成・反対の両派から支持を取り付け、成立させてしまった。

 無実の人を処刑する、取り返しのつかないことだけは、とにかく避けようという現実的な知恵。
 オバマ氏は、「自白」の信憑性を裏付けるためには、取り調べの全過程に「強制」や「誘導」がなかったことを証明しなければならない、そのためには全過程をビデオに記録する必要がある、と訴え、州議会の全会一致の賛成を取り付けたのだ。

 イリノイ州では当時、地元・ノースウェスタン大学ジャーナリズム大学院のプロテス教授のチームが、「無実プロジェクト」という、冤罪の死刑囚を救出する再捜査プロジェクトに取り組み、ある年老いた黒人死刑囚のケースでは、なんと執行48時間前に救い出される、といった劇的な事態が続いていた。(この点については、宣伝めくが、拙著、『緑の日の丸』(仙台「本の森」刊、109頁以下、参照)

 このオバマ氏の「2項対立」を超えてゆくスタンスは、その先の「大所高所」からものを見、政策を構想する力(アドバテージ)を、この人に与えているようだ。

 たとえば、オバマ氏は連邦議会の上院議員として、「ハイブリッドでヘルスケアを」という法案を提出したことがある。

 この法案は、ガソリンと電気で動く「ハイブリッド車」の開発に取り組む米国の自動車メーカー(ビッグ3)に対し、連邦政府がそれを立て替える形で補助金を投入、その代わりメーカー側に退職社員への健保の維持を義務付ける法案だ。

 自動車産業の育成、環境対策、エネルギー対策に医療保障を加味する「合わせ技」。

 黒人(ケニア人=ルオ族)を父に、白人(カンサス出身)を母に持つ、いかにもオバマ氏らしい、「ハイブリッド」な発想ではある。オバマ氏はハワイの生まれだが、カリブ海の「クレオール」的な資質の持ち主らしい。

                ◇ 

 オバマ氏に対する僕の「ミーハー」支持の第3の理由は、その草の根でのコミュニティー活動の実践歴である。

 オバマ氏はコロンビア大学を卒業後、ニューヨークで、短い「エリート・サラリーマン」生活を過ごしたあと、あっさり「キャリア」を投げ捨て、シカゴのスラム、サウス・サイドに入り、下水終末処理場のあるアルトガード(ドイツ語で「古い金」)という地区を中心に、「貧困・地域崩壊」と闘うコミュニティー運動に邁進した人である。

 シカゴのスラムでオバマ氏は、さまざまな人と会話し、さまざまことを学ぶ。そして、こんな確信を深める。

 人にはそれぞれ「物語(ストーリー)」があり、それぞれの思いがある。そうした「物語」の「ユーモア」と「悲嘆」と「希望」をベースに、「われわれの家庭は、われわれのコミュニティーは、われわれの経済は」再建されなければならない、と。

 オバマ氏は、アメリカの貧困、底辺の中から生まれて来た「大統領候補」なのだ。

                ◇ 

 僕がオバマ氏を支持する第4の理由は、その「視界」の「広さ」と「高さ」である。
 子どもの頃、オバマ氏はインドネシア人と再婚した母に連れられ、一時、ジャカルタで生活したこともあるが、そうした異文化体験(後年、父親の出身地、ケニアも訪ね、親族と交流してもいる)を経ているせいか、テリトリーを自由に超えてゆく、身軽な自由さがある。

 たぶん、彼はいい意味で、恐れを知らぬ「風来坊」なのだ。あるいは、自分の中にだけ「定住」する「ノマド(遊牧の民)」。

 シカゴのスラムに「ストレンジャー(異人)」として入ったオバマ氏は、その根を下ろしつつ、東海岸、ボストンに近いハーバード大学のロースクールへ、またも「異人」として入り、法律を学ぶ。 その「最高学府」ハーバードで、有色人種初の「ジャーナル」編集長になり、アメリカのエリート層と対等の付き合いをしてゆく。
 そして、シカゴに戻って政治家となり、その傍ら、シカゴ大学ロースクールで憲法を講じる。

 越境者=オバマ氏は「分裂国家・アメリカ」の、「上」から「下」までのすべてを、知っているのである。

 この鳥瞰するような視野の広さ・高さは凄い。しかも、それが、単に「見下ろす」ものではなく、草の根の中の視点でもって、担保されている点は重要なことである。

 オバマ氏はその著書の中で、自家用ジェット機の客となって、カリフォルニアの「グーグル」本社を訪ねたときの経験を書いているが、そのあと、すぐ続けて、イリノイ西部へドライブし、閉鎖される工場の人びととの対話集会に臨んだ時の思い出を書いている。

 オバマ氏は、地上の現実(錆びた地帯)に、その上空を飛翔する、もう一つのアメリカの現実(シリコンバレー)を架橋しようとしているのだ。

 そこから彼の、「シヴィル・リバタリアン」(ニューヨーク・タイムズ)としての立場が、上記のさまざま要素と綯い交ぜになって生まれて来る。

 官僚制に頼り切る「保守的なリベラル」ではなく、あくまで「リベラル」な立場を貫きながら、制度的な改革に取り組む「革新的なリベラル」……

 「ネオ・リベ」を装った「ネオ・コン」(市場原理主義で統治の土台まで「ぶっ壊す」、右翼リバタリアン)とは違った次元で、社会経済のイノベーション(革新)に挑戦し、アメリカに新たなシヴィル・ソサエティー(市民社会)を創ってゆく「革新的なリベラル」……

 それが、たぶん、ニューヨーク。タイムズの言う「シヴィル・リバタリアン」の意味の内実であろう。

                ◇ 
 
 ぼくの「ミーハー」的支持理由の5番目、リストの最後に来るのが、オバマ氏と日本との縁である。

 ハワイでの少年時代、近くの日系人から「SASHIMI」のいいところを分けてもらった思い出。

 ケニア人の父親のアメリカの大学生時代のことを、電話で教えてくれた同窓の日系人の思い出。

 母親に連れられ、インドネシアに向かう途中、日本の鎌倉で「大仏」を訪ね、箱根の湖で「緑茶アイス」を食べた思い出……。

 オバマ氏には、日本、日本人に関する「いい思い出」が、けっこうあるのだ。

                ◇ 
 

 ぼくはオバマ氏がきっと、次の「大統領」になると確信している。

 アメリカにようやく、改革者が現れた!

 O・B・A・M・Aの5文字はぼくにとって、ミーハー的に並べ立てた、5つの「支持理由」の頭文字である。
  

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Posted by 大沼安史 at 11:26 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (3)

2008-05-09

〔いんさいど世界〕 中東に平和を 願いをペダルに込め 世界の女性たち300人が自転車ツアー

 中東に、一筋の平和の流れが……。世界各国から集まった女性サイクリストたち300人が、中東和平を求めてサイクリング・ツアーを始めたそうだ。

 ダマスカス(シリア)発、AP電(5月6日付け)を遅ればせながら読んで、すっかり嬉しくなった。

 レバノンからシリア、ヨルダンを経て、ヨルダン川西岸のパレスチナに入る12日間、銀輪の旅。

 名づけて「ペダル・フォー・ピース2008」。平和の願いをペダルに込めてひた走る女性たちの中には、われらが「大和撫子サイクリスト」も含まれているそうだ。

 英国に本拠を置く、「女性に続け(フォロー・ザ・ウイメン、FTW)」の主催。
 FTWは元航空管制官で、錯綜した状況の中で冷静さを失わず、空のトラフィックをさばいた経験のある英国人女性、デッタ・レガンさんが結成した市民団体で、この「中東和平サイクリング」を、2004年から毎年、続けて来た。

 ことしのツアーには、日本を含む世界28ヵ国から女性サイクリストが集まった。レバノンのベイルートに集合、5月3日に出発し、同14日まで、300キロを走破する。

 すでにゴラン高原などシリアを回り、今日9日はヨルダンのアンマン周辺を走っている(FTWの日程表による)。

 アンマンは丘と谷の坂の街。大変だろうなぁ~。

 AP電によれば、300人のサイクリストは、アメリカ人あり、南アフリカ人あり、トルコ人あり、イラン人ありと国際色も豊か。アラブ各国からも、もちろん参加しており、世界のさまざまな国の人びとの平和の願いが、それぞれの国の女性たちによって中東に集結、自転車の長い流れとなって、連帯と励ましの軌跡を残している。

 うーん、凄いなぁ~。凄い女性たちだなぁ~。強い女性たちだなぁ~。
 現地の人たちも、きっと勇気づけられているだろうなぁ~。

 中東和平は自転車に乗って! 
 パレスチナ、忘れまじ!

 パレスチナ問題が平和裏に解決すれば、中東を震源とする世界の混乱も収まる。そのためにも、だからこそ、平和へのペダルは、こぎ続けなければならない……

 そのことを、女性たちは、日本の私たちにも告げながら、いま中東の大地を走っている。

 アンマンから西岸のジェリコに入るのは、日曜日、11日の予定だ。
 

⇒  http://www.iht.com/articles/ap/2008/05/06/africa/ME-GEN-Syria-Cycling-for-Peace.php

 http://www.followthewomen.com/activities/pedalforpeace/2008/

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Posted by 大沼安史 at 10:35 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-04-27

〔いんさいど世界〕 動き出す?「NAU」(北米連合) 米加墨を経済統合 共通通貨は「アメロ」 EU(欧州連合)を追撃

 アメリカ、カナダ、メキシコの3ヵ国を、「NAU」(北米連合)へ経済統合する動きが加速しそうな雲行きだ。

 ドル急落の中で、「ユーロ」共通通貨とする「EU」(欧州連合)の世界の政治経済の中で影響力を増し、アメリカ、ひいては北米の存在感が弱まっていることが、その背景にある。

 「NAU」の共通通貨の名は、「アメロ」。米加墨4億5千万人のアメロ経済圏の建設する世紀のプロジェクトの構想は、再来年、2010年までに、米外交評議会から発表されそうな見通しだ。

 アメリカで「NAU」構想がマスメディアなどで語られるようになったのは、昨年暮れから。大統領選を背景に、争点のひとつとして急浮上した。

 観測筋の間で、「NAU」構想がどうやら密かに進められており、これが現実化すれば安価な労働力の流入などで、アメリカのミドルクラス(中流階級)が破壊的なダメージをこうむるのではないか、との不安が表面化、連邦議会下院でNAU阻止の決議案が提案されるなど、警戒感が広がっている。

 「NAU」をめぐる事の起こりは3年前、2005年の春に遡る。

 その年の3月、テキサス州ウェイコーで、ブッシュ米大統領とカナダのマーチン首相、メキシコのフォックス大統領が首脳会談を開き、「SSP」を創設することで合意した。

 この「SSP」とは、「セキュリティー・プロスペリティー・パートナーシップ」の略。つまり、米加墨3ヵ国が「安全保障」と「繁栄」でチームを組み、互いにパートナーとして「行政のハーモニー」に力を合わせて行く枠組みが、この「テキサス・サミット」で立ち上がったわけだ。

 そしてその2ヵ月後の同年5月、アメリカの最有力シンクタンクのひとつ、「外交評議会」(CFR)が、カナダ、メキシコのシンクタンクとの共同研究の成果を、「北アメリカ共同体の建設」という報告書にまとめ公表する。

 この報告書はテキサス・サミットの合意を踏まえ、具体的な方針を提起したもので、政権レベルの動きと明らかに連関している。「シームレスな単一市場(北米経済圏)の創設」、「資源管理」、労働力の自由な移動と管理(「北米国境パス」の創設)などが、その提言の主な中身だ。

 昨年11月以降、アメリカの再浮上した論議は、こうした3年前の動きをさらに前に進めた観測に基づく議論である。

 3年前の「SSP」あるいは「北米共同体・経済圏」創設をめぐる提案が、いまや「EU」並みの「NAU」建設論議、「ユーロ」の北米版「アメロ」導入論議に発展しているわけだ。

 もちろん、「NAU」にしても「アメロ」にしても、メディアが勝手に捏造したコンセプトではない。「SSP」合意に道筋をつけた、カナダ・バンクバーのシンクタンク、「フレーザー研究所」の1999年9月の提言、「アメロ導入論」が下地になっている。

 この提言は、「北米通貨統合」を求め、その具体的なインフラ、カレンシーとして、「北米米中央銀行」と共通通貨「アメロ」の創設を提唱している。

 こうした情勢下、CFR(米国外交評議会)では2年後の2010年を目指し、さらなる具体的な提言を行うとしているが、その中に「北米中央銀行」「ユーロ」をめぐる提言も盛り込まれそうな雰囲気だ。

 「アメロ」はすでに、非公式の銀貨、銅貨のかたちで、ウェブ・サイトを通じ、記念硬貨として売られ、出回っているとか。

 米ドル、カナダ・ドル、メキシコのペソに代わって、「アメロ」が正式通貨として流通する日も、案外、近いかも知れない。
  

⇒  http://www.boston.com/bostonglobe/ideas/articles/2007/11/25/the_amero_conspiracy/

  http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=7854

  http://www.cfr.org/publication/8102/

  http://www.fraserinstitute.org/Commerce.Web/publication_details.aspx?pubID=2512

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Posted by 大沼安史 at 05:27 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-04-14

〔いんさいど世界〕 テキサスの大平原に世界最大の「風の農場(ウィンド・ファーム)」 石油王が事業開始 100世帯分の電力を供給へ

 米テキサス州西北部で今月、世界最大の「風の農場(ウィンド・ファーム)」の建設プロジェクトが始まる。

 地元の大富豪(石油王)、T・ブーン・ピケンズ氏が一世一代の大事業に乗り出すのだ。

 「石油」から「風」へ。79歳、たたき上げのビジネスマンは、時代の風向きを敏感に嗅ぎ取り、テキサスの大平原を舞台に、風力発電の事業化に挑もうとしている。

 英紙ガーディアン、米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、「風の農場」が生まれるのは、テキサスの最深部、オクラホマ寄りに突き出たパンハンドル地域。

 プロジェクトの取っかかりとして今月、風力タービンを500基、設置して発電を始める。1基あたり、200万ドル。これを今後4年かけて、2700基まで増やす。

 風車のタワーの高さは、20階建てのビルの背丈と同じ。20万エーカーもの建設予定地に屹立する巨大な風車の群れが、大平原を渡る風をとらえ、電気に換える。

 総工費は100億ドル。発電総量は4000メガワット。100万世帯の電力をまかなうことができるそうだ。

 ピケンズ氏はアメリカでも有名な、富豪オイルマン。大恐慌下の混乱の中に生まれ、1956年、若干28歳の若さで「メサ石油」を設立。以来、石油会社の買収を繰り返し、自前のヘッジファンド(BPキャピタル・マネジメント社)を設立するなど、アメリカで117位、世界でも369位のビリオネーアまで立身出世を遂げた。

 ハリケーン「カテリーナ」の被災者を救援するなど、慈善事業にも私財を投じている、スケールの大きな人物である。

 その石油王がなぜ、今なぜ「風力発電」に関心を持ったのか?

 地球環境を守るために……といった答えを期待したいところだが、英紙ガーディアンの記者の問いに対する答えは、「金儲け」のため。

 なぜ、パンハンドル地区を選んだか、の問いに対しては、「50年もクイナ撃ちをやってるから、どこでどんな風が吹くか分かるんだ」と、軽く受け流す。

 地元にはもちろん、自分の農場もあるが、そこには風力タービンは設置しないそう。「あんなけったいなもの、気味が悪い」と言ってのける強心臓の持ち主だ。

 夢はこれだけにとどまらない。テキサスの一角、パンハンドルにつくる、この世界最大の「風の農場」は最初の一歩。北米の大平原を南北に貫く風の回廊の風力発電のタワーの大群を配し、テキサスからカリフォルニアへ、西に向かって太陽発電のパネルを並べてゆく大構想を練っているそうだ。

 アメリカの風力発電は、全発電量の約1%(450万世帯分)だが、ピケンズ氏の大風呂敷……いや大構想すれば、目下、風力発電・世界1のデンマーク並みに、20%の水準まで持ってゆくことも夢ではなさそう。 

 「ワイルド・ウエスト」(大西部)から、「ウィンド・ウエスト」(風の西部)へ。アメリカはいま、テキサスを中心に自然エネルギー大国へと変身を遂げそうな風向、風力である。 

⇒ http://www.guardian.co.uk/environment/2008/apr/14/windpower.energy/print

 http://www.nytimes.com/2008/02/23/business/23wind.html?_r=1&oref=slogin

 http://www.lubbockonline.com/stories/061407/nat_061407027.shtml

 http://www.boonepickens.com/

Posted by 大沼安史 at 10:09 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-04-08

〔いんさいど世界〕 SNIFFサービスが場所を嗅ぎつけ 携帯サービス 諸刃の剣

 「電脳世界」の発展は、基本的な矛盾をはらんでいます。つまり、「自由」と「管理」のせめぎあい。
 一方で、わたしたちが享受する「自由」(たとえば、情報をゲットする自由)が爆発的に拡大する反面、徹底的に「管理」されてしまいます(たとえば、検索の履歴分析)。
 
 そんな矛盾をあらわにする、あらたな携帯サービスが世界で始まっていて、いま注目の的です。北欧ですでに大変な人気を呼んでいるサービスだそうですが、「これはちょっと」と二の足を踏む動きも多いとか。

 今朝はそんな、携帯サービスをめぐる話題を紹介したいと思います。

 SNIFF(スニフ)って聞いたこと、あります? S(ソーシャル=社会的)N(ネットワーク)I(インテグレイティド=統合)F(フレンド=友)F(ファインダー=発見者)の略。
 SNIFFそのものの意味は、英語で「クンクン、嗅ぎつける」ってことです。

 このSNIFFサービス、アメリカの「ユースフル・ネットワーク」ってIT企業がソフトを開発したもので、いつでも、どこでも、自分の「友だち」の居場所を、地図つきで確かめることができるんだそうです。

 この「友だち」が「恋人」だったりすれば、「彼女・彼氏、いまどこにいるんだろう、気になるな?」とか、「待ち合わせ場所、間違えているんだろうか? ちょっと確かめよう」とか、いろんな使い道が出て来ますよね。

 いまのところ、北欧・スカンジナビア諸国で大流行しているそうですが、そのうち、日本でもきっと始まりますよね。

 このSNIFFってIT技術、警察の捜査用に開発、実用化されているものと同じ発想のもので、そこから「嗅ぎつける(SNIFF)」って愛称もついたわけです。

 さて、「友だち」(あるいは家族)の居場所を「嗅ぎつける」というところまでは大歓迎ですが、これが別の使われ方をすると、プライバシーがなくなってしまう。

 たとえば、だんなさんが奥さんの目を盗んで、浮気なんかしていたら大変、一発、地図つきでバレバレになっちゃうわけですね。

 まあ、この程度なら許容の範囲内かも知れませんが、企業が社員の監視に使うんじゃないか、って不安が欧米で出ているんです。

 なぜ、そこまで心配するかというと、ドイツのスーパーチェーン(世界に7000店舗も展開してるんだそうです)、「LIDL(リデル)」ってところが、探偵を雇って従業員の行動を徹底調査していたことが明るみに出て、たいへんな騒ぎになっているからです。
 トイレに行った回数までチェックしてたっていいますから、すごいですね。

 そんなところへ、この「SNIFF」が使われたら、これはもう息が詰まってしまいますよね。

 このSNIFFってサービス、もちろん当事者の合意が必要ですが、社員ってそんなに強い立場にありませんから、最終的にはきっと「わかりました」って言ってしまうかも知れませんね。

 SNIFFはこのように「諸刃の剣」になりうるものですが、旅先で道に迷ったときなんか、威力を発揮して助けてくれるんだそうです。
 「自分の居場所」を「嗅ぎつけ」てもらうわけですね。自分がいまどこにいるのか、地図つきですぐわかる。

 進化し続ける「電脳世界」……次はどんなサービスが飛び出すことでしょう。 

Posted by 大沼安史 at 10:38 午前 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-03-31

〔いんさいど世界〕 アジアで米不足 深刻化 日本 「農業安保」強化の必要性

 アジアで米不足が深刻化している。タイではこの3ヵ月間に価格が倍近くに高騰、「ドロボー狩り」さえ横行する事態になっている。カンボジアのように米の輸出を禁止する国も出て来た。

 「毒ギョーザ」問題で、度を越した「食の海外依存」ぶりがあらわになった、瑞穂の国=日本。「米」をはじめとする「農業安保」の強化が求められている。

 英紙ガーディアン、タイムズ紙の報道によると、アジアの米需給がこれまでになく逼迫している。域内における人口増に伴う需要の増大、インド、中国における開発に伴う農地つぶし、異常気象、産油国などによる買い占めなど、さまざまな要因が重なり合い、「米不足」が増幅している。

 カンボジアでは先週末、米を輸出を向う2ヵ月間、全面禁輸することを決めた。自国の「食料安保(フード・セキュリティー)」を守るための措置である。米の輸出禁止は、中東のエジプトに始まった動きで、アジアに波及したかたちだ。

 サイクロン被害に続く旱魃にあえぐバングラデシュ。国民の4割が貧困線以下の極貧生活にあえぐこの国でも食糧難で価格が高騰し、3月半ば、世界銀行が隣国のインド政府に米を融通するよう働きかけたが、拒絶された。
 インド自体、2006年に食料輸入国に転落、輸出どころか関税を下げてでも輸入を拡大しなければならない立場に追い込まれているのだ。

 フィリピンのアヨロ大統領はベトナムに対して、ことし、150万トンの輸出枠を守ってくれるよう懇願した。
 その頼みのベトナムもついこの間(3月28日)、輸出の2割削減を決定する事態に追い込まれている。
 
 こうした中、世界最大の米の輸出国、タイでは価格が高騰、ことし1月、トンあたり400ドルだたったのが、同760ドルに跳ね上がっている。
 こうした中で、他人の稲を勝手に刈り取る「稲ドロボー」が横行、ショットガンで自衛する状況さえ生まれている。
 米はいまや、まさに「黄金の稲穂」になっているのだ。

 タイの米の輸出先で最も多いのは、アフリカのナイジェリアで、全輸出に占めるシャアは40%。ナイジェリアは産油国だから、お金があるので買い込むことができるわけだ。

 同じ、米輸出国、インドネシアでは値上げに抗議する暴動さえ起きている。

 米農務省によると、世界的な米の備蓄はことし(2008年)、7000万トンに落ち込むという。8年前、2000年の半分という低い水準だ。

 米の世界価格も今後、さらなる高騰が見込まれ、トンあたり1000ドルの大台に乗ることも時間の問題になって来たようだ。

 田植えへと続く、われらが宮城のオラが春……。異常気象で外米を緊急輸入する、20年ほど前にあった悪夢の再来しないことを祈りつつ、わが国の「農業安保」の強化を願わないわけにはいかない。
 「道路(ロード)」より「米(ライス)」、「イージス艦」より「稲狩り」の方が死活的に重要である。
 

⇒  http://www.guardian.co.uk/world/2008/mar/31/thailand.food
     http://business.timesonline.co.uk/tol/business/industry_sectors/consumer_goods/article3613071.ece

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Posted by 大沼安史 at 09:50 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (0)

2008-03-24

 〔いんさいど世界〕 チベットからの流れ……「三峡ダム」に点った「環境惨事」の赤信号 最後の秘境、「怒江」でダム開発始動の動き

 中国政府の支配に反発する「暴動」の勃発で、「チベット」にいま、世界の目が注がれています。ヒマラヤ山脈の向こう側のチベットに、世界の人びとの注目が集まっている。
 考えてみればチベットって、凄いところなんですね。だって、インド亜大陸とユーラシア大陸がぶつかって、できたところだもの……。
 実はこのチベット、大河の発する水源なのですね。中国の「長江」も、チベット高原から流れ出す。チベット高原の水は「怒江」となって、中国・雲南省から南下し、インド洋に注ぎ込んでもいる。
 ヒマラヤ山脈を分水嶺とした、北側(つまりチベット高原)の水は、東南アジア最大の水資源なんですね。
 で、今日は、その「チベットからの流れ」にまつわる話を二つ。いずれも「ダム」をめぐる、知られざる大ニュースです。
 ひとつは、長江の有名な「三峡ダム」。中国政府が威信をかけ、15年がかりで建設工事を進めたもので、ダム湖の全長は600キロに及ぶ、いわば治水版の万里の長城。

 「三峡ダム」はあの毛沢東も夢見た一大国家プロジェクト。それだけに中国政府としても鼻高々だったのでしょう。現地に招いた外国メディアの記者たちに、「三峡ダム、10の世界一」というリストを配ったそうです。
 リストの最初に書かれていたのは、もちろん「三峡ダムは世界最大のダムです」で、それに続いて「世界最大の発電所」「世界最大の建築資材使用」といった項目が並んでいたそうですが、ご丁寧にも最後の「10項目」目に、「113万人」という「世界最大の移転住民数」が書かれていたそうです……。うーん、そこまで書くのか、って感じ、ですよね。
 ま、それはともかく、日本ではあまり知られていないようですが、いま「環境災害」の危機を蓄積しつつあるのだそうです。
 英紙フィナンシャル・タイムズの報道(昨年9月)によれば、中国政府の当局者自体が認めている。
 で、どんな問題が起きているかというと、ひとつは「沈泥」です。ダムができれ流れがせき止られたために上流の流速が、以前の秒速2メートルから同20センチへと、10分の1にも鈍化してしまった。
 おかげで土砂の堆積が進み、水深が浅くなって、船が通行不能になる場所も出ているそうです。
 もうひとつの問題は、「貯水汚染」です。有害物質を使用していた工場が多数水没しているほか、重慶といった都市の廃水が流れ込んで、有毒化・富栄養化が進んでいる。日本の沿海でクラゲが大量発生しているのは、「三峡ダム」のせいだ、という見方も出ているほどです。
 最悪の事態として考えられているのは(考えたくもないことですが……)、地震の直撃です。「三峡ダム」が地震で倒壊したらどうなるのか……。考えたくもないことですね。
 とにかく、この「三峡ダム」、もう出来上がってしまったので、原状回復は望めませんが、チベット発の流れで、もうひとつ、世界の環境団体が注目している「怒江」に関しては、まだ着工に至っていないので、これは何とかなるかも知れません。
 「怒江」(ぬこう・ヌジング・サルウィン)って、知らない川ですよね。でも、ビルマを経由してインド洋に注ぐこの川でも、中国政府が雲南省内の流れに、ダムを13個もつくる計画を立てています。
 この「怒江ダム」の建設計画が持ち上がったとき、世界の環境団体は猛反発しました。

 で、中国政府も、そんな国際世論に配慮して、「計画凍結」を発表していた……。
 ところが、最近になって、開発開始に向けた動きが一部で報じられ出した(香港の英字紙や中国の経済紙などが報じているそうです)……表面ではまだ「計画凍結」ですが、現地では着工への動きが進んでいるようなのです。
 これが明るみにでると、これは大変なことになります。
 
 怒江流域って貴重な生物資源でも有名ですが、独自を文化を育んできた少数民族が暮らす場所なんですね。
 このまま開発を進めてゆくと、「自然破壊」ばかりか、ダライ・ラマの言う「文化殺戮(カルチュラル・ホロコースト)」が起きてしまう。
 「三峡」「怒江……チベットからのふたつの流れは、ひとり中国だけの問題としてではなく、「開発」とは何か、どうあるべきか、「経済発展」とは何か、どうあるべきか、世界の人びとに(わたしたちに)問題を突きつけています。

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Posted by 大沼安史 at 12:08 午後 1.いんさいど世界 | | トラックバック (1)

2008-03-17

〔いんさいど世界〕 中国の国威発揚策 「聖火エベレスト登頂」に暗雲 「北京五輪」で勢いづくチベット独立運動

 チベット独立運動が再燃しました。中国政府の支配に抗して立ち上がったのは、ビルマ同様、ここでも仏教の僧侶たち。赤い僧衣の列がチベットの都、ラサの市街を行進し、国際社会に「支援」を訴えました。

 デモの模様は、さっそくビデオ映像で世界に流れました。なかでも市民の「携帯」が威力を発揮したようです。ビルマ(ミャンマー)同様、インターネットが現地の模様を全世界に伝えました。

 チベットでは1989年にも独立運動が盛り上がったのですが、そのときと今とで違うのは、このインターネットの有無。この新しいメディアが、旧来の戒律に生きるチベット仏教僧らの運動を世界に報じた!

 中国政府は国内の民主化運動などの動きを警戒し、インターネット規制を強めていますが、その網の目をかいくぐって、チベット(の民衆)発の映像が一瞬のうちに、国外に出た……
 
 出たら最後、もう止められません。英紙ガーディアンなど欧米の有力メディアはこぞって電子版に「ビデオ・クリップ」を掲載、僧や民衆のプロテストと、それに対する中国官憲の弾圧の模様を報じています。

 チベットの独立運動にとっても、インターネットは「追い風」になっているわけですね。

 今回、チベ